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81話 ぬくぬく案内人と湯あそびぬいぐるみ1
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『ふんふん♪ ふんふん♪ のんのん♪ のんのん♪』
『今回は良い感じだよね』
『これなら当分の間、ここで過ごせるんじゃない?』
『だな! それにここのあやかしたちは、怖いやつ少ないしな!』
『あ、そうそう、なんか動物に聞いたんだけど、人があやかしのご飯を作ってくれる所が、近くにあるみたいだよ』
『人間が?』
『本当?』
『うん、この前もとっても混んでで、人間の小屋の中に入れないあやかしたちが、庭でご飯を食べていたって』
『危険じゃないのか?』
『う~ん、話しを聞いただだから、どうなんだろうね?』
『ご飯を食べさせてくれるか……。ここは自分で持ってくるなら、自由に食べて飲んでしてもらって良いんだけど。あんまり騒がしくなるのもね。前みたいな事になるのは嫌だし』
『1度見に行ってみるか? それからここでご飯を食べたり、飲んだりする事をどう思うか、聞いてみるとか』
『どうかなぁ。ねぇ、カッピーはどう思う? ここを見つけてくれたのカッピーだからさ。まずは、カッピーの話を聞いた方が良いんじゃない?』
『僕は、楽しいのがいいのん。もう少しみんなに来てもらえたら嬉しいのん。でも、あんまりいっぱいは、やっぱり嫌のん』
『だよねぇ』
『もうすぐ小鳥たりがくるから、その辺もう少し詳しく聞いてみる? 和を乱しそうなあやかしがいないかとか、怒りっぽい、いちゃもんを付けてくる奴がいないか、とかね』
『そうだね。それが良いかも』
『あっ!! カッピー!? ぬいぐるみが危ない!?』
バッシャーンッ!!
『しまったのん!? 落としちゃったのん!?』
『わぁ、これ、流石にもう無理じゃない? 何回目?』
『分からないのん!』
『もう落ちすぎて、乾かすだけじゃダメな気がするよ』
『どうしようのん! 大切なぬいぐるみのん!』
『う~ん、一応乾かすだけ乾かして、ダメなら別の探すしかないんじゃないか?』
『ダメのん!! 僕はこの子が良いのん!!』
『そうは言ってもな。こんなにボロボロじゃあ』
『どうにかするのん、考えるのん』
『あっ! 小鳥たりが来た。カッピー、とりあえず向こうで乾かしておきなよ』
『大体、一緒に入ってる気分になりたいって、だからそんなボロボロになっちゃうだよ』
『濡れても大丈夫なぬいぐるみってないもんね』
『ピピピッ!!』
『あ、いらっしゃい!』
『ほら、カッピー』
『待っててのん、乾いたら何とかするのん』
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
『……暑い』
『……あちゅい、こおりふやしゅ』
「ほら、氷食べ過ぎだぞ。お腹壊しても知らないぞ」
『でも、あちゅい』
「仕方ないだろう。というか、そんなに暑い暑い言ってるなら、部屋にいれば良いじゃないか」
『はりゅとと、いっちょ』
『晴翔は時々、面倒ごとに巻き込まれるからな、見ていないと』
「俺は小さな子供か! それに手伝ってくれないなら、本当部屋に戻ってろよ。いちいちみんなを動かしてたら、余計時間がかかるじゃないか」
『お手伝いの気持ちはある』
『だが、体が動きたがらない』
「ツムギとユイトまで。ほら、シロタマどけよ。そこの野菜を収穫するんだから」
『ムッ、せっかく上手く土を掘ったのに』
「だから掘るくらいなら、収穫してくれって」
まったく、本当に部屋に戻ってろよ。俺だって暑い中やってて、何だったら早く部屋に戻りたいんだから。お前たちがこうだと、どんどん遅くなるだろうが。
俺たちは今、じいちゃんの許可を得て始めた、庭に作った小さな畑で、野菜の収穫と新しい苗を植えているところだ。
根応たちの畑を手伝っていて、みんなもやってみたいって言い出してさ。俺もやってみたかったから、じいちゃんにお願いしてみたら、昔じいちゃんも家庭菜園にハマっていたらしく。今は盆栽にハマっているからやっていないけど、その場所を使って良いってことで。
根応にアドバイスをもらいながら、そしてあの応援の舞をやってもらい。俺たちも小さな畑を始めたんだ。だけど……。
まぁ、外が暑いもんだから、みんなだらけちゃって。今も手伝うって付いてきたのに、手伝ってくれたのは最初の30分だけで。後は氷菓丸に氷を出してもらって、それを食べたり、その氷に埋もれたり。
土を少し掘って冷たい部分を出し、その上に寝たりと。俺の邪魔しかしないんだよ。今もレタスを収穫しようとしてるのに、シロタマが邪魔してるし。だからクーラーの効いてる、俺の部屋に戻ってろって言ってるのにさ。
『ダメだ! 暑い!! 水風呂に入るぞ!!』
『今じいちゃんたちいないもんね!』
『今のうちだ!!』
『こおりもいれりゅ?』
「ダメだぞ、そんな冷たいの。ただの水風呂にしろ」
『行くぞ!!』
シロタマに付いて、みんなが家に入っていく。だから最初から家にいれば良いのに。はぁ、後でお風呂も綺麗にしないと。……そうだな、やっぱり後でカタログを見てみるか。毎回毎回これじゃあ、俺が面倒だ。
『今回は良い感じだよね』
『これなら当分の間、ここで過ごせるんじゃない?』
『だな! それにここのあやかしたちは、怖いやつ少ないしな!』
『あ、そうそう、なんか動物に聞いたんだけど、人があやかしのご飯を作ってくれる所が、近くにあるみたいだよ』
『人間が?』
『本当?』
『うん、この前もとっても混んでで、人間の小屋の中に入れないあやかしたちが、庭でご飯を食べていたって』
『危険じゃないのか?』
『う~ん、話しを聞いただだから、どうなんだろうね?』
『ご飯を食べさせてくれるか……。ここは自分で持ってくるなら、自由に食べて飲んでしてもらって良いんだけど。あんまり騒がしくなるのもね。前みたいな事になるのは嫌だし』
『1度見に行ってみるか? それからここでご飯を食べたり、飲んだりする事をどう思うか、聞いてみるとか』
『どうかなぁ。ねぇ、カッピーはどう思う? ここを見つけてくれたのカッピーだからさ。まずは、カッピーの話を聞いた方が良いんじゃない?』
『僕は、楽しいのがいいのん。もう少しみんなに来てもらえたら嬉しいのん。でも、あんまりいっぱいは、やっぱり嫌のん』
『だよねぇ』
『もうすぐ小鳥たりがくるから、その辺もう少し詳しく聞いてみる? 和を乱しそうなあやかしがいないかとか、怒りっぽい、いちゃもんを付けてくる奴がいないか、とかね』
『そうだね。それが良いかも』
『あっ!! カッピー!? ぬいぐるみが危ない!?』
バッシャーンッ!!
『しまったのん!? 落としちゃったのん!?』
『わぁ、これ、流石にもう無理じゃない? 何回目?』
『分からないのん!』
『もう落ちすぎて、乾かすだけじゃダメな気がするよ』
『どうしようのん! 大切なぬいぐるみのん!』
『う~ん、一応乾かすだけ乾かして、ダメなら別の探すしかないんじゃないか?』
『ダメのん!! 僕はこの子が良いのん!!』
『そうは言ってもな。こんなにボロボロじゃあ』
『どうにかするのん、考えるのん』
『あっ! 小鳥たりが来た。カッピー、とりあえず向こうで乾かしておきなよ』
『大体、一緒に入ってる気分になりたいって、だからそんなボロボロになっちゃうだよ』
『濡れても大丈夫なぬいぐるみってないもんね』
『ピピピッ!!』
『あ、いらっしゃい!』
『ほら、カッピー』
『待っててのん、乾いたら何とかするのん』
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『……暑い』
『……あちゅい、こおりふやしゅ』
「ほら、氷食べ過ぎだぞ。お腹壊しても知らないぞ」
『でも、あちゅい』
「仕方ないだろう。というか、そんなに暑い暑い言ってるなら、部屋にいれば良いじゃないか」
『はりゅとと、いっちょ』
『晴翔は時々、面倒ごとに巻き込まれるからな、見ていないと』
「俺は小さな子供か! それに手伝ってくれないなら、本当部屋に戻ってろよ。いちいちみんなを動かしてたら、余計時間がかかるじゃないか」
『お手伝いの気持ちはある』
『だが、体が動きたがらない』
「ツムギとユイトまで。ほら、シロタマどけよ。そこの野菜を収穫するんだから」
『ムッ、せっかく上手く土を掘ったのに』
「だから掘るくらいなら、収穫してくれって」
まったく、本当に部屋に戻ってろよ。俺だって暑い中やってて、何だったら早く部屋に戻りたいんだから。お前たちがこうだと、どんどん遅くなるだろうが。
俺たちは今、じいちゃんの許可を得て始めた、庭に作った小さな畑で、野菜の収穫と新しい苗を植えているところだ。
根応たちの畑を手伝っていて、みんなもやってみたいって言い出してさ。俺もやってみたかったから、じいちゃんにお願いしてみたら、昔じいちゃんも家庭菜園にハマっていたらしく。今は盆栽にハマっているからやっていないけど、その場所を使って良いってことで。
根応にアドバイスをもらいながら、そしてあの応援の舞をやってもらい。俺たちも小さな畑を始めたんだ。だけど……。
まぁ、外が暑いもんだから、みんなだらけちゃって。今も手伝うって付いてきたのに、手伝ってくれたのは最初の30分だけで。後は氷菓丸に氷を出してもらって、それを食べたり、その氷に埋もれたり。
土を少し掘って冷たい部分を出し、その上に寝たりと。俺の邪魔しかしないんだよ。今もレタスを収穫しようとしてるのに、シロタマが邪魔してるし。だからクーラーの効いてる、俺の部屋に戻ってろって言ってるのにさ。
『ダメだ! 暑い!! 水風呂に入るぞ!!』
『今じいちゃんたちいないもんね!』
『今のうちだ!!』
『こおりもいれりゅ?』
「ダメだぞ、そんな冷たいの。ただの水風呂にしろ」
『行くぞ!!』
シロタマに付いて、みんなが家に入っていく。だから最初から家にいれば良いのに。はぁ、後でお風呂も綺麗にしないと。……そうだな、やっぱり後でカタログを見てみるか。毎回毎回これじゃあ、俺が面倒だ。
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