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第3章 ハルシュタイン将軍とサリヴァンの娘
74 夢見た日
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アリシア達は後発の荷物隊と囮部隊との合流の為に、クラウスの野営地で丸1日待つことになった。夜はエンジュ達が持ってきたテントでそれぞれ休み、翌日はひたすら待ち時間だった。暇だという事で、結局エンジュはクラウスと手合わせを希望し、バルツァー含めた他の兵士達もそこに加わった。アリシアも観戦していたので、待機の時間はあっという間に過ぎて行った。
そして夕方に予定通り後発の荷物隊が、その少し後に囮部隊も到着した。
囮部隊から襲撃について詳細を聞けた。どうやら囮が襲撃を受けたのはルンドバリの別働隊だったようで、全員捕縛されていた。ルンドバリはアリシア達の出発に合わせて真っ直ぐ戦線まで向かったので、アリシア達より先に到着したようだ。
全員と合流出来たので、エンジュはルンドバリ達を全員引き受け、もう一泊してから出発する事となった。
「じゃあな。何かあれば連絡してこい。ハルシュタイン将軍、妹をよろしく」
「よろしくお願いします。俺にもたまには連絡してよ姉さん」
「うん。兄さんもダーマットも、ここまで付いて来てくれてありがとう。帰りも気をつけてね」
「エンジュ殿、ダーマット。そちらも何かあれば遠慮なく連絡を。これからは義理の家族だからな」
クラウスがサラッと言った言葉に、3人は固まった。
(まだ籍も入れてないのに・・・)
籍どころかまだ新都フェルシュタットにさえ着いていない。気が早すぎないだろうか。アリシアは照れくさくなってエンジュとダーマットから顔を逸らし、目を彷徨わせた。
「・・・・・・そうだった。色々ありすぎてすっかり忘れてたが・・・義理の弟・・・?ハルシュタイン将軍が、俺の弟・・・」
「そうか・・・・・・義理の兄さん・・・いや、何て呼べばいいんだ・・・?」
動揺するエンジュとダーマットに、クラウスはクククと笑った。
「そんな重苦しく考えなくていい。私だって義理の父はあのサリヴァン将軍だしな。あまり考えてもそこに意味はないだろ。私の事は好きに呼べばいいし、兄や弟にこだわる必要もない」
クラウスの言葉に、エンジュとダーマットは頷いた。
「そうだな。アリシアの旦那で、俺らの家族ってところだけ押さえときゃ十分か」
「ハルシュタイン将軍はハルシュタイン将軍だしね。確かにその通り」
「・・・・・・」
(いや・・・まだ結婚してないんですけど・・・)
顔が熱くなって、アリシアは下を向いた。
エンジュ達を見送ると、次はアリシア達が出発する番だ。野営地を片付けて兵士全員で発つとなると時間がかかる。なのでアリシアの必要最低限の荷物だけを持って、先にヴァネサで向かうことになった。
「では後を頼んだ」
「あいよ。こっちは俺が責任持って連れ帰る。嬢ちゃんもいつまでもこんな男臭い場所じゃ気も休まらねぇだろ。気にせず先に帰って休んでくれ」
「ありがとうございます、バルツァーさん。男臭いってことはありませんけど、よろしくお願いします」
アリシアが手を振ってバルツァーに応えると、バルツァーは手を挙げて応える。後ろの兵士達も何人か手を振り返してくれた。
そしてクラウスがヴァネサを歩かせ、暫く行くとヴァネサの足音と風の音だけになった。
「アリシア。早く行きたいならヴァネサに駆けさせるし、ゆっくりでもいいぞ。テントは持ってきてる。どうする?」
「・・・どれくらいで着きますか?」
「早く行くなら今日の午後、ゆっくりなら明日の午前だな」
うーん、とアリシアは考える。特に急ぐ用事もないので、敢えてギャロップで走らせなくてもいい。しかしゆっくり行けばクラウスと2人でテント泊。それはそれで緊張する。
うんうんと唸っていると、クラウスは苦笑した。
「どうせテント泊になったらどうしようとか考えてるんだろ。もちろん襲うに決まってる」
「・・・」
「今日の午後に新都に着いたらそのまま屋敷に向かう。なら、やっぱり俺の部屋に連れて行って襲うに決まってる」
「・・・・・・結局同じ・・・」
「そういう事だ。もう何も遠慮する事は無くなったんだ。一ヶ月振りに会って、俺が君を放置すると思うか?」
「そうですよね・・・」
アリシアは恥ずかしくなって下を向く。すると後ろからクラウスがアリシアの肩に腕を回した。軽く抱き寄せられ、アリシアはクラウスに背を預けるような形になった。自然と視線も下から前方へと向く。
「やっと君と共に過ごせるようになった。入籍はどの日がいいか考えよう。結婚式はもっと先になるだろうしな」
「・・・はい」
クラウスとアリシアの結婚は魔国ティナドランと神聖ルアンキリの間の国益へと繋がるモノへと変貌している。その為、結婚式は両国の主要人物が参加する事となる。国事のような扱いになっているので、各種方面への調整が必要だ。その調整もまだ行われていない。挙式はまだまだ先の話だ。
アリシアは辺りを見渡す。戦線を越えて赤道も越えた。神聖ルアンキリは晩秋だったが、魔国ティナドランは初夏だ。辺りは緑豊か草原が広がり、遠くには青々とした山や丘が見える。アリシアは今日から夏服を着ている。服が薄いので余計にクラウスの体温を感じるが、これからはこの体温が日常になるのだろう。そう思うと胸が幸福感で満ちていく。
(これからクラウスと魔国で暮らしていくんだ・・・感慨深いな)
魔国ティナドランには戦争を止めるために潜入し、どこかのタイミングでルアンキリに帰るつもりだった。そして母カエデのように、人類連合内の誰かと恋愛して結婚するのだとばかり思っていた。
(大恋愛なんてするつもりなかったのに。精霊神様もよく『人生何があるかわからないものだよ』って言ってたけど・・・)
アリシアは後ろを見やる。ちゃんとは見えないが、視界の端にクラウスの顔が入る。それに気付いたクラウスが顔を寄せてきた。
「どうした」
「・・・・・・人類連合側の騒ぎであまり考える余裕が無かったので・・・。今になってクラウスと結婚するんだと、実感が沸いてきました」
「ああ。反応が凄かったんだろ」
「・・・想像以上でしたね」
「精々悔しがればいい。君はもう俺のものだ」
フフッと笑って言うクラウスに、アリシアも笑みを向ける。
「クラウスも私のものです。魔人は綺麗な女の人が多いですから・・・」
しかし言いながらアリシアは前を向いた。
クラウスは秋波を送る女性に興味を持たない。果たしてアリシアが心配するような事が起こり得るのだろうか、と疑問に思って言葉を止めた。どう続けようかと考えていたら、クラウスは回していた腕をお腹へ移動して引き上げる。アリシアの腰が浮き上がり、そのまま後ろから支えられる。
「そんな可愛いことを言うな。テント泊は無しだ。急いで帰る」
「・・・ええ!?」
アリシアが驚いている間にクラウスはヴァネサに指示を送り、最高速度で駆けだした。
* * *
クラウスとアリシアの挙式は、結局アリシアが魔国ティナドランに移り住んでから1年後になった。魔国ティナドランで行われる式に、神聖ルアンキリから参加希望者が続出し、調整に時間がかかってしまったのだ。
朝早くから支度をしていたアリシアは、今は純白のドレスを纏っていた。腰から緩やかに広がり、後ろはトレーンが広がる。白い生地には白いレースや刺繍が施され、美しく豪華な雰囲気を醸している。
赤みがかった金髪は顔の両サイドをカールさせて下ろし、後ろは複雑に編み込まれている。
椅子に座って待機していると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「アリシア、入っていい?」
母カエデの声が聞こえてきたので、アリシアは入室を促す。するとカエデと共にエンジュとダーマットも入って来た。
カエデは淡いエメラルドグリーン色のドレスを着ている。瞳の色に合わせたのだろう。良く似合っている。
エンジュとダーマットはそれぞれ騎士の正装をしていた。神聖ルアンキリでは軍の階級持ちは騎士の称号も持つ。軍人として公式の場に出る時は軍の正装だが、それ以外の時は今のように騎士の正装をするのだ。
「あらぁ。綺麗にしてもらったわね。良く似合ってるわよ」
「ありがとう。母さんも今日の装い、素敵ね」
「あら、そう?ふふっありがとう」
おっとりと言うカエデに、アリシアも笑みを浮かべる。
「いやー・・・マジでそういう格好だと全然違うな。お前本当に俺の妹か」
「・・・褒めてるのか貶してるのか、どっちなのよ」
「褒めてんだよ。やっぱりアリシアは黒じゃなくて白だな」
エンジュの言葉に、アリシアは自分を見下ろした。
魔国ティナドランでは魔神エルトナの象徴となる色が黒である事に由来し、慶事では黒が基本だ。しかし今回は魔国ティナドランと神聖ルアンキリを象徴する意味を込めて、アリシアはルアンキリの慶事の基本色である白を身に着けている。
「案外黒も似合うと思うよ。むしろそっちの方が姉さんの白い肌が映えたかもね」
アリシアはダーマットの言葉に顔を上げた。
「そう?」
「どっちも似合ってたと思うわよ」
ニコニコと笑みを浮かべているカエデはアリシアにそう答えると、エンジュとダーマットに顔を向けた。
「そうそう。もう一つお目出度いお話よ。エルフは長命だから子供を授かりにくいってハヤト様が言われてたけど、私と同じだったわ。ちょっと心配してたけれど、異種族間だから問題無かったみたい」
「母さん、それ今言うの・・・」
「良い事は早く伝えないとね」
アリシアは照れくさくなって俯いた。カエデとエンジュ、ダーマットは2日前に魔国に到着していたが、なかなか言い出せる雰囲気にならず、アリシアも準備に追われて忙しかったのだ。今朝カエデと二人になった時に伝えたのだった。
「・・・え?ええ!?嘘!姉さんオメデタ!?俺まだ18なのに・・・もうすぐ誕生日だから19でオジサン!?」
「ちょっと待てよ!!嘘だろ!?俺の方がオジサンじゃんか!まだ彼女いないっつーの!」
「エンジュはアリシアの赤ちゃんが生まれるまでの間に彼女を作ればいいのよ」
「母さん・・・今四ヶ月目だから、あと六ヶ月しか無いわよ・・・」
「無理前提で言うな!半年もあるじゃねぇか!それまでに彼女作ってやる!」
「・・・兄さんってさ。出会いもないけど、中々好きな子出来ない方が主な原因だよね」
「こればっかりは仕方ねぇだろ」
「そうね。でも焦らなくても大丈夫よ。そんな気がするから」
カエデの言葉にエンジュはパッと顔を向けた。
しかしそれと同時にドアがノックされる。アリシアが入室を促すと、ドアを開けたのはリーゼ=ヒュフナーだった。
「アリー、そろそろ時間よ」
そう言ってリーゼは部屋に入る。
大使として魔国に滞在中にリーゼとは何度も話をした。その時にアリシアの愛称で呼びたいと言われ、それ以降『アリー』と呼ばれている。
リーゼはカエデたちに笑みを向けた。
「アリーのご家族ですね。初めまして。リーゼ=ヒュフナーと申します。王宮でパーラーメイドを務めております」
そう言ってカエデ、エンジュ、ダーマットと挨拶を交わすと、リーゼはアリシアへ顔を向けた。
「さ、アリー。ハルシュタイン将軍がお待ちよ」
「うん。ありがとうリズ。兄さん」
アリシアはエンジュに顔を向けると、エンジュは近寄って手を差し出した。
「行くか」
「ゆっくり歩いてね。ドレスは素早く動けないんだから」
「分かってる。さっきダーマットと練習してきた」
手を取って立ち上がったアリシアは、エンジュの顔をマジマジと見た。
「え・・・練習?・・・どこで?」
「そこの廊下で」
「・・・・・・」
騎士の正装をした男が二人、エスコートしながら一歩一歩ゆっくりと歩く姿はかなりシュールだったのではないか。本当にそんな事をしていたのか、誰かに見られなかったのか。アリシアは何と言って良いのか分からず、眉を寄せてエンジュとダーマットの顔を交互に見やる。
そんなアリシアを見つつ、リーゼも想像したのだろう。抑えながら後ろで笑っていた。
「練習の話はいいから、行くぞ」
「じゃ、私達は親族席に行きましょ」
エンジュはどうでもよさそうにアリシアの反応を受け流して移動を促す。それに合わせてカエデはダーマットに声を掛けた。リーゼも「私も先に行ってるわね」とニコニコしながら部屋を出て行った。
「まさか兄さんが私のエスコートをするなんてね」
「俺も魔国で妹の結婚式のエスコート役をするなんて思ってなかった」
アリシアもエンジュと共に部屋を出て、互いに苦笑しながら歩く。母であるカエデがエスコートしても良かったのだが、家長であるエンジュの方が良いという話になった。国を代表する軍人の家同士の結婚だ。エルフであるカエデより、サリヴァン色の強いエンジュの方が和平の色が更に濃くなるから、という理由らしい。
礼拝堂の扉の前に辿り着いてしばらく待つと、ゆっくりと扉が開いた。室内は壁と床、天井までクリーム色で統一され、並んでいる椅子や祭壇などは全てダークグレイだった。
エンジュにエスコートされて進むその先には、黒のタキシードを着て、髪も片側だけ後ろに撫で付けているクラウスが見える。アリシアを見て驚いた顔をした後、嬉しそうに笑みを浮かべた。
アリシアもクラウスを見て、その凛々しさに一瞬見惚れた後、笑みを浮かべてゆっくりと足を進めて行く。
両脇には家族、親戚、両国の首脳陣、親しい友人達も居並ぶ。右側は魔人、左側はエルフと人間で分かれていた。
緊張しながらその中間をゆっくり歩き、祭壇前に辿り着くとエンジュは下がって最前列の席へ移動する。今度はクラウスの手を取って祭壇の目の前に立つと、クラウスは笑みを深めた。
「綺麗だ。よく似合っている」
ごくごく小さい声でクラウスが囁く。しかし礼拝堂は静まり返っているので、最前列にいる親族達には聞こえただろう。
(クラウスだって・・・)
アリシアもクラウスの格好良さを伝えたいが、言えば最前列に聞こえる。アリシアの家族だけならいいが、クラウスの両親と姉家族も参席しているのだ。さすがに恥ずかしいので、アリシアは笑みを浮かべたままクラウスを見つめた。
結婚の進行を祭壇に立つ司祭が行い、クラウスに宣誓を求める。
「私、クラウス=ハルシュタインはアリシア=クロス=サリヴァンへの永遠の愛と、夫婦として共に歩む事を誓います」
アリシアが魔国に移り住んで間もなく入籍をしているので、夫婦になって1年近く経っている。しかし改めて多くの人の前で宣言されると、アリシアの心に喜びと幸せが沸きあがった。クラウスは宣言しながら『俺は君のものだ』と目で伝えているのが分かる。
続いて司祭がアリシアに宣誓を求めてきた。アリシアはクラウスを見つめたまま、笑みを深めた。
「私、アリシア=クロス=サリヴァンはクラウス=ハルシュタインを支え、生涯愛する事を誓います」
魔国ティナドラン、神聖ルアンキリの首脳陣、そして家族の前で、フルネームを名乗り、堂々と宣言し合えたことにアリシアは喜びを噛み締めた。アリシアが諜報員として潜入していた時には考えられなかったことだ。
(過去を思えば本当に奇跡ね。でも、全部私とクラウスが辿ってきた道)
今は自信と誇りを持ってそう思える。これまでの悲しみも苦しみも切なさも全て、今この瞬間に必要だったのだろう。
アリシアは幸福感で満たされた笑みを浮かべる。視線の先には、愛しくて愛しくてたまらないクラウスが、優しく幸せそうな笑みを浮かべていた。
END
================
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
「ハーフエルフと魔国動乱」を書いた後何度も改稿しましたが、話数の増減をしなければ直せない事に気付き、最初から書き直すことにしました。ようやく修正完了です。
今後多少の修正は入るかもしれませんが、ひとまず前回の酷い無理矢理感が減ったかなと思います。
それでは再び皆様方と小説を通してお会い出来る日を楽しみにしております。
そして夕方に予定通り後発の荷物隊が、その少し後に囮部隊も到着した。
囮部隊から襲撃について詳細を聞けた。どうやら囮が襲撃を受けたのはルンドバリの別働隊だったようで、全員捕縛されていた。ルンドバリはアリシア達の出発に合わせて真っ直ぐ戦線まで向かったので、アリシア達より先に到着したようだ。
全員と合流出来たので、エンジュはルンドバリ達を全員引き受け、もう一泊してから出発する事となった。
「じゃあな。何かあれば連絡してこい。ハルシュタイン将軍、妹をよろしく」
「よろしくお願いします。俺にもたまには連絡してよ姉さん」
「うん。兄さんもダーマットも、ここまで付いて来てくれてありがとう。帰りも気をつけてね」
「エンジュ殿、ダーマット。そちらも何かあれば遠慮なく連絡を。これからは義理の家族だからな」
クラウスがサラッと言った言葉に、3人は固まった。
(まだ籍も入れてないのに・・・)
籍どころかまだ新都フェルシュタットにさえ着いていない。気が早すぎないだろうか。アリシアは照れくさくなってエンジュとダーマットから顔を逸らし、目を彷徨わせた。
「・・・・・・そうだった。色々ありすぎてすっかり忘れてたが・・・義理の弟・・・?ハルシュタイン将軍が、俺の弟・・・」
「そうか・・・・・・義理の兄さん・・・いや、何て呼べばいいんだ・・・?」
動揺するエンジュとダーマットに、クラウスはクククと笑った。
「そんな重苦しく考えなくていい。私だって義理の父はあのサリヴァン将軍だしな。あまり考えてもそこに意味はないだろ。私の事は好きに呼べばいいし、兄や弟にこだわる必要もない」
クラウスの言葉に、エンジュとダーマットは頷いた。
「そうだな。アリシアの旦那で、俺らの家族ってところだけ押さえときゃ十分か」
「ハルシュタイン将軍はハルシュタイン将軍だしね。確かにその通り」
「・・・・・・」
(いや・・・まだ結婚してないんですけど・・・)
顔が熱くなって、アリシアは下を向いた。
エンジュ達を見送ると、次はアリシア達が出発する番だ。野営地を片付けて兵士全員で発つとなると時間がかかる。なのでアリシアの必要最低限の荷物だけを持って、先にヴァネサで向かうことになった。
「では後を頼んだ」
「あいよ。こっちは俺が責任持って連れ帰る。嬢ちゃんもいつまでもこんな男臭い場所じゃ気も休まらねぇだろ。気にせず先に帰って休んでくれ」
「ありがとうございます、バルツァーさん。男臭いってことはありませんけど、よろしくお願いします」
アリシアが手を振ってバルツァーに応えると、バルツァーは手を挙げて応える。後ろの兵士達も何人か手を振り返してくれた。
そしてクラウスがヴァネサを歩かせ、暫く行くとヴァネサの足音と風の音だけになった。
「アリシア。早く行きたいならヴァネサに駆けさせるし、ゆっくりでもいいぞ。テントは持ってきてる。どうする?」
「・・・どれくらいで着きますか?」
「早く行くなら今日の午後、ゆっくりなら明日の午前だな」
うーん、とアリシアは考える。特に急ぐ用事もないので、敢えてギャロップで走らせなくてもいい。しかしゆっくり行けばクラウスと2人でテント泊。それはそれで緊張する。
うんうんと唸っていると、クラウスは苦笑した。
「どうせテント泊になったらどうしようとか考えてるんだろ。もちろん襲うに決まってる」
「・・・」
「今日の午後に新都に着いたらそのまま屋敷に向かう。なら、やっぱり俺の部屋に連れて行って襲うに決まってる」
「・・・・・・結局同じ・・・」
「そういう事だ。もう何も遠慮する事は無くなったんだ。一ヶ月振りに会って、俺が君を放置すると思うか?」
「そうですよね・・・」
アリシアは恥ずかしくなって下を向く。すると後ろからクラウスがアリシアの肩に腕を回した。軽く抱き寄せられ、アリシアはクラウスに背を預けるような形になった。自然と視線も下から前方へと向く。
「やっと君と共に過ごせるようになった。入籍はどの日がいいか考えよう。結婚式はもっと先になるだろうしな」
「・・・はい」
クラウスとアリシアの結婚は魔国ティナドランと神聖ルアンキリの間の国益へと繋がるモノへと変貌している。その為、結婚式は両国の主要人物が参加する事となる。国事のような扱いになっているので、各種方面への調整が必要だ。その調整もまだ行われていない。挙式はまだまだ先の話だ。
アリシアは辺りを見渡す。戦線を越えて赤道も越えた。神聖ルアンキリは晩秋だったが、魔国ティナドランは初夏だ。辺りは緑豊か草原が広がり、遠くには青々とした山や丘が見える。アリシアは今日から夏服を着ている。服が薄いので余計にクラウスの体温を感じるが、これからはこの体温が日常になるのだろう。そう思うと胸が幸福感で満ちていく。
(これからクラウスと魔国で暮らしていくんだ・・・感慨深いな)
魔国ティナドランには戦争を止めるために潜入し、どこかのタイミングでルアンキリに帰るつもりだった。そして母カエデのように、人類連合内の誰かと恋愛して結婚するのだとばかり思っていた。
(大恋愛なんてするつもりなかったのに。精霊神様もよく『人生何があるかわからないものだよ』って言ってたけど・・・)
アリシアは後ろを見やる。ちゃんとは見えないが、視界の端にクラウスの顔が入る。それに気付いたクラウスが顔を寄せてきた。
「どうした」
「・・・・・・人類連合側の騒ぎであまり考える余裕が無かったので・・・。今になってクラウスと結婚するんだと、実感が沸いてきました」
「ああ。反応が凄かったんだろ」
「・・・想像以上でしたね」
「精々悔しがればいい。君はもう俺のものだ」
フフッと笑って言うクラウスに、アリシアも笑みを向ける。
「クラウスも私のものです。魔人は綺麗な女の人が多いですから・・・」
しかし言いながらアリシアは前を向いた。
クラウスは秋波を送る女性に興味を持たない。果たしてアリシアが心配するような事が起こり得るのだろうか、と疑問に思って言葉を止めた。どう続けようかと考えていたら、クラウスは回していた腕をお腹へ移動して引き上げる。アリシアの腰が浮き上がり、そのまま後ろから支えられる。
「そんな可愛いことを言うな。テント泊は無しだ。急いで帰る」
「・・・ええ!?」
アリシアが驚いている間にクラウスはヴァネサに指示を送り、最高速度で駆けだした。
* * *
クラウスとアリシアの挙式は、結局アリシアが魔国ティナドランに移り住んでから1年後になった。魔国ティナドランで行われる式に、神聖ルアンキリから参加希望者が続出し、調整に時間がかかってしまったのだ。
朝早くから支度をしていたアリシアは、今は純白のドレスを纏っていた。腰から緩やかに広がり、後ろはトレーンが広がる。白い生地には白いレースや刺繍が施され、美しく豪華な雰囲気を醸している。
赤みがかった金髪は顔の両サイドをカールさせて下ろし、後ろは複雑に編み込まれている。
椅子に座って待機していると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「アリシア、入っていい?」
母カエデの声が聞こえてきたので、アリシアは入室を促す。するとカエデと共にエンジュとダーマットも入って来た。
カエデは淡いエメラルドグリーン色のドレスを着ている。瞳の色に合わせたのだろう。良く似合っている。
エンジュとダーマットはそれぞれ騎士の正装をしていた。神聖ルアンキリでは軍の階級持ちは騎士の称号も持つ。軍人として公式の場に出る時は軍の正装だが、それ以外の時は今のように騎士の正装をするのだ。
「あらぁ。綺麗にしてもらったわね。良く似合ってるわよ」
「ありがとう。母さんも今日の装い、素敵ね」
「あら、そう?ふふっありがとう」
おっとりと言うカエデに、アリシアも笑みを浮かべる。
「いやー・・・マジでそういう格好だと全然違うな。お前本当に俺の妹か」
「・・・褒めてるのか貶してるのか、どっちなのよ」
「褒めてんだよ。やっぱりアリシアは黒じゃなくて白だな」
エンジュの言葉に、アリシアは自分を見下ろした。
魔国ティナドランでは魔神エルトナの象徴となる色が黒である事に由来し、慶事では黒が基本だ。しかし今回は魔国ティナドランと神聖ルアンキリを象徴する意味を込めて、アリシアはルアンキリの慶事の基本色である白を身に着けている。
「案外黒も似合うと思うよ。むしろそっちの方が姉さんの白い肌が映えたかもね」
アリシアはダーマットの言葉に顔を上げた。
「そう?」
「どっちも似合ってたと思うわよ」
ニコニコと笑みを浮かべているカエデはアリシアにそう答えると、エンジュとダーマットに顔を向けた。
「そうそう。もう一つお目出度いお話よ。エルフは長命だから子供を授かりにくいってハヤト様が言われてたけど、私と同じだったわ。ちょっと心配してたけれど、異種族間だから問題無かったみたい」
「母さん、それ今言うの・・・」
「良い事は早く伝えないとね」
アリシアは照れくさくなって俯いた。カエデとエンジュ、ダーマットは2日前に魔国に到着していたが、なかなか言い出せる雰囲気にならず、アリシアも準備に追われて忙しかったのだ。今朝カエデと二人になった時に伝えたのだった。
「・・・え?ええ!?嘘!姉さんオメデタ!?俺まだ18なのに・・・もうすぐ誕生日だから19でオジサン!?」
「ちょっと待てよ!!嘘だろ!?俺の方がオジサンじゃんか!まだ彼女いないっつーの!」
「エンジュはアリシアの赤ちゃんが生まれるまでの間に彼女を作ればいいのよ」
「母さん・・・今四ヶ月目だから、あと六ヶ月しか無いわよ・・・」
「無理前提で言うな!半年もあるじゃねぇか!それまでに彼女作ってやる!」
「・・・兄さんってさ。出会いもないけど、中々好きな子出来ない方が主な原因だよね」
「こればっかりは仕方ねぇだろ」
「そうね。でも焦らなくても大丈夫よ。そんな気がするから」
カエデの言葉にエンジュはパッと顔を向けた。
しかしそれと同時にドアがノックされる。アリシアが入室を促すと、ドアを開けたのはリーゼ=ヒュフナーだった。
「アリー、そろそろ時間よ」
そう言ってリーゼは部屋に入る。
大使として魔国に滞在中にリーゼとは何度も話をした。その時にアリシアの愛称で呼びたいと言われ、それ以降『アリー』と呼ばれている。
リーゼはカエデたちに笑みを向けた。
「アリーのご家族ですね。初めまして。リーゼ=ヒュフナーと申します。王宮でパーラーメイドを務めております」
そう言ってカエデ、エンジュ、ダーマットと挨拶を交わすと、リーゼはアリシアへ顔を向けた。
「さ、アリー。ハルシュタイン将軍がお待ちよ」
「うん。ありがとうリズ。兄さん」
アリシアはエンジュに顔を向けると、エンジュは近寄って手を差し出した。
「行くか」
「ゆっくり歩いてね。ドレスは素早く動けないんだから」
「分かってる。さっきダーマットと練習してきた」
手を取って立ち上がったアリシアは、エンジュの顔をマジマジと見た。
「え・・・練習?・・・どこで?」
「そこの廊下で」
「・・・・・・」
騎士の正装をした男が二人、エスコートしながら一歩一歩ゆっくりと歩く姿はかなりシュールだったのではないか。本当にそんな事をしていたのか、誰かに見られなかったのか。アリシアは何と言って良いのか分からず、眉を寄せてエンジュとダーマットの顔を交互に見やる。
そんなアリシアを見つつ、リーゼも想像したのだろう。抑えながら後ろで笑っていた。
「練習の話はいいから、行くぞ」
「じゃ、私達は親族席に行きましょ」
エンジュはどうでもよさそうにアリシアの反応を受け流して移動を促す。それに合わせてカエデはダーマットに声を掛けた。リーゼも「私も先に行ってるわね」とニコニコしながら部屋を出て行った。
「まさか兄さんが私のエスコートをするなんてね」
「俺も魔国で妹の結婚式のエスコート役をするなんて思ってなかった」
アリシアもエンジュと共に部屋を出て、互いに苦笑しながら歩く。母であるカエデがエスコートしても良かったのだが、家長であるエンジュの方が良いという話になった。国を代表する軍人の家同士の結婚だ。エルフであるカエデより、サリヴァン色の強いエンジュの方が和平の色が更に濃くなるから、という理由らしい。
礼拝堂の扉の前に辿り着いてしばらく待つと、ゆっくりと扉が開いた。室内は壁と床、天井までクリーム色で統一され、並んでいる椅子や祭壇などは全てダークグレイだった。
エンジュにエスコートされて進むその先には、黒のタキシードを着て、髪も片側だけ後ろに撫で付けているクラウスが見える。アリシアを見て驚いた顔をした後、嬉しそうに笑みを浮かべた。
アリシアもクラウスを見て、その凛々しさに一瞬見惚れた後、笑みを浮かべてゆっくりと足を進めて行く。
両脇には家族、親戚、両国の首脳陣、親しい友人達も居並ぶ。右側は魔人、左側はエルフと人間で分かれていた。
緊張しながらその中間をゆっくり歩き、祭壇前に辿り着くとエンジュは下がって最前列の席へ移動する。今度はクラウスの手を取って祭壇の目の前に立つと、クラウスは笑みを深めた。
「綺麗だ。よく似合っている」
ごくごく小さい声でクラウスが囁く。しかし礼拝堂は静まり返っているので、最前列にいる親族達には聞こえただろう。
(クラウスだって・・・)
アリシアもクラウスの格好良さを伝えたいが、言えば最前列に聞こえる。アリシアの家族だけならいいが、クラウスの両親と姉家族も参席しているのだ。さすがに恥ずかしいので、アリシアは笑みを浮かべたままクラウスを見つめた。
結婚の進行を祭壇に立つ司祭が行い、クラウスに宣誓を求める。
「私、クラウス=ハルシュタインはアリシア=クロス=サリヴァンへの永遠の愛と、夫婦として共に歩む事を誓います」
アリシアが魔国に移り住んで間もなく入籍をしているので、夫婦になって1年近く経っている。しかし改めて多くの人の前で宣言されると、アリシアの心に喜びと幸せが沸きあがった。クラウスは宣言しながら『俺は君のものだ』と目で伝えているのが分かる。
続いて司祭がアリシアに宣誓を求めてきた。アリシアはクラウスを見つめたまま、笑みを深めた。
「私、アリシア=クロス=サリヴァンはクラウス=ハルシュタインを支え、生涯愛する事を誓います」
魔国ティナドラン、神聖ルアンキリの首脳陣、そして家族の前で、フルネームを名乗り、堂々と宣言し合えたことにアリシアは喜びを噛み締めた。アリシアが諜報員として潜入していた時には考えられなかったことだ。
(過去を思えば本当に奇跡ね。でも、全部私とクラウスが辿ってきた道)
今は自信と誇りを持ってそう思える。これまでの悲しみも苦しみも切なさも全て、今この瞬間に必要だったのだろう。
アリシアは幸福感で満たされた笑みを浮かべる。視線の先には、愛しくて愛しくてたまらないクラウスが、優しく幸せそうな笑みを浮かべていた。
END
================
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
「ハーフエルフと魔国動乱」を書いた後何度も改稿しましたが、話数の増減をしなければ直せない事に気付き、最初から書き直すことにしました。ようやく修正完了です。
今後多少の修正は入るかもしれませんが、ひとまず前回の酷い無理矢理感が減ったかなと思います。
それでは再び皆様方と小説を通してお会い出来る日を楽しみにしております。
1
この作品は感想を受け付けておりません。
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本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
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