マッチングアプリの男 チャラ男編

１３．後悔

一緒に部屋を出てエレベーターを待っていると

「一緒に降りないと出れないから。」

（は？それがなかったらここから一人で帰れって思うわけ？ありえねえ。）

まるで自分がコールガールのような扱いを受けている気分になった。
しかも３９１円のホットコーヒー一杯とミネラルウオーターで。

「裏口から出た方がいいね。」

当然来た道とは異なる道路に出たのだからどっちが駅の方向かもわからなかった。

しばらく歩いて交差点までくると

「ここまっすぐ行ったら駅だから。」

（は？駅までも送らん男なんか。こんなやつ初めて遭遇した。
しかも駅らしきもの見えないし。）

駅が近いと自慢していた割には
私が駅までも見送るレベルではないということなのか。

「じゃあね。」

信号が青に変わり、
横断歩道を渡りきって振り返ると彼の小さな後姿が見えた。
その距離感でじゃあねと言った瞬間に反対方向に歩き始めていたことが
ありありとわかった。

（人としてどうなんやろう。
しかも家の方向とは違う方に歩いて行ってるし、
他に待ち合わせでもしてたのかもしれんけど10秒見送ることもできんのか。
ふにゃふにゃの分際で。）

まんまとチャラ男の毒牙にひっかかった感がぬぐえなかった。

外は刺すような冷たい風が吹き、駅が見えてくるまで結構時間がかかった。
なんとも言えない虚しさが心まで冷やしていく。

この後味の悪さ、なんなんだろう。
自分が情けなくて涙が出そうになった。

自分をもっと大切にしなかった後悔。
自分の不快感に耳を傾けなかった後悔。
自分がかわいそうなのと自分への落胆とが入り混じった
なんともいえない虚無感にかられた。

山手線に乗ると彼からラインがきた。

「今日は楽しい時間をありがとう！またランチでもいきましょうー」
「こちらこそありがとう。うん是非是非！」

全く思ってないのにそんな返信をしてしまう自分にまたがっかりした。

家に帰り、とりあえずラインはブロックし、
持ち帰ったミネラルウォーターの水も捨て、
湯船に大量の塩を入れてゆっくり浸かった。

今回なぜこんなことになったのか、
自分は一体何がしたかったのか、
そしてなぜ神様は私にどうしようもない珍子をお与えになったのか、
と色々と考えた。


今回の気づき

①いいねがきたからといって本人が押しているわけではない
②年収が高く、「初回のデート費用：男が全て払う」でも
　コーヒーで済ませようとする男もいる
③勃たない男でも家に行くとやりたがる
④短小ソフトは咥えにくいし逆に口が疲れる
⑤途中で気持ちが萎えたらすぐやめた方がいい
⑥チャラ男には近づかない方がいい
⑦「自分を愛すること」「他人を愛すること」
「他人に愛されること」について見つめ直す必要性がある


ゆうぞう君、気づきをありがとう！

ゆうぞう君に幸あれ！


最後まで読んでくださってありがとうございます。