もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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400子ペガサスがお泊まりする理由

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『それでこれからの事だが、私もずっと森を留守にするわけにはいかないからな』

「じょろ、あちょ、しゅ?」

 今のはね、泥遊びする?って聞いたの。

『ボク、泥遊び好き。バシャンって飛び込むの好きだよ』

『でも、泥団子はできないよね?』

『う~ん、多分? でも手をこうして…』

 子ペガサスさんが土をこねこねする仕草をします。

『キノコの里の者達に、移動キノコを使う事を許してもらえてな。時々はそれを使い…』

「あにょう、にゃあ、ちいにょ、りゅよ!」

 今のは、あのね美味しい花があるよって言ったの。

『美味しい花?』

『キッツーも大好きなんだな!』

『ホミュちゃんもすきなのぉ!』

『…お前達、話しを聞いているか?』

「『『『う?』』』」

 一斉にみんながグッシーとシューの方を見ます。ビクッとするグッシー達。話し? 聞いてるよ聞いてる。えっと、クルドくんのお家に何かをお願いしたんでしょう? それでそれを使って行ったり来たり?

『それは聞いているのかいないのか。聞いていないだろうな。はぁ、遊べて嬉しいのは分かるが、お前達にする話しはすぐに終わるから、少し静かに…』

『お家の中にも、いっぱいおもちゃがあるんだよ!』

『お兄ちゃんが作ってくれた、とっても大切なおもちゃもあるの!』

「ちゃのぉ!!」

『まったく…。お前達ほんの少しで良い、話すのをやめろ!!』

 グッシーの声にまた一斉に振り向く僕達。そしてまた少しだけビクッとするグッシー。グッシーだけじゃなくて、ドラックパパ達もビクッとして。何でビクッとするの? ん?

『全員で同じ表情で、真顔で一斉に見られると、なかなかの迫力だな…。まぁ、それは良いのだが。ジョーディ、皆も。嬉しいのは分かるが、少しだけ話しを聞いてくれ。お前達への話しはすぐに終わるから、それからならばもう遊んで良い』

 そう? みんなが手で口を塞いだから、僕も真似して口を塞いで。お父さんが困った顔で笑ってました。

 僕達が静かになって、また話しを始めるシュー。シューは森を守らないといけないから、ずっと僕のお家にはいられません。それにグッシー達みたいに、森の見回りもしなくちゃいけなくて。アンデットの事もあるしね。

 毎回僕のお家まで移動するのは面倒でしょう? それにそれだけ他の森の上を、子ペガサスはシューに乗って移動しているとはいえ、他の魔獣さん達、怖い魔獣さん達は何処にでもいるから、そういう魔獣さん達に襲われたり。
 あとは人間にも、色々と悪いことを考える人はいてその人達に、まだ力のない子ペガサスが襲われたら大変です。

 クルド君のお家に、移動キノコを使いう許可をもらったけど、自由に移動できるのはキノコさん達だけ。特別な粉を使えばシューも自由に移動キノコを使えるけど。その粉は無限じゃないから。その粉が溜まるのに、結構時間がかかるんだって。だから何回も移動キノコは使えません。

 そうなると、僕のお家にずっと居た方が安全です。お勉強する時はシューが、見回りも兼ねて飛んできたり、移動キノコで来たりすれば良いし。子ペガサスもずっと離れ離れだと寂しいけど、いつでも来てくれるなら大丈夫だって。

 という話しを、この前しにきてたんだよ。色々と予定外はあったけど。う~ん、あの時子ペガサスがいなくて良かったぁ。だって初めて僕のお家に来て、初めて見るのがあの時のベル達だったら? それからとっても怖いママでしょう。
 お家怖いって、お泊まりどころか、もう来てくれなかったかも。うんうん、良かった良かった。

 そうだ! お話が終わったら遊んで良いって言ってたよね。最初にママやベル達のお話しをしよう。パパやお兄ちゃん達が怒られて、怖いママやベル達、レスターを見たら大変だもん。本当はとっても優しいママ達、怖い人なんて思って欲しくない。

『さぁ、これが最後の話になるのだが。息子にはまだ名はないのだが、なるべくなら息子自身に決めてもらいたいと思っていてな。そこでこの前息子に聞いたのだがまだ考え中だと。私もいくつか名をあげてみたのだが、しっくりくるものがなかったようだ。そこでだ、もし良かったら、お前達も一緒に名を考えてくれないだろうか』

『ボク、色々考えたの。でもあんまり良いの思い付かなくて。だからボク、みんなとお友達になれたら、一緒に考えてってお願いしようと思ってたの。えと、ボクとお友達になってくれる?』
 
 もちろん、勿論だよ! というかもうお友達だよ!!

「ちゃあぁぁぁ!! にょおぉぉぉ!!」

『お友達!!』

『お友達なのぉ!!』

『もう会った時からお友達!!』

『一緒に考えるんだな!!』

『ありがとう!!』

『良かったな息子よ』

『うん!!』

『さぁ、話しはここまでだ。遊んで良いぞ。あとは大人の話だ』

 わあぁぁぁ!! 僕はパパのお膝から下りて、みんなもそれぞれ自由になって、すぐに子ペガサスの周りに集まります。ママがあんまり離れないでって言ったから、すぐそこにある、お花のトンネルの所へ行きました。向こうのお庭に行く所に、お庭をきれいにしてくれるおじいさんが作ってくれたんだ。

「にょお!!」

『うん! 向こう行こう!』

『こっちだよ! 行こう!』

 僕達が走っていったら後ろからシューの声が。

『相変わらず、良くあれで会話が成り立っているな』

 これでも前よりはもっと話せるようになったんだよ。これからもどんどん話せるようになるもんね。と、遊んで良いって言われたけど、まず最初にあれのことから話さないと。 



         *・゜゚・*:.。..。.:**・゜゚・*:.。..。.:*・.。.:*・゜゚・*.。.:*・゜゚・*

いつもご愛読ありがとうございます。ありぽんです。

『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』無事に400話を迎える事ができました。
これも皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございます。
何だかんだと400話、早いような長い時間が経ったような。
ですがジョーディ達のわいわい賑やかな毎日は、これからも続いて行きます。

子ペガサスとお友達になり、そして新たな物語へと進むジョーディ達を、
これからもよろしくお願いします。

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