【R18】イケメン御曹司の暗証番号は地味メガネな私の誕生日と一緒~こんな偶然ってあるんですね、と思っていたらなんだか溺愛されてるような?~

弓はあと

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「誰か来ても絶対にドアを開けるなよ。俺が帰る時は先に連絡するから」

 玄関に入ると、まるで七匹の子ヤギのお母さんのように私へ言い聞かせる成瀬君。
 注意してくれてるのに髪の濡れた成瀬君を見ていたら、水も滴るいい男とは正にこのことだなぁ、と不謹慎にも考えてしまった。

「それじゃ桜井、また明日」
「え? 濡れたまま行くの? 風邪ひくよ」
「まあ、大丈夫だろ」

 私に背を向けて、成瀬君がドアに手を伸ばす。

 ダメだよ、風邪ひいて火曜日のプレゼン失敗したらどうするの?

 成瀬君は努力する姿を人に見せないけれど、私は日々の進捗状況を知っているからこのプレゼンのために成瀬君が陰でどれだけ頑張ってきたのか分かっている。
 私が風邪をひかせて、成瀬君の努力を無にするわけにはいかない。

「大丈夫じゃないよ」

 成瀬君の手首を掴んで引き止める。
 こちらを見た成瀬君が、一瞬目を見開いた。

「あ……」

 口元を手で押さえ、みるみるうちに顔が真っ赤になっていく成瀬君。
 ブンッと音が聞こえそうな勢いで私から顔をそむけた。

「っ、とりあえず、桜井の着替えを用意しないとだな」

 玄関に靴を脱ぎ散らかしたまま家にあがった成瀬君は、急いだ様子で廊下を走っていく。

 なぜ、とりあえず私の着替え??

 目線を下げて、先ほど成瀬君の視線が向けられた辺りを見た。
 雨に濡れたシャツがぺっとりと胸にくっついている。

 ひぁ、下着が透けてる!?

 バスタオルを手にして戻ってきた成瀬君が、私の肩からそれをかけてくれた。
 ふかふかなバスタオルからは、なんだか石鹸のようないい匂いがしてくる。

「風呂入れたから、お湯が溜まるまでもう少し待ってて」


 リビングに案内され成瀬君が淹れてくれたミルクティーを飲んでいると、お風呂の準備が整ったことを知らせる電子音が流れた。


「これ、着替えに使って」

 成瀬君が私にTシャツとハーフパンツを渡してくれる。
 下着はもちろん無かった。
 でもいま穿いているパンツは、雨が滲みて濡れてしまっている。

 うーん……下着を何もつけずに着てしまってもいいのかな?
 濡れたパンツを穿くわけにもいかないし……。
 ごめんね成瀬君。洗濯してきれいにしてから返すから直に穿くね。

「リビング出て廊下のつきあたり、右側のドアが風呂だから」
「あ、成瀬君、お風呂お先にどうぞ」
「いや、先に桜井だろ。髪も濡れてるし」

 成瀬君に髪を一房すくわれて、お風呂に入る前なのに身体から湯気が出そうになった。

「いやいやいやいや、成瀬君からどうぞ」
「それなら……」

 成瀬君が悪戯っ子のような表情をして、私の顔を覗き込んだ。

「一緒に入るか、桜井?」

 これ以上開かないくらい目を見開いてしまう。
 まるで全身が沸騰したみたいに熱くなった。
 顔はおそらく完熟トマトのように真っ赤だったに違いない。

「ヤベ、かわ……」

 口元を手で押さえた成瀬君が、もう一方の手で私の肩を軽く押した。

「一緒に入るなんて冗談だよ。ほら、これ以上セクハラされたくなかったら早く入ってこい」


 もうッ、揶揄わないでよ、成瀬君!









「ふわぁぁ、きもちいい……」

 湯船に入るのなんて久しぶり。
 しかもジャグジー付きなんて。
 バスルームも広いし、なんて優雅なバスタイム。
 ああ、気持ちいい、極楽…………







 ――あれ?


 気がついたら、裸にTシャツ一枚でベッドにいた。





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