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お城奪還編
第63話 予言
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アストリナ貴族の引き渡しまで、残り四日。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
この日は明け方から上空を分厚い雲が覆い、それに伴って気温と湿度が高くなる。
初夏だと言うのに少しだけ不快指数の高い天候。
その天候に憤慨する人物が、アストリナ城の謁見の間にある玉座に座っている。
「全くこの天気は、どうなってるゼニ! もっと強く扇ぐゼニよ」
鳥の羽で作られた大きな扇を手に持った従者が、ゼニールを取り囲むように並んでいる。
不満げな表情で玉座に座るゼニールの前には、涼し気な表情で佇むレドルジの姿が見えた。
「全くですねぇ。 まぁお昼を過ぎたら、晴れそうな気もしますけど…… ふふ」
機嫌良さそうに話すレドルジとは対象的に、ゼニールの表情はますます不満げなものに変わる。
「ところで、一体何するつもりゼニ? もう城には、殆ど兵が居らんゼニよ」
不満げに話すゼニールに対し、レドルジは悪びれもなく涼し気な表情で返答する。
「そうですねぇ。 まさかシグニア国の残党が現れるなんて。 何か恨みでも買ったんですか?」
「フンッ。 お前には関係の無い事ゼニよ」
レドルジの問いかけに対し、ゼニールは顔を背け不機嫌そうに鼻を鳴らしていた。
「まぁまぁ。 このお城にはゼニールさん自慢の城壁があるじゃ無いですか」
口元を布で覆っているレドルジだが、少しだけ笑ったような様子を見せ言葉を続けていく。
「それに四日後には、貴族連中も手に入る事ですし。 ふふふっ」
思わず笑い声が漏れたレドルジを見て、ゼニールは不満を顕にしながら問いかける。
「何がおかしいゼニ? 全く…… 四日と言わず、今すぐ連れてくるゼニよ」
ゼニールの問いかけに対し、レドルジは涼し気な表情で問い返す。
「ふふふっ。 何故、そこまで貴族連中にこだわるのか…… と思いましてね」
「フンッ。 当然ゼニよ! ワシは帝国貴族で終わる器じゃないゼニ! アストリナを我が物にする為に貴族が必要な事位、お前も分かってる事ゼニよ」
不機嫌そうな表情で声を荒げるゼニールに対し、レドルジは表情を変えずに静かに問い返す。
「もちろん。 とは言え、それだけの財力があるなら貴族を偽装する事位、容易じゃないかと思いましてね? ふふふっ」
レドルジの言葉を聞いたゼニールは、呆れた表情で溜息を吐いていた。
「お前は何も分かってないゼニね。 帝国には恐ろしい女が居るゼニよ」
「恐ろしい女…… ですか?」
レドルジの問いかけに対し、ゼニールはグッと身を乗り出して話を続けていく。
「お前が何処の国から来たかは知らんゼニが、ルクレティアの名前くらい、聞いた事無いゼニか?」
「さぁ…… 私のような平民には分かりませんねぇ。 ふふふっ」
ゼニールは乗り出していた身を再び玉座に預けると、溜息を吐きながら話を続ける。
「まぁそうゼニね。 帝国貴族のワシでさえ、一度しか会った事が無いゼニよ」
「その方が、恐ろしい女…… なのですか?」
「そうゼニ。 その女は何でも見通せる【烙印】があるらしいゼニ。 まぁ詳しい事は知らんゼニが、ワシの後ろ盾の将軍筋からの情報なので、間違いは無いゼニ」
ゼニールは腕を組むと、不満げな表情に変わっていく。
「多少の事ならワシが献金してる将軍が、もみ消してもくれるゼニが…… 国を手に入れるとなると、正式な手順が必要ゼニ」
そう言うとゼニールは目を瞑り、深く溜息を吐いていた。
その様子を見たレドルジは腕を組むと、右手で眉間を触りながら思案していく。
(ふむ…… 確かにここまでは概ね、ルクレティア様の言った通りになりましたが…… とは言え……)
そしてチラッとゼニールを見ると、再び思案を重ねていく。
(気になるのは、アルと呼ばれていた面妖な模様が顔に描かれた男。 想像も出来ませんが【人狼】二体の消失にも関係しているのでしょうか? 不測の事態にも、備えておかねばいけませんかねぇ……)
思案するレドルジの様子を見たゼニールは、不機嫌そうな表情で声をかけた。
「何か不都合な事でもあるゼニ? ワシには早く貴族を手に入れる必要があるゼニよ」
その言葉にハッと気が付いたレドルジは、小さく「ふふっ」と笑い声をあげて返答する。
「いえいえ、四日後には必ず。 それより今はシグニアの残党の対応をしなきゃいけませんねぇ」
ゼニールにそう告げると、パンパンっと両手を叩く。
「お呼びですか?」
「えぇ。 城に兵を十人程度残し、全員国境の警戒に当たって下さい」
「承知しました」
レドルジの言葉を聞いた兵士は、足早に謁見の間を後にする。
「どういう事ゼニ? 城の守りはどうするゼニか?」
そのやり取りを聞いていたゼニールは、不満げな表情で声を荒らげていた。
「まぁまぁ。 ここには城壁もありますし、私も居ますので心配はありませんよ? それに……」
レドルジは涼し気な表情から笑顔に変わると、小さく笑い声を上げながら話を続けていく。
「私の可愛いペットも居ますしね。 ダーマスさん以降、食事を与えておりませんので。 ふふっ」
「ふっ、フンっ。 まぁ良いゼニ」
レドルジの不気味な笑みを見たゼニールは、少しだけ背筋が凍るような感覚に襲われた。
(貴族を手に入れて、シグニアの件が片付いたら…… 早々に縁を切る必要があるゼニね)
しかめっ面で思案するゼニールを他所に、レドルジは涼し気な表情で話かける。
「それでは私はこの辺で。 色々と準備する事もありますので」
そう告げたレドルジは、振り返る事無く謁見の間を後にした。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
夕刻を過ぎると午前中の天候が嘘のように晴れ、夕日が上空を茜色に染めていた。
アルの自室の開け放たれた窓から、涼し気な風と共に草木の匂いが入り込んでいる。
日中、アルは自室に籠もりディンゴ達が用意した材料を用い、信号弾を作成していた。
「ふぅぅ…… 大体こんなもんかなぁ…… それにしても……」
自室の開け放たれた窓の方に視線を移し、外の風景を眺めるアル。
「順調に進み過ぎな気もするけど…… 大丈夫なんかねぇ……」
昨日アルが告げた作戦を実行した結果が、もうすぐ分かる手筈となっていた。
出来るだけ慎重に考えた作戦とは言え、上手く事が運んでいる事に一抹の不安を感じていた。
そんな事を考えていたアルの部屋に、少し急ぎ足で近付く足音が聞こえてくる。
トタトタトタ…… トントン……
足音の主が控えめに戸を叩くと、スッと静かに開けながらアルの様子を伺っていた。
「今、良いのですか?」
「んっ? どしたんだ? まぁ、入れば?」
ゆっくりと入室したシナモンは、トコトコとアルの近くにやってきて正座する。
「あの…… 昨日は何か水を差すような事言って、悪かったのですよ……」
「昨日? あぁ、あの帝国のって話か……」
アルは昨日のシナモンの言葉を思い出し、少しだけ不安げな表情に変わる。
(仮に全部が知られてるとしたら…… 誘き出されてるって事にもなるよな……)
そんなアルの様子を見たシナモンは、苦笑いを浮かべながらアルに声をかけた。
「多分、私の考えすぎなのですよ。 だから心配しなくても良いのです」
「まぁなぁ。 でも…… 確かにちょっと心配ではあるよな……」
シナモンの言葉を聞いても、アルは不安げな表情のまま。
そんなアルの表情を見て、シナモンは演技をするように呆れた表情に変化する。
「大丈夫なのですよ。 そもそも全部が分かってるなら、私達はここに辿り着いて無いのですよ」
シナモンの言葉を聞いたアルは、ハッとした表情に変わり少しだけ笑みを浮かべた。
「それもそうか。 この辺に帝国の兵士が居ないってのも、重要じゃないからって事かも知れんしな」
アルは自分を納得させるように言葉を発し、自らの言葉にウンウンと小さく頷いている。
そして不意にシナモンに視線を送ると、少しだけ気不味そうにしている様子が伺えた。
「んっ? どうしたんだ? 他にも何かあるのか?」
その様子を不思議に感じたアルは、シナモンの顔を覗き込むように問いかける。
するとシナモンは急に真剣な表情に変わり、ゆっくりと話し始めた。
「あのですが…… お城に行く時は、私も連れてって欲しいのですよ」
「ハァ? いや無理だろ。 お前は戦えないだろ? 遊びに行くんじゃ」
「分かってるのです! 分かってるのですが…… 駄目なのですか?」
アルに対し真剣な表情で話すシナモン。
(うぅん…… どうしたもんかなぁ…… 連れてく意味は正直、無いしなぁ……)
その様子を見たアルは、一方的に拒絶するのは少しだけ気が咎めるように感じた。
「分かった……」
「本当なのですか?」
アルの言葉を聞いたシナモンは、パァッと表情が明るくなる。
それとは対象的に曇った表情のアルは、シナモンの問いかけに対し承諾せずに言葉を続けた。
「ただし、皆が良いって言えばな。 一人でも反対したら連れてかんぞ?」
「ぐぬぬ…… わっ、分かったのですよ」
少し不満げな表情のシナモンを見て、アルは小さく溜息を吐く。
そんな会話をしていた二人が居る部屋に、レイが訪ねてきた。
「あれ? 何か珍しいね?」
「んっ? あぁ。 どしたんだ?」
「うん! ディンゴさんが来たからさっ! そろそろご飯にしよ?」
その言葉を聞いたアルとシナモンは、ゆっくりと立ち上がり居間へと向かっていった。
■■■■■著者コメント■■■■■
アストリナ貴族の引き渡しまで、残り四日とか入れてますが、一日ずつ進む訳では無くもう少し早いです。。。
読み返してみると話の展開が遅いですね。。。すみません。。。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
この日は明け方から上空を分厚い雲が覆い、それに伴って気温と湿度が高くなる。
初夏だと言うのに少しだけ不快指数の高い天候。
その天候に憤慨する人物が、アストリナ城の謁見の間にある玉座に座っている。
「全くこの天気は、どうなってるゼニ! もっと強く扇ぐゼニよ」
鳥の羽で作られた大きな扇を手に持った従者が、ゼニールを取り囲むように並んでいる。
不満げな表情で玉座に座るゼニールの前には、涼し気な表情で佇むレドルジの姿が見えた。
「全くですねぇ。 まぁお昼を過ぎたら、晴れそうな気もしますけど…… ふふ」
機嫌良さそうに話すレドルジとは対象的に、ゼニールの表情はますます不満げなものに変わる。
「ところで、一体何するつもりゼニ? もう城には、殆ど兵が居らんゼニよ」
不満げに話すゼニールに対し、レドルジは悪びれもなく涼し気な表情で返答する。
「そうですねぇ。 まさかシグニア国の残党が現れるなんて。 何か恨みでも買ったんですか?」
「フンッ。 お前には関係の無い事ゼニよ」
レドルジの問いかけに対し、ゼニールは顔を背け不機嫌そうに鼻を鳴らしていた。
「まぁまぁ。 このお城にはゼニールさん自慢の城壁があるじゃ無いですか」
口元を布で覆っているレドルジだが、少しだけ笑ったような様子を見せ言葉を続けていく。
「それに四日後には、貴族連中も手に入る事ですし。 ふふふっ」
思わず笑い声が漏れたレドルジを見て、ゼニールは不満を顕にしながら問いかける。
「何がおかしいゼニ? 全く…… 四日と言わず、今すぐ連れてくるゼニよ」
ゼニールの問いかけに対し、レドルジは涼し気な表情で問い返す。
「ふふふっ。 何故、そこまで貴族連中にこだわるのか…… と思いましてね」
「フンッ。 当然ゼニよ! ワシは帝国貴族で終わる器じゃないゼニ! アストリナを我が物にする為に貴族が必要な事位、お前も分かってる事ゼニよ」
不機嫌そうな表情で声を荒げるゼニールに対し、レドルジは表情を変えずに静かに問い返す。
「もちろん。 とは言え、それだけの財力があるなら貴族を偽装する事位、容易じゃないかと思いましてね? ふふふっ」
レドルジの言葉を聞いたゼニールは、呆れた表情で溜息を吐いていた。
「お前は何も分かってないゼニね。 帝国には恐ろしい女が居るゼニよ」
「恐ろしい女…… ですか?」
レドルジの問いかけに対し、ゼニールはグッと身を乗り出して話を続けていく。
「お前が何処の国から来たかは知らんゼニが、ルクレティアの名前くらい、聞いた事無いゼニか?」
「さぁ…… 私のような平民には分かりませんねぇ。 ふふふっ」
ゼニールは乗り出していた身を再び玉座に預けると、溜息を吐きながら話を続ける。
「まぁそうゼニね。 帝国貴族のワシでさえ、一度しか会った事が無いゼニよ」
「その方が、恐ろしい女…… なのですか?」
「そうゼニ。 その女は何でも見通せる【烙印】があるらしいゼニ。 まぁ詳しい事は知らんゼニが、ワシの後ろ盾の将軍筋からの情報なので、間違いは無いゼニ」
ゼニールは腕を組むと、不満げな表情に変わっていく。
「多少の事ならワシが献金してる将軍が、もみ消してもくれるゼニが…… 国を手に入れるとなると、正式な手順が必要ゼニ」
そう言うとゼニールは目を瞑り、深く溜息を吐いていた。
その様子を見たレドルジは腕を組むと、右手で眉間を触りながら思案していく。
(ふむ…… 確かにここまでは概ね、ルクレティア様の言った通りになりましたが…… とは言え……)
そしてチラッとゼニールを見ると、再び思案を重ねていく。
(気になるのは、アルと呼ばれていた面妖な模様が顔に描かれた男。 想像も出来ませんが【人狼】二体の消失にも関係しているのでしょうか? 不測の事態にも、備えておかねばいけませんかねぇ……)
思案するレドルジの様子を見たゼニールは、不機嫌そうな表情で声をかけた。
「何か不都合な事でもあるゼニ? ワシには早く貴族を手に入れる必要があるゼニよ」
その言葉にハッと気が付いたレドルジは、小さく「ふふっ」と笑い声をあげて返答する。
「いえいえ、四日後には必ず。 それより今はシグニアの残党の対応をしなきゃいけませんねぇ」
ゼニールにそう告げると、パンパンっと両手を叩く。
「お呼びですか?」
「えぇ。 城に兵を十人程度残し、全員国境の警戒に当たって下さい」
「承知しました」
レドルジの言葉を聞いた兵士は、足早に謁見の間を後にする。
「どういう事ゼニ? 城の守りはどうするゼニか?」
そのやり取りを聞いていたゼニールは、不満げな表情で声を荒らげていた。
「まぁまぁ。 ここには城壁もありますし、私も居ますので心配はありませんよ? それに……」
レドルジは涼し気な表情から笑顔に変わると、小さく笑い声を上げながら話を続けていく。
「私の可愛いペットも居ますしね。 ダーマスさん以降、食事を与えておりませんので。 ふふっ」
「ふっ、フンっ。 まぁ良いゼニ」
レドルジの不気味な笑みを見たゼニールは、少しだけ背筋が凍るような感覚に襲われた。
(貴族を手に入れて、シグニアの件が片付いたら…… 早々に縁を切る必要があるゼニね)
しかめっ面で思案するゼニールを他所に、レドルジは涼し気な表情で話かける。
「それでは私はこの辺で。 色々と準備する事もありますので」
そう告げたレドルジは、振り返る事無く謁見の間を後にした。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
夕刻を過ぎると午前中の天候が嘘のように晴れ、夕日が上空を茜色に染めていた。
アルの自室の開け放たれた窓から、涼し気な風と共に草木の匂いが入り込んでいる。
日中、アルは自室に籠もりディンゴ達が用意した材料を用い、信号弾を作成していた。
「ふぅぅ…… 大体こんなもんかなぁ…… それにしても……」
自室の開け放たれた窓の方に視線を移し、外の風景を眺めるアル。
「順調に進み過ぎな気もするけど…… 大丈夫なんかねぇ……」
昨日アルが告げた作戦を実行した結果が、もうすぐ分かる手筈となっていた。
出来るだけ慎重に考えた作戦とは言え、上手く事が運んでいる事に一抹の不安を感じていた。
そんな事を考えていたアルの部屋に、少し急ぎ足で近付く足音が聞こえてくる。
トタトタトタ…… トントン……
足音の主が控えめに戸を叩くと、スッと静かに開けながらアルの様子を伺っていた。
「今、良いのですか?」
「んっ? どしたんだ? まぁ、入れば?」
ゆっくりと入室したシナモンは、トコトコとアルの近くにやってきて正座する。
「あの…… 昨日は何か水を差すような事言って、悪かったのですよ……」
「昨日? あぁ、あの帝国のって話か……」
アルは昨日のシナモンの言葉を思い出し、少しだけ不安げな表情に変わる。
(仮に全部が知られてるとしたら…… 誘き出されてるって事にもなるよな……)
そんなアルの様子を見たシナモンは、苦笑いを浮かべながらアルに声をかけた。
「多分、私の考えすぎなのですよ。 だから心配しなくても良いのです」
「まぁなぁ。 でも…… 確かにちょっと心配ではあるよな……」
シナモンの言葉を聞いても、アルは不安げな表情のまま。
そんなアルの表情を見て、シナモンは演技をするように呆れた表情に変化する。
「大丈夫なのですよ。 そもそも全部が分かってるなら、私達はここに辿り着いて無いのですよ」
シナモンの言葉を聞いたアルは、ハッとした表情に変わり少しだけ笑みを浮かべた。
「それもそうか。 この辺に帝国の兵士が居ないってのも、重要じゃないからって事かも知れんしな」
アルは自分を納得させるように言葉を発し、自らの言葉にウンウンと小さく頷いている。
そして不意にシナモンに視線を送ると、少しだけ気不味そうにしている様子が伺えた。
「んっ? どうしたんだ? 他にも何かあるのか?」
その様子を不思議に感じたアルは、シナモンの顔を覗き込むように問いかける。
するとシナモンは急に真剣な表情に変わり、ゆっくりと話し始めた。
「あのですが…… お城に行く時は、私も連れてって欲しいのですよ」
「ハァ? いや無理だろ。 お前は戦えないだろ? 遊びに行くんじゃ」
「分かってるのです! 分かってるのですが…… 駄目なのですか?」
アルに対し真剣な表情で話すシナモン。
(うぅん…… どうしたもんかなぁ…… 連れてく意味は正直、無いしなぁ……)
その様子を見たアルは、一方的に拒絶するのは少しだけ気が咎めるように感じた。
「分かった……」
「本当なのですか?」
アルの言葉を聞いたシナモンは、パァッと表情が明るくなる。
それとは対象的に曇った表情のアルは、シナモンの問いかけに対し承諾せずに言葉を続けた。
「ただし、皆が良いって言えばな。 一人でも反対したら連れてかんぞ?」
「ぐぬぬ…… わっ、分かったのですよ」
少し不満げな表情のシナモンを見て、アルは小さく溜息を吐く。
そんな会話をしていた二人が居る部屋に、レイが訪ねてきた。
「あれ? 何か珍しいね?」
「んっ? あぁ。 どしたんだ?」
「うん! ディンゴさんが来たからさっ! そろそろご飯にしよ?」
その言葉を聞いたアルとシナモンは、ゆっくりと立ち上がり居間へと向かっていった。
■■■■■著者コメント■■■■■
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読み返してみると話の展開が遅いですね。。。すみません。。。
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