虐げられ無能令嬢、優しい家族に囲まれて幸せ森暮らしを始めます

ありぽん

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1話 嬉しい訪問者と面倒な人々

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 そろそろ来る? いつも通りならそろそろなんだけど。あっ!! 今日も来てくれた!! 良かったぁ。私は嬉しくてすぐに挨拶をした。こんな汚い場所に遊びに来てくれる、私の大切な友達に。

「こんちゃ!」

『ほら、カティア。静かにしないとだめだよ』

「あっ、ごめんなちゃい」

 嬉しくて、大きな声を出しちゃった。危ない危ない。

『僕達もカティアと会えて、遊べて嬉しいけど、でも気をつけないとね』

「うん」

『そっちの見張は良い? ……うん! よし、今日の見張りの子達はしっかり位置に着いたみたい』

「いちゅも、ごめんしゃい」

『良いんだよ。だってカティアと僕達のためだもん。さ、今日は何して遊ぼうか。おもちゃはいつも通り、全部僕達が片付けて持って帰るから、安心してね』

『カティア、おままごとする?』

『それ、お前がやりたいだけじゃないのか? 昨日からずっと言ってただろう』

『違うわよ。確かに話していたけど、私はちゃんとカティアのことを考えて言ってるのよ。この前、中途半端で終わっちゃったでしょう? 残念そうにしてたから、今日もまたやりたいはずって思ったのよ』

『そうだよ、それだよ。あんまりあげちゃうと気づかれちゃうから、ご飯も元気になる魔法も、ちょっとになっちゃうけど。先におままごとじゃなくて、本当のご飯にしなくちゃ』

 私の前に、友達が魔法で木の実を出してくれたから、それにお礼を言って、私はすぐにその木の実を食べ始めた。そして私が食べている間に、友達は数匹で、私を元気にしてくれる魔法もかけてくれて。

 そうしてお腹も元気も少し回復したら、次はみんなで、私がやりたいはずってことにして、リクエストされたおままごとで一緒に遊ぶ事にしたよ。

 でもせっかくおままごとが盛り上がり始めた頃。

『大変!! ここに向かってるみたい!!』

『急いで帰らないと!!』

 いやね、もう楽しい時間は終わりみたい。今日はいつもより、ここに来るのが早いんじゃない? いつもみたいに来なくても良いのに。

『みんな片付けて!! ……よし、何も残ってないね。カティア、今日はもう帰るね。また遊びに来るよ』

「うん!! みにゃも、きをちゅける!!」

『カティアもね。じゃあまた明日!!』

『バイバイ!!』

 そう言って、急いで帰って行く私の友達。その数分後、私の住んでいる所へメイドがやって来た。

「フンッ!! ほら変えの水だよ!! 水を飲みたきゃ勝手に飲みな!!」

 バンッ!! と置かれた木のバケツから、置いた時の勢いで水が飛び散る。でもメイドは何も気にせず、もう1度フンッとすると、サッサと部屋から出て行った。

 その後も交代で、メイド達は私の住んでいる所に来ては、最低限の仕事だけをこなし、私を睨みつけながら屋敷へと戻っていく。時々、なんで私がこっちに来ないといけないによ、なんて文句を言いながらね。

 メイド達は、屋敷の裏に建てられた小屋。私はその小屋の屋根裏部屋で暮らしているんだけど。この屋根裏部屋と屋敷を行き来していて。そして、世話をする相手が私だから、文句を言っているの。

 まぁ、それはいつもの事だから良いんだけど。それにしても、今日はやたらここに来るわね。いつもだったらほとんど来ないのに。それになんか向こう、屋敷全体がざわざわしている気がするんだよね。

 何かあった? でも何があったか知らないけど、私には関係ないはずなのに。もう少しみんなと居たかったけれど、これじゃあ無理だったわね。それにそろそろ、お母様が私に文句を言いに来る時間だ。いつも通りなら。

 そんなことを考えていると、ただでさえ外と屋敷の中がざわついているのに、小屋の外がさらにざわついて。ドアを勢いよく開ける音が聞こえた後、金切り声で私を呼ぶお母様の声が聞こえた。

「カティア!! 降りてきなさい!!」

 またお母様の、長い文句を聞いて、叩かれなくちゃいけないのか。面倒だなぁ。早く大きくなって、こんな家出て行きたいよ。向こうだって、私をどうにかしたいとそう思っているんだし。

 ……はぁ、せっかく生まれ変わったのに、どうして私は、こんな最悪な生活を送っているのかしら。

「カティア!!」

「……あい!!」

 はいはい、今行きますよ、行けば良いんでしょう。私は面倒だったけど返事をして、階段をゆっくりゆっくり下り始めた。
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