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シーズン1
22.若き公爵夫人の初挨拶
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朝の清々しい空気が、広々としたレッドナイト公爵家の庭に満ちていた。太陽がゆっくりと昇り、芝生の上に柔らかな金色の光が降り注いでいる。庭の中心には広い訓練場があり、普段は騎士たちが剣術や戦闘技術を磨く場だが、今日はその訓練場が一変し、公爵家の従者や料理人、騎士、臣下たちが整列していた。
彼らの表情には緊張感と期待感が混じっている。メイシールが正式に公爵夫人として挨拶をするこの日を、彼らも心待ちにしていた。長い間、冷徹な仏頂面で知られるユリドレ公爵が選んだ伴侶とはどんな人なのか、全員が興味津々だった。
訓練場の奥には大きな檀が設置されており、上質な絨毯が敷かれている。壇上には二脚の豪華な椅子が置かれ、一方にはレッドナイト家の紋章が彫り込まれた旗が掲げられていた。そのシンボルが陽光を受けて輝き、場の格式をさらに高めていた。
突然、場の静寂を破るかのように一声の号令が響いた。
「公爵と公爵夫人、ご登場です!」
その瞬間、整列していた従者たちが一斉に姿勢を正し、視線を壇上の方に向けた。足音が響く中、ユリドレがメイシールの手を握りながら現れる。彼はいつもの冷徹な表情を崩さず、端正な顔立ちに決然とした意志を宿していた。その隣で歩くメイシールは、真紅のドレスに身を包み、その若いながらも品格ある佇まいで皆の視線を釘付けにしていた。
ユリドレは壇上に到着すると、メイシールを軽くエスコートして椅子に座らせた。彼の仕草には常にメイシールを優先する配慮が見え、周囲の者たちに驚きと感心を与えた。
ユリドレが壇の中央に立ち、低く響く声で口を開いた。
「皆の者、よく集まってくれた。今日は我が家の新たな公爵夫人、メイシール・レッドナイトを正式に紹介するため、この場を設けた。」
彼の声は訓練場の端まで届くように通っており、その威厳ある響きに、場の空気が引き締まった。
「我が家の臣下、騎士、従者の皆には、これまで以上に忠誠を尽くしていただきたい。そして、公爵夫人の意思を尊重し、彼女を支えるよう務めてほしい。」
その言葉に従者や騎士たちは一斉に頭を下げた。彼らの態度には、ユリドレに対する絶対的な信頼と、メイシールへの敬意が表れている。
次に、メイシールが壇上に立つ番だった。彼女は一瞬だけユリドレに視線を送ると、彼は小さく頷いて背中を押すように軽く手を添えた。その小さな仕草に、彼女は安心したように一歩前に出る。
「初めまして、私はメイシール・レッドナイトです。」
その小さな声に見えるが、しっかりとした響きが場を包み込んだ。彼女の瞳には迷いがなく、堂々とした姿勢で人々を見渡す。
「私はまだ未熟ではありますが、皆さんと共にレッドナイト家を支えていく所存です。皆さんの力をお借りしながら、精一杯努めて参ります。どうぞよろしくお願いします。」
彼女が深々と頭を下げると、場内にかすかなざわめきが起こった。若い外見ながらも、公爵夫人としての威厳を持つ彼女の姿に、従者や騎士たちの多くが心を打たれていた。
その瞬間、ユリドレが再び壇上に立ち、彼女を抱え上げるようにエスコートして椅子に戻した。その行動に、周囲の者たちは軽く驚き、そして微笑ましさを覚える。
「これで挨拶を終える。」とユリドレが締めくくりを述べると、場に集まった者たちが一斉に頭を下げた。その後、彼らが声を揃えて応じる。
「メイシール公爵夫人に、栄光あれ!」
その力強い声が庭中に響き渡り、ユリドレが一瞬だけ表情を緩めた。その瞳には、彼がメイシールをどれほど誇りに思っているかが隠しきれずに滲み出ていた。壇上を降りた二人の前に、従者や騎士たちが次々と名乗りを上げていく時間が始まった。
庭に並ぶ人々の列は長く、最前列に立つ騎士が一歩前に出て、胸に手を当てて頭を下げる。
「第一騎士隊長、ルーク・オルディスでございます。公爵家への忠誠を誓います。」
「よろしくお願いします、ルーク隊長。」
メイシールが小さく頷くと、ユリドレは彼女の手を軽く撫でて安心させる。その仕草に、メイシールは自信を持って次の人物に視線を向けた。
続けて、従者や料理人たちが名を名乗りながら進み出てくる。メイシールはその一人ひとりにしっかりと目を合わせ、感謝の意を込めて応えていく。その様子を見守るユリドレの表情は穏やかで、彼女の成長を見届けているようだった。
しばらくして、料理人の一人が進み出る。
「料理人長、ジョルジュ・ラフェットです。公爵夫人、いつでもお食事をお作りいたします。」
ジョルジュの声にはどこか柔らかさがあり、その丸い体格と穏やかな笑みが印象的だった。しかし、彼が名乗ると同時に、メイシールは微かに目を細める。彼の顔に見覚えがある。過去の人生で王宮にいた頃に見た人物だと気づいた瞬間、心臓が一瞬跳ね上がった。
(…ジョルジュ、王宮のスパイ…。)
その思いを隠すように、メイシールはそっとユリドレの手を握り直す。その力がわずかに強くなり、ユリドレは彼女の意図を瞬時に察した。彼の目が一瞬だけジョルジュに向けられ、次には何事もなかったように視線を逸らした。
「ジョルジュ、期待していますよ。」
ユリドレが落ち着いた声で応じると、ジョルジュは深々と頭を下げ、列に戻った。
次に進み出たのは騎士の一人だった。
「第二騎士隊、ケイ・マクスウェルです。公爵家の繁栄に全力を尽くします。」
その瞬間、メイシールの手がまたぎゅっと握られる。彼女の視線はケイを捉え、彼の整った顔立ちと鋭い目つきに記憶が蘇る。王宮で見たその目は、何もかもを見透かすような冷徹な輝きを宿していた。
(…この人もスパイね…。)
「頼りにしています、ケイ騎士。」
ユリドレが抑揚のない声で応じる。その目にはわずかに冷ややかさが宿っていたが、周囲には気づかれることはない。
さらに名乗りは続き、エディオル、ディオ、ネイルと次々に進み出るたびに、メイシールはユリドレの手をぎゅっと握り締めていった。そのたびにユリドレは短く頷き、何も気づかれないように対応を続ける。
(王宮からのスパイが、これほど多く紛れ込んでいるなんて…。)
メイシールの胸に不安が募るが、ユリドレの手の温もりがそれを少し和らげる。彼の冷静さが、まるで「大丈夫だ」と囁いているようだった。
「全て名乗り終えました。公爵家への忠誠を誓います。」
最後に一列が揃って頭を下げると、ユリドレが一歩前に出た。彼の目が鋭く全員を見渡し、低く響く声で告げる。
「皆、よく尽力してくれている。これからも公爵家のために励むよう期待している。」
その一言で、全員がさらに背筋を伸ばし、静寂の中にも熱意がみなぎった。そして、ユリドレは再びメイシールの手を取り、一礼しながらその場を後にした。
二人が庭を去る途中、ユリドレが小声で囁いた。
「見覚えのある顔が多かったですね。」
「はい、王宮で見た人ばかりです…。」
「大丈夫です、メイ。全て俺が対処しますから。」
その言葉に、メイシールは小さく頷き、彼の手の温もりを握り返した。庭の静かな小道を二人で歩きながら、ユリドレの表情は穏やかに見えたが、その瞳の奥には鋭い光が宿っていた。
「それはそうと…何故、メイがこんなにも王宮に詳しいのか、いつかはしっかりと問わなければなりませんね。」
その言葉に、メイシールはぎくりと肩を震わせた。慌てて笑顔を作り、声を上ずらせながら答える。
「えぇ!?いや…ほ、ほら、お父様の仕事関係で色々…ね?」
目を逸らしながらしどろもどろに言い訳をするメイシールに、ユリドレはじっと視線を向ける。その鋭い瞳は、まるで彼女の言葉の裏を探るかのようだった。だが、彼は何も言わず、小さく息を吐くと、ふっと笑みを浮かべた。
「そうですか。まあ、今は信じておきましょう。」
その声は柔らかかったが、どこか諦めと抑えきれない嫉妬が滲んでいた。
ユリドレは突然立ち止まり、近くの大きな木陰にメイシールをそっと引き寄せる。その動きは優しさを装いながらも、どこか強引だった。驚いて彼を見上げると、ユリドレの目には嫉妬と独占欲がはっきりと浮かんでいた。
「ユリ…?」
彼女が言葉を続ける間もなく、ユリドレは荒々しく唇を重ねた。そのキスには、言葉では表現しきれないほどの感情が詰まっていた。激しいけれど、どこか切ない。それは、彼が何かを確かめるような、あるいは自分を落ち着かせるための行為のようにも感じられた。
唇を離したあと、ユリドレは額を彼女の額に触れさせながら、低く囁く。
「この人生では全てが俺のものです。メイ。」
その声には、決して手放すことのないという彼の決意が込められていた。メイシールは頬を染めながらも、彼の瞳を見つめ、静かに頷いた。
彼らの表情には緊張感と期待感が混じっている。メイシールが正式に公爵夫人として挨拶をするこの日を、彼らも心待ちにしていた。長い間、冷徹な仏頂面で知られるユリドレ公爵が選んだ伴侶とはどんな人なのか、全員が興味津々だった。
訓練場の奥には大きな檀が設置されており、上質な絨毯が敷かれている。壇上には二脚の豪華な椅子が置かれ、一方にはレッドナイト家の紋章が彫り込まれた旗が掲げられていた。そのシンボルが陽光を受けて輝き、場の格式をさらに高めていた。
突然、場の静寂を破るかのように一声の号令が響いた。
「公爵と公爵夫人、ご登場です!」
その瞬間、整列していた従者たちが一斉に姿勢を正し、視線を壇上の方に向けた。足音が響く中、ユリドレがメイシールの手を握りながら現れる。彼はいつもの冷徹な表情を崩さず、端正な顔立ちに決然とした意志を宿していた。その隣で歩くメイシールは、真紅のドレスに身を包み、その若いながらも品格ある佇まいで皆の視線を釘付けにしていた。
ユリドレは壇上に到着すると、メイシールを軽くエスコートして椅子に座らせた。彼の仕草には常にメイシールを優先する配慮が見え、周囲の者たちに驚きと感心を与えた。
ユリドレが壇の中央に立ち、低く響く声で口を開いた。
「皆の者、よく集まってくれた。今日は我が家の新たな公爵夫人、メイシール・レッドナイトを正式に紹介するため、この場を設けた。」
彼の声は訓練場の端まで届くように通っており、その威厳ある響きに、場の空気が引き締まった。
「我が家の臣下、騎士、従者の皆には、これまで以上に忠誠を尽くしていただきたい。そして、公爵夫人の意思を尊重し、彼女を支えるよう務めてほしい。」
その言葉に従者や騎士たちは一斉に頭を下げた。彼らの態度には、ユリドレに対する絶対的な信頼と、メイシールへの敬意が表れている。
次に、メイシールが壇上に立つ番だった。彼女は一瞬だけユリドレに視線を送ると、彼は小さく頷いて背中を押すように軽く手を添えた。その小さな仕草に、彼女は安心したように一歩前に出る。
「初めまして、私はメイシール・レッドナイトです。」
その小さな声に見えるが、しっかりとした響きが場を包み込んだ。彼女の瞳には迷いがなく、堂々とした姿勢で人々を見渡す。
「私はまだ未熟ではありますが、皆さんと共にレッドナイト家を支えていく所存です。皆さんの力をお借りしながら、精一杯努めて参ります。どうぞよろしくお願いします。」
彼女が深々と頭を下げると、場内にかすかなざわめきが起こった。若い外見ながらも、公爵夫人としての威厳を持つ彼女の姿に、従者や騎士たちの多くが心を打たれていた。
その瞬間、ユリドレが再び壇上に立ち、彼女を抱え上げるようにエスコートして椅子に戻した。その行動に、周囲の者たちは軽く驚き、そして微笑ましさを覚える。
「これで挨拶を終える。」とユリドレが締めくくりを述べると、場に集まった者たちが一斉に頭を下げた。その後、彼らが声を揃えて応じる。
「メイシール公爵夫人に、栄光あれ!」
その力強い声が庭中に響き渡り、ユリドレが一瞬だけ表情を緩めた。その瞳には、彼がメイシールをどれほど誇りに思っているかが隠しきれずに滲み出ていた。壇上を降りた二人の前に、従者や騎士たちが次々と名乗りを上げていく時間が始まった。
庭に並ぶ人々の列は長く、最前列に立つ騎士が一歩前に出て、胸に手を当てて頭を下げる。
「第一騎士隊長、ルーク・オルディスでございます。公爵家への忠誠を誓います。」
「よろしくお願いします、ルーク隊長。」
メイシールが小さく頷くと、ユリドレは彼女の手を軽く撫でて安心させる。その仕草に、メイシールは自信を持って次の人物に視線を向けた。
続けて、従者や料理人たちが名を名乗りながら進み出てくる。メイシールはその一人ひとりにしっかりと目を合わせ、感謝の意を込めて応えていく。その様子を見守るユリドレの表情は穏やかで、彼女の成長を見届けているようだった。
しばらくして、料理人の一人が進み出る。
「料理人長、ジョルジュ・ラフェットです。公爵夫人、いつでもお食事をお作りいたします。」
ジョルジュの声にはどこか柔らかさがあり、その丸い体格と穏やかな笑みが印象的だった。しかし、彼が名乗ると同時に、メイシールは微かに目を細める。彼の顔に見覚えがある。過去の人生で王宮にいた頃に見た人物だと気づいた瞬間、心臓が一瞬跳ね上がった。
(…ジョルジュ、王宮のスパイ…。)
その思いを隠すように、メイシールはそっとユリドレの手を握り直す。その力がわずかに強くなり、ユリドレは彼女の意図を瞬時に察した。彼の目が一瞬だけジョルジュに向けられ、次には何事もなかったように視線を逸らした。
「ジョルジュ、期待していますよ。」
ユリドレが落ち着いた声で応じると、ジョルジュは深々と頭を下げ、列に戻った。
次に進み出たのは騎士の一人だった。
「第二騎士隊、ケイ・マクスウェルです。公爵家の繁栄に全力を尽くします。」
その瞬間、メイシールの手がまたぎゅっと握られる。彼女の視線はケイを捉え、彼の整った顔立ちと鋭い目つきに記憶が蘇る。王宮で見たその目は、何もかもを見透かすような冷徹な輝きを宿していた。
(…この人もスパイね…。)
「頼りにしています、ケイ騎士。」
ユリドレが抑揚のない声で応じる。その目にはわずかに冷ややかさが宿っていたが、周囲には気づかれることはない。
さらに名乗りは続き、エディオル、ディオ、ネイルと次々に進み出るたびに、メイシールはユリドレの手をぎゅっと握り締めていった。そのたびにユリドレは短く頷き、何も気づかれないように対応を続ける。
(王宮からのスパイが、これほど多く紛れ込んでいるなんて…。)
メイシールの胸に不安が募るが、ユリドレの手の温もりがそれを少し和らげる。彼の冷静さが、まるで「大丈夫だ」と囁いているようだった。
「全て名乗り終えました。公爵家への忠誠を誓います。」
最後に一列が揃って頭を下げると、ユリドレが一歩前に出た。彼の目が鋭く全員を見渡し、低く響く声で告げる。
「皆、よく尽力してくれている。これからも公爵家のために励むよう期待している。」
その一言で、全員がさらに背筋を伸ばし、静寂の中にも熱意がみなぎった。そして、ユリドレは再びメイシールの手を取り、一礼しながらその場を後にした。
二人が庭を去る途中、ユリドレが小声で囁いた。
「見覚えのある顔が多かったですね。」
「はい、王宮で見た人ばかりです…。」
「大丈夫です、メイ。全て俺が対処しますから。」
その言葉に、メイシールは小さく頷き、彼の手の温もりを握り返した。庭の静かな小道を二人で歩きながら、ユリドレの表情は穏やかに見えたが、その瞳の奥には鋭い光が宿っていた。
「それはそうと…何故、メイがこんなにも王宮に詳しいのか、いつかはしっかりと問わなければなりませんね。」
その言葉に、メイシールはぎくりと肩を震わせた。慌てて笑顔を作り、声を上ずらせながら答える。
「えぇ!?いや…ほ、ほら、お父様の仕事関係で色々…ね?」
目を逸らしながらしどろもどろに言い訳をするメイシールに、ユリドレはじっと視線を向ける。その鋭い瞳は、まるで彼女の言葉の裏を探るかのようだった。だが、彼は何も言わず、小さく息を吐くと、ふっと笑みを浮かべた。
「そうですか。まあ、今は信じておきましょう。」
その声は柔らかかったが、どこか諦めと抑えきれない嫉妬が滲んでいた。
ユリドレは突然立ち止まり、近くの大きな木陰にメイシールをそっと引き寄せる。その動きは優しさを装いながらも、どこか強引だった。驚いて彼を見上げると、ユリドレの目には嫉妬と独占欲がはっきりと浮かんでいた。
「ユリ…?」
彼女が言葉を続ける間もなく、ユリドレは荒々しく唇を重ねた。そのキスには、言葉では表現しきれないほどの感情が詰まっていた。激しいけれど、どこか切ない。それは、彼が何かを確かめるような、あるいは自分を落ち着かせるための行為のようにも感じられた。
唇を離したあと、ユリドレは額を彼女の額に触れさせながら、低く囁く。
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その声には、決して手放すことのないという彼の決意が込められていた。メイシールは頬を染めながらも、彼の瞳を見つめ、静かに頷いた。
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