56 / 78
56話 緊急招集
しおりを挟む
「アマディアス様」
「ああ、戻りましたね。それで向こうの様子は?」
「アマディアス様のおっしゃっていた事が起こりました」
「……やはりそうでしたか」
「いかがいたしましょうか? 今すぐ我々が行き、対処する事は可能ですが……」
「おや、何か他に問題が?」
「巻き込まれたのは、あのウォットの群れのようで。ウォットは変わってしまった仲間を救うために、かなりの力を使い」
「……呪いを受けましたか」
「はい」
「まったく奴らの馬鹿な考えのせいで、関係ないもの達の命が消えていく。それでウォットは保ちそうですか?」
「今のところはなんとか。ですがこれ以上仲間が他に呪いを振り撒くようであれば、命をかけ止めようと。それと共に、奴らも消す考えのようで」
「今からだったら、ウォットの方は間に合うか」
「はい。それと彼の群れはすでに移動をしていて、子供達は皆無事です。また、他の街や村にはまだ被害は出ておりません」
「これを考えたのは、あの馬鹿で間違いありませんね?」
「はい。奴には今、アナベルがついております。動き出し次第すぐに連絡が」
「あの馬鹿と同じ考えの者達が、アレのせいで消えようが、私にはどうでも良い事ですが。他の無関係の子供達や人々、魔獣達が巻き込まれるのは問題ですね。あの脳筋馬鹿には?」
「ノーマンが報告に」
「分かりました、あなたはこのまま待機していてください。私はこれから皆にこの話しを」
「はっ!!」
***************************
「これは一体?」
『この前からずっとこの調子なんです』
「ウッサー達が訓練をしている姿は、初めて見るのう」
『いつまで続けるのか。まぁ、本人達が良いのなら良いんですけどね。もしこらから外で暮らす事になっても、強ければそれだけ生活は楽でしょうから』
「ふむ、ではワシも何か教えるかの」
なぜに!? 師匠もか! なんて心の中でツッコミを入れる俺。俺は家にお茶を飲みに来た師匠に、アクアとリルとウッサー達の訓練を見せていた。そうしたら何故か師匠もやる気に。
『あのウッサーとあっちのウッサーは、魔法の適性がある。そに他にも魔法を使えそうなウッサー達がおるからの。もし良かったら教えてやろう』
……ウッサー軍隊でも作るつもりか!! このままどんどん強くなったら、目覚まし鳥達みたいに、第2の危険な集団ができてしまうかもしれない。
「面白いことをしていますね」
『わあぁぁぁっ!?』
と、そんな話しをしている時だった。突然俺の真後ろからアマディアスさんの声が聞こえて、俺は驚きの声をあげてしまったよ。
『アマディアスさん!! 気配をまったく消して、後ろから話しかけないでください!!』
「おや、今のに気づきませんでしたか? ふむ、私達の訓練を受けたあなたが、今の私の気配に気づかないとは。アクアとリルと共に、なぜウッサー達があの様のことをしているのか分かりませんが。あなたにもまた訓練が必要でしょうか」
『アマディアスさんや師匠が本気で気配を消せば、いくら能力が高い人でも、そう簡単に気づけませんよ!!』
「いえ、あなたならできるはずです。この事については後で話し合いましょう。今日は他の大切な話しがありますので。少々面倒な大切な話しが」
まったく、みんなのせいで、俺は余計な事に巻き込まれそうだよ。
ん? 少々面倒? アマディアスさんがそんな事を言うのは珍しいな。いや、ジェラルドさんの時はいつも面倒って言ってるか? それから脳筋馬鹿って言ってるけど。でもそれなら『大切な』なんて言わないだろうし。何かあったのか?
「先に謝りますね。すみません。あなたに話す前に、あなたの家へ集まるよう、皆に声をかけて来ました。ですのでこれからすぐ、ここへ皆が集まって来ます」
『ここへですか? 別に構いませんが。……何か問題が』
「いえ、私達にとっては大した問題ではありません。ですが他が巻き込まれる可能性が大きいので、その対策をしようかと。特に子供達が巻き込まれては困ります。首謀者達がそれでどうなろうと構いませんが、もし生き残るようであれば、消せば良い事ですし」
「やはり面倒なことをしとったか?」
「ええ。この前ここへ来た面倒な虫が」
消す……か。あ~、これは本当に何かあったな。俺はすぐにアクア達に訓練を止めさせ、これから人が集まるから、静かにしているように言うと、すぐに準備を始めた。
大体の人数を聞き、全員が入れる部屋にテーブルを用意。他にも紅茶の用意や、カップやお菓子の準備もする。話しが長引く場合、必要だろうから。
が、ここで、まさかの事態が。アクアとリルはこういう時、準備の手伝いをしてくれるんだけど。ウッサー達まで手伝いをしてくれたんだよ。なんでその姿で動けるんだ? 可愛いけどさ。
じゃなくて、どうしてその動きができるのか、いつ手伝いをいつ覚えたのか。聞きたかったが、今は準備が先だから、後でゆっくり聞く事に。
ただ、みんなが手伝ってくれたおかげで、すぐに準備を終わらせる事ができた。そして準備が終わって10分後。
俺の家には、師匠とアマディアスさんと、その側近のトレントン達。ジェラルドさんと、ジュラルドさんの勇者仲間のノーマン達。カルロスさんにローゼンベルトさん。他にもこの街を守っている主要メンバーが集まった。
「ああ、戻りましたね。それで向こうの様子は?」
「アマディアス様のおっしゃっていた事が起こりました」
「……やはりそうでしたか」
「いかがいたしましょうか? 今すぐ我々が行き、対処する事は可能ですが……」
「おや、何か他に問題が?」
「巻き込まれたのは、あのウォットの群れのようで。ウォットは変わってしまった仲間を救うために、かなりの力を使い」
「……呪いを受けましたか」
「はい」
「まったく奴らの馬鹿な考えのせいで、関係ないもの達の命が消えていく。それでウォットは保ちそうですか?」
「今のところはなんとか。ですがこれ以上仲間が他に呪いを振り撒くようであれば、命をかけ止めようと。それと共に、奴らも消す考えのようで」
「今からだったら、ウォットの方は間に合うか」
「はい。それと彼の群れはすでに移動をしていて、子供達は皆無事です。また、他の街や村にはまだ被害は出ておりません」
「これを考えたのは、あの馬鹿で間違いありませんね?」
「はい。奴には今、アナベルがついております。動き出し次第すぐに連絡が」
「あの馬鹿と同じ考えの者達が、アレのせいで消えようが、私にはどうでも良い事ですが。他の無関係の子供達や人々、魔獣達が巻き込まれるのは問題ですね。あの脳筋馬鹿には?」
「ノーマンが報告に」
「分かりました、あなたはこのまま待機していてください。私はこれから皆にこの話しを」
「はっ!!」
***************************
「これは一体?」
『この前からずっとこの調子なんです』
「ウッサー達が訓練をしている姿は、初めて見るのう」
『いつまで続けるのか。まぁ、本人達が良いのなら良いんですけどね。もしこらから外で暮らす事になっても、強ければそれだけ生活は楽でしょうから』
「ふむ、ではワシも何か教えるかの」
なぜに!? 師匠もか! なんて心の中でツッコミを入れる俺。俺は家にお茶を飲みに来た師匠に、アクアとリルとウッサー達の訓練を見せていた。そうしたら何故か師匠もやる気に。
『あのウッサーとあっちのウッサーは、魔法の適性がある。そに他にも魔法を使えそうなウッサー達がおるからの。もし良かったら教えてやろう』
……ウッサー軍隊でも作るつもりか!! このままどんどん強くなったら、目覚まし鳥達みたいに、第2の危険な集団ができてしまうかもしれない。
「面白いことをしていますね」
『わあぁぁぁっ!?』
と、そんな話しをしている時だった。突然俺の真後ろからアマディアスさんの声が聞こえて、俺は驚きの声をあげてしまったよ。
『アマディアスさん!! 気配をまったく消して、後ろから話しかけないでください!!』
「おや、今のに気づきませんでしたか? ふむ、私達の訓練を受けたあなたが、今の私の気配に気づかないとは。アクアとリルと共に、なぜウッサー達があの様のことをしているのか分かりませんが。あなたにもまた訓練が必要でしょうか」
『アマディアスさんや師匠が本気で気配を消せば、いくら能力が高い人でも、そう簡単に気づけませんよ!!』
「いえ、あなたならできるはずです。この事については後で話し合いましょう。今日は他の大切な話しがありますので。少々面倒な大切な話しが」
まったく、みんなのせいで、俺は余計な事に巻き込まれそうだよ。
ん? 少々面倒? アマディアスさんがそんな事を言うのは珍しいな。いや、ジェラルドさんの時はいつも面倒って言ってるか? それから脳筋馬鹿って言ってるけど。でもそれなら『大切な』なんて言わないだろうし。何かあったのか?
「先に謝りますね。すみません。あなたに話す前に、あなたの家へ集まるよう、皆に声をかけて来ました。ですのでこれからすぐ、ここへ皆が集まって来ます」
『ここへですか? 別に構いませんが。……何か問題が』
「いえ、私達にとっては大した問題ではありません。ですが他が巻き込まれる可能性が大きいので、その対策をしようかと。特に子供達が巻き込まれては困ります。首謀者達がそれでどうなろうと構いませんが、もし生き残るようであれば、消せば良い事ですし」
「やはり面倒なことをしとったか?」
「ええ。この前ここへ来た面倒な虫が」
消す……か。あ~、これは本当に何かあったな。俺はすぐにアクア達に訓練を止めさせ、これから人が集まるから、静かにしているように言うと、すぐに準備を始めた。
大体の人数を聞き、全員が入れる部屋にテーブルを用意。他にも紅茶の用意や、カップやお菓子の準備もする。話しが長引く場合、必要だろうから。
が、ここで、まさかの事態が。アクアとリルはこういう時、準備の手伝いをしてくれるんだけど。ウッサー達まで手伝いをしてくれたんだよ。なんでその姿で動けるんだ? 可愛いけどさ。
じゃなくて、どうしてその動きができるのか、いつ手伝いをいつ覚えたのか。聞きたかったが、今は準備が先だから、後でゆっくり聞く事に。
ただ、みんなが手伝ってくれたおかげで、すぐに準備を終わらせる事ができた。そして準備が終わって10分後。
俺の家には、師匠とアマディアスさんと、その側近のトレントン達。ジェラルドさんと、ジュラルドさんの勇者仲間のノーマン達。カルロスさんにローゼンベルトさん。他にもこの街を守っている主要メンバーが集まった。
10
あなたにおすすめの小説
帰還勇者の盲愛生活〜異世界で失った仲間たちが現代で蘇り、俺を甘やかしてくる~
キョウキョウ
ファンタジー
普通の会社員だった佐藤隼人(さとうはやと)は、ある日突然異世界に招かれる。
異世界で勇者として10年間を旅して過ごしながら魔王との戦いに決着をつけた隼人。
役目を終えて、彼は異世界に旅立った直後の現代に戻ってきた。
隼人の意識では10年間という月日が流れていたが、こちらでは一瞬の出来事だった。
戻ってきたと実感した直後、彼の体に激痛が走る。
異世界での経験と成長が現代の体に統合される過程で、隼人は1ヶ月間寝込むことに。
まるで生まれ変わるかのような激しい体の変化が続き、思うように動けなくなった。
ようやく落ち着いた頃には無断欠勤により会社をクビになり、それを知った恋人から別れを告げられる。
それでも隼人は現代に戻ってきて、生きられることに感謝する。
次の仕事を見つけて、新しい生活を始めようと前向きになった矢先、とある人物が部屋を訪ねてくる。
その人物とは、異世界で戦友だった者の名を口にする女子高生だった。
「ハヤト様。私たちの世界を救ってくれて、本当にありがとう。今度は、私たちがあなたのことを幸せにします!」
※カクヨムにも掲載中です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる