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シーズン1
44.別館の秘密
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王妃だった頃、あの商売の存在を知った時の衝撃が今でも鮮明に思い出される。
魔石――属性魔力を封じ込めた石。それが異国では金塊よりも高価に取引され、莫大な富を生み出していた。さらに、それが異国だけでなく国内の平民たちにも売られ、日常生活の中で利用されていると知った時の違和感は、今も胸に突き刺さるようだった。
――――異国にはない力が使える…便利だと喜ばれているのよね。
魔石が持つ能力は、魔力を持たない者にも特定の属性魔力を一時的に使用させるもので、例えば火を扱う石であれば、誰でも簡単に調理や暖房に使える。それが人々の生活を豊かにしているという一方で、その供給元であるホワイトホスト王家の政策には、深い影があった。
――――貴族が納めるのは税金じゃなくて魔石だなんて…。
王家への税収は金銭ではなく、貴族たちが自らの魔力を石に封じ込め、それを納める仕組みだった。そして、私の実家であるブルービショップ家は特殊で、魔力を封じ込める能力を持たないため、例外的に金銭を収める形となっていた。それゆえ、私は実家にいる時、この国の異様な制度に気づくことがなかった。
魔石の力が社会にどれほど浸透しているのか、今になって理解する。異国との取引だけでなく、国内での利用も進み、貴族はもちろんのこと、平民にとっても欠かせない存在になっていた。それは便利さを追い求めるがゆえに、この国が抱える異様な制度を隠してしまっている。
――――便利であれば何でも良いのかしら…。
ふと息をつきながら、私は針仕事を手に取った。刺繍をしながら思考を整理しようとするが、頭の中ではホワイトホスト王家の政策が次々と浮かび上がる。
「知れば知るほど、ここはおかしな国ね。」
小さな声でつぶやくと、そばで控えていたラズベルが、穏やかに声をかけてきた。
「そうですか?奥様、そろそろお休みになられてはいかがですか?」
彼女の優しい言葉に、私は軽く微笑み返した。
「そうね。」
椅子から立ち上がり、刺繍を片付けると、ソファーで大人しくしていたメアルーシュに目をやる。彼の小さな体は疲れたように傾き、目をしばしばさせていた。
「ルー、寝る時間よ。」
私は彼を優しく抱き上げた。その瞬間、彼の温もりが私の胸に広がり、不安や疑念で冷たくなっていた心が少しだけほぐれた気がした。
「奥様、湯浴みの準備をしておきますので、少し休んでください。」
ラズベルが後ろから声をかけてくれる。彼女の申し出に甘えるように、私は息子を抱きしめたまま、寝室へと向かった。
寝室に入ると、薄暗い灯りが穏やかに部屋を包んでいた。ベッドに息子を横たえ、掛け布団をかけてあげる。彼の穏やかな寝顔を見つめていると、自然と涙が浮かんできた。
「ルー、あなたがいるから、私は…強くなれるの。」
そっと彼の頬を撫でると、小さな手が私の指を握り返し
てきた。その温かさに、私の胸はじんわりと満たされていく。
けれど――
心の奥底で、私は未だにユリを求めている。あの声が聞きたい、あの腕に抱きしめられたいと思ってしまう。それがどれほど愚かで危険な願いであるか、自分でも分かっているのに。
―――例え死んでしまったとしても…。
その考えが頭をよぎるたび、私は自分の心の弱さに嫌気が差す。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
ラズベルが静かに部屋に入ってきて声をかける。私は咄嗟に涙を拭き、微笑みで応えた。
「えぇ、大丈夫よ。ありがとう。」
彼女は安心したように頷き、静かに部屋を出て行った。再び一人になり、私は息子の寝顔を見つめながら、自分の胸の内に渦巻く感情と向き合った。
―――――――――――
―――――――
遡ること数週間前、ユリドレ・レッドナイトは絶望していた。
―――――――
―――――――――――
その日は息子メアルーシュの1歳の誕生日だった。家族だけでささやかなパーティーを開く予定だったが、近辺の火山活動を調査するため、父が急遽外出することになり、代わりに俺が別館へ向かうこととなった。父がいない間、母の監視と、最近生まれたばかりの妹の面倒を見る必要があった。
「父上と、少し別館で用事があります。昼までには戻ります。」
愛する妻メイシールにそう告げると、彼女は微笑みながら頷いてくれた。
「わかったわ。」
「パパ!」
息子が小さな手を伸ばしてそう言うのを聞き、胸が温かくなる。俺は息子の頭を優しく撫でながら、妻の頬にそっとキスをした。
「ルー、少しだけ待っててくれ。」
その言葉を残して、俺は部屋を後にした。
別館に到着すると、メイドが新生児の妹を抱いて待っていた。彼女は俺を見ると、深々と頭を下げ、赤ん坊をそっと俺に渡してくれた。俺は慎重に腕を伸ばし、その小さな体を抱き上げる。彼女はまだ何も知らない無垢な表情で、俺をじっと見つめていた。
「妹もいいものだな。」
俺は自分の言葉に少し驚いた。これまで家族に対して特別な感情を抱くことは少なかったが、この小さな存在が心を和ませてくれることに気づいたからだ。妹の小さな手が俺の指をつかむ。その感触に思わず口元が緩んだ。
妹の世話をしながら、部屋を見渡す。別館の静けさと、どこか隔離されたような雰囲気が心に重くのしかかる。ここは父が母を封印するための場所。母の記憶を封じた魔術によって、彼女のかつての自由な生き方は失われた。父はその代償に、彼女を永遠にそばに置くことを選んだのだ。
妹を抱いて庭に出ると、母がそっと後ろから俺を抱きしめてきた。彼女の腕の温もりは、俺の中にかすかな懐かしさを呼び起こすが、そこにはかつての母の姿はなかった。
「どうしても…その子をお嫁に行かせてしまうの?まだ幼いのに…。」
彼女の声はどこか遠い響きを持っていた。その言葉には、妹への愛情と、かつての記憶の名残が混ざり合っているように感じられた。
「さぁ、どうでしょうか。俺の予想が当たっていれば、近いうちに引き取りにくるでしょうね。」
俺は軽く返答しながらも、母の表情をちらりと伺う。彼女の目はどこか虚ろで、それでも微かな輝きが残っている。
「ごめんなさいね。あなたも私の息子なのに、生まれたばかりの、この子のことばかりで…。」
彼女は寂しげに微笑むが、その笑みはどこか空虚だ。
「いえ、俺は構いません。そうですね、もう一人頑張られてはいかがですか?」
冗談めかした俺の言葉に、母は一瞬驚いた表情を見せ、すぐに柔らかく笑った。
「まぁ!ユリったら!」
その笑い声は、かつての母を思わせるものだった。
そんな穏やかな時間も束の間、父が帰宅したという知らせが届いた。俺は妹を父に渡し、急いで本館へと戻る準備を始める。妻と息子が待つ本館へ――それが俺にとっての「帰る場所」だ。足早に別館を出ると、庭の風が頬を撫で、どこか清々しい気分になった。
「メイとルーが待ってる。」
その一心で、俺は自分の足を急がせる。愛する家族のもとへ戻るために。妻の笑顔、息子の笑い声、それが今の俺を支える全てだったからだ
ドアを開けると、目の前には直属の部下が立っていた。その顔色は沈んでおり、嫌な予感が胸をよぎる。
「メイとルーは?」
焦りを隠せない俺の問いに、部下は一瞬ためらいを見せたが、すぐに口を開いた。
「申し訳ございません。何やら急用ができたと仰り、ミレーヌ様を伴って屋敷を出られました。」
「…は?」
言葉の意味が一瞬理解できず、喉の奥が乾いた感覚に襲われる。
「待て、メイの様子はどうだった?俺がここを出た後、何があったか全て話せ。」
声は自然と低くなり、部下を睨みつけるようにして詰め寄る。
「メイ様は、坊ちゃんと遊ばれた後に主を探しに別館へ向かわれました。その後、何か恐ろしいものをご覧になったようで、顔色を失われて急いで本館に戻られ…そのまま坊ちゃんとミレーヌ様を連れて出られました。」
「恐ろしいもの…?」
その言葉が頭の中で何度も反響する。母と妹を見たのか?だが、それが恐ろしいものに映る理由が思い当たらない。
額に冷たい汗がにじみ、胸の中に湧き上がるのは焦りと怒り、そして理解できない状況への苛立ち。計画にない事態が起きている。これほどの動揺を見せるメイを、何がそうさせたのか――考えるほど頭が混乱していく。
「…追え。必ず見つけろ。」
冷たい声で命じると、俺は内心で震える心を無理やり抑え込み、全てを把握する決意を固めた。
魔石――属性魔力を封じ込めた石。それが異国では金塊よりも高価に取引され、莫大な富を生み出していた。さらに、それが異国だけでなく国内の平民たちにも売られ、日常生活の中で利用されていると知った時の違和感は、今も胸に突き刺さるようだった。
――――異国にはない力が使える…便利だと喜ばれているのよね。
魔石が持つ能力は、魔力を持たない者にも特定の属性魔力を一時的に使用させるもので、例えば火を扱う石であれば、誰でも簡単に調理や暖房に使える。それが人々の生活を豊かにしているという一方で、その供給元であるホワイトホスト王家の政策には、深い影があった。
――――貴族が納めるのは税金じゃなくて魔石だなんて…。
王家への税収は金銭ではなく、貴族たちが自らの魔力を石に封じ込め、それを納める仕組みだった。そして、私の実家であるブルービショップ家は特殊で、魔力を封じ込める能力を持たないため、例外的に金銭を収める形となっていた。それゆえ、私は実家にいる時、この国の異様な制度に気づくことがなかった。
魔石の力が社会にどれほど浸透しているのか、今になって理解する。異国との取引だけでなく、国内での利用も進み、貴族はもちろんのこと、平民にとっても欠かせない存在になっていた。それは便利さを追い求めるがゆえに、この国が抱える異様な制度を隠してしまっている。
――――便利であれば何でも良いのかしら…。
ふと息をつきながら、私は針仕事を手に取った。刺繍をしながら思考を整理しようとするが、頭の中ではホワイトホスト王家の政策が次々と浮かび上がる。
「知れば知るほど、ここはおかしな国ね。」
小さな声でつぶやくと、そばで控えていたラズベルが、穏やかに声をかけてきた。
「そうですか?奥様、そろそろお休みになられてはいかがですか?」
彼女の優しい言葉に、私は軽く微笑み返した。
「そうね。」
椅子から立ち上がり、刺繍を片付けると、ソファーで大人しくしていたメアルーシュに目をやる。彼の小さな体は疲れたように傾き、目をしばしばさせていた。
「ルー、寝る時間よ。」
私は彼を優しく抱き上げた。その瞬間、彼の温もりが私の胸に広がり、不安や疑念で冷たくなっていた心が少しだけほぐれた気がした。
「奥様、湯浴みの準備をしておきますので、少し休んでください。」
ラズベルが後ろから声をかけてくれる。彼女の申し出に甘えるように、私は息子を抱きしめたまま、寝室へと向かった。
寝室に入ると、薄暗い灯りが穏やかに部屋を包んでいた。ベッドに息子を横たえ、掛け布団をかけてあげる。彼の穏やかな寝顔を見つめていると、自然と涙が浮かんできた。
「ルー、あなたがいるから、私は…強くなれるの。」
そっと彼の頬を撫でると、小さな手が私の指を握り返し
てきた。その温かさに、私の胸はじんわりと満たされていく。
けれど――
心の奥底で、私は未だにユリを求めている。あの声が聞きたい、あの腕に抱きしめられたいと思ってしまう。それがどれほど愚かで危険な願いであるか、自分でも分かっているのに。
―――例え死んでしまったとしても…。
その考えが頭をよぎるたび、私は自分の心の弱さに嫌気が差す。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
ラズベルが静かに部屋に入ってきて声をかける。私は咄嗟に涙を拭き、微笑みで応えた。
「えぇ、大丈夫よ。ありがとう。」
彼女は安心したように頷き、静かに部屋を出て行った。再び一人になり、私は息子の寝顔を見つめながら、自分の胸の内に渦巻く感情と向き合った。
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遡ること数週間前、ユリドレ・レッドナイトは絶望していた。
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その日は息子メアルーシュの1歳の誕生日だった。家族だけでささやかなパーティーを開く予定だったが、近辺の火山活動を調査するため、父が急遽外出することになり、代わりに俺が別館へ向かうこととなった。父がいない間、母の監視と、最近生まれたばかりの妹の面倒を見る必要があった。
「父上と、少し別館で用事があります。昼までには戻ります。」
愛する妻メイシールにそう告げると、彼女は微笑みながら頷いてくれた。
「わかったわ。」
「パパ!」
息子が小さな手を伸ばしてそう言うのを聞き、胸が温かくなる。俺は息子の頭を優しく撫でながら、妻の頬にそっとキスをした。
「ルー、少しだけ待っててくれ。」
その言葉を残して、俺は部屋を後にした。
別館に到着すると、メイドが新生児の妹を抱いて待っていた。彼女は俺を見ると、深々と頭を下げ、赤ん坊をそっと俺に渡してくれた。俺は慎重に腕を伸ばし、その小さな体を抱き上げる。彼女はまだ何も知らない無垢な表情で、俺をじっと見つめていた。
「妹もいいものだな。」
俺は自分の言葉に少し驚いた。これまで家族に対して特別な感情を抱くことは少なかったが、この小さな存在が心を和ませてくれることに気づいたからだ。妹の小さな手が俺の指をつかむ。その感触に思わず口元が緩んだ。
妹の世話をしながら、部屋を見渡す。別館の静けさと、どこか隔離されたような雰囲気が心に重くのしかかる。ここは父が母を封印するための場所。母の記憶を封じた魔術によって、彼女のかつての自由な生き方は失われた。父はその代償に、彼女を永遠にそばに置くことを選んだのだ。
妹を抱いて庭に出ると、母がそっと後ろから俺を抱きしめてきた。彼女の腕の温もりは、俺の中にかすかな懐かしさを呼び起こすが、そこにはかつての母の姿はなかった。
「どうしても…その子をお嫁に行かせてしまうの?まだ幼いのに…。」
彼女の声はどこか遠い響きを持っていた。その言葉には、妹への愛情と、かつての記憶の名残が混ざり合っているように感じられた。
「さぁ、どうでしょうか。俺の予想が当たっていれば、近いうちに引き取りにくるでしょうね。」
俺は軽く返答しながらも、母の表情をちらりと伺う。彼女の目はどこか虚ろで、それでも微かな輝きが残っている。
「ごめんなさいね。あなたも私の息子なのに、生まれたばかりの、この子のことばかりで…。」
彼女は寂しげに微笑むが、その笑みはどこか空虚だ。
「いえ、俺は構いません。そうですね、もう一人頑張られてはいかがですか?」
冗談めかした俺の言葉に、母は一瞬驚いた表情を見せ、すぐに柔らかく笑った。
「まぁ!ユリったら!」
その笑い声は、かつての母を思わせるものだった。
そんな穏やかな時間も束の間、父が帰宅したという知らせが届いた。俺は妹を父に渡し、急いで本館へと戻る準備を始める。妻と息子が待つ本館へ――それが俺にとっての「帰る場所」だ。足早に別館を出ると、庭の風が頬を撫で、どこか清々しい気分になった。
「メイとルーが待ってる。」
その一心で、俺は自分の足を急がせる。愛する家族のもとへ戻るために。妻の笑顔、息子の笑い声、それが今の俺を支える全てだったからだ
ドアを開けると、目の前には直属の部下が立っていた。その顔色は沈んでおり、嫌な予感が胸をよぎる。
「メイとルーは?」
焦りを隠せない俺の問いに、部下は一瞬ためらいを見せたが、すぐに口を開いた。
「申し訳ございません。何やら急用ができたと仰り、ミレーヌ様を伴って屋敷を出られました。」
「…は?」
言葉の意味が一瞬理解できず、喉の奥が乾いた感覚に襲われる。
「待て、メイの様子はどうだった?俺がここを出た後、何があったか全て話せ。」
声は自然と低くなり、部下を睨みつけるようにして詰め寄る。
「メイ様は、坊ちゃんと遊ばれた後に主を探しに別館へ向かわれました。その後、何か恐ろしいものをご覧になったようで、顔色を失われて急いで本館に戻られ…そのまま坊ちゃんとミレーヌ様を連れて出られました。」
「恐ろしいもの…?」
その言葉が頭の中で何度も反響する。母と妹を見たのか?だが、それが恐ろしいものに映る理由が思い当たらない。
額に冷たい汗がにじみ、胸の中に湧き上がるのは焦りと怒り、そして理解できない状況への苛立ち。計画にない事態が起きている。これほどの動揺を見せるメイを、何がそうさせたのか――考えるほど頭が混乱していく。
「…追え。必ず見つけろ。」
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