もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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444おやつとスペシャルおやつは別!?

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 おやつが運ばれてくるのを、ドキドキしながら待つ僕達。少しして料理人さん達が、色々な物を持ってきました。
 まず流しうどんの時とは違って、何も入っていないお椀をみんなの前に並べて、僕とお兄ちゃんの前にはスプーンも置きます。

 それからドラック達のお椀だけど、僕とお兄ちゃんのと違って、スープのお皿までは平じゃないけど、ちょっと平べったいお椀でした。これは熱いおやつを、ドラック達が食べやすいようにだって。

 お椀とスプーンの後には、小さなテーブルが運ばれてきて、大きなお皿も運ばれてきたよ。お皿には雪が入っていて、そしてその雪の周りに、果物が並べられていました。

「あちゅう、やちゅにょ?」

 今のは熱いおやつなのに、冷たいおやつ?って言ったんだよ。だってママは僕達に、熱いおやつだから気をつけてって、注意とお約束をしたでしょう? でも小さなテーブルの上には雪で冷やしてある果物がいっぱい乗ってる。
 もしかして、またトッピング用? ほら、流しうどんの時はトッピングで果物が付いてたし。

 僕が言ったことを、すぐにドラッホがママに伝えてくれます。そうしたらママが、この果物は別のおやつの物だって言ったんだ。
 え? 別のおやつ。さっき聞いた熱いおやつじゃなくて、別のおやつがあるの? おやつがいっぱい?

『別のおやつがあるんだな?』

『今日はおやついっぱい?』

「そうよ。今日はいっぱいよ。みんな魔獣の絵を全部見つけられたでしょう? そして魔獣の絵を全て見つけられたみんなには、レスターが特別なおやつが用意してあるって。もう1つのおやつは、その特別なおやつよ」

 わわわ!? そっか。普通のおやつがスペシャルのおやつに変わるんじゃなくて、スペシャルのおやつが増えるんだね!! わあぁぁぁ、嬉しいなぁ。
 でも見た感じ、普通に雪で冷やしてある果物だよね? スペシャルなおやつなのに、冷やしてある果物?

「ふふ、変な顔してるわね。こっちのおやつのことは後で楽しみにしていましょうね。まずは温かいおやつの方よ」

 普通の果物に見えるけど、何かがしてあって、素敵なおやつになってるのかな? 気になるけど後でのお楽しみ。まずはママの言った通り、温かいおやつの方から。

 果物が運ばれてきてからも、どんどん色々な物が運ばれてきて、小さなテーブルの上はすぐにいっぱいに。果物の隣はあいてるけど。

「さぁ、今から鍋を運んできますから、お気をつけください」

 準備はだいたい終わったみたい。階段の方を見る僕達。そうしたら料理人さんが2人で、大きな鍋を運んできました。その後ろから更に1人の料理人さんが、小さめのお鍋を運んできて。

 僕達の真ん中、ヒバに乗っている網の上に、大きな鍋を置いた料理人さん。小さい方の鍋は果物の隣においたよ。早く、早く蓋を取って! 
 僕もドラック達もママとの約束を守って、ヒバに触らないように、そして鍋を触らないように気をつけているんだけど、ただどうしても前のめりになっちゃって。

 でもね、なかなか蓋を開けてくれない料理人さん。元々中身は熱い状態で持ってきているけど、もう少ししっかりと温め直すために、数分待ってくださいって。あ~、なかなかおやつが見られない。早く、早く!

 待つこと数分。料理人さんが動くと、さらに乗り出しそうになる僕達。それを何とか我慢して。料理人さんが蓋を掴んで、そっと蓋を持ち上げました。途端にふわわわわっ!と舞い上がった湯気。それと一緒にとっても甘い良い匂いが溢れてきて。

 湯気が収まるのを待って、急いで鍋を覗き込む僕達。鍋の中に入っていた物。それは、黒ぽい? 茶色ぽい? 何とも言えない色のスープでした。ん? これ、もしかしたら…。

『変な色』

『初めて見るなの』

『匂いは甘くて美味しそう、でも色はあんまり美味しそうじゃない?』

『でも、ちょっと色の濃い、クッキーの色にも似てるから大丈夫かも』

『中に何が入ってるのかな? 色が濃いからよく見えないね』

「みんな、これから中身を入れるのよ。ほら、このパンを入れるの。入れて数分したら本当の出来上がりなのよ」

「ではパンを入れます」

 まだ出来上がっていなかったおやつ。入れる前に料理人さんが見せてくれたパンは、カチカチの四角く一口サイズに切ってあるパンでした。それをドババババと鍋の全部入れた料理人さん。

 まだ? まだ? みんなでまだまだ言いながら、待つこと更に数分。お玉を持った料理人さんが、鍋の中身をぐるぐるかき回して、それからパンを1つお玉に乗せて確認。

「皆様、出来上がりましたよ。今から皆様のお椀によそっていきますので、お気をつけくださいね」

 わあぁぁぁ!! みんなピシッ!とクッションの上に座り直します。ドラックの方から順番に、どんどんお椀に鍋の中身をよそう料理人さん。ドラック達が終わると、今度は僕のお椀に、最後がお兄ちゃん。

『うん、やっぱり匂いは美味しそう』

『とっても熱そう。みんな気をつけようね』

『ちょっとずつ食べるなの』

「そうそう、パンはとってももちもちしているから、ホミュちゃんが言った通り、ちょっとずつ食べると食べやすいわよ。ジョーディはママが小さく切ってあげるわね」

『『『いただきます!!』』』

「ちゃいのぉ! ましゅ!!」

 僕のはママが、ドラック達のは料理人さんが、冷めるまでは小皿に少し取ってくれて、ふうふうしてから食べることに。
 ドラック達はふぅふぅが上手だからね。すぐにふうふうしてパクッと食いつきます。ただ、それでも熱かったみたい。熱いって言いながら、それでも喜んで食べていました。

『ハフハフ、ハフハフ。あ、あちゅ』

『あちゅいけど、美味しい! ハフハフ』

『甘くて美味しいんだな』

『もちもちも美味しいね』

 本当? ママ、早く早く。ママが切ってくれたパンを、更にふうふうしてくれて。やっと食べられるよ。

 パクッ!! 僕は思い切りスプーンを口の中へ入れました。
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