32 / 56
32.陰謀渦巻く舞踏会
しおりを挟む
王宮の舞踏会会場に足を踏み入れると、壮麗な装飾に包まれた大広間が広がっていた。青いドレスを身にまとったサクレティアは、視線を感じつつ、少し緊張気味にクレノースと共にゆっくりと歩き出す。彼女の発明に興味を持っている男性貴族たちが、すぐに目を輝かせて近づいてきた。
「お噂はかねがね、サクレティア様。あの顕微鏡を発明されたとか、まさに異才ですね!」と、一人の男性貴族が声をかける。
「いえ、ただの思いつきですわ。そんなに大したことは……」と控えめに答えるサクレティア。しかし、彼らはさらに興味津々に彼女を囲む。
その一方で、遠くから冷たい視線を送ってくる女性貴族たちもいた。「女のくせに、仕事なんかして恥ずかしくないのかしら?」と一人が小声で囁き、他の女性たちが鼻で笑った。やっかむ声があちこちから聞こえ、サクレティアは心の中で肩をすくめた。
さらに、公爵夫人という立場に嫉妬する令嬢たちもいる。「平民上がりのくせに公爵夫人なんて、おかしいわ!」と、彼女たちはヒソヒソと陰口を叩いている。サクレティアはそれを耳にしながらも、気にしないふりをしていたが、心の中では少しイライラしていた。
そんな中、一部の若い令嬢たちは、優雅で穏やかなクレノースに熱い視線を送り、何とかして彼の気を引こうと企んでいた。特に一人の令嬢が、友人に小声で囁いた。「あの公爵様、カッコイイじゃない。薬でも盛って妾になって、いずれ正妻に……」と、企む姿が見え隠れする。
さらに、長らく社交界に顔を出さなかったクレノースを馬鹿にする貴族たちもいた。「バレンティル公爵も随分堕ちたものだな、田舎に隠れ住んでいたなんて」と、馬鹿にしたような笑い声が飛ぶ。
しかし、そんな挑発的な視線や囁きをよそに、クレノースは穏やかで優雅な態度を崩さなかった。彼は周囲の騒ぎに気を取られることなく、落ち着いた微笑を浮かべ、サクレティアの手を優しく取っていた。彼女の横で、あくまで冷静で丁寧に接しながらも、どこか余裕を感じさせるその姿は、舞踏会の中心にいるにふさわしい存在感を放っていた。
サクレティアは彼のその姿に少しホッとしながらも、《社交界って本当に面倒くさい……》と内心でため息をつきつつ、クレノースと共に歩を進めた。
その瞬間、馬鹿な貴族の一人が、わざとらしい演技でクレノースに飲み物をかけようとグラスを傾けた。しかし、クレノースはその動きに気づくと、驚くほど素早く手を伸ばして、スッとその傾いたグラスを持ち上げた。
「ちょうど喉が渇いていたんです。ありがとうございます。」クレノースは微笑みを浮かべながら、優雅にグラスの中身を一口飲んだ。
その一瞬の出来事に、周囲の空気が凍りつき、貴族たちは驚愕の表情を浮かべた。一部の令嬢たちは、思わず黄色い声を上げ、「きゃー!素敵!」と感嘆し、目を輝かせた。
貴族たちが状況を理解する前に、クレノースは何事もなかったかのようにその場を優雅に振る舞い、飲み物をすっと返した。サクレティアはその様子を見て、クレノースの機転に内心で拍手を送りつつ、《本当に、何があっても優雅でいるのね……》と呆れるように微笑む。
クレノースがサクレティアから少し距離を取っていたせいで、彼はあっという間に令嬢たちに囲まれてしまった。彼女たちは彼をどうにか口説き落とそうと過激な行動に出始め、腕に触れたり、ささやきかけたりと、明らかに普通ではないアプローチを仕掛けていた。
その一方で、サクレティアもまた、男性貴族たちに囲まれていた。彼らはサクレティアの発明品に興味津々で、次々と質問を浴びせてきた。
「次の発明はどのようなものをお考えですか?」
「どうやってそんな革新的なアイデアを思いつくんですか?」
「これは一大ビジネスチャンスでは?ご協力できればと…」
サクレティアは一度に投げかけられる質問に戸惑いつつ、なんとか答えようとしていた。
一方、クレノースはニコニコと微笑みながら令嬢たちの攻勢を優雅にかわしていたが、その行動が過激さを増すにつれ、彼の表情に困惑が浮かび始めた。どうにかサクレティアの隣に戻ろうと試みたものの、令嬢たちがその場を離れようとしない。
ついにクレノースは、一瞬だけその優雅な表情を崩し、静かに殺気を放った。彼の目から感じるその圧倒的な気迫に、令嬢たちは思わず足を止め、動きを封じられたかのようにその場で固まってしまった。
その隙にクレノースは素早くサクレティアの元に戻り、男性貴族たちに囲まれている彼女をすくい上げるように優雅に救い出した。
「お待たせしました、サクレティア様。」と、ニコニコしながらも内心では少しだけ冷や汗を流しているクレノース。
「助かったわ……」と、サクレティアは内心でホッとしながらも、どこかこの状況に疲れを感じつつ微笑む。
ダンスの曲が優雅に流れ始め、クレノースはサクレティアに柔らかな笑みを向けながら、手を差し出した。「サク、踊りましょう。」
「えぇ。」サクレティアは彼の手を取り、二人は軽やかに舞踏会のフロアへと向かった。
ダンスのステップが心地よく響き、二人の動きは自然と音楽に溶け込む。だが、サクレティアの心の中では、少し違う期待が渦巻いていた。《てっきり、クールな感じになるかと思ったけれど、違うのね。なんだか残念。》彼の優雅な笑顔は美しいけれど、クレノースの冷静でクールな一面もまた魅力的に感じていた。
すると、クレノースがふっと顔を近づけて囁いた。「サクはクールな男性がお好きですか?」
「え?」サクレティアは少し驚きながらも、微笑んで答えた。「いや、別に…。クレノがクールなのはカッコイイと思っちゃうだけよ。」
その言葉を聞くと、クレノースは少しホッとしたように柔らかな表情を浮かべ、微笑み返した。「それなら良かったです。僕はいつだって、サク一筋ですから。」
サクレティアは彼のその優しさに少し戸惑いながらも、《まぁ、これがクレノらしいのかもしれないわね》と心の中でつぶやいた。
舞踏会が終盤に差し掛かり、サクレティアはクレノースの様子に気づいた。彼は依然として優雅にニコニコしていたが、その顔は真っ青で、冷や汗が額に浮かんでいた。
「クレノ!?どうしたの?」サクレティアは心配そうに彼に声をかけた。
クレノースは笑顔を保ちながら、軽く首を振って答えた。「いえ、特に問題はないですよ、サクレ。」
しかし、彼の様子は明らかに普通ではない。サクレティアは彼の腕を軽く引きながら提案した。「もう帰りましょう?」
クレノースは少しの間黙っていたが、やがて「そうですね。」と微笑んで頷いた。その姿には、普段の穏やかな優雅さを保ちながらも、どこか限界に近い疲れが感じられた。
「さぁ、馬車を呼びましょう。」サクレティアはクレノースの手をしっかりと握り、彼を外へと導いた。
「お噂はかねがね、サクレティア様。あの顕微鏡を発明されたとか、まさに異才ですね!」と、一人の男性貴族が声をかける。
「いえ、ただの思いつきですわ。そんなに大したことは……」と控えめに答えるサクレティア。しかし、彼らはさらに興味津々に彼女を囲む。
その一方で、遠くから冷たい視線を送ってくる女性貴族たちもいた。「女のくせに、仕事なんかして恥ずかしくないのかしら?」と一人が小声で囁き、他の女性たちが鼻で笑った。やっかむ声があちこちから聞こえ、サクレティアは心の中で肩をすくめた。
さらに、公爵夫人という立場に嫉妬する令嬢たちもいる。「平民上がりのくせに公爵夫人なんて、おかしいわ!」と、彼女たちはヒソヒソと陰口を叩いている。サクレティアはそれを耳にしながらも、気にしないふりをしていたが、心の中では少しイライラしていた。
そんな中、一部の若い令嬢たちは、優雅で穏やかなクレノースに熱い視線を送り、何とかして彼の気を引こうと企んでいた。特に一人の令嬢が、友人に小声で囁いた。「あの公爵様、カッコイイじゃない。薬でも盛って妾になって、いずれ正妻に……」と、企む姿が見え隠れする。
さらに、長らく社交界に顔を出さなかったクレノースを馬鹿にする貴族たちもいた。「バレンティル公爵も随分堕ちたものだな、田舎に隠れ住んでいたなんて」と、馬鹿にしたような笑い声が飛ぶ。
しかし、そんな挑発的な視線や囁きをよそに、クレノースは穏やかで優雅な態度を崩さなかった。彼は周囲の騒ぎに気を取られることなく、落ち着いた微笑を浮かべ、サクレティアの手を優しく取っていた。彼女の横で、あくまで冷静で丁寧に接しながらも、どこか余裕を感じさせるその姿は、舞踏会の中心にいるにふさわしい存在感を放っていた。
サクレティアは彼のその姿に少しホッとしながらも、《社交界って本当に面倒くさい……》と内心でため息をつきつつ、クレノースと共に歩を進めた。
その瞬間、馬鹿な貴族の一人が、わざとらしい演技でクレノースに飲み物をかけようとグラスを傾けた。しかし、クレノースはその動きに気づくと、驚くほど素早く手を伸ばして、スッとその傾いたグラスを持ち上げた。
「ちょうど喉が渇いていたんです。ありがとうございます。」クレノースは微笑みを浮かべながら、優雅にグラスの中身を一口飲んだ。
その一瞬の出来事に、周囲の空気が凍りつき、貴族たちは驚愕の表情を浮かべた。一部の令嬢たちは、思わず黄色い声を上げ、「きゃー!素敵!」と感嘆し、目を輝かせた。
貴族たちが状況を理解する前に、クレノースは何事もなかったかのようにその場を優雅に振る舞い、飲み物をすっと返した。サクレティアはその様子を見て、クレノースの機転に内心で拍手を送りつつ、《本当に、何があっても優雅でいるのね……》と呆れるように微笑む。
クレノースがサクレティアから少し距離を取っていたせいで、彼はあっという間に令嬢たちに囲まれてしまった。彼女たちは彼をどうにか口説き落とそうと過激な行動に出始め、腕に触れたり、ささやきかけたりと、明らかに普通ではないアプローチを仕掛けていた。
その一方で、サクレティアもまた、男性貴族たちに囲まれていた。彼らはサクレティアの発明品に興味津々で、次々と質問を浴びせてきた。
「次の発明はどのようなものをお考えですか?」
「どうやってそんな革新的なアイデアを思いつくんですか?」
「これは一大ビジネスチャンスでは?ご協力できればと…」
サクレティアは一度に投げかけられる質問に戸惑いつつ、なんとか答えようとしていた。
一方、クレノースはニコニコと微笑みながら令嬢たちの攻勢を優雅にかわしていたが、その行動が過激さを増すにつれ、彼の表情に困惑が浮かび始めた。どうにかサクレティアの隣に戻ろうと試みたものの、令嬢たちがその場を離れようとしない。
ついにクレノースは、一瞬だけその優雅な表情を崩し、静かに殺気を放った。彼の目から感じるその圧倒的な気迫に、令嬢たちは思わず足を止め、動きを封じられたかのようにその場で固まってしまった。
その隙にクレノースは素早くサクレティアの元に戻り、男性貴族たちに囲まれている彼女をすくい上げるように優雅に救い出した。
「お待たせしました、サクレティア様。」と、ニコニコしながらも内心では少しだけ冷や汗を流しているクレノース。
「助かったわ……」と、サクレティアは内心でホッとしながらも、どこかこの状況に疲れを感じつつ微笑む。
ダンスの曲が優雅に流れ始め、クレノースはサクレティアに柔らかな笑みを向けながら、手を差し出した。「サク、踊りましょう。」
「えぇ。」サクレティアは彼の手を取り、二人は軽やかに舞踏会のフロアへと向かった。
ダンスのステップが心地よく響き、二人の動きは自然と音楽に溶け込む。だが、サクレティアの心の中では、少し違う期待が渦巻いていた。《てっきり、クールな感じになるかと思ったけれど、違うのね。なんだか残念。》彼の優雅な笑顔は美しいけれど、クレノースの冷静でクールな一面もまた魅力的に感じていた。
すると、クレノースがふっと顔を近づけて囁いた。「サクはクールな男性がお好きですか?」
「え?」サクレティアは少し驚きながらも、微笑んで答えた。「いや、別に…。クレノがクールなのはカッコイイと思っちゃうだけよ。」
その言葉を聞くと、クレノースは少しホッとしたように柔らかな表情を浮かべ、微笑み返した。「それなら良かったです。僕はいつだって、サク一筋ですから。」
サクレティアは彼のその優しさに少し戸惑いながらも、《まぁ、これがクレノらしいのかもしれないわね》と心の中でつぶやいた。
舞踏会が終盤に差し掛かり、サクレティアはクレノースの様子に気づいた。彼は依然として優雅にニコニコしていたが、その顔は真っ青で、冷や汗が額に浮かんでいた。
「クレノ!?どうしたの?」サクレティアは心配そうに彼に声をかけた。
クレノースは笑顔を保ちながら、軽く首を振って答えた。「いえ、特に問題はないですよ、サクレ。」
しかし、彼の様子は明らかに普通ではない。サクレティアは彼の腕を軽く引きながら提案した。「もう帰りましょう?」
クレノースは少しの間黙っていたが、やがて「そうですね。」と微笑んで頷いた。その姿には、普段の穏やかな優雅さを保ちながらも、どこか限界に近い疲れが感じられた。
「さぁ、馬車を呼びましょう。」サクレティアはクレノースの手をしっかりと握り、彼を外へと導いた。
0
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが
水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。
王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。
数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。
記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。
リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが……
◆表紙はGirly Drop様からお借りしました
◇小説家になろうにも掲載しています
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています
月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。
しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。
破滅を回避するために決めたことはただ一つ――
嫌われないように生きること。
原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、
なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、
気づけば全員から溺愛される状況に……?
世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、
無自覚のまま運命と恋を変えていく、
溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。
乙女ゲームのモブに転生していると断罪イベント当日に自覚した者ですが、ようやく再会できた初恋の男の子が悪役令嬢に攻略され済みなんてあんまりだ
弥生 真由
恋愛
『貴女との婚約は今夜を持って破棄させて貰おう!』
学園卒業祝いの夜会の場に、凛と響いた王太子殿下の一声。
その瞬間、私は全てを思い出した。
私が前世ではただの手芸とゲームが好きなインドア派女子大生だったこと。そして、ゲーム世界に転生して尚も趣味は変わらず、ライバルキャラですらないモブになってしまっていたことを。
幼い頃に一度出会ったきりの初恋の彼と学園で再会出来たらなぁ、なんて淡い期待を抱いて通っていたのに、道理で卒業式までなんにも起きなかったわけだ。
ーーなんて、ひとり納得していたら。
何故だが私が悪役令嬢の断罪イベントの目撃者として名指しされ、一気に渦中の人物に!?
更に、王太子以外の男性陣は皆様悪役令嬢に骨抜き。なので自然と私には、彼女の潔白に繋がる証言が求められる。
しかしながら、私は肝心の事件の日の記憶が訳あって曖昧だったので、致し方なく記憶を呼び覚ます治療を受けさせられる羽目に。
タイムリミットは1年間。
その1年間の私への護衛につけられたのは、悪役令嬢に心奪われた初恋の彼でした。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる