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第一章
第28話 おかえり
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フィセリオに帰郷を許されたウィステルは、キャスバート公爵家の馬車でラティマー領へと向かう。豊かな緑に満ちた風景は、領境にある山を越えると土の色が見える荒涼とした平原へと移ろった。
そうして屋敷へと辿り着き、降り立つ。ラティマー領特有の乾いた風が、どこか懐かしい匂いを運ぶ。半年ほどしか離れていなかったのに、もう何年も帰ってきていないかのように懐かしく感じられた。
「ウィステル様、お待ちしておりました」
「ただいま戻りました……ローワン兄様」
「フィセリオ様はいらっしゃらないのか?」
「お忙しい方ですから」
フィセリオは政務があるためキャスバート領に残り、ウィステルだけで帰郷することになった。ローワンは肩の力を抜いてホッとため息をつきながらも、複雑そうな表情を浮かべていた。
「直接お礼を言えたら良かったんだが……まぁ仕方ない。ウィステルだけなら、“当主”をやる必要もないな。早く屋敷に入ろう、外は冷える」
ローワンに促され、ウィステルはその隣を歩く。ようやく父に再会できるときが来たのだと思うと、嬉しいはずなのに、なぜか胸の奥が沈み込むような緊張を抱いた。
「そうだ、父様に会う前にいくつか伝えておくことがある。実は……遺体は大腿骨一本と骨盤の一部しか見つかってない。埋葬は遺骨箱に収めてからだから、無理して見る必要はないからな」
「大丈夫です。心の準備はしてきました」
フィセリオへの手紙にも『骨の一部と遺留品が発見された』と書き記されていた。大腿骨と骨盤の一部は、正直想像していたよりも少ないが……問題はない。数の違いに過ぎない。大丈夫だ、と心の中で強く言い聞かせた。
遺骨が安置されている亡き母の寝室へと案内される。十年前に亡くなった母の部屋はそのままの状態で保たれており、生前の父が時折ひとり静かに過ごしていた場所でもあった。父が帰ってきたかったのは、きっとこの場所だろうとローワンが話してくれたが、ウィステルも同じことを考えていた。
扉を開くと、ふっと懐かしい母の匂いが鼻を掠める。扉の正面には白布の敷かれた霊台が置かれ、窓から差し込む冬の陽射しが静かに照らし出す。その上にかけられた白布は小さなふくらみを作り、存在を浮かび上がらせていた。
人を横たえるにはあまりにも小さな台。人の遺体というにはあまりにも小さくまとめられたふくらみ。大きな腕で抱きしめて頭を撫でてくれた父は、とても小さくなって……帰ってきた。
「父様、ウィステルが帰ってきたよ」
ローワンが白布のふくらみの傍で声をかける。ウィステルも扉の前から、ゆっくりと霊台の正面に立った。
「お久しぶりですね……お父様。わたくし結婚したんですよ? それも、政敵だったキャスバート家の公爵様と……信じられます?」
生前の父はきっと想像もしていなかっただろう。ローワンがフェアファクス派を離脱することも、ウィステルが政敵キャスバート家へ嫁ぐことになることも。
話したらきっと「なんでそうなったんだ!?」と、目を丸くして慌てふためくのだろう。人前では堂々とラティマー家当主として振る舞っていた父だったが、家の中ではそそっかしくて抜けていて、ころころといろんな表情を見せてくれる人だったことをよく覚えている。
ウィステルは掛けられた白布をそっと摘み、静かに除ける。音のない部屋の空気を衣擦れの音が揺らし、帰ってきた父の姿が露わになった。想像していたよりもずっと小ぢんまりとまとまった姿に、静かに息を呑んだ。
二年間暗く寒い土の下に埋もれていた父の骨は、土に似た色に染まっていた。骨は所々傷つき、大きく崩れているところもある。その傍らに置かれた金のペンダントが、陽射しを浴びて煌めいていた。
母が肌身離さず身につけていた小さな金貨のような形のペンダント。ペンダントトップにはラティマー家の紋章が描かれており、父が母に贈ったものだった。母の死後は形見として父が身につけ、愛おしそうに握りしめていた姿を覚えている。
ウィステルはそっとペンダントを手に取る。ぐにゃりと拉げたペンダントトップが、崩落の衝撃の凄まじさを静かに物語る。それだけのことが起きたのだ。たったこれだけの骨だけでも帰ってこられただけ奇跡だったのかもしれない。
「お父様、おかえりなさい。ようやく陽の光を見られて……お母様の傍で眠れるんですね……」
目が熱くなり、じわりと視界が滲む。泣いてはダメだと言い聞かせ、唇をきつく噛み締め、震える呼吸を喉の奥へと追いやった。
「これだけ曲がってるんだ。苦しまずに済んだことだけは……救いかもしれないな」
寒くはありませんでしたか?
痛くはありませんでしたか?
寂しくはありませんでしたか?
「すぐに……迎えに行けなくて、ごめんなさいっ……」
胸の奥が千切れそうなほどに引き絞られて軋む。痛くて痛くて苦しくて、いつの間にか固く握りしめた手のひらは力がこもりすぎて小刻みに震え、ペンダントトップが食い込んでいた。
「それはお前のせいじゃない。助けに行こうとしたお前を止めたのは俺だ……父様を探す資金を捻出できなかったのも、俺だ。俺に、力が足りなかったから……ウィステル、つらい思いをさせたな。不甲斐ない兄で、本当にすまなかった……」
「ローワン兄様は、わたくしの誇りです……だから、そんなこと言わないで……何も、悪くないんですから……」
ローワンは俯き、固く口を閉ざした。唇を引き結び、閉じたまぶたの隙間から一筋の涙が伝う。いつも強く、弱音を吐かず、ウィステルを鼓舞し続けてくれた兄。
本当はずっと苦しんでいて、今にも押し潰されそうだったのに、そんな表情も見せないでウィステルや皆を明るく支えてくれていた。そんなローワンの脆い一面と涙を、ウィステルは初めて見た。
泣いても、いいんだ──
必死にこらえていた涙が、堰を切ったようにあふれ出す。頬を伝っては、白布の上に零れ落ちてシミを作っていく。悲しいのか、悔しいのか、寂しいのか……よくわからないぐちゃぐちゃな感情のままに泣いていた。
静かな部屋に、二人分の嗚咽だけが響く。ウィステルはローワンに肩を引き寄せられ、寄りかかる。涙が枯れて、吐息が震えなくなるまで、二人で痛みと温もりを分かち合いながら、ひとしきり泣いた。
それは降り止まない雨の中で一筋の陽光が差すように。暗く冷たい雨が陽の光を宿して、星のように輝くように。二年と半年……ラティマー領を支えるために手を携え、必死に駆け抜けてきた二人の、一つの区切りを迎えた瞬間でもあった。
そうして屋敷へと辿り着き、降り立つ。ラティマー領特有の乾いた風が、どこか懐かしい匂いを運ぶ。半年ほどしか離れていなかったのに、もう何年も帰ってきていないかのように懐かしく感じられた。
「ウィステル様、お待ちしておりました」
「ただいま戻りました……ローワン兄様」
「フィセリオ様はいらっしゃらないのか?」
「お忙しい方ですから」
フィセリオは政務があるためキャスバート領に残り、ウィステルだけで帰郷することになった。ローワンは肩の力を抜いてホッとため息をつきながらも、複雑そうな表情を浮かべていた。
「直接お礼を言えたら良かったんだが……まぁ仕方ない。ウィステルだけなら、“当主”をやる必要もないな。早く屋敷に入ろう、外は冷える」
ローワンに促され、ウィステルはその隣を歩く。ようやく父に再会できるときが来たのだと思うと、嬉しいはずなのに、なぜか胸の奥が沈み込むような緊張を抱いた。
「そうだ、父様に会う前にいくつか伝えておくことがある。実は……遺体は大腿骨一本と骨盤の一部しか見つかってない。埋葬は遺骨箱に収めてからだから、無理して見る必要はないからな」
「大丈夫です。心の準備はしてきました」
フィセリオへの手紙にも『骨の一部と遺留品が発見された』と書き記されていた。大腿骨と骨盤の一部は、正直想像していたよりも少ないが……問題はない。数の違いに過ぎない。大丈夫だ、と心の中で強く言い聞かせた。
遺骨が安置されている亡き母の寝室へと案内される。十年前に亡くなった母の部屋はそのままの状態で保たれており、生前の父が時折ひとり静かに過ごしていた場所でもあった。父が帰ってきたかったのは、きっとこの場所だろうとローワンが話してくれたが、ウィステルも同じことを考えていた。
扉を開くと、ふっと懐かしい母の匂いが鼻を掠める。扉の正面には白布の敷かれた霊台が置かれ、窓から差し込む冬の陽射しが静かに照らし出す。その上にかけられた白布は小さなふくらみを作り、存在を浮かび上がらせていた。
人を横たえるにはあまりにも小さな台。人の遺体というにはあまりにも小さくまとめられたふくらみ。大きな腕で抱きしめて頭を撫でてくれた父は、とても小さくなって……帰ってきた。
「父様、ウィステルが帰ってきたよ」
ローワンが白布のふくらみの傍で声をかける。ウィステルも扉の前から、ゆっくりと霊台の正面に立った。
「お久しぶりですね……お父様。わたくし結婚したんですよ? それも、政敵だったキャスバート家の公爵様と……信じられます?」
生前の父はきっと想像もしていなかっただろう。ローワンがフェアファクス派を離脱することも、ウィステルが政敵キャスバート家へ嫁ぐことになることも。
話したらきっと「なんでそうなったんだ!?」と、目を丸くして慌てふためくのだろう。人前では堂々とラティマー家当主として振る舞っていた父だったが、家の中ではそそっかしくて抜けていて、ころころといろんな表情を見せてくれる人だったことをよく覚えている。
ウィステルは掛けられた白布をそっと摘み、静かに除ける。音のない部屋の空気を衣擦れの音が揺らし、帰ってきた父の姿が露わになった。想像していたよりもずっと小ぢんまりとまとまった姿に、静かに息を呑んだ。
二年間暗く寒い土の下に埋もれていた父の骨は、土に似た色に染まっていた。骨は所々傷つき、大きく崩れているところもある。その傍らに置かれた金のペンダントが、陽射しを浴びて煌めいていた。
母が肌身離さず身につけていた小さな金貨のような形のペンダント。ペンダントトップにはラティマー家の紋章が描かれており、父が母に贈ったものだった。母の死後は形見として父が身につけ、愛おしそうに握りしめていた姿を覚えている。
ウィステルはそっとペンダントを手に取る。ぐにゃりと拉げたペンダントトップが、崩落の衝撃の凄まじさを静かに物語る。それだけのことが起きたのだ。たったこれだけの骨だけでも帰ってこられただけ奇跡だったのかもしれない。
「お父様、おかえりなさい。ようやく陽の光を見られて……お母様の傍で眠れるんですね……」
目が熱くなり、じわりと視界が滲む。泣いてはダメだと言い聞かせ、唇をきつく噛み締め、震える呼吸を喉の奥へと追いやった。
「これだけ曲がってるんだ。苦しまずに済んだことだけは……救いかもしれないな」
寒くはありませんでしたか?
痛くはありませんでしたか?
寂しくはありませんでしたか?
「すぐに……迎えに行けなくて、ごめんなさいっ……」
胸の奥が千切れそうなほどに引き絞られて軋む。痛くて痛くて苦しくて、いつの間にか固く握りしめた手のひらは力がこもりすぎて小刻みに震え、ペンダントトップが食い込んでいた。
「それはお前のせいじゃない。助けに行こうとしたお前を止めたのは俺だ……父様を探す資金を捻出できなかったのも、俺だ。俺に、力が足りなかったから……ウィステル、つらい思いをさせたな。不甲斐ない兄で、本当にすまなかった……」
「ローワン兄様は、わたくしの誇りです……だから、そんなこと言わないで……何も、悪くないんですから……」
ローワンは俯き、固く口を閉ざした。唇を引き結び、閉じたまぶたの隙間から一筋の涙が伝う。いつも強く、弱音を吐かず、ウィステルを鼓舞し続けてくれた兄。
本当はずっと苦しんでいて、今にも押し潰されそうだったのに、そんな表情も見せないでウィステルや皆を明るく支えてくれていた。そんなローワンの脆い一面と涙を、ウィステルは初めて見た。
泣いても、いいんだ──
必死にこらえていた涙が、堰を切ったようにあふれ出す。頬を伝っては、白布の上に零れ落ちてシミを作っていく。悲しいのか、悔しいのか、寂しいのか……よくわからないぐちゃぐちゃな感情のままに泣いていた。
静かな部屋に、二人分の嗚咽だけが響く。ウィステルはローワンに肩を引き寄せられ、寄りかかる。涙が枯れて、吐息が震えなくなるまで、二人で痛みと温もりを分かち合いながら、ひとしきり泣いた。
それは降り止まない雨の中で一筋の陽光が差すように。暗く冷たい雨が陽の光を宿して、星のように輝くように。二年と半年……ラティマー領を支えるために手を携え、必死に駆け抜けてきた二人の、一つの区切りを迎えた瞬間でもあった。
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