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16話 誕生日ウィークのトリを担う男

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週が明けて、さちこは偶然面白い写真を 
ネットで見つけたので彼に送ってみた。 
 
もちろんコメントも添えて送ったが 
すぐに既読がついたもののスルーされて1週間が経った。 
 
そろそろブロックしようかと思っていると 
彼からやっと返信がきた。 
 
「ごめん。返信、後にしようと思ってたら 
そのままになってた。」 
「しょーもないラインしたから嫌われたかと思ってた。笑」 
「ごめん。先週すごく忙しくてすっかり返すの忘れてた。 
そもそも返しづらいのはあるけどw」 
「こちらこそ気を使わせてごめんね。 
もう送らないようにするね。」 
「え~そんな冷たいこと言わないで。」 
「じゃあまた送ってもいいのかな!? 
送っていいんだったらまた送るね。 
ありがとう。」 
「そしたらこの前の以外でお願いします。」 
「それは旬が終わったからもう送らないよ。 
今日は歯のホワイトニング初体験したの。 
あんまり変わんないかも。」 
 
さちこは自撮りした写真を送った。 
 
「すごい白い。 
けど確かに写真だとわからないかも。」 
「じゃあ今度チューする時確かめて。」 
「早く会いた~い。」 
「私も~。」 
 
結局、そんなやりとりをしていた週も 
彼からの誘いはなく、こちらも連絡することなく 
会うことはなかった。 
 
月が変わり、さちこから誘ってみることにした。 
 
さちこは翌週に誕生日を迎えることになっており、 
誕生日は元彼と久々に会う約束をしていた。 
 
万が一元彼とのデートが気まずくなると 
誕生日が台無しになるのでそれだけは避けたかった。 
 
そしてその前後にセフレ以上恋人未満的な男を 
それぞれブッキングすることにした。 
 
「来週会えそう?」 
「来週、水金のお昼なら空いてる。」 
「ありがとう。 
では金曜日でいいかなあ!?」 
「うんうん。金曜日空けとくね。」 
 
さちこはお決まりの 
<ありがとう>と<ワクワク>のスタンプを送り、 
その日のラリーは終了した。 
 
彼を誕生日ウィークのラストに持ってくるのは 
結構悩むところであった。 
 
なぜなら彼はさちこの誕生日ウィークのお相手に 
ノミネートされた男の中で
竿が一番立派でないからである。 
 
もう一人のセフレ以上恋人未満の 
<10歳年下の岡田将生似の爽やかイケメンの男> 
の方が格段に立派な竿をもっていた。 
 
万が一元彼とのデートがイマイチでも 
若きイケメンの硬さで 
帳消しにしてくれるかもしれない。 
 
ただ、イケメンとはまだそこまで 
気持ちが通い合ってないし、 
金曜の夜はラブホテルの料金は跳ね上がる。 
おせっかいながら若き会社員の懐具合も考えて 
イケメンには水曜の夜と指定した。 
 
そして、この彼は竿は残念ではあるが 
前回、前戯は丁寧であったし、 
心は満たしてくれるであろうと期待した。 
週末余韻に浸るのは身体ではなく 
心を満たしてくれそうな男を選択した。 
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