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ラブコメ短編バージョン(※長編版とは展開が異なります)
《本編最終話》嘘から出た実
私の純潔を奪った日から、殿下は毎晩夫婦の寝室で寝るようになった。
ミーネの寝起きの声がかわいくて今朝はベッドから出るのがつらかったから、とか、一緒に湯浴みをしたかったのに先に入ってしまったから、とかよく分からない理由で毎晩寝室へ『お仕置き』をしに来る殿下。
そうしたら、あっという間に妊娠することに。
今は悪阻で、食欲も無くつらい日々。
妊娠が判明した途端、殿下から『お仕置き』をされることは一切なくなった。
その代わり触れるだけのキスをされたり、優しく抱きしめられたりは、たくさんたくさんされる。
殿下のおしべを挿入されることもなくなった。
それで特に、困ることも無いけれど……
少しだけ不安になって、殿下に理由を聞いてみた。
「ミーネの身体がつらいと思うから子どもが産まれて落ち着くまではしない」とおっしゃる殿下。
「側室を迎えるのですか?」と聞くと、「必要ないよ。自分で自分を慰めるのは慣れているから」という殿下の返事。
「自分で」と言われ、少し悲しい。
まるで私は必要ないと言われているみたいで。
何をするのかは分からなかったけれど、「私も一緒に殿下を慰めたいです」とお願いした。
頬を少し赤らめて、ダメだよ、とおっしゃる殿下をなんとか説得して了承を得る。
何をすればいいのか聞くと、湯浴みの時にするからただ手を添えてくれればいいとの返事だった。
一緒に湯浴みをした時に、おしべを握ると擦るように手を動かし始めた殿下。
意外な行動に驚いてしまったけれど、深呼吸をして殿下の正面に膝をついて座る。
おしべを握る大きな手に私の手を重ねると、殿下の口から切なそうに吐息が漏れた。
あまりにも官能的な様子にびっくりして思わず手を離したら、私の指がおしべの先端に当たってしまって。
その拍子に殿下が小さく呻いた。なんとも扇情的な声で。
ドキッとした。
……もう一度、聞きたい。
触れたら、聞かせてくれますか、殿下?
指の腹で、スルスルとおしべの先端を撫でながら、殿下の顔を見つめる。
切なそうに眉を寄せ、必死に何かに耐えているような殿下と目が合った。
吸い込まれるように殿下に顔を寄せ、唇を重ねる。
ゆっくりと唇を離して、目に入ったところを舌で舐めていく。
殿下の顎、喉仏、鎖骨……と下に向かって舌を這わせた。
片方の手はおしべを擦る殿下の手に重ね、もう片方の手でおしべの先端を優しく優しく撫でながら。
時々聞こえる、殿下の小さく呻く声と切なそうな吐息。
もっと、もっと聞きたい。
殿下の胸の先端が目に入ったのでペロペロ舐めてみる。
私の名前を呼ぶ殿下の掠れた声が聞こえたような気がしたから、胸を舐めながら殿下の顔を見上げた。
視線がぶつかるとすぐに、ギュッと目を瞑りビクッと身体を揺らした殿下。
手に熱を感じたのでそちらを見ると、殿下のおしべの先端から白濁した液体がビュッビュッと噴き出していた。
「手を汚してしまったな、すまない……」
殿下はそう言うと、私の手を洗った。
そして私を抱きかかえて湯に入る。
湯に入ってから、殿下は膝の上に座らせた私を抱きしめるだけで特に動く様子はない。
おそらく湯に入る前までの行為が、殿下を「慰める」行為だったのだと思う。
「殿下……」
「どうした、ミーネ?」
「また今みたいに、殿下のことを一緒に慰めてもいいですか?」
「……ミーネが、嫌でなければ」
嫌どころか、先ほどの殿下の表情や声をもっとたくさん引き出したい。
おしべを舐めたら殿下はどうなるのかしら、今度試してみようかな……
湯につかり殿下に抱きしめられて幸せを感じながら、そんなことを考えていた。
* * * * * * *
「ミーネ、口を開けて」
「あのっ、殿下っ、おろしてくださいっ」
殿下の執務室で、私はソファに座る殿下の膝の上に座らされていた。
「ダメだよミーネ。ほら、あと一口は食べておかないと。それにこうしていれば、ミーネの体調が悪くなってもすぐに医師のところへ運んでやれるだろう?」
食欲が無く、放っておくと何も食べなくなってしまう私のために、殿下はパンを小さくちぎって少しずつ食べさせてくれている。
ふたりきりの時なら、嬉しいのですが……
でも、今は……
目の前のソファに座る三人の呆れた視線が痛い。
今日は妊娠のお祝いのために、学園の頃からずっと仲の良い友人三人が来てくれている。
ネイブルが盛大にため息をついた。
「王太子がこんな調子でこの国の将来は大丈夫なのか?」
タジェロン様が人差し指で眼鏡の鼻の位置を直す。
「ミーネ嬢……ああ、失礼、王太子妃に対していつまでもそんな呼び方を」
「いいのよ、呼び方なんて。変えられたら悲しいわ」
公式な場ではないのだから、学園の頃からの友人たちと距離をとられるのは寂しい。
「ミーネ嬢に対して限定ですからね、殿下がヘタレでポンコツなのは。おそらく国政に関しては大丈夫でしょう」
あらあら、タジェロン様の毒舌は今日も絶好調。
王太子妃の呼び方は気にして俺にはそれか、と殿下が楽しそうに笑っている。
「でもよかったねー。赤ちゃんができたってことは、学園に通っていた時からの殿下の好き好きオーラがやっとミーネ嬢に届いたってことでしょう?」
甘党のマーコット様が、紅茶にポトポト角砂糖を入れながら私たちに話しかけた。
「学園にいた頃からじゃねぇよ。ラッドレンがミーネの事を好きなのは婚約した直後からだ」
え?
ネイブルの話は寝耳に水。
殿下との婚約が成立したのは、学園に入学するよりもずっと前だったから。
「そんなはずは無いわよ、ネイブル」
「気付かないミーネの方が凄いだろ。王太子妃がそんな事でいいのか? そもそもミーネがさっさとラッドレンに好きだと告白すれば良かったんだ」
「私なんかが殿下に好きなんて伝えたら、困らせてしまうと思ったのよ……」
ネイブルが再び盛大なため息をついた。
ふ、とタジェロン様が小さく笑う。
「まあ、ミーネ嬢が鈍感で、ある意味放置のドS気質を発揮するのはヘタレ発症時の殿下に対してのみですからね。害はないですよ」
「そんな鈍感なミーネ嬢も可愛いよ」
膝の上に座る私の身体を、殿下がぎゅッと抱きしめた。
「マーコット、口を慎め。ミーネを可愛いと言っていいのは俺だけだ」
殿下、タジェロン様の毒舌は注意しないのに、マーコット様は注意なさるのですか?
ネイブルが、三度目のため息をついた。
「はあ~、これだよ」
「ミーネ嬢に関してだと、本当に救いようがない残念王太子ですね」
「あはは、生まれてくるのが女の子だったら、子離れできなくて大変な事になりそ~」
~私との子を授かれば側室を持てる殿下のために妊娠したフリをしたら、溺愛されていたことを知りました~
【本編 完】
ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。
このあと一話だけおまけの話があります。お付き合いいただければ幸いです。
この話の他にもいくつか小説を投稿していますので、もしよかったら作者名「弓はあと」で検索してみてください。
お時間がありましたら閲覧していただけると嬉しいです。
今後もどうぞよろしくお願いいたします♪
※らぶえっちタグについて
今回の小説ミーネにとってはらぶえっちだったか分かりませんが、殿下にとってはらぶえっちだったと思うので、タグはそのままにさせていただきますね。
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