猫又と俺の願いを縫う不思議な工房
大学をある理由で休学し、現役ぬいぐるみ修繕師の、祖父の家に身を寄せることになった高橋晴翔。晴翔は小さい頃に、祖父にぬいぐるみの作り方を教えてもらって以来、ぬいぐるみ作りを続けていたため、バイトをしながら祖父の手伝いをする日々が始まった。
そんなある日、晴翔は玄関先で、いびつでぼろぼろなネコのぬいぐるみが置かれているのを見つける。不思議に思いつつ祖父に見せると、「お前が直してやれ」と言われ。なぜ現役の祖父ではなく自分が? と疑問を抱きつつも、言われるまま修繕し、元の場所に戻したのだった。
しかし、誰が取りに来るのか気になった晴翔は、その夜そっと玄関を見張る事に。そして現れたのは……。なんと、しっぽが二本あるネコだった!?
驚く晴翔に、ネコは笑いながら言う。
「よう、久しぶりだな!」
実はこのネコ、普通のネコではなく猫又で。かつて祖父母と暮らしていた時、幼い晴翔と遊んでいた野良猫だったのだ。
こうして猫又と再会した晴翔。するとこの再会をきっかけに、晴翔はもとには次々と不思議な依頼が舞い込むようになる。
そして願いや想いの詰まったぬいぐるみを繕い、人と妖の心に触れていくうちに、止まっていた晴翔の時間も、少しずつ動き始め。
これは人と妖の想いを紡ぐ、小さな工房のやさしい物語。
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