ひたすら。

まこ

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キャスト編

02

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拘束/ローションガーゼ/亀頭責/玩具/潮吹/ドライ

◇ ◆

大学の先輩が店へ来てから、明らかに俺のモチベーションは下がった。"また来るから"と言われてからは、出勤するのが億劫で仕方がない。

今まで攻めるのも攻められるのも嫌いじゃなくて、寧ろ気持ち良いから好きだった。それでいて大金も手に入るこの仕事を気に入っていた俺は、こんな気持ちになるの初めてで。

自分のしている仕事を否定したいわけではないが、やはり世間から見たら偏見を持たれる仕事なのは確かで、大学の人達にはバレたくない。

でも折角築き上げたこの世界での地位を失いたくない。でも先輩に好きにされたくもない。

そんな葛藤の中、恐れていた事が起きた。

「今日はロングコースにしたからたっぷり遊ぼうや」

先輩が120分と言う、普段なら喜ばしい本指名のロングコースで予約してきたのだ。

「……今日は俺も攻めさせて下さいよ。気持ち良くさせてあげたいんで」

準備しながら溜め息混じりに言う俺に、先輩はニヤニヤしながら近付いた。

「今日オプションも付けたんだけど、聞いてる?」

「……聞いてますけど」

風俗にはオプションがあり、受付の時に伝える事が出来る。今回先輩が付けたのは"玩具"だった。衛生面の事も考え、オプションが入ると店で用意した玩具を持参してお客様へ渡すことになっている。使用後はお客様が持ち帰るもよし、こちらで処分してもよしとなっている。

「聖水とかにしようと思ったんだけどな。恥ずかしいだろうと思ってやめといた」

「……潮吹きも似たようなモンでしょ」

体に触れながらいやらしく呟く先輩に吐き気がした。

「…はいこれ。使って下さい」

男性専門の風俗用に用意された新品の前立腺マッサージ器を渡した。あともう一つのオプションの手枷と足枷も一緒に。因みに手枷足枷は無料なので持参もありで、伝えなくてもよしとなっている。

「サンキュー。じゃあ早速始めていくか。麗くん」

「…」

今回も攻めさせる気はないらしく、俺は大人しく服を脱ぎベッドへ寝転んだ。

手枷を付けて俺の腕を一纏めにすると、下げる事が出来ないようにベッドフレームへ固定した。

洗面器にたっぷりとローションを入れると準備を始め、動く事が出来ないように足を押さえ込む形で座り込む先輩。既にニヤニヤした表情が見えて悔しい。

「この前はすぐにへばっちまったからな。今日は頑張れよ?」

ニヤニヤ笑う先輩だが、気絶した後はきちんと体を綺麗にしてくれて、まだ時間がたっぷり残っていたにも関わらず寝かせてくれていた。そこだけは感謝しているので、出来るなら今日はこの前よりかは満足させたいという気持ちもあった。

ローションで濡れた手でまずは自身扱かれると、それだけで自身は硬さを持ち、勃ち上がり始める。

「ん…ッ」

「ローションそんなに気持ち良い?反抗的な顔してた割に勃つの早いよな」

「んはぁ…気持ち良い、先輩…っ」

恥ずかしいが、一応客なので俺がそう声を漏らすと、グリッと痛いくらいに先端を擦られた。

「---ッい、!?」

「俺はお前の余裕ない顔が好きだから、接客はしなくていい」

「んァッ、い…!やめっ、ひゃあッ」

先程の痛みを和らげるかのように擽るように刺激されると、ビクッと恥ずかしい位に体が跳ねた。

「さーて…やるぜ」

「…はぁっ、は…」

これだけで既に体力を使ってしまった俺は、逃げるように腰を動かすと、ガッチリと押さえつけられた。

「逃げられると燃えるわ」

「あ…っあ、やだ!ちょっと待って!」

たっぷりとローションに浸されたガーゼを見て、前回の強い刺激を思い出して本気で体が拒否反応を起こし始めた。

「ぁぁぁぁああッ!!!!」

「ちょっと擦っただけですげー反応だな。そんなに気持ち良いかよ」

「だっ、めぇ、やめっ、んんッ、ぅぅっ、んん…」

体全体がおかしい位に跳ねながらも、動ける範囲が狭く、先輩のガーゼから逃れる事が出来なくて。開始数秒で生理的な涙が溢れ出した。

「今までやったことなかったのかよ。普段どんな攻めされてんの?」

「~~ッ、ぅ…っァァ、んっ、ぅぁ…ふ…っはぁぁ…ゃ、め」

ガーゼを左右に動かされ、擦られると声を抑える事も出来なければ、相手が何を言ったのかも分からない。それくらいにこの刺激に弱い俺は、ひたすらビクビクと体を痙攣させながら涙を流した。

「答える余裕もねーか」

クスクスと笑いながらも指は止めない先輩。

「ゃあ…っ、ぁあ…イキそ、先輩っ…先輩ぃぃ…っおかし、っくなる…!」

「今日も潮吹きしような。一回だけイカせてやるから」  

「ぅう…っ!あぁっ…!イク、イク…ッッ!!!!」

ガーゼを動かしながら、少し竿を扱かれると、俺は勢い良く欲を吐き出した。

「ひゃぁっ、めてぇえ、もぉっ!もういい!もういいぃぃぃい…ッッ!!!!」

「ほら、前みたいに出せよ」

「ゃぁぁぁぁぁ…っめて、ぃぁぁぁァァ!!!」

相変わらず強い刺激に声が制御する事が出来ずに泣き喚いて暴れるが、ほんの少ししか動けずに、ダイレクトに先端にローションの刺激が襲う。

「あっぅぅ…らめ…っまた、でちゃっ…あ、っァァ」

「いいよ、可愛く出してみろよ」

「------、~~ッッ!!!!!」

プシャッと勢い良くガーゼを濡らすと足が痙攣して、口からは荒い息しか出ない。

「は、ぁぁ…っんん、…」

「おら、まだ休ませねーからな」

「え…?や、だぁ…っもぉ、むりぃぃ…っ」

絶頂と潮吹きをして萎えた俺の自身を緩く扱き、再度勃たせるとローションを追加してガーゼの動きを再開した。

「ッ、ぁああぁあ…っもぉ、…んんんん…ッッ」

ガクガクと震えた足が限界を訴えた。

「イク…っいく、だめっイク!…はっぁ、あ…」

「イケるならイケよ」

「~~ッ!!!んんん…っもっ、これいや、いやだっ、ァァァァ…っっな、んでぇ…っ」  

強すぎる刺激を確かに感じながらも絶頂出来ない事に頭がおかしくなりそうだった。段々と声が小さくなり始めて、抵抗する力も無くなった頃に、最初に渡した玩具を開封し始めた。

店で準備する前立腺マッサージ器は中々良いもので、ドライオーガズムに特化した会社の物を採用したらしい。

グッと力が入らない足を広げさせられると、足首と太腿を固定した。M字開脚にされ恥ずかしい箇所が晒されるが、羞恥を感じる余裕もなく、おそらく先輩もそれを目的とはしていないようだ。

「痛かったら言えよ。なるべく慣らすからよ」

ローションをしっかり付けた指は、広げられた足の間にある蕾へ当てがわれるとゆっくりと挿入された。

この店は本番は禁止なので、客のモノを挿入したことはなかったが、指入れや玩具も何度も使用している俺のソコは簡単に指を受け入れた。

「はぁ…っぁ」

慣れた刺激に安堵して受け入れる俺に、先輩は玩具を挿入した。

「ッひ…っァァ!」

「痛くないか?」

「へ、っきぃ…」

グイグイと遠慮なく入ってくる玩具に痛みを感じる事もなく、ゾクゾクと背筋に響くような刺激に感じた。

「んんん…っあっ、あぁ!」

全て挿入されると、的確に前立腺に当てられた。無駄に抜き差しをしなくても入れているだけで快感を与える事が出来る構造の玩具に俺は射精感が高まった。

「い、きたいぃぃ…っ、いきたいぃ…!」

「こうしてやるとドライしやすくなるんだってよ。可愛くメスイキして鳴けよ」

「ふ…ぇ?なに、やだぁ…」

先輩がゴソゴソしていたかと思うと、新しいガーゼをローションに浸している様子。

「…泣いて鳴いて、泣きまくれよ」

「…?」

勃ち上がった先端へセットされた新しいガーゼ。俺はぼんやりとした意識になりつつあったが、一気に青ざめた。

「ッ-------!!!!!!ぅぁぁぁああァァァッ」

「うん、良い声。可愛い」

ガクンと背を反らして頭を振り乱しながら暴れると、楽しそうにガーゼを動かして追い詰める。イキたくてもイケない快感におかしくなりそうだった。

「ぅあぁアッ、い、き、たッ…イキたぃぃい…!!」

「うんうん、イケイケ」

強い刺激にお尻にも力が入ると、前立腺への刺激が増した気がして。両方からの強い刺激に体が限界を訴えた。意識が遠のき始めた頃、バチンといい音が響いた。音の発生は俺の太腿からで、先輩に平手打ちされたようだ。

「あっ?…はぁっ、あ、ぁあ…っ」 

痛みなんて感じる事もないが、遠のいた意識が少し戻り、また壊れそうな快感に襲われた。

「たっ、すけ…っだめ、だめぇぇ…!いきたっ、イキたぃィィ…ッッ」

「大丈夫、イケるって」

優しく口調で言われ、少しだけ玩具を動かされてゴリッと前立腺を突かれると、目の前が真っ白になった。

「ひ、ぁぁ…っあ!------んんッ!!!」

今までで一番体が反り、あまり動かせない足首が思いっきりピンと伸びると、背中にぶわっと変な感覚が流れた。

「ふ…ぁ!ぁぁあ…っぁあ…」

「いい子、イケたな」

射精した時とも、潮吹きした時とも違う初めての感覚に蕩けながら、俺は全ての力が抜けたかのように脱力した。

「大丈夫?」

「…っ、ん…」

俺が蕩けた目で見つめると優しく頬を撫でてくれた先輩。甘えたくなるような感覚に俺はフニャリと笑顔を見せた。

「…かわい」

小さく呟いた先輩の頬は少し赤くなっていて、俺も少しだけ嬉しくなった。こうして甘い雰囲気が流れてキスをして愛し合ったのだった。

---という展開になるはずもなく。

「ァァァア!!!!もぉ無理ッ、もう無理ィィィ!!!」

頬を赤く染めたまでは本当だが、その直後にローションを追加した先輩はまたガーゼを動かし始め、俺は時間がくるまで何度も何度もドライでイカされる羽目になったのだった。


◇ ◆


「どうだった?ドライ初?」

「……」

10分前の合図が響き、動けない俺の代わりに片付けをしてくれる先輩にそう問い掛けられた。

話す事も億劫な俺は息を整えながらコクリと小さく頷いた。

「…お前の初めて貰えて嬉しいよ。今日も楽しかった、また来るよ。次も同じコースで予約するから」

ニッと笑う先輩の笑顔は、ご奉仕していないにも関わらずスッキリとした表情で。本当に楽しかったんだろうなと思えた。

オプションも付けてロングコースで本指名。そんなに安くないこの店に通えるお金もないはずなのに太客になろうとしている先輩を尊敬しながら、俺は体を休めた。

02 end.
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