あるとれいと~絶対回避能力があるのに色々トラブルに巻き込まれちゃう男のお話~

上田るぅ

文字の大きさ
49 / 82
お城奪還編

第49話 狼煙

しおりを挟む

「おっ、おい…… 泣くなって。 ほら、とりあえず涙拭けって……」

 へたり込み泣きじゃくるアズサにアルは、少し困惑した表情で懐から手拭いを出し、それを渡す。

「うっ…… うん…… あ゛りがど……」

 ゴシゴシ…… ズビビビッ……

 アズサは受け取った手拭いで顔を拭うと、そのまま鼻をかんだ。

「ありがど…… 優しいオジサン」

 目と鼻を真っ赤にし、落ち込んだ様子で手拭いを返すアズサに、アルは若干引いていた。

「あっ…… あぁ…… 気にするなよ…… おい! シナモン」

 アルは鼻のかまれた手拭いをさり気なく地面に置くと、困惑した顔でシナモンに視線を送る。

「なっ、何なのです?」

「お前なぁ…… さすがに言い過ぎだろ! アズサに謝れよ……」

「んなっ!」

 アルの発言を聞いたシナモンは、少し納得のいかない表情に変わる。

 そんなシナモンにリナが、そっと耳打ちするように言葉をかける。

「お願い…… 一応…… 謝っておいて…… 何か…… 気の毒だし……」

「えっ…… リナ様が言うのなら…… 分かったのですよ」

 シナモンは渋々ながらアズサに近付くと、申し訳無さそうな表情で頭を下げる。

「あの…… ごっ、ごめんなさいなのですよ。 言い過ぎたのです……」

「う゛っ… うん。 ねぇ、ボクの弓は…… 宝の持ち腐れじゃないよねぇ」

 目を腫らし訴えかけるように尋ねるアズサの様子に、シナモンはかなり罪悪感を覚えていた。

「もっ、もちろんなのですよ。 あっ、貴女にピッタリなのですよ」

「だよね? だよね? うぅぅ……」

 シナモンの言葉に少し安堵した表情に変わるが、アズサの目からは涙が止まらない。

 その様子に引いていたシナモンはアルに近付くと、アズサに聞こえない程度の声量で耳打ちする。

「なっ、何なのです? この人は! 一体、どうなってるですか?」

「俺に言うなよ…… ってか、お前が泣かしたんだろ」

「何言うです! 泣きたいのはこっちなのですよ」

 ヒソヒソと話を続ける二人の様子を見ていたアズサは、身体を震わせながら嗚咽を漏らす。

 そんなアズサにレイが近付くと、腰から下げていた革製の水筒を差し出し声をかけた。

「だっ、大丈夫? アズサさん! とりあえず、落ち着いて? ねっ?」

「うん…… ありがとぉ。 キミも優しいね」

 へたり込んでいるアズサは水筒を受け取ると、ゴクゴクと飲み干す。

「ふぅ……」

「おっ、落ち着いたかな?」

「うん! もぉ大丈夫! ありがとぉ。 ってアレ? ボク何してたんだっけ?」

 一息入れ落ち着きを取り戻したアズサは、今の状況を理解出来ないでいた。

 そんなアズサ達の様子を黙って見ていたリナが、少し大きな声を発しながら指差す。

「誰か…… 来る……」

 その声を聞いたアルは、リナの指差す方向に視線を向ける。

 その人影は二人居て、槍を携えた兵士の様に見えた。

(あっちが本命か…… 今度こそ上手く誤魔化さないとな……)

 アルはアズサに近付くと、おもむろに地面に落ちていたアズサのマントを頭から被せる。

 そしてレイやシナモンに目配せすると、真剣な表情で話し始める。

「良いか? 今度こそ本命っぽいから、上手く話を合わせろよ?」

 無言で頷くレイ達とは対象的に、アズサはマントを被ったままオロオロとアルに話しかけた。

「えっ? えっ? あのっ、ボクは」

 へたり込みながら困惑するアズサに手を差し伸べたアル。

 アルは手を握り立ち上がったアズサのマントのホコリを手で落とし、改めてフードを深く被せる。

「良いからアズサも、ちょっと黙ってろ」

「えっ? あっ、うん…… ワカリマシタ……」

 状況が把握出来ていないアズサは、アルに言われるがまま俯き押し黙っていた。

 そんなアル達の元に、槍を携えた二人の兵士が近づいてくる。

 そして手に持った槍の切っ先をアル達に向けると、威圧するような口調で言葉をかけてきた。

「おいっ! こっちに白い弓を持った、怪しい奴が来なかったか?」

「ギクリ」

 兵士達はアル達を見回すと、改めてアルに槍の切っ先を突き付ける。

「さぁ…… 見ませんでしたけど。 何かあったんです?」

(ギクリとか口に出すなよ…… 何考えてんだアズサは……)

 とぼけるような口調で話すアルに、兵士は少しムッとした表情を浮かべている。

「ふんっ。 お前には関係無い事だ。 それより……」

 アルに切っ先を向ける兵士とは別に、もう一人の兵士が槍を突き付けながらアル達の周りを歩き始めた。

「この先に一体、何のようだ? 隠すと為にならんぞ?」

 明らかに怪しむような口調で話す兵士に、アルはニヤけた表情で返答する。

「いやぁ、私共はゼニール様にご贔屓頂いている商人でして、はい」

「商人? その割には荷が無いようだが?」

 兵士はそう言うと、突き付けていた槍の切っ先をアルの目前まで近づける。

「一体、何を売るって言うんだ? あぁ? 答えろ」

 恫喝するように話す兵士に、アルは表情を崩さないままに返答した。

「いやぁ、大きな声では言えませんが…… 奴隷をね。 頼まれてまして」

「奴隷?」

 アルの言葉を聞いた兵士は、フードを被るリナとアズサに視線を送る。

(不味いな…… フードを取れとか言われたら、面倒な事になるかも知れんし……)

 怪しむ兵士を他所にアルは、おもむろに自らの懐に手を入れる。

「おっと、怪しい行動を起こすんじゃないぞ?」

 兵士はアルの行動を見て、懐に手を入れている場所へ切っ先を突き付けた。

「いえ、怪しいだなんてそんな。 今、身分証をね」

 アルは懐から身分証と銀貨の入った袋を取り出し、重ねるようにして兵士に手渡す。

「ふんっ。 小賢しい真似を。 んーー?」

 兵士は銀貨の入った袋と共に身分証を受け取ると、じっくりとそれに目を通した。

(ゼニールの私兵って位だから…… 金には弱い…… よな?)

 内心、少し緊張していたアルだが、兵士に悟られないように出来るだけ表情は崩さない。

 そんなアルに対し、兵士は疑いの眼差しを向けながら声を荒げる。

「おいっ! 貴様、ウルスラの商人なんだな?」

「はっ、はい。 それが何か?」

「ウルスラは人身売買は禁止されてるはずだ。 一体、どういう事なんだ?」

 兵士の言葉を聞いたアルは、表情こそ変えないが内心ドキドキしていた。

(やっちまったぁ…… そういやそんな事言ってたっけ……)

 アルは後ろに控えるレイとシナモンへ、チラッと視線を送る。

 レイは出来るだけ喋らないように、何かを我慢するように口を一文字にしている。

 一方のシナモンは、ムッとした表情でアルを睨みつけていた。

(まぁ最悪、兵士二人位なら何とかなるかもだけど…… ここでの揉め事は絶対に避けたい……)

 アルは今まで聞いた事や状況を頭の中で交錯させ、打開策を思案する。

「嫌だなぁ。 だから大きな声では言えないと、言ったじゃないですかぁ」

 誤魔化すように右手で頭を掻きながら、ヘラヘラと笑い声をあげ話しかける。

「ふん。 まぁいい。 念の為、その奴隷ってのを改めさせてもらうぞ?」

「えっ、あっ、いや……」

 兵士の言葉を聞いたアルは、少し焦ったような態度を取ってしまう。

 その様子を見た兵士はアルの顔を覗き込み、懐疑的な様子を見せていた。

「何だ? 何か見られたら不味い事でもあるのか?」

「いやっ、それは構わないんですが…… 本当に宜しいので?」

 アルの言葉を聞いた兵士は、怪しむような態度から疑問を浮かべた態度に変わっていく。

「どういう意味だ?」

「いやぁ、人身売買を禁止しているウルスラの商人の私に、わざわざ頼まれた訳ですよ?」

 その場しのぎの適当な言葉でアルは、誤魔化すように言葉を続けていく。

「ゼニール様にとって何か訳ありの…… と思いましてね」

(これで引き下がってくれなかったら…… もうなるようになれって感じだな……)

 少し諦めたような表情にも見えるアルの様子を見て、兵士は腕を組み思案している。

 その様子を見たもう一人の兵士が近付くと、思案する兵士に耳打ちをする。

「おい、もしかして例の化け物の…… じゃないのか? ザーマスが食われたっていう……」

「そうだな…… 下手に関わると、俺達も危ないが……」

 ヒソヒソと話を続けながらも、チラッとアル達の様子を伺う兵士達。

「しかし、もし仮にあの盗賊に関係ある奴らだったら……」

「そうは言うがな…… そうだな。 姿だけでも確認しておくか」

 話がまとまった兵士達は改めてアル達に視線を送ると、手に持っていた槍の切っ先を向ける。

(駄目だったかぁ…… どうする……)

 少し緊張した面持ちのアルに対し、兵士の一人が切っ先を向けたまま声をかける。

「念の為、奴隷の姿だけでも改めさせてもらう。 良いな?」

 その言葉に対しアルが返答しようとした瞬間。

 ヒューーーーーーー……  パァーーーーーーーン……

 ゼニールの居城、アストリナ城の上空に何かが弾ける音と共に、青い小さな雲が出現した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

処理中です...