ひたすら。

まこ

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キャスト編

06

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拘束/乳首責/ローションガーゼ

◇ ◆

「槙田さん、今日ローションマット使いたいんだって。だから今日は左隣にあるホテルで待ってくれてるよ。行ってらっしゃい」

今回は珍しく何のオプションもなく180分のコースで予約が入ったらしい。

しかもローションマットはこの業界ではそこそこベーシック。マイナー多めな先輩からしたらとても珍しい。

「んじゃ行ってきます」

「あ、そうだ。今回からクレジットカードで事前に支払いしてくれてるし、そのまま直帰していいよ」

「はい」

俺はスタッフに手を振って約束の部屋へ向かった。


◇ ◆


「…あれ、先輩何か痩せた?」

「お前が太り過ぎって言ったから筋トレ始めた」

「ぷはっ!可愛いすね」

おそらく先輩はガタイがいいだけで太っているわけではない。現にあの時は茶化して太り過ぎと言ったが、実際にそう思った事はなかった。

寧ろ俺が華奢な方なので男らしい体格は羨ましいと感じる位。

「ここ来るためにどうせバイト頑張ってんでしょ?あんまり無理しないで下さいね」

「だって頑張らないと麗くんに会えねーから」

「…ま、今日はたっぷりローションマットで気持ち良くしてあげますから楽しみにしてて下さいよ」

少しの間が空いてしまい、上手く返す事が出来なかった俺は宥める様に先輩に抱き付いた。

実は最近、先輩以外とプレイをする時少しだけ集中力が欠けてしまってきている。

厳しいこの世界でそれは数字としても明確に表れ、俺は最近ずっとランキングは3位。不動の1位の先輩が真面目に出勤し始めたからもあるが、いつも1位か2位だった俺にとって3位は"落ちた"事になる。

集中出来ないならやめようかと考え始めていた時にその先輩の発言を聞き、上手く返せなかった。

先輩は"麗"が好きなのか、それとも俺が好きなのか。俺とヤりたいのか、"麗"とヤりたいのか。

麗が好きだった場合、おそらくこの関係は終わる。

昔は"俺"と"麗"をキッチリ使い分けてきたが、プライベートを知っている間柄の先輩の前では少しだけ自分が入り混じる。しっかり線引き出来ないまま接客し、自分でもよく分からなくなった。

少し気まずい雰囲気が流れたが、先輩はすぐにニッと意地悪な笑みを浮かべると、俺の服を脱がせ始めた。

「よし、風呂場行こうぜ」

「うん」

お互い服を脱いだ俺達は軽くシャワーを浴び、先輩を待たせてローションマットの準備をした。

「ほら、先輩寝て」

「いや、麗くんが寝て」

「は?いや、アンタが寝ろよ。やり方知らねーだろ」

「ちゃんと勉強してきた」

「…ただでさえローションマットは滑るんすよ。滑ってデブが俺の上乗ってきたら苦しいだろ」

「デブ言うな。とにかく寝て。絶対苦しい事しねーから」

先輩が引かなかったので、大人しくマットの上へ寝転んだ。

「拘束具は持ち込みOKだったよな」

「平気ですけど」

マットの下へ拘束具を通すと、万歳する形で繋ぎ止められた。軽く動かしてみたが、しっかり固定されていた。

「……分かんなかったら俺が指示するから危ない事はしないで下さいよ。先輩どんくさそうだから滑って怪我しそうだし」

「心配どーも。ほら、いい子にしてろ」

風呂場でのプレイもあり、初めて先輩の下着姿を見た俺は驚いた。意外にも綺麗な肌は無駄毛も気にならず、きちんと手入れしている様に見えた。

「何だよそんな見んなよ」

「いや、先輩の裸初めてだなって。毛むくじゃらかと思ったのに意外と綺麗すね」

「…今日お前とこのプレイするから頑張った」

「俺の事大好きっすね」

「…いいから、黙れ」

からかってやると少し頬を赤らめた先輩は、洗面器に温かいお湯とローションを混ぜ込んだ。

俺の太腿に跨るが、負担にならない様に軽く腰を浮かして体重がかかりすぎない様にしてくれている。

「いくぞ」

ヌルッとした滑りの良い大きな手が俺の腰に触れると、反射的にビクッと体が跳ねた。

「…」

前に優しく触れられるとやけに感じてしまったが、ローションがあると更に腰がゾクリとした。

「ん、」

ヌルヌルと動く指は優しくて、脇腹を揉み込んだりサワサワ擽ったりしながら上へ移動し、胸を寄せる様に揉まれた。

「麗くん、乳首勃ってる」

「るせ」

「ほら、こんなに」

「ひァッ」

ピシッと両方の乳首を弾かれるとビクッと跳ねてマットがキチッと音を立てた。

「あっ…ん、先輩っ」

ローションで滑りがいいからか、乳首への攻撃は中々に効いた。ゾクゾクする感覚に体を捩るが、指はピンポイントで乳首だけを捉えている。

「は…っ、あ、んッ」

てっきり俺が上だと思っていたので、予想外の刺激に悶えながらマットの上でジタジタと暴れた。

「乳首気持ち良いのな。可愛い」

人差し指と親指で摘んで捏ねてみたり、爪で優しく引っ掻いてみたり、軽く引っ張ってみたり。

色んな触り方をされるとそれだけで股間へ熱が送られて、俺の口からは甘い声が漏れた。

「下も勃ってる」

「…は、一々言うな…っ」

「…可愛い、赤い顔で強がんな」

「ひぁ…!も、胸ばっか…っ」

「今日はいっぱい胸いじめてやるよ」

「ッ!?な、っ…んんんん!!何っ」

ローションを追加した先輩は、親指で俺の乳首を捏ねながら、他の4本の指はヌルヌルと胸の横辺りを擽り出した。

「んは…っ!ちょ、待っ…、待っ、やめっ」

「お、これ気持ち良い?」

「ちが…!離せっ、やめろっ」

ゾクゾクとした感覚が襲い暴れるとニヤニヤした顔の先輩が左右同じ動きをしてきた。

「ふ…っ、あっ、あっ!やめ、ろってば!!」

「胸も感じるらしいぞ。お前を良くさせてーからいっぱい勉強してんだよ」

「そんな事に頭と時間使うな…っ、や、待ってそれやばいっ…」

「そうかそうか、嬉しい反応だな」

「ひぁぁぁあ…っ」

暫くしつこい攻めが続いた後、漸く先輩の指は胸から離れてくれた。

「じゃあ折角だしヌルヌルローションプレイするか」

先輩が自分の体に塗りたくると、俺の体へ密着させてきた。

のだが。

「……重い重い!ちょ、危ない!先輩!もっと体軽やかに動かせ!」

体がデカいのもあるからだろうが、先輩の動きは鈍くて一旦何しているのか分からない状態になった。ヌルヌルして体が触れ合う感覚はあるが先程まで感度が上がっていたにも関わらず不安しか生み出さない。

「……気持ち良く、」
「ねーわ!!」

「そうか……」

シュンとしてしまった先輩は体を離すと、俺の足元へ戻り、閉じれない様にガッチリと押さえつけた。

「ローションプレイはもう少し勉強してからリベンジする。だからとりあえず久しぶりにガーゼでもすっか」

「はぁ?…ちょ、ローションプレイ極めようよ!俺代わって手本見せるか…っぎァァァァァァア!!!」

一瞬萎えかけていた自身を扱かれて少し勃たされると久しぶりに亀頭へたっぷりローションのついたガーゼを押し当てられた。

「やっぱりこれは効くんだな」

「ひゃあああああ!!やめっ、もっと、ゆっくり…!」

やらしい音を立てながら響くローションガーゼ。電気の責めもキツいが、相変わらずこれもキツい。

「あぁあ、ぁっあ!!」

絶頂感が高まると、背中が勝手に反り、足首がピンと伸びた。

「イッていいよ。何回でもな」

先輩の熱っぽい言葉が聞こえると、促す様に自身を扱かれて俺は欲を吐き出した。

「あっ、ァッ…無理っ、離せ…!!イッたっ、イッたからぁぁぁぁぁぁあ!!!」

「知ってる。見りゃ分かる」

相変わらず達した後も終わってくれないガーゼはとことん俺を追い込んできた。

「ひっ、あ"ッ、待っ、ァァァァァ!!」

ビクビクッとガーゼだけで絶頂出来るまでになった俺は涙と汗と色んなモノを垂らしながらヌルヌルしたローションマットの上で暴れ悶えた。

「…可愛い、麗くん」

そんな先輩の声が聞こえたのを最後に、ガクッと意識を手放した。


◇ ◆


「ん」

あ、また俺気を失ったのか。

もう恒例になりつつある展開に起き上がると、全て綺麗になり服を着て寝かされていた。

「おはよ、麗くん。今日も随分早かったな」

「…てめーが激しいからだろ」

「まだローションガーゼ弱くて嬉しかった。俺以外にされてねーの?」

「されてねーよ」

「良かった」

「…今何時」

「もう時間だよ、今日もありがとな」

「先輩」

「ん?」

「俺…今日このまま直帰していいんです。飯、行きませんか」

先輩が求めているのは"俺"か"麗"か。少し気になって聞いてみると、先輩は嬉しそうに微笑んで言った。

「行きたい。嬉しい」

その言葉に、少しだけホッとした自分は何を求めているんだろうか。

06 end.
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