もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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434使用人さん達とメイドさん達の働き

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「いえ、皆が皆、かまくらを作るわけではありませんよ」

「ジョーディ、みんながかまくらを作ったら、街中かまくらだらけになって、みんな歩けなくなっちゃうわよ。あのね、かまくらの他にも、この道具を使うのよ。説明して分かるかしらね」

 ママがね、僕は時々難しい話しをしても、その話しが分かっているような時があるわよねって。話しが上手にできないけど、あんまり難しい話しじゃなければ分かってるもん。
 
「まぁ、分からなくても良いわよね。いつも通り教えてあげれば、言葉の練習にもなるもの。他のみんなも知りたいでしょうし。この道具は、かまくらの床と同じように、外でも使うのよ」

 なんかね、街は寒い季節になると、かなり雪が積もるみたい。えとね、僕が考えていた以上に。僕、雪は積もっても、僕の腰くらいまでだと思っていたんだ。それか、僕の背くらい? 僕の背でも、かなり積もっている感じでしょう?

 でも違いました。ぜんぜん違ったの。1番雪が積もっている時は、普通のお家の1階部分の半分くらいまで積もるんだって。僕どころか、お兄ちゃん、ううん、パパ達もすっぽり埋まっちゃうんだ。
 僕が今れる前の年は、2階の半分くらいまで積もっちゃって、大変だったみたい。喜んでいたのは子供達だけよって、ママが嫌そうな顔をして言っていました。

 僕、ビックリだよ。ビックリしたのは僕とホミュちゃんと、ポッケとブラスターね。他のみんなはもう雪を見たことがある子ばっかりだったから、生まれたばかりのポッケとブラスターと、もちろん初めて見る僕が、ビックリしたの。

『凄いなのぉ!!』

『そんなに降るんだな!』

『その頃になったら、遊ぶ以外はジョーディのポケットにいようっと』

 そんなに雪が積もるなんて、外で暮らしてる魔獣さん達は大丈夫なのかな? そう思って聞いてみたら、お兄ちゃんが教えてくれたんだけど、その時だけ雪に埋もれないように、魔獣小屋を改築するんだって。

 それから寒くないように、防寒対策もしっかりするみたいです。だから雪がいっぱい積もっても大丈夫なの。良かったぁ、魔獣さん達が寒さに震えるのはダメだもんね。

 そんないっぱい雪が積もる街。雪が積もると魔法で溶かしたり、雪を集める道を決めてね、そこに雪を集めるんだって。そうして通れる道を作るんだよ。
 でもいくら魔法を使っても、道に雪を移動しても、完璧にはなくならないいっぱいの雪。

 そしてお昼に少しだけ溶ける雪は、夜の寒さで固まって。それに雪が積もって…。そう、そうすると出来上がるのが、ツルツル滑る雪氷の道です。それでみんなは滑らないように、また魔法を使ったり、道具で雪氷を何とか割ったり。

 雪を溶かすのは火魔法、それから溶かした雪が氷にならないようにすぐ乾かすのに、風魔法を使うんだけど。みんながみんなその魔法を使えるわけじゃないから。
 大通りとかは何とか普通の道を維持できるけど、細い道や、みんなの家に続く道は、雪氷の道が多いんだって。

 そんな時に、この道具を使います。玄関先や道を、この道具で削れば、少しでも歩きやすくなるでしょう? みんな朝起きた時に、ささっとこの道具を使って。少しの間はそれで大丈夫だから、また数日経ったら削ってって。それの繰り返しなんだって。
 この雪氷を削る道具は、かまくら以外にもしっかりと使える、とっても大切な道具でした。

 でもね、それだけじゃなかったんだ。この道具を使うわけじゃないんだけど、この道具に先っぽを使うっていうか。
 寒い季節になるちょっと前から、靴屋さんはこの道具の先っぽを靴底につけた、靴や長靴を売り出すんだって。うんとね、滑り止めがついた感じの靴ね。

 その靴のおかげで、絶対に転ばないってことはないけど、滑って転ぶ人はだいぶ少なくなります。転ばないってことは、怪我をする人も少なくなって。ちゃんとね、子供用の靴もあるから安心なんだよ。

「ジョーディも、その頃になったら靴を作らないとね。小さい頃は、どんどん靴のサイズも、服のサイズも変わるから大変よ」

「あっ! ママ。僕の外で遊ぶ別の靴、ちょっとキツくなった!」

「あら、もう? この前作ったばかりなのに。じゃあ今度靴職人を呼びましょう」

 と、ちょっと話しが変わっちゃったけど、また道具の話しに戻って。道具は僕のお家でももちろん使います。大体は魔法で雪を片付けるけど、それでもやっぱり街と一緒で、全部が綺麗にできるわけじゃないから。

 その時に使用人さんとメイドさんが、朝全員で雪の確認をします。それで雪氷が残っている場所をしっかりと削るんだよ。このとってもとっても広いお庭を、毎日確認して削るの。はじからはじまでね。

『オレ、見たことあるかもなんだな。みんな1列に並んで、地面に何かしてたんだな。ジャリジャリ音がしてたからもしかしたらそれなんだな』

「おそらくミルクが見たものが、そうでしょう」
 
『凄い勢いで、目の前を通って行ったんだな。だから何してたか見れなかったんだな』

 何も見れなかった? どれだけ早く削って移動したんだろう?

「今年はジョーディ様がおられますから、さらにしっかりと削らなくてはいけません。もう少し経ったら、削る練習をしなければ」

「ほほ、そうでね。毎日最低でも1時間は、皆に練習させるようにしましょう。期間は最低でも1ヶ月ほどが良いかと」

「あら、そんなに練習が必要なの?」

「今レスターが申しました通り、今年はジョーディ様がいらっしゃいますからね。またジョーディ様のご友人も増えましたから、しっかりと削らなくては。皆には改めて、どれだけ大切な作業かを教育しなければ。レスター、頼みましたよ」

「はい!」

 なんか雪氷を削るだけなのに、大変ない話しになっているような? みんなに迷惑かけないように、しっかり歩けるように、僕も練習しないとね。
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