最強の剣聖を祖父にもつ孫が最強の魔法士だった件。

松川よづく

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1.学園入学編

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「それでは、只今より勇英第一学院入学式を始めます」

入学試験ならぬ模擬戦により勇英第一学院入学を許可された生徒たちが、広大な大講堂にて入学式が始められた。

内容はあってないようなもので、勇英の入学式は一人の教師のお言葉を聞くためだけに開かれたものらしい。

教師一人のために開かれる入学式なんて聞いたことも見たこともない。

しかしやらないわけにはいかない、入学式とは所謂儀式みたいなものだ。
儀式という名のステップを踏むことで、勇英に在籍するための過程を作り出している。

何事にも順序があるというし、どれだけ意味のない入学式であろうとやらなければならない。簡単に言うと全ての結果に過程有りということだ。

まあ当の入学生である僕は、意味あるない関係なしに興味自体ない。
あまり必要のない時間が最低限削がれるのであれば僕としては願ったり叶ったりなんだけどね。

「それでは、まず始めに、勇英第一学院最高権威であらせられる教師様からのお言葉です」

エリート学院の最高権威、それはつまりこの学院を統括兼絶対的な権力を持った人物だということ。
あまりにもの大物の登場に周りの空気がピキッ、と緊張が走った。

「ど、どんな人なのかな…」
「目をつけられないかな…」

入学生たちはポツリポツリと不安を漏らし、そわそわとしだす。
隣にいるハルも全身をブルブルと震わせ、狙われたウサギのようにビクビクしていた。
それは僕も例外ではなく、少し・・ばかり緊張していた。

「それではミッシェル様、前へ…」

アナウンスは最高権威教師を壇上に上がるよう促す。
入学生たちもついに来たかと唾液を嚥下し、周りの空気は張り詰め前方へと頭を固定させ、瞳には何が何でも視線を逸らさないという固い意志が宿っていた。

「は、はいっ!わかったのですけど…あの、誰かぁ台を~台を持ってませんか~」

教卓に似た台の後ろに聞こえる幼い声が、静寂と緊張に包まれた会場の空気を一瞬にして崩壊させた。

そのあまりにもイメージしていた声とかけ離れた声に、入学生たちは到底最高権威教師だとは思えず、何処からか迷い込んだ子供かもしれないと思い始めたその刹那。

「あ、有難うなのですよ」

こんなところに子供が迷い込む筈がない。と、考えを改めると共に台の向こう側に聞こえる幼い声の正体は誰なのかと気になり始めだした。

「はいは~いっ、静かにするですよ。これ以上うるさくなるのだったらここにいる全員に即追放処分を下しますですよ」

声音は幼かろうと言っていることは物騒極まりない。
入学生たちの挙動不審な言動もその言葉によって鎮静させる。しかしまだ動揺は隠しきれていない。

それもそうだろう、この少女は僕たちを入学式場に案内した人物であり、ここに立っているということはこの人物こそが最高権威教師だということ。
その最高権威教師に送ってはならない視線を向けてしまっていたのだから。

もし、外見に反し厳格な人物であれば退学処分を言い渡されるかもしれない。
そう思うと心が掻き乱れて仕方がないのだ。

「うんうん、それでいいのですよ!先生、生徒ちゃんたちの素直さに胸の内が感激感動でいっぱいなのですよ。と言っても入学生ちゃんたちは剣士としても魔法士としてもまだまだ未熟ですから、今この時この瞬間私の心中に湧く感謝や感激はあなたたちの行動次第ではどうにだって変わりうるのですよ」

ごくり…
一入学生の息を呑む音が耳に入り、その音がこの場の緊張と不安を如実に示していた。

「つまり良からぬ事が起これば然るべき処置を行い、場合によっては私直々に二度と剣や魔法を使えなくするくらいに痛みつけることもあり得るのですよ」

壇上に立つその人物はどこからどう見ても子供にしか見えない女の子。
しかし言っていることは決して可愛くなく、勇英第一学院最高権威の名に相応しい気迫や風格が、彼女・・から肌を通り越し脳にまで伝わってくる。

「ここにいる入学生ちゃんたちは試験を無事合格したわけですから、ポンコツではないと先生は信じてるのですよ」

うんうん、と頷きながら微笑んでいたが、入学生たちの心は決して穏やかではなかった。


(((((…この人絶対やばい…)))))


ここにいる入学生たち全員は、見た目と反したその異様な迫力に、『勇英にいる限り絶対にこの人に逆らってはいけない』と一同同じ思念を心深く誓い刻むのだった。

「ああ、それと間違ってもやり返そうだなんて思わないことですよ?じゃないとまた一つ私の仕事が増えて、先生疲れちゃうですから」

その言葉に入学生たちは苦笑いをせざるを得ない。

「それではそれではおしゃべりはこの辺にして、ここからが本題なのですよ!」

この人は今までの発言がおしゃべりの領域を超えていることを理解していないのか。
剣や魔法を使用不能にするという言葉が日常的発言の分類に入るのだと言うならばこの人の認識はどこかおかしい気がする。

「その本題というのはですね、ここ勇英第一学院の制度なのですよ。それはそれは大事なもので、これからの学院生活にはなくてはならないものなのですよ」

「「「「「……」」」」」

「入学生ちゃんたちは勇英第一学院の決められた制度に基づくことで、自分自身の力、個々の能力を第三者に示し表し自らの能力を分析、理解する事が今から入学生ちゃんたちに訪れる制度の本質なのですよ!」

少女先生が言う制度、それはつまり自分の力が何かしらで評価されるという事なのか?

「そしてそして肝心の制度内容は~、レベル制度なのですよ!」

両手を大きく広げて最高権威教師の口から告げられたその制度はまだ勇英第一学院の知識がない入学生たちの混乱を招くものであった。

「急に様子がおかしくなりましたね。入学生ちゃんたちどうしたのですか?」
「……」

僕たちにはすでに《剣士》《魔法士》のランクが定められている。
レベル制度が個々の能力を表したものであったとしたら、レベル制度は全く意味を成さない。
一体何のために勇英はレベル制度を……

「む~、どうやら何が何だか分かっていないみたいですね。まあ百聞は一見にしかずと言いますし、見てもらった方が早いのですよ」

少女先生は頬を膨らませた後、聞こえるか聞こえないかの声量で何かを呟いた。
すると少女先生の手のひらめがけて光の粒子が大量に集まっていく。その光景は少しばかり幻想的なものを感じる。


「…予は力を求めし幻想…汝は知恵を求めし幻想…我は幻想たらしめる幻想を破壊する者…秘めし力…能力よ…今ここに目覚め顕れたまえ…」


まるで意志を持ったかのように光がバラつくことなく空中を漂い少女先生に向かっていく中、突然体内が熱を帯び始め、それと同時に胸部がほんのりと光りだした。

「な、なんなのこれ…!?」

入学生の一人が胸を押さえながら突然の身体の異常に慌てふためいていた。
二人跨いだ先にいるハルも少し、いや、ものすごくバタバタしていた。

「本当に、これは一体…」

別に身体が焼かれそうなほどの熱はない。ただただ熱いのだ。
訳がわからないこの状況、少女先生は一体僕らに何をしたのだろうか。

「そろそろなのですよ」

その声と共に、胸部から何かがぬるっと現れた。

「なっ、」

入学生の一人が、自身の胸部からカードらしきものが飛び出たその光景に驚きに目を見開き言葉を失っていた。

「それはあなたたちの個人名、レベルが表示されているのですよ。そしてそして、そのレベル数の値によって能力が倍加されるという代物なのですよ」

「倍加?ということは持っているだけで強くなれるってことですか!?」

戸惑っていた入学生の一人は驚愕しつつも隠しきれていない歓喜を抑えながら少女先生に質問した。

「いえ、そのカードには特殊な魔法やそういった類のものではなくてですね、ただ単にレベルを表示させるためだけのカードにすぎないのですよ」

「えっ、じゃあ持ってても何も意味はない…」

「いえ、そうではなくてですね、厳密に言うとレベルが2であった場合初期値の時の2倍、つまりレベル1の時の戦闘力から倍の戦闘力であるという証がレベル2なのですよ。簡単にいうと、2倍強くなってますよ、っていうことなのですよ」

「で、でもこのカードはただのカードって先生が言ったかも…です。」

ハルも大分落ち着いたようで、まだ少し震えながらカードを手に持ち、少女先生に言葉を投げかけた。

「確かにカードには何も細工はありません。ですが、レベル制度は今後に必要不可欠なのですよ」

「でもでもっ、私たちにはレベル以前にランクというものが…なので意味がないのかも…です」

「確かに入学生ちゃんたちに…いや、成人の儀を行なった人たちにはランクが授けられていますが、それはただのランクにすぎないのですよ」

その返事はハルの疑問が解消されることなく、未だ思考が追いつかない様子だった。
ハルは瞳をうるうるさせながら少女先生を見やる。

「すみませんっ、ちょっと意味が分からないかも…です」

「確かに今までレベルという概念とは無縁だった入学生ちゃんたちには少し分かりにくいかもしれないのですよ」

ハルは首を縦に振り肯定の意思を表した。

「はいっ、そうかも…です」
「ではではそんなお困りの入学生ちゃんたちに、勇英第一学院最高権威教師のこの私ミッシェルが分かりやすく教えるのですよ」

少女先生は拳を勢いよく( ? )ポンと胸部に当てると、ドヤ顔に近い表情で説明を始めた。

「ランクとは、謂わば才能の値なのですよ。才能っていうものはですね、人間本来のスタート地点から他の人たちより数歩先に進んだことを指すのですよ。例えるならば持って生まれた特権、ってところなのですよ」

「持って生まれた特権…」

殆どの入学生たちは俯き哀しそうな表情を浮かべていた。

「そうですね…《下級》ならスタート地点から0歩、《中級》ならスタート地点から1歩、《上級》ならスタート地点から2歩、《 極 》ならスタート地点から3歩、《幻級》は…スタート地点から100歩といったところなのですよ」

「───!?」

入学生たちは、《 極 》と《幻級》の絶望的な差に、《 極 》以下のランク保持者はさらに酷く絶望し諦めの表情を浮かべる。
しかし、そんな不安を払拭させるかのように少女先生は言葉を重ねた。

「ですが、レベル制度は違うのですよ。レベルは純粋な強さを表したもの、つまりレベルというものは力だけ・・で決まる絶対数なのですよ!」

「じゃあ…」

入学生の一人が、一筋の光を見つけたかのような希望を宿し、その瞳を少女先生に向けた。

「はい、才能という壁は幾ら乗り越えようとぶち当たろうと上昇することは叶いませんが、レベルは努力次第でいくらでも上がるのですよ。レベル制度に、努力は報われるという言葉は該当するのですよ!」

おぉぉぉぉぉ!!!と雄叫びをあげながら満面の笑みを見せる入学生たち。
しかしハルは何かが引っかかるのか、浮かない顔をしていた。

「せ、先生っ」
「どうしたのですか?」

「レベルに限界はありますか?」

「一応無いはずなのですよ。今現在確認されている最高レベルは世界に一人しかいないレベル7なのですよ。なのでそれ以上のレベルを身につけるには…そうですね~ん~」

目を瞑りながら腕を組み考える素振りを見せる少女先生。
それから数秒だった後少女先生は満面の笑みを浮かべながら口を開いた。

「分からないのですよ!」

その瞬間なんとも言えない空気がこの場を包み込んだ。
そんな中、苦い顔を見せる入学生たちをよそにハルは質問を続けた。

「あのっ、このカードに表示されたレベルはここにいる皆んな全員同じですか?」

「いえいえそんなことは有り得ないのですよ。なぜならですね、実はレベル制度には才能ランクの仕組みが多少なりとは影響しているのですよ。ですから今表示されているレベルには個人差があるのですよ」

なるほど、ということはいきなりレベル7以上の可能性もあるということか。

「ふぅ、そろそろ入学式も終わりなのですよ…」

世界でただ一人しかいない最高レベルであるレベル7はおそらく少女先生だろう。
ここまで同じ空間にいれば、いやでも理解させられる。あの少女先生は正真正銘の強者だということを。

勘違いだと思い込むことすらバカバカしくなるほどの力を、あの小柄な身体に宿っていると思うと不思議でたまらない。
僕は少女先生の言葉が何度も脳裏によぎる。


…レベルは努力次第で上がる…


僕はそれが希望に見えて地獄に見えた。

少女先生のその言葉に嘘はないだろう。だが、その努力が僕からしたら地獄にしか見えない。

努力一つでレベル一つ上がるのであれば誰一人として敗北する者などいないだろう。
レベルは純粋な力を表す。その言葉が本当ならばレベル一つ上がるためには途轍もない努力が必要だと僕は考えている。

簡単に強くなれるほどこの世界は甘くない。
初期値、謂わば自分自身の基準点。そこから一歩踏み進むためには何十年という規模の時間が掛かる。

今のレベルが1であれば絶望的だ。レベル1が今現在確認されている最高レベル7以上になろうだなんて人生を棒に振っているみたいなものだ。

それもレベル7からレベル8に到達するのは尋常ではない何かしらの力を修めなければなれない。レベル1からレベル2の進化とは訳が違うはず。

僕は大切なものを守るために勇英第一学院に来た。だからこそ僕は強さを求めることを楽観視することなく壁を乗り越えるしかない。

最強への道先が例え地獄だったとしても僕は臆することなく前へと突き進み続ける覚悟を既にしている。

( さてと、皆んなもレベルを確認したみたいだし、僕もそろそろレベルを見てみようかな。なんていうかこの緊張感は成人の儀以来かもしれないね… )

カードに書かれていたのは僕の名前とレベル。
僕は剣士ランク《 極 》と魔法士ランク《幻級》を持っている。
もしかするとレベル4以上あるのかと期待し、僕は曇り一つない綺麗なそのカードに視線を移した。


【 ミルミ・ホロリア 『レベル:0』】


そこに表示されていたレベルは〝0 〟

ミルミ・ホロリアはまだ知らない。
この世界でのレベル0は、なんの力も能力も持たない全ての人類において最弱を意味する〝無能〟だということを。
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