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569.パパ大丈夫?
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『次はジャンプ!!』
『あ、でもこれはジョーディは無理かも』
『ホミュちゃん、ジョーディの洋服引っ張るなの?』
『ホミュじゃ、流石に無理じゃない? ドラッホかドラックが咥えたら?』
『それも無理なんじゃ』
次のコースは、丸太の上をジャンプして次の丸太に移動するコースでした。僕、その場でのジャンプはできるけど、前に飛ぶジャンプはまだちょっと苦手。
この前の雪ジャンプは洋服いっぱいで雪だるまみたいだったから、前に飛ぶジャンプもできなくて。今は普通の動きやすい洋服だから前には飛べるけど。でもちょっとだけ。
だからこの丸太のコースは、僕は出来なさそう。他の小さい子はできるのかな? 前の小さい子を抜かして、先にこのコースに来たから、僕達の前にやってる子がいなくて。他の子ができてるのか見れなかったんだ。
う~ん、ここは僕は諦めて、ドラック達だけ挑戦できないかな? だって上手にできたり、面白くできたり、早くゴールできたら、プレゼント貰えるでしょう? きっとドラック達ならプレゼント貰えると思うんだ。
僕は他の普通の道があれば、そっちの道を進んで、ゴールでみんなを待ってるよ。もちろん応援もするよ。
と、みんなで色々悩んでいたら、パパが僕でもこのコースを進めるって言いました。
「このコースは、もちろん1人で挑戦するコースだが、小さ過ぎてできない子は、誰かと一緒にやっていいコースなんだ。だからジョーディは私が抱っこして進むから、心配しなくても大丈夫だぞ」
そうなんだ!! 良かった、僕でもこのコース進めるみたい。でも……。
「ん? 何だ? その顔は?」
「あ~、たぶん、さっきのが原因かと」
お兄ちゃんの方と僕達の方、行ったり来たりしているダッグが戻ってきていて、パパにそう言いました。
「さっきって、何のことだ?」
「網に引っかかったのを、気にしているのでは?」
「ああ、あの網のトンネルか? だがあれは別に大したことないだろう? ボタンが引っかかっただけだし……」
『ジョーディパパ、大丈夫かな?』
『網のトンネル、1番遅かったなの』
『それに凄く引っかかってたなんだな』
『ジョーディの方がスイスイ進めてたよね』
『それにジョーディに助けてもらって、後は手伝ってもらってた』
『ジョーディはジャンプしないで、なんとか1歩ずつ進んだ方が良いんじゃない?』
「……このようで」
「だ、大丈夫だぞ。今回は飛ぶだけだからな。引っかかる物もないし、普通に進めるぞ」
『でも、もしかしたら、僕達が気づいていない何かに引っ掛かるかも』
『それからジャンプ失敗して、ジョーディが落ちちゃうかも』
『ホミュちゃん心配なのぉ!!』
あ~あ、さっきの網トンネルのせいで、みんなパパのこと心配しちゃってる。大丈夫だよ、だってパパは大人だもん。こんな丸太ジャンプ、すぐにクリアしちゃうよ。うん、すぐだよ。
……大丈夫だよね、パパ? すぐに終わるよね? ジャンプだって完璧だよね? えと、大人のパパでもプレゼントが貰えちゃうくらいの、完璧なジャンプ。
「ぱ~ぱ、じゃ! しゅに、おわ!! ちゃぶ?」
今のは、パパはジャンプできるよ! すぐに終わっちゃうよ、大丈夫だよ? って言ったの。それから完璧だよとか、大人だから大丈夫だよとか。さっき思っていた事をみんなに伝えて。
『う~ん、大人だけど、さっきは引っかかった』
『大丈夫だろうけど、心配?』
『ジョーディママは、絶対大丈夫なの』
『今だけジョーディママ呼んでくる?』
「……私はどれだけ信用されていないんだ」
「で、では私はマイケル様の元へ戻ります。ジョーディ様、頑張ってください!」
いつものもっと軽い喋り方じゃなくて、なんか変に丁寧な言葉で話したダッグ。今来たばかりなのに、すぐのお兄ちゃんの方へ戻っちゃいました。
「大丈夫だぞ、私を信用してくれ。さぁ、後ろが来てしまうといけないからな、順番に進んでいこう」
パパが僕を抱っこして、みんなに早く順番に並べって。みんなパパをじっと見たまま、1列に並びます。ポッケとブラスターはドラックとドラッホの背中に乗りました。ジャンプできるけど一応ねって。合わせ技をやるとも言っていたよ。
最初にドラックとポッケが丸太ジャンプを始めました。さすがドラック、ピョンピョンピョンと、どんどん丸太を進んでいきます。
と、その途中で高くジャンプしたドラック。するとその飛んでる途中でポッケがドラックから離れて、先にドラックが着地。少し遅れてクルクルと宙返りをしながらポッケが降りてきて、ピタッ!! 見事ドラックの背中に着地しました。
僕達はみんなで拍手。それで負けないぞって、ドラッホとブラスターが進んでいって、ドラック達よりも高くジャンプして、見事着地に成功。
『負けないぞ!!』
『ドラック、行くよ!!』
負けじとドラック達がさらにジャンプ。それを見ていたみんなが、次々に進み始めました。ホミュちゃんとフェニックが面白かったです。
ホミュちゃんはス氷の上で、人が回転ジャンプをするようにクルクル回ってジャンプ。そのまま次の丸太の上にピタッ! と着地。
フェニックはドラック達みたいに合わせ技じゃない、1匹宙返りで次の丸太へ。あ、でも宙返りだけじゃないよ。途中で横回転も入れていました。
みんな1つは技を入れて、丸太を進んでいきます。よし、僕も!! ……じゃなかったパパも!! 僕はパパを見て、早く丸太ジャンプしてって言います。
「ああ、今飛ぶぞ」
「ちゃ、くりゅ!! たあ!!」
「何だって?」
『ジョーディパパ、何か技やってって言ってるんだよ! 横ジャンプは?』
『ジョーディパパ頑張って!!』
『……どうして技をしなくちゃいけない事になってるんだ?』
『あ、でもこれはジョーディは無理かも』
『ホミュちゃん、ジョーディの洋服引っ張るなの?』
『ホミュじゃ、流石に無理じゃない? ドラッホかドラックが咥えたら?』
『それも無理なんじゃ』
次のコースは、丸太の上をジャンプして次の丸太に移動するコースでした。僕、その場でのジャンプはできるけど、前に飛ぶジャンプはまだちょっと苦手。
この前の雪ジャンプは洋服いっぱいで雪だるまみたいだったから、前に飛ぶジャンプもできなくて。今は普通の動きやすい洋服だから前には飛べるけど。でもちょっとだけ。
だからこの丸太のコースは、僕は出来なさそう。他の小さい子はできるのかな? 前の小さい子を抜かして、先にこのコースに来たから、僕達の前にやってる子がいなくて。他の子ができてるのか見れなかったんだ。
う~ん、ここは僕は諦めて、ドラック達だけ挑戦できないかな? だって上手にできたり、面白くできたり、早くゴールできたら、プレゼント貰えるでしょう? きっとドラック達ならプレゼント貰えると思うんだ。
僕は他の普通の道があれば、そっちの道を進んで、ゴールでみんなを待ってるよ。もちろん応援もするよ。
と、みんなで色々悩んでいたら、パパが僕でもこのコースを進めるって言いました。
「このコースは、もちろん1人で挑戦するコースだが、小さ過ぎてできない子は、誰かと一緒にやっていいコースなんだ。だからジョーディは私が抱っこして進むから、心配しなくても大丈夫だぞ」
そうなんだ!! 良かった、僕でもこのコース進めるみたい。でも……。
「ん? 何だ? その顔は?」
「あ~、たぶん、さっきのが原因かと」
お兄ちゃんの方と僕達の方、行ったり来たりしているダッグが戻ってきていて、パパにそう言いました。
「さっきって、何のことだ?」
「網に引っかかったのを、気にしているのでは?」
「ああ、あの網のトンネルか? だがあれは別に大したことないだろう? ボタンが引っかかっただけだし……」
『ジョーディパパ、大丈夫かな?』
『網のトンネル、1番遅かったなの』
『それに凄く引っかかってたなんだな』
『ジョーディの方がスイスイ進めてたよね』
『それにジョーディに助けてもらって、後は手伝ってもらってた』
『ジョーディはジャンプしないで、なんとか1歩ずつ進んだ方が良いんじゃない?』
「……このようで」
「だ、大丈夫だぞ。今回は飛ぶだけだからな。引っかかる物もないし、普通に進めるぞ」
『でも、もしかしたら、僕達が気づいていない何かに引っ掛かるかも』
『それからジャンプ失敗して、ジョーディが落ちちゃうかも』
『ホミュちゃん心配なのぉ!!』
あ~あ、さっきの網トンネルのせいで、みんなパパのこと心配しちゃってる。大丈夫だよ、だってパパは大人だもん。こんな丸太ジャンプ、すぐにクリアしちゃうよ。うん、すぐだよ。
……大丈夫だよね、パパ? すぐに終わるよね? ジャンプだって完璧だよね? えと、大人のパパでもプレゼントが貰えちゃうくらいの、完璧なジャンプ。
「ぱ~ぱ、じゃ! しゅに、おわ!! ちゃぶ?」
今のは、パパはジャンプできるよ! すぐに終わっちゃうよ、大丈夫だよ? って言ったの。それから完璧だよとか、大人だから大丈夫だよとか。さっき思っていた事をみんなに伝えて。
『う~ん、大人だけど、さっきは引っかかった』
『大丈夫だろうけど、心配?』
『ジョーディママは、絶対大丈夫なの』
『今だけジョーディママ呼んでくる?』
「……私はどれだけ信用されていないんだ」
「で、では私はマイケル様の元へ戻ります。ジョーディ様、頑張ってください!」
いつものもっと軽い喋り方じゃなくて、なんか変に丁寧な言葉で話したダッグ。今来たばかりなのに、すぐのお兄ちゃんの方へ戻っちゃいました。
「大丈夫だぞ、私を信用してくれ。さぁ、後ろが来てしまうといけないからな、順番に進んでいこう」
パパが僕を抱っこして、みんなに早く順番に並べって。みんなパパをじっと見たまま、1列に並びます。ポッケとブラスターはドラックとドラッホの背中に乗りました。ジャンプできるけど一応ねって。合わせ技をやるとも言っていたよ。
最初にドラックとポッケが丸太ジャンプを始めました。さすがドラック、ピョンピョンピョンと、どんどん丸太を進んでいきます。
と、その途中で高くジャンプしたドラック。するとその飛んでる途中でポッケがドラックから離れて、先にドラックが着地。少し遅れてクルクルと宙返りをしながらポッケが降りてきて、ピタッ!! 見事ドラックの背中に着地しました。
僕達はみんなで拍手。それで負けないぞって、ドラッホとブラスターが進んでいって、ドラック達よりも高くジャンプして、見事着地に成功。
『負けないぞ!!』
『ドラック、行くよ!!』
負けじとドラック達がさらにジャンプ。それを見ていたみんなが、次々に進み始めました。ホミュちゃんとフェニックが面白かったです。
ホミュちゃんはス氷の上で、人が回転ジャンプをするようにクルクル回ってジャンプ。そのまま次の丸太の上にピタッ! と着地。
フェニックはドラック達みたいに合わせ技じゃない、1匹宙返りで次の丸太へ。あ、でも宙返りだけじゃないよ。途中で横回転も入れていました。
みんな1つは技を入れて、丸太を進んでいきます。よし、僕も!! ……じゃなかったパパも!! 僕はパパを見て、早く丸太ジャンプしてって言います。
「ああ、今飛ぶぞ」
「ちゃ、くりゅ!! たあ!!」
「何だって?」
『ジョーディパパ、何か技やってって言ってるんだよ! 横ジャンプは?』
『ジョーディパパ頑張って!!』
『……どうして技をしなくちゃいけない事になってるんだ?』
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