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訓練シリーズ
塞原の朝
誰得でもない塞原の朝/エロ無/塞原視点
◇ ◆
「さぁて。今日もみんなの元気な顔が見れたら嬉しいな」
今日も空気が澄んでいてとても美味しい。きっと最高の一日になるだろう。
可愛い可愛い組織の子達と共に過ごせる日を迎えることが出来るのを感謝しながら、空気を入れ替えるために窓を開けた。
いつも明け方には起床し、組織内の清掃作業を行うのが日課だ。みんなが使った風呂場やトイレを毎朝ピカピカになるまで綺麗にした後、汗をかいた体を清めるためにシャワーを浴びる。
同じように誰か浴場へ来てくれないかと淡い期待をするが、誰とも風呂が被った試しはない。
やはり幹部の俺と一緒になるのは緊張するのだろうか。気兼ねなく話してほしい気持ちはあるが、俺も花宮さんを前にすると緊張するので仕方ないかとも思う。
体を清め終えた頃、丁度食事係のメンバーたちが起床し、朝食の準備を始める。最近では桜花も調理係としてちょこちょこと参加するようになっているが、なるべくその時は外へ足を運び、一人でモーニングを食べにいくことにしている。
今日は居ないようなので久しぶりにIrisで食事を摂ることにし、準備が整った頃に食事係の子たちに挨拶をした。皆、俺が挨拶すると一瞬で緊張感が走った表情をするが、恥ずかしそうにしながらも挨拶を返してくれる。
「おはよう。俺も一緒にいいかな」
ちょうど食べ始めたばかりのメンバーが集まるテーブルへ声をかけに行くと、恥ずかしそうにしながら「いえ、もう食べ終わるので…」と遠慮するみんな。
(まだまだ残っているが、やはり俺と一緒に食べるのは緊張してしまうんだな…)
少し淋しい気持ちを抱きながらも、窓の近くの席へつき、一人で食事することにした。
(昔は花宮さんや風見、桜花と4人で食べていたっけ)
手を合わせていただきますと呟いた後、あたたかい味噌汁を飲みながらふと過去のことを思い出した。一緒に食べていた頃は、いつも風見と桜花が言い合いしていたっけ。食べるのがゆっくりな桜花の食事に手をつけて怒られていた風見を思い出すとクスッと笑ってしまう。
すると、目の前からカタンと音がした。ふと顔を上げると前には食事を持っている風見が立っていた。
「お前、一人で何笑ってんの?相変わらずだな」
「か、風見!?今日は早いんだな。一緒に食べてくれるのか?」
「おー。今日七彩居ねーし、お前が他の奴らに冷たく断られてんの見てたら可哀想になってな」
「みんな、やはり俺と食べるのは緊張するみたいでな」
「はっ……そうかよ。いただきまーす」
風見は呆れた顔をしながらそう言うと、目玉焼きに醤油をかけて目の前の食事にがっついた。二人で食べる食事は初めてじゃないだろうか。
嬉しくていつも以上にご飯が美味しい。すると、なんと今度は桜花もこちらへとやってきた。
「え…珍しい。二人で食べてるんだ」
「おー。こいつさっきすげー面白くてよ。一緒に食べていいか?って聞いたらことごとく断られてて」
「いやそんなに断られてないからな!?」
「あぁ…安易に想像つくよ」
乾いた笑いをこぼした後、風見の隣へ座ると行儀良く手を合わせた後、桜花も食事をとり始めた。
「桜花も一緒に食うのかよ」
「たまにはね。昔はよく4人で食べてたよね」
「お前食うの遅いからいっつもイライラしたわ」
「風見くんが早すぎるんだよ」
二人が会話しているのもなんだか懐かしい気がする。他のメンバーの子たちも、俺たちが揃っていることに驚いているのか、チラチラと目が合う。合った瞬間恥ずかしそうにしているようだが、もっと見てくれても構わないのに。
それからは暫くお互いのペースで食事をとり、そろそろ食べ終わるといったタイミングで花宮さんがこちらへ向かって歩いてきた。
サラサラとした長い髪の毛は後ろで一つに結ばれており、歩くたびにゆるく左右に揺れていてとても綺麗だ。
「みんなおはよう。もう食べ終わっちゃう?俺も少しだけでいいから仲間に入れて」
「おー花宮さん。おはよ~珍しいっすね。俺は食べ終わりますけど、もう少しゆっくりするんで」
「花宮さん、おはようございます。俺はまだかかるので一緒に食べましょう」
「風見、桜花。おはよう。ありがと」
二人が嬉しそうに挨拶すると、花宮さんはニコッと微笑んで俺の隣に腰掛けた。二人とも挨拶をしたというのに、俺は緊張のあまりなかなか声を出せずに居ると、俺の顔を覗き込んできた。少し上目遣いになった表情が可愛くて、更に声が出しにくくなった。
「おおおおはようございます」
「おはよう、塞原。お前、相変わらず桜花のことばっか見てた?全然食事減ってないね。あったかい内に食べた方が美味しいだろ」
その言葉を聞いて桜花は冷めた目で味噌汁を啜った後、花宮さんに声をかけた。
「花宮さん、お身体は平気ですか?最近働き詰めなので、眠れる時はゆっくり睡眠とって下さいね」
「俺は睡眠をとるよりもお前らとご飯食べてる方が元気になれるから」
花宮さんがサラリと告げたその言葉は、俺たち3人にクリティカルヒットした。
「……あの、不意打ちやめてもらえます~?倒れられたら困るからちゃんと睡眠はとれよ。そしたら背も伸び──」
照れ隠しなのか風見が普段俺たちと話すような口調で口を開くと、下からどかっと激しい音がした。チラリとテーブルの下を見ると、花宮さんの足が風見の脛を思いっきり蹴っていた。
「っってぇぇぇぇぇ物理的な不意打ちもやめてもらえます!?」
「いくら寝てももう俺の背は伸びないし」
「つーか行儀悪いから足はいい子にしてろよ…ってぇなまじで」
二人のやりとりを見て、つい吹き出してしまうと、桜花も同じようにクスクスと笑っていた。
この4人で揃う時はたいてい真面目な話をする時のみで、こうやって話したのはいつぶりだろうか。
風見は本気で痛そうにしながらも席を離れる様子はなく、暫くぶーぶー文句を言っていた。
少し冷めてしまった食事だが、一人で食べるあたたかい食事よりも美味しい。
大好きな3人と、大好きなメンバーが作ってくれた食事は今までの何倍も美味しくて、この時間が終わってほしくなくて、美味しいのになかなか箸が進まない。
「お前早く食えよ……」
ついには一番遅くきた花宮さんも食べ終わってしまったが、何故か3人は俺を待ってくれていた。
「あまりに幸せでこのまま時間が止まればいいのにと思ってね……」
そう呟くと、花宮さんはクスクス笑いながらぽんぽんと頭を撫でてくれた。
「お前普段あんななのに、たまに子どもに戻ったみたいに可愛いこと言うね」
「まじきもいわーポエムってんなー引くわー」
「うん。いつも以上に気持ち悪いね」
風見の桜花の言葉は相変わらずだが、食事を終えても待っていてくれるのが嬉しかった。
組織内もずいぶんと変わってしまったが、これからもこの人たちのために全力で過ごしていきたい。
今日は始まりは、とても幸せだ。
end.
塞原さんにいいところがないので、書こうと思って書き始めました。結果、いいところは増えませんでしたが、幹部の雰囲気は伝わればいいなぁと思いました。
下にはちょっとした花宮さんと塞原さん(と風見)の下品な小ネタ(お風呂編)です。(会話のみ)
◇ ◆
塞原「はぁ…今日の風呂も誰とも被らなかったな…仕方ない。前に渚が来てくれたがすぐに出ていってしまったし…まぁ渚の可愛い渚が見れたからいいんだが…さて、のぼせてしまいそうだし上がるとしよう」
ガラッ
花宮「あ、お疲れ」
塞原「っっっ!?!?!?!?なななななんですか!?」
花宮「あれ、今風呂から出ようとしてなかった?なんでまた潜ったの?」
塞原「かかかかか隠して下さい!出てますよ!!」
花宮「いや、風呂だから当たり前だろ。露出狂と出会ったみたいな反応やめろよ」(体洗う)
風見「うわーいつもはみんなの見ようとしてるくせに本命がきたら照れんのー?」
塞原「(すんっ)」
風見「俺見たら露骨に冷めんの草」
おわり
◇ ◆
「さぁて。今日もみんなの元気な顔が見れたら嬉しいな」
今日も空気が澄んでいてとても美味しい。きっと最高の一日になるだろう。
可愛い可愛い組織の子達と共に過ごせる日を迎えることが出来るのを感謝しながら、空気を入れ替えるために窓を開けた。
いつも明け方には起床し、組織内の清掃作業を行うのが日課だ。みんなが使った風呂場やトイレを毎朝ピカピカになるまで綺麗にした後、汗をかいた体を清めるためにシャワーを浴びる。
同じように誰か浴場へ来てくれないかと淡い期待をするが、誰とも風呂が被った試しはない。
やはり幹部の俺と一緒になるのは緊張するのだろうか。気兼ねなく話してほしい気持ちはあるが、俺も花宮さんを前にすると緊張するので仕方ないかとも思う。
体を清め終えた頃、丁度食事係のメンバーたちが起床し、朝食の準備を始める。最近では桜花も調理係としてちょこちょこと参加するようになっているが、なるべくその時は外へ足を運び、一人でモーニングを食べにいくことにしている。
今日は居ないようなので久しぶりにIrisで食事を摂ることにし、準備が整った頃に食事係の子たちに挨拶をした。皆、俺が挨拶すると一瞬で緊張感が走った表情をするが、恥ずかしそうにしながらも挨拶を返してくれる。
「おはよう。俺も一緒にいいかな」
ちょうど食べ始めたばかりのメンバーが集まるテーブルへ声をかけに行くと、恥ずかしそうにしながら「いえ、もう食べ終わるので…」と遠慮するみんな。
(まだまだ残っているが、やはり俺と一緒に食べるのは緊張してしまうんだな…)
少し淋しい気持ちを抱きながらも、窓の近くの席へつき、一人で食事することにした。
(昔は花宮さんや風見、桜花と4人で食べていたっけ)
手を合わせていただきますと呟いた後、あたたかい味噌汁を飲みながらふと過去のことを思い出した。一緒に食べていた頃は、いつも風見と桜花が言い合いしていたっけ。食べるのがゆっくりな桜花の食事に手をつけて怒られていた風見を思い出すとクスッと笑ってしまう。
すると、目の前からカタンと音がした。ふと顔を上げると前には食事を持っている風見が立っていた。
「お前、一人で何笑ってんの?相変わらずだな」
「か、風見!?今日は早いんだな。一緒に食べてくれるのか?」
「おー。今日七彩居ねーし、お前が他の奴らに冷たく断られてんの見てたら可哀想になってな」
「みんな、やはり俺と食べるのは緊張するみたいでな」
「はっ……そうかよ。いただきまーす」
風見は呆れた顔をしながらそう言うと、目玉焼きに醤油をかけて目の前の食事にがっついた。二人で食べる食事は初めてじゃないだろうか。
嬉しくていつも以上にご飯が美味しい。すると、なんと今度は桜花もこちらへとやってきた。
「え…珍しい。二人で食べてるんだ」
「おー。こいつさっきすげー面白くてよ。一緒に食べていいか?って聞いたらことごとく断られてて」
「いやそんなに断られてないからな!?」
「あぁ…安易に想像つくよ」
乾いた笑いをこぼした後、風見の隣へ座ると行儀良く手を合わせた後、桜花も食事をとり始めた。
「桜花も一緒に食うのかよ」
「たまにはね。昔はよく4人で食べてたよね」
「お前食うの遅いからいっつもイライラしたわ」
「風見くんが早すぎるんだよ」
二人が会話しているのもなんだか懐かしい気がする。他のメンバーの子たちも、俺たちが揃っていることに驚いているのか、チラチラと目が合う。合った瞬間恥ずかしそうにしているようだが、もっと見てくれても構わないのに。
それからは暫くお互いのペースで食事をとり、そろそろ食べ終わるといったタイミングで花宮さんがこちらへ向かって歩いてきた。
サラサラとした長い髪の毛は後ろで一つに結ばれており、歩くたびにゆるく左右に揺れていてとても綺麗だ。
「みんなおはよう。もう食べ終わっちゃう?俺も少しだけでいいから仲間に入れて」
「おー花宮さん。おはよ~珍しいっすね。俺は食べ終わりますけど、もう少しゆっくりするんで」
「花宮さん、おはようございます。俺はまだかかるので一緒に食べましょう」
「風見、桜花。おはよう。ありがと」
二人が嬉しそうに挨拶すると、花宮さんはニコッと微笑んで俺の隣に腰掛けた。二人とも挨拶をしたというのに、俺は緊張のあまりなかなか声を出せずに居ると、俺の顔を覗き込んできた。少し上目遣いになった表情が可愛くて、更に声が出しにくくなった。
「おおおおはようございます」
「おはよう、塞原。お前、相変わらず桜花のことばっか見てた?全然食事減ってないね。あったかい内に食べた方が美味しいだろ」
その言葉を聞いて桜花は冷めた目で味噌汁を啜った後、花宮さんに声をかけた。
「花宮さん、お身体は平気ですか?最近働き詰めなので、眠れる時はゆっくり睡眠とって下さいね」
「俺は睡眠をとるよりもお前らとご飯食べてる方が元気になれるから」
花宮さんがサラリと告げたその言葉は、俺たち3人にクリティカルヒットした。
「……あの、不意打ちやめてもらえます~?倒れられたら困るからちゃんと睡眠はとれよ。そしたら背も伸び──」
照れ隠しなのか風見が普段俺たちと話すような口調で口を開くと、下からどかっと激しい音がした。チラリとテーブルの下を見ると、花宮さんの足が風見の脛を思いっきり蹴っていた。
「っってぇぇぇぇぇ物理的な不意打ちもやめてもらえます!?」
「いくら寝てももう俺の背は伸びないし」
「つーか行儀悪いから足はいい子にしてろよ…ってぇなまじで」
二人のやりとりを見て、つい吹き出してしまうと、桜花も同じようにクスクスと笑っていた。
この4人で揃う時はたいてい真面目な話をする時のみで、こうやって話したのはいつぶりだろうか。
風見は本気で痛そうにしながらも席を離れる様子はなく、暫くぶーぶー文句を言っていた。
少し冷めてしまった食事だが、一人で食べるあたたかい食事よりも美味しい。
大好きな3人と、大好きなメンバーが作ってくれた食事は今までの何倍も美味しくて、この時間が終わってほしくなくて、美味しいのになかなか箸が進まない。
「お前早く食えよ……」
ついには一番遅くきた花宮さんも食べ終わってしまったが、何故か3人は俺を待ってくれていた。
「あまりに幸せでこのまま時間が止まればいいのにと思ってね……」
そう呟くと、花宮さんはクスクス笑いながらぽんぽんと頭を撫でてくれた。
「お前普段あんななのに、たまに子どもに戻ったみたいに可愛いこと言うね」
「まじきもいわーポエムってんなー引くわー」
「うん。いつも以上に気持ち悪いね」
風見の桜花の言葉は相変わらずだが、食事を終えても待っていてくれるのが嬉しかった。
組織内もずいぶんと変わってしまったが、これからもこの人たちのために全力で過ごしていきたい。
今日は始まりは、とても幸せだ。
end.
塞原さんにいいところがないので、書こうと思って書き始めました。結果、いいところは増えませんでしたが、幹部の雰囲気は伝わればいいなぁと思いました。
下にはちょっとした花宮さんと塞原さん(と風見)の下品な小ネタ(お風呂編)です。(会話のみ)
◇ ◆
塞原「はぁ…今日の風呂も誰とも被らなかったな…仕方ない。前に渚が来てくれたがすぐに出ていってしまったし…まぁ渚の可愛い渚が見れたからいいんだが…さて、のぼせてしまいそうだし上がるとしよう」
ガラッ
花宮「あ、お疲れ」
塞原「っっっ!?!?!?!?なななななんですか!?」
花宮「あれ、今風呂から出ようとしてなかった?なんでまた潜ったの?」
塞原「かかかかか隠して下さい!出てますよ!!」
花宮「いや、風呂だから当たり前だろ。露出狂と出会ったみたいな反応やめろよ」(体洗う)
風見「うわーいつもはみんなの見ようとしてるくせに本命がきたら照れんのー?」
塞原「(すんっ)」
風見「俺見たら露骨に冷めんの草」
おわり
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