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328 とりあえずの移動、そして話し合い

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「まだかにゃ?」

『遅いねぇ』

『お仕置きすぐかななの』

『お父さんギルドの方へ行ったけど。もうジャガルド達に話し聞いてるのかな?』

『あいつ、フーリの魔法で足ないから、前みたいに逃げうとしても、簡単に逃げられないはずだよ。だからその辺は心配いらないよ。それにスノーラ達が結界も張ってるしね』

『ブロー、これは何?』

『ああ、これはね…』

 なんて話しをしながら、別の場所で待っていた僕達。でもなかなかスノーラ達は戻ってこなくて。

 そのうち先の、フィオーナさんとアンジェさん。それからユイゴさんとアーティストさん。2人のセイクリドバードのイルランドとウィルピーが戻ってきました。
 それでこれから僕達はまたまた移動だって。フーリのご飯も移動する場所に用意してくれるみたい。

 話しているとスノーラがやっと来て、お仕置きはやっぱり後でって言われたよ。う~ん、こればっかりは仕方がないよね。みんなもブツブツ言っていたけど、スノーラに説得されて静かになりました。

 そして何処へ移動するのか。それは今日僕達が寝る場所でした。そうだった、色々バタバタしていて忘れていたけど、お屋敷なかったんだった。今は綺麗さっぱり平らな土地だもんね。
 まぁ、もうお屋敷の再建が始まっているけど。うん。お屋敷の骨組みがね。もう1ヶ所出来上がっているんだ。

 本当に1ヶ所だけだけど。もう骨組みができるなんて。どれだけみんな早く作業しているんだろうね。これだと僕が思っているよりも早くお屋敷は直っちゃうかも。

「向こうのフランクリンの家を借りたわ。彼の家族には確認をとってあるの。お屋敷が直るまで居て良いと許可ももらったのよ」

「そうなんだ。よし、じゃあレン達、みんな移動するぞ」

 レオナルドお兄ちゃんがそう言って、スノーラがささっと魔獣姿に。それで僕達、スノーラに乗ろうと思ったんだけど。ここでイルランドとウィルピーが揉め始めて。僕達を乗せて移動したいんだって。

 結局揉めに揉めて、最終的に僕とルリとアイスはイルランドに、ドラちゃんとブローとフーリがウィルピーに乗ることになりました。さっきウィルピーに乗せてもらったからね、今度はイルランドって。アーティストさんが決めたんだよ。

 こうしてフランクリンさんていう人のお家に移動した僕達。着いたらとっても体の大きな人が待っていて。フィオーナさん達との関係は、フィオーナさんの元冒険者仲間だって。今は商人をしているみたいです。

「よく来たな。俺は残るが、家族は皆、友人の家へ行っているから。気にせずゆっくりしてくれ。色々あり過ぎたからな、疲れているだろう? 温泉を入れてある。まずは風呂に入ってこい」

 フランクリンさんの家は大きな家で、何と温泉があるんだって。しかも外にね。そう露天風呂みたいになっていたんだ。
 僕もルリ達も、体を綺麗に洗ったあと、温泉に飛び込みそうになっちゃって。レオナルドお兄ちゃんと、後から合流したエイデンお兄ちゃんに止められました。

「何飛び込もうとしてるの!? だめだよもう、危ないなぁ」

「滑って転んだらどうするんだ。それにここはフランクリンさんの家だからな。あんまり勝手なことするなよ」

「あい」

『『『はーい』』』

 失敗失敗。そっと温泉に入る僕達。でもその後少しして。

「ひょおぉぉぉ!」

『ばしゃばしゃ!!』

『潜るなのぉ!!』

 大きな温泉に、僕達のテンションは上がっちゃって。みんな温泉の中で大騒ぎに。最後はお兄ちゃん達に強制的に捕まって。そのままあったまって出ることに。

「まったく大人しくできないんだから」

「お前達、色々あったのに元気だなぁ」

 それからフランクリンさんの家の使用人さんが、僕達をそれぞれの部屋に案内してくれて。僕とルリ達はもちろん一緒。隣の部屋にお兄ちゃん達が。それから別の階の部屋にフィオーナさんとユイゴさん達が泊めてもらう事になりました。

 でも寝る前に、フーリにご飯を用意してもらって。さっき僕達が食べた夜ご飯を、ここまで運んで、温め直してくれたんだ。好き嫌いあるといけないからって、色々用意してくれたよ。
 でもフーリは好き嫌いはあんまりないみたいで。美味しい美味しいって、色々食べていました。

 そしてフーリがご飯を食べ終わると、みんなでおやすみなさい。フィオーナさんやお兄ちゃん達が部屋から出れ行って。でもすぐに寝ませんでした。僕はすぐにルリとアイスとスノーラと、あの話しをする事に。

 これは僕達家族のお話しだから、ドラちゃんやブロー達には部屋の中、ちょっと離れたところにいてもらったよ。ドラちゃん達も眠くないから、遊んでいるって言っていたから。スノーラに声が聞こえない結界を張ってもらってね。

 そう、後で後でで、今になっちゃったけど。あの大切な話しをしないとね。スノーラも一緒のいてくれる今が、ちょうど話し合いの時。僕はすぐにこれからの事について、みんなに聞きました。

「こりぇかりゃ、どこでくらしゅ? ずっとろーれんしゅしゃんと、かじょく?」

『あ~、そうだな。その話しが残っていたな。色々あり忘れていた』

『家族、ルリはローレンス達と家族、とっても嬉しい』

『ボクもみんな大好き。だからこのまま家族なりたいなぁなの』

『レンはどうだ』

 もちろん僕だって、ローレンスさん家族が大好きだよ。このまま家族になれたら嬉しなぁって思ってる。でもローレンスさん達は? 今回の事件で、色々考えが変わったかも。
 今までローレンスさん達は、僕達を本当の家族として接してくれて。僕はそれがとっても嬉しくて。だからこのまま家族になれたらって。

 でも今回の事件のせいで、僕達のことまで、やっぱり面倒見られないってなっていたら? だって、本当の家族を守らないといけないのに、僕達までってね。
 ローレンスさん達がそんな人達じゃないって分かっているよ。でも、もしかしたらってこともあるでしょう?

『まぁ、ローレンスはそんなこと考えていないと思うが。確かにレンの言う通り、しっかり話しをしなければな。我としては、このままローレンスの元で暮らしても良いと思っている。ディアブナスは封印された。脅威になるものは今のところないからな』

 その後も話し合った僕達。そしてその結果。もしローレンスさん達に、そのまま家族になっても良いって言ってもらえたら、僕達は家族になろうって決まりました。それでその話しは、ローレンスさんが落ち着いたらするってことに。僕、ちょっとドキドキだよ。
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