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◇くりかえしの一日:4◆
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当然、そのクソガキが自分からなにかを吐くことはなかった。
ただ自分たちは正義の味方であって、悪い奴らを退治するためにきたんだと。
そんなようなことだけ言っていた……ので、俺の出番である。
椅子に縛りつけられて、能力を封じられた状態のそいつに近づいて、右手を頭に置くと、あからさまにいやそうな顔をされた。
「なんだよ、やっぱりおまえも同じような能力のやつなんじゃないか! 失敗した!」
悪態をつくクソガキを無視して、俺は自分の能力を発動させる。
普段は茶色の目が、どうやらこれをつかうときは一瞬青になるらしい。
「え」
しかし、今度は俺が戸惑うことになった。
こいつから読み取れるものはようするに――。
繰り返される暴力と、薬物。
グレーテルと呼んでいたほうの少女を人質にとられたこいつ、ヘンゼルが、自分自身とグレーテルに能力を使い、自分達をそいつらの仲間だと思いこませたこと。
逆にそうしなけりゃあ、こいつもグレーテルも殺されるはずだったこと。
つーかそもそも、こいつらヘンゼルとグレーテルじゃなくて、名前なんかない、捨て子で、兄妹だ。
ヘンゼルの能力は他人の意識に干渉すること……かなり広範囲に効果がある、グレーテルの能力は植物を操ることと、毒物の生成。
まぁ、まだこいつはマシなほうだろう、どうせウィリアムはこいつを庇うだろうし。
だがグレーテルってほうはまずい、やってきたことによっては死罪になっちまう。
「こりゃあおまえ、時間がねーじゃねーの」
俺が呟くと、うしろでにまにまと笑うレニの声がした。
「ふっふっふー! アズサちゃーん! 敵の本拠地が分かったらあとはもう殴りこみ、時間のあるもないもへったくれもないのよ!」
「いやおまえ、いくらなんでも危なすぎるぞ。つーか「ちゃん」つけんな!」
「こっちには透視能力のアンナさまがましますのよー! ってわけで、さっさと教えてアズサちゃーん、あたしもうここ最近のこの事件のせいでお肌がぼろぼろなの、ぶっとばさなきゃ気がすまないのー」
うっふふーと気色悪い笑みをうかべるレニに、俺は盛大なため息を吐いた。
ただ自分たちは正義の味方であって、悪い奴らを退治するためにきたんだと。
そんなようなことだけ言っていた……ので、俺の出番である。
椅子に縛りつけられて、能力を封じられた状態のそいつに近づいて、右手を頭に置くと、あからさまにいやそうな顔をされた。
「なんだよ、やっぱりおまえも同じような能力のやつなんじゃないか! 失敗した!」
悪態をつくクソガキを無視して、俺は自分の能力を発動させる。
普段は茶色の目が、どうやらこれをつかうときは一瞬青になるらしい。
「え」
しかし、今度は俺が戸惑うことになった。
こいつから読み取れるものはようするに――。
繰り返される暴力と、薬物。
グレーテルと呼んでいたほうの少女を人質にとられたこいつ、ヘンゼルが、自分自身とグレーテルに能力を使い、自分達をそいつらの仲間だと思いこませたこと。
逆にそうしなけりゃあ、こいつもグレーテルも殺されるはずだったこと。
つーかそもそも、こいつらヘンゼルとグレーテルじゃなくて、名前なんかない、捨て子で、兄妹だ。
ヘンゼルの能力は他人の意識に干渉すること……かなり広範囲に効果がある、グレーテルの能力は植物を操ることと、毒物の生成。
まぁ、まだこいつはマシなほうだろう、どうせウィリアムはこいつを庇うだろうし。
だがグレーテルってほうはまずい、やってきたことによっては死罪になっちまう。
「こりゃあおまえ、時間がねーじゃねーの」
俺が呟くと、うしろでにまにまと笑うレニの声がした。
「ふっふっふー! アズサちゃーん! 敵の本拠地が分かったらあとはもう殴りこみ、時間のあるもないもへったくれもないのよ!」
「いやおまえ、いくらなんでも危なすぎるぞ。つーか「ちゃん」つけんな!」
「こっちには透視能力のアンナさまがましますのよー! ってわけで、さっさと教えてアズサちゃーん、あたしもうここ最近のこの事件のせいでお肌がぼろぼろなの、ぶっとばさなきゃ気がすまないのー」
うっふふーと気色悪い笑みをうかべるレニに、俺は盛大なため息を吐いた。
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