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シーズン1
29.すべてを君のために捧ぐ
俺の母親は、ホワイトホスト国の人間ではありませんでした。異国の出身で、もともとは情報ギルドの長をしていた女性です。彼女は聡明で、冷徹で、常に他者を操る術を心得ているような人でした。それが彼女の強みであり、呪いでもあったのでしょうね。
父は、レッドナイト公爵としての立場を利用し、彼女を見初めると無理矢理妻にしました。母がその結婚をどう思っていたか…?想像に難くありません。彼女は公爵家に縛り付けられた生活を強いられ、俺を産むことになりました。でも、それが彼女にとって喜びになることはありませんでした。
母は、嫌悪している夫の子を産むことを、不幸の象徴のように感じていたのでしょう。俺が幸せになることを心から拒絶していました。母は…じっくりと、執拗に、俺の感情を削り取っていきました。愛情を与えるふりをして、実際には何も与えない。それどころか、心の隙間を埋めることを許さない。それが彼女の教育でした。
俺が10歳になった頃、精密な健康診断を受けさせられたことがあります。その時に告げられた事実は、俺の人生を大きく変えるものでした。俺は結婚しても子を成すことができない体だ、と。それは異国人である母の血と、ホワイトホスト国の人間である父の血が交じり合い、体の構造そのものが違っていたからだそうです。簡単に言えば、俺はライガーのような存在だと説明されました。
ライガーというのは、ライオンとトラの間に生まれた混血種のことです。それぞれの種が持つ特性を受け継ぐが、そのために繁殖能力を持たないことが多い。つまり、異なる血を無理に交えた結果、次の世代を残すことが難しい存在だということです。
それを聞いた父と母は、決断をしました。いずれ俺がこの世を去ったことにして、公爵家の跡継ぎには分家の子供を養子に迎える。その間、俺には母の後を継いで情報ギルドの長として生きていく道を選ばせる…と。俺が家を出る日は、ただの時間の問題でした。
それからの俺は、母に従い情報ギルドの技術を叩き込まれました。任務をこなし、情報を操り、時には人を騙し、時には命を奪う。それが俺の少年時代の日常でした。そして、母はその冷たい眼差しで俺を評価するだけ。母に褒められることも、愛されることもなく、俺はただギルドの長になるための駒として成長しました。
そうして成長する中で、俺はブルービショップ家の存在を知りました。それが、全ての始まりでした。
ブルービショップ家は、特異な家系でした。調査によれば、彼らの家系には特定の条件下で回帰するという現象があり、回帰した人間の家紋には色が付く。そして、現当主には異国出身の妻がいて、娘が一人生まれているという情報も手に入れました。それを知った時、俺の胸には初めて希望という感情が湧いたんです。
情報を追いかけるうちに、俺はブルービショップ家に潜入しました。そして、そこで出会ったのは…まだ幼い、10歳年下のメイシール、アナタでした。
あの日、君の無垢な笑顔を見て、俺は思ったんです。自分の手では、この純粋な存在を汚してはいけない、と。俺はその場で引き返し、それ以上深入りするのをやめました。母の冷酷さを引き継いだ自分が君に近づけば、君まで壊してしまう。そう思ったんです。
でも、時が経ち、俺は再びメイの前に現れることになりました。その時に気付いたんです。絶望に沈んでいた俺が、再び希望を抱けたのは、メイ、アナタのおかげだったと。
俺の目の前に現れたアナタは、あの頃と変わらず、いや、それ以上に輝いていました。無垢で、美しく、けれど強さを秘めた姿が俺の目にはまるで女神のように映った。
メイ、アナタは俺にとって唯一の希望でした。諦めていた俺を救ってくれるだけでなく、自分の存在すら変えてしまうほどの力を持つ人だと、その時初めて本当に理解しました。
俺に薬を用意して、それを差し出してくれた時、俺は正直なところ驚きました。まさか、その薬を俺に盛るつもりだとは思いもしなかった。あの日、アナタが酔ったふりをしていたことに、俺は途中で気付いていました。
それでも俺は、その行動を止めることはしなかった。アナタの気持ちを知りたかったからです。そして、アナタがどんな行動に出るのかを甘んじて受け入れようと思いました。
その結果は――メイ、アナタが知る通りです。俺がアナタの意思を受け止め、その流れに身を委ねたあの日のこと。
メイが妊娠して、俺は確信しました。もうとっくに俺はアナタに惚れていたのだと。アナタが俺の心を支配し、俺に新たな希望を与えてくれていたのだと。
覚えていますか?あの日から、俺が毎日花を送っていたことを。香りの強い花ばかりでしたよね。あれには理由があったんです。ただの贈り物ではなく、メイの妊娠が早く分かるようにするためでした。
もちろん、花をプレゼントしたいという純粋な気持ちもありました。メイのそばに香りを残すことで、俺の気持ちを少しでも伝えられたらと思っていました。でも、正直なところ、それ以上に、アナタの体調の微妙な変化を見逃さないためでもあったんです。
メイが妊娠しているとわかった瞬間、俺は全てを変えようと決意しました。まず、俺は父から公爵位を引き継ぎました。あの父が、簡単にそれを渡すと思いますか?いいえ、当然のように大騒ぎでした。でも、俺にはそれを最優先で終わらせる理由がありました。アナタを俺のもとに迎え入れるためです。
全ての手続きを、公爵家の力を総動員して、わずか1日半で終わらせました。普通なら数ヶ月、あるいはそれ以上かかるはずのことを、急いで片付けたんです。書類も、認可も、全て。もう無駄な時間をかけるつもりはありませんでした。
アナタの存在を正式に俺のものとして、誰にも文句を言わせない状況を作り上げるためには、それが必要だったんです。俺のためではありません。メイ、アナタのために。アナタが安心して過ごせる場所を作るために。
この部屋も、そうです。最初のあの日があった後、すぐに改装を命じました。俺たちが過ごすこの空間を、アナタにとって居心地の良いものにするために、全てを詰め込んだ部屋を作るように指示しました。
たとえば、家具。アナタが少しでも手を伸ばせば届く場所に全てを配置しました。部屋の広さを最大限に活かしながらも、使いやすさを徹底的に追求しました。ベッドも特注です。アナタが快適に眠れるように、最高級の素材を使って作らせました。
それから、この部屋は一つで全てが完結するようになっていますよね。執務用のデスク、プライベートな浴室、リラックスするためのソファ。全部、アナタが何不自由なく過ごせるように計画したものです。
アナタが歩き回る必要がないように、メイドたちにもこの部屋のシステムを徹底的に教え込みました。どんなことでも、アナタが指示すればすぐに動けるようにしてあります。
メイ、俺はただアナタに負担をかけたくないんです。アナタがこれまでどれだけ苦労してきたか、俺には正確には分からないけれど、それを少しでも減らしてあげたい。これからは、俺がメイを守るから。
メイが苦労しなくて済むなら、俺はどんな手段でも使います。誰が何を言おうと関係ありません。メイが幸せでいてくれるなら、それが俺にとっての最優先事項です。
だから、この部屋も、この生活も、全てがアナタのためにあるんです。俺が何かを与えることで、アナタの苦しみが少しでも和らぐなら、それで十分です。
メイ、俺はアナタを選んだことに一片の後悔もありません。そして、これからも選び続けます。俺がどんな状況に置かれようとも、俺が何を失おうとも、アナタだけは俺の手で守り抜きます。必ず…
父は、レッドナイト公爵としての立場を利用し、彼女を見初めると無理矢理妻にしました。母がその結婚をどう思っていたか…?想像に難くありません。彼女は公爵家に縛り付けられた生活を強いられ、俺を産むことになりました。でも、それが彼女にとって喜びになることはありませんでした。
母は、嫌悪している夫の子を産むことを、不幸の象徴のように感じていたのでしょう。俺が幸せになることを心から拒絶していました。母は…じっくりと、執拗に、俺の感情を削り取っていきました。愛情を与えるふりをして、実際には何も与えない。それどころか、心の隙間を埋めることを許さない。それが彼女の教育でした。
俺が10歳になった頃、精密な健康診断を受けさせられたことがあります。その時に告げられた事実は、俺の人生を大きく変えるものでした。俺は結婚しても子を成すことができない体だ、と。それは異国人である母の血と、ホワイトホスト国の人間である父の血が交じり合い、体の構造そのものが違っていたからだそうです。簡単に言えば、俺はライガーのような存在だと説明されました。
ライガーというのは、ライオンとトラの間に生まれた混血種のことです。それぞれの種が持つ特性を受け継ぐが、そのために繁殖能力を持たないことが多い。つまり、異なる血を無理に交えた結果、次の世代を残すことが難しい存在だということです。
それを聞いた父と母は、決断をしました。いずれ俺がこの世を去ったことにして、公爵家の跡継ぎには分家の子供を養子に迎える。その間、俺には母の後を継いで情報ギルドの長として生きていく道を選ばせる…と。俺が家を出る日は、ただの時間の問題でした。
それからの俺は、母に従い情報ギルドの技術を叩き込まれました。任務をこなし、情報を操り、時には人を騙し、時には命を奪う。それが俺の少年時代の日常でした。そして、母はその冷たい眼差しで俺を評価するだけ。母に褒められることも、愛されることもなく、俺はただギルドの長になるための駒として成長しました。
そうして成長する中で、俺はブルービショップ家の存在を知りました。それが、全ての始まりでした。
ブルービショップ家は、特異な家系でした。調査によれば、彼らの家系には特定の条件下で回帰するという現象があり、回帰した人間の家紋には色が付く。そして、現当主には異国出身の妻がいて、娘が一人生まれているという情報も手に入れました。それを知った時、俺の胸には初めて希望という感情が湧いたんです。
情報を追いかけるうちに、俺はブルービショップ家に潜入しました。そして、そこで出会ったのは…まだ幼い、10歳年下のメイシール、アナタでした。
あの日、君の無垢な笑顔を見て、俺は思ったんです。自分の手では、この純粋な存在を汚してはいけない、と。俺はその場で引き返し、それ以上深入りするのをやめました。母の冷酷さを引き継いだ自分が君に近づけば、君まで壊してしまう。そう思ったんです。
でも、時が経ち、俺は再びメイの前に現れることになりました。その時に気付いたんです。絶望に沈んでいた俺が、再び希望を抱けたのは、メイ、アナタのおかげだったと。
俺の目の前に現れたアナタは、あの頃と変わらず、いや、それ以上に輝いていました。無垢で、美しく、けれど強さを秘めた姿が俺の目にはまるで女神のように映った。
メイ、アナタは俺にとって唯一の希望でした。諦めていた俺を救ってくれるだけでなく、自分の存在すら変えてしまうほどの力を持つ人だと、その時初めて本当に理解しました。
俺に薬を用意して、それを差し出してくれた時、俺は正直なところ驚きました。まさか、その薬を俺に盛るつもりだとは思いもしなかった。あの日、アナタが酔ったふりをしていたことに、俺は途中で気付いていました。
それでも俺は、その行動を止めることはしなかった。アナタの気持ちを知りたかったからです。そして、アナタがどんな行動に出るのかを甘んじて受け入れようと思いました。
その結果は――メイ、アナタが知る通りです。俺がアナタの意思を受け止め、その流れに身を委ねたあの日のこと。
メイが妊娠して、俺は確信しました。もうとっくに俺はアナタに惚れていたのだと。アナタが俺の心を支配し、俺に新たな希望を与えてくれていたのだと。
覚えていますか?あの日から、俺が毎日花を送っていたことを。香りの強い花ばかりでしたよね。あれには理由があったんです。ただの贈り物ではなく、メイの妊娠が早く分かるようにするためでした。
もちろん、花をプレゼントしたいという純粋な気持ちもありました。メイのそばに香りを残すことで、俺の気持ちを少しでも伝えられたらと思っていました。でも、正直なところ、それ以上に、アナタの体調の微妙な変化を見逃さないためでもあったんです。
メイが妊娠しているとわかった瞬間、俺は全てを変えようと決意しました。まず、俺は父から公爵位を引き継ぎました。あの父が、簡単にそれを渡すと思いますか?いいえ、当然のように大騒ぎでした。でも、俺にはそれを最優先で終わらせる理由がありました。アナタを俺のもとに迎え入れるためです。
全ての手続きを、公爵家の力を総動員して、わずか1日半で終わらせました。普通なら数ヶ月、あるいはそれ以上かかるはずのことを、急いで片付けたんです。書類も、認可も、全て。もう無駄な時間をかけるつもりはありませんでした。
アナタの存在を正式に俺のものとして、誰にも文句を言わせない状況を作り上げるためには、それが必要だったんです。俺のためではありません。メイ、アナタのために。アナタが安心して過ごせる場所を作るために。
この部屋も、そうです。最初のあの日があった後、すぐに改装を命じました。俺たちが過ごすこの空間を、アナタにとって居心地の良いものにするために、全てを詰め込んだ部屋を作るように指示しました。
たとえば、家具。アナタが少しでも手を伸ばせば届く場所に全てを配置しました。部屋の広さを最大限に活かしながらも、使いやすさを徹底的に追求しました。ベッドも特注です。アナタが快適に眠れるように、最高級の素材を使って作らせました。
それから、この部屋は一つで全てが完結するようになっていますよね。執務用のデスク、プライベートな浴室、リラックスするためのソファ。全部、アナタが何不自由なく過ごせるように計画したものです。
アナタが歩き回る必要がないように、メイドたちにもこの部屋のシステムを徹底的に教え込みました。どんなことでも、アナタが指示すればすぐに動けるようにしてあります。
メイ、俺はただアナタに負担をかけたくないんです。アナタがこれまでどれだけ苦労してきたか、俺には正確には分からないけれど、それを少しでも減らしてあげたい。これからは、俺がメイを守るから。
メイが苦労しなくて済むなら、俺はどんな手段でも使います。誰が何を言おうと関係ありません。メイが幸せでいてくれるなら、それが俺にとっての最優先事項です。
だから、この部屋も、この生活も、全てがアナタのためにあるんです。俺が何かを与えることで、アナタの苦しみが少しでも和らぐなら、それで十分です。
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