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◆短編
浮気の代償
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浮気/仕置/拘束/玩具/挿入有
攻→沙月
受→優夜/視点
◇ ◆
「ねぇ、優夜。これは誰?どういうつもり?」
恋人に突き付けられたのは俺のスマホ。
画面にはこの前遊んで女の子からの"この前は最高でした♡またいこ♡"というメッセージが表示されており、やべっと心の中で思った。
「あぁ、後輩の女の子ね。この前帰りが一緒だったから飯食っただけだよ」
勿論動揺したら怪しいので何事もなかったかのように答えるが、メッセージの内容に♡がついていたので、引っかかっているようだ。
「…というかさ、勝手に人のスマホ見るってどういう神経してんの?」
「よく言うよ、俺だって優夜が怪しい動きしなかったら見る事なんてしなかったよ」
「はぁ?怪しい動きなんてしてねーだろ」
「この女の子とヤッたんでしょ。毎週水曜日遅いし、嬉しそうにお洒落して仕事行くし、帰って来たら速攻風呂行くし」
いつも弱い所なんて見せない恋人からボロッと涙が溢れると、流石にマズイと思った。
「勘違いさせてごめん。でも俺、沙月を傷付けるような事してないから」
実際はその女の子食ってるけどな。そこは絶対にバレてはいけないので嘘を貫く。
「本当…?やっぱり女の子の方がいいんじゃないの?」
こぼれ落ちた涙はとても綺麗で、かなり心が痛んだ。
「…俺には沙月だけだよ。お前のことが好きだ」
優しく抱き寄せてやると、グスッと泣き出したのでよしよしと頭を撫でてやった。
本命は恋人の沙月だけだが、たまーに遊びたくなって女の子に手を出してしまう。男に手を出したらそれこそ本気と勘違いされそうだし。
「…疑って、ごめんっ」
「ううん、俺が勘違いさせたから悪いんだよ。…仲直りのキスしよう?」
俺がそう言うと、泣きながら嬉しそうにキスに応えてくれた沙月に、もう傷つけてはいけないと心に誓う。
その半月後。
また同じことが起こるなんて、自分でも考えもしなかった。性欲とは恐ろしい物である。
◇ ◆
目を覚ますとそこはいつも沙月と一緒に眠る寝室で。腕は頭上で一纏めにされていた。
「は…?」
「あ、起きた?優夜」
「…え、何?」
「この前の女の子とまたヤッたんだね」
笑顔で見せられたのはまた俺のスマホに送られたメッセージ。
今度は"この前の玩具最高でした♡また使って♡気持ち良すぎ♡"と、明らかに情事を物語る内容だった。
「俺この前は許したよね?何でまた浮気したの?」
「…これは、違くて」
「へぇ、違うんだ。じゃあ今からこの子に電話して確かめていい?」
「待って!やめて!」
「ちゃんと本当のことを話してくれるならこの子は巻き込まないよ」
「…ごめん、その子と何回か遊んだ」
「うん」
「…その、本命はちゃんと沙月なんだ。でも…最近ご無沙汰だったから…つい。男に手を出したら本気だと思われたら嫌だから女の子と…」
「ふーん。性欲が溜まってたから浮気したってこと?俺が毎日相手してたら、こんなことしなかった?」
「もちろん!!沙月が毎日…受け入れてくれたら、俺はそんなことしなかった!」
「はっ、責任転嫁も甚だしいね。俺も確かに優夜と繋がるのは本当に幸せだし、好きだよ。でも入れられる方と入れる方って全然負担が違うのわかる?」
「…」
「だからさ、今回は俺が優夜に入れたげる。嫌って程分からせてあげるよ」
「…え?ちょ、嘘…」
「受け入れられないならこの子に電話して全部バラすよ。メッセージ見てたら、この子優夜に恋人が居るの知らないんでしょ?後輩でもないよね。アプリ?」
「……恋人居ないって言って、クラブでナンパして知り合いました」
「ふーん、そっか」
俺を見下ろす沙月はいつもの可愛らしい表情は一切ないし、涙を流すような雰囲気でもない。ただ憤りの感情だけが感じ取れた。
「そんなに性欲満点な優夜に。俺も黙ってるわけにはいきません。これでもかってくらい、分からせてやるよ」
いつもの口調と異なる言葉遣いと表情に圧倒されながら、淡々と準備が進められた。
◇ ◆
「んっ、ァァアッ、待っ、止めてっ」
両胸にはローター、自身には電マが固定され、挙げ句の果てにイケないように根元はガッチリと縛られていた。俺は生理的な涙を溢したながら恥ずかしい声を出すことしか出来ない。
纏められた腕の所為で動きが制限されていたので、簡単に付けられた玩具。足は閉じれないように沙月が陣取って居たので、なす術もなかった。
「ほら優夜。玩具使われる気持ちはどう?俺の事も今まで散々泣かしてきたよね」
「…っゃめ、ぁぁあ!!イクっ、待っ、取って!お願い…っ!!」
「ダメだよ。前に俺にも付けたくせに」
スルッと指で根元から裏筋をなぞられると、それだけで自身は膨らみ、更に根元の紐が苦しくなる。
「イケないの苦しいでしょ?泣いてた俺に、優夜なんて言ったか覚えてる?"可愛すぎてもっといじめたーい"とか何とか言ってずーっといじめてきたよね。俺悪い事も何もしてなかったのに」
「ゆるっ、してくれ!!頼むっ!!!」
ガクガクと震え出した太腿と俺の自身。強い刺激を送り続けられて精神は限界に近付いていた。
確かに俺は意味もなく沙月をいじめた。嫌がって泣く姿が可愛くて仕方なかったからだ。
自分がされてみて思ったことは、ただ辛すぎると言うこと。
「ごめんっ、なさ…!!もう浮気もっぁぁあっ!!!しなっ、んん、いし…!!」
話している最中にグリッと先端を擦られると目がチカチカした。
「浮気もしないし、俺の事もいじめない?」
「いじめなっ、いですっ!!うわっ、き、もしませんっっ!!許して、下さいっ」
ボロボロ涙を溢しながら訴えると、シュルリと紐が解かれ、俺はありえない勢いで射精した。
「はは、すごい量」
長い事痙攣しながら放たれる俺の欲を見て笑う沙月の声は低く、頭がぼんやりした状態でも怖いと感じることが出来た。
「ぁぁぁッッ!!止めてっ、お願いっ!!またイクっ、やばっ待って、ァァア!!」
達した後も止まることのない玩具は同じ振動を送り続けた。
「性欲がなくなるまで付き合うよ」
「てめ…っ!ふざけ、ッッ、俺ここまでしたことねーだろ!!!」
止める様子のない沙月に怒りを覚えた自分が居て。悪いのは自分だと分かっていても止まらなかった。
「はは、何それ?全然反省してないじゃん。優夜がそのつもりなら俺も本気で入れるから」
グイッと足を広げられると、俺は危機感を覚えて足をばたつかせた。
「悪いけど今の優夜の力じゃ無理だよ」
「嘘…やめっ!!それだけは…っ」
いつも沙月に使うローションを取り出すと、それをたっぷりと指に絡めて、ニヤリと口角を上げながら見せつけてきた。
「最初は少し苦しいかもしれないけど、トンじゃうくらいに気持ち良いから安心しなよ」
今まで使ったことのなかった箇所にツプリと細い指が挿入された。
「ひ…ッッぁぁっ!!ぁっ、やめろっ、」
ローターや電マは止まっていないので、後ろへの痛みがないのが逆に怖かった。このままじゃ入れられる。
「すんなり入る。あーあ、またイッてるし。締め付けやばいよ」
「ひっ…ぁぁぁ!!!やめてっ、お願いっ」
そりゃ玩具は止まってないんだからイクのは仕方ないだろうとは思うが、感じすぎてもう反論すら出来なくなった。
「いつもね、俺も触られてるからわかるけど…ここらへんかな?」
クイッと指を曲げられたら俺の体は思いっきりビクンと跳ねた。これが今まで沙月をいじめて感じさせてきた前立腺なのか。
「あ、すごい震えてる。気持ちい?」
「------ッッ」
目がチカチカして、ビクビクと何度も体を痙攣させながら泣いていると、指は増やされ、ローションでやらしい音を立てながら掻き回された。
「…俺もやっと童貞卒業出来るよ、優夜が初めてで嬉しい。いっぱい感じてね?」
「ゃ、……ッッ」
もっと大きな声で抵抗するつもりが、全く力も入らなければ喘ぎすぎて声も枯れていた。
ゆっくり挿入された沙月の自身に、俺の目からはボロボロ涙が出た。
「泣かないで。本当に繋がれるのは幸せなんだよ?だから…優夜も俺を感じてね」
全て挿入し終えると、余裕ない表情と声で沙月は俺に囁いた。
「好きだよ、優夜。だから……っもう、俺以外と…っしないでっ」
「!」
沙月の目からボロボロ溢れた涙が俺の体に当たる。
「さ、つき…」
今すぐにでも抱き締めたくて、腕を動かすとギチッと音を立てた。
しかし、その直後、涙を拭った沙月が俺の腰を掴んで思いっきり前立腺を突くように腰を動かした。
「ッッぁぁあああ---ッッ!!!」
快感で意識が飛びそうになった。
「好き、優夜…っ俺、ずっと好きだよ…っ別れたくなかった、ずっと…ずっと傍に居たかった、ごめんね」
"別れたくなかった"、"居たかった"という過去形になっている言葉に俺の目の前は真っ暗になったが、止まらない腰の動きと玩具に喘ぐことしか出来ずに沙月がイクまでそれは続いた。
◇ ◆
「おはよう優夜」
「…!沙月っ」
沙月がイッた後、俺は意識を失っていたようで、目が覚めると全て終わった後だった。
泣き腫らした目で俺の目覚めを待ってくれていた沙月に安堵しながら、抱き締めようとしたが腰が痛すぎて動けなかった。
「あららぁ、腰痛いでしょ。あんま激しく動かないでよ」
「沙月、沙月…っ嫌だ!別れたくない!嫌だ!!」
「え?何が?」
「え?」
「え?何?俺達別れるの?」
「え…だって入れた時別れたくなかったとか、ずっと一緒に居たかったって過去形だったから」
「あれ、そうだった?」
キョトンとした表情は嘘をついている様子はなかった。そう言えば沙月は快感を受けると泣いて謝るタイプだったことを思い出した。
「じゃあまたあれかな、泣いちゃったから何言ってるか覚えてないや。別れないよ俺。浮気されても優夜が好きだからね」
きゅっと握ってくれた手は温かくて、安堵の涙が溢れた。
「よ、よかったぁぁぁぁぁ……」
「次浮気したらもっと酷い事してあげるからね。あ、女の子に電話したよ。優夜は俺のだから手を出すなって」
「え!?」
「泣いてたけど、泣きたいのは俺も一緒だからって言っといた。最後は意気投合して遊びに行くことになったんだ。俺もその子とヤッてくる」
「はぁぁぁぁあ!?!?!?ダメだから!!沙月が誰かとするとか我慢できない!!!ダメ!!」
「嘘だよ、意気投合したまでは本当だけど直接連絡先は交換してないし安心して。で、これで分かった?好きな人が他の人としてるの想像したら辛いってこと」
「……はい、ごめんなさい」
「優夜の処女奪ったけど、それでも俺が好き?」
「好き!!!沙月が居なくなるんじゃないかと思ったら…死ぬかと思った!!俺お前が居ないと生きていけない!!だからっ、ずっと傍に居て……っ」
「うん、ずっと居るよ」
沙月は俺に合わせて寝転ぶと、強く抱き締めてキスをしてくれた。
「また次入れさせてよ。交代ばんこにしよ」
「だめっ!入れるのは俺!沙月は可愛いままで居てっ」
沙月の笑顔は冗談ではなさそうなので、俺は焦りながら今の位置をキープ出来るように努める事にした。
初めて沙月を失う恐ろしさを知った俺は、今後一切浮気をすることはなかった。
end.
攻→沙月
受→優夜/視点
◇ ◆
「ねぇ、優夜。これは誰?どういうつもり?」
恋人に突き付けられたのは俺のスマホ。
画面にはこの前遊んで女の子からの"この前は最高でした♡またいこ♡"というメッセージが表示されており、やべっと心の中で思った。
「あぁ、後輩の女の子ね。この前帰りが一緒だったから飯食っただけだよ」
勿論動揺したら怪しいので何事もなかったかのように答えるが、メッセージの内容に♡がついていたので、引っかかっているようだ。
「…というかさ、勝手に人のスマホ見るってどういう神経してんの?」
「よく言うよ、俺だって優夜が怪しい動きしなかったら見る事なんてしなかったよ」
「はぁ?怪しい動きなんてしてねーだろ」
「この女の子とヤッたんでしょ。毎週水曜日遅いし、嬉しそうにお洒落して仕事行くし、帰って来たら速攻風呂行くし」
いつも弱い所なんて見せない恋人からボロッと涙が溢れると、流石にマズイと思った。
「勘違いさせてごめん。でも俺、沙月を傷付けるような事してないから」
実際はその女の子食ってるけどな。そこは絶対にバレてはいけないので嘘を貫く。
「本当…?やっぱり女の子の方がいいんじゃないの?」
こぼれ落ちた涙はとても綺麗で、かなり心が痛んだ。
「…俺には沙月だけだよ。お前のことが好きだ」
優しく抱き寄せてやると、グスッと泣き出したのでよしよしと頭を撫でてやった。
本命は恋人の沙月だけだが、たまーに遊びたくなって女の子に手を出してしまう。男に手を出したらそれこそ本気と勘違いされそうだし。
「…疑って、ごめんっ」
「ううん、俺が勘違いさせたから悪いんだよ。…仲直りのキスしよう?」
俺がそう言うと、泣きながら嬉しそうにキスに応えてくれた沙月に、もう傷つけてはいけないと心に誓う。
その半月後。
また同じことが起こるなんて、自分でも考えもしなかった。性欲とは恐ろしい物である。
◇ ◆
目を覚ますとそこはいつも沙月と一緒に眠る寝室で。腕は頭上で一纏めにされていた。
「は…?」
「あ、起きた?優夜」
「…え、何?」
「この前の女の子とまたヤッたんだね」
笑顔で見せられたのはまた俺のスマホに送られたメッセージ。
今度は"この前の玩具最高でした♡また使って♡気持ち良すぎ♡"と、明らかに情事を物語る内容だった。
「俺この前は許したよね?何でまた浮気したの?」
「…これは、違くて」
「へぇ、違うんだ。じゃあ今からこの子に電話して確かめていい?」
「待って!やめて!」
「ちゃんと本当のことを話してくれるならこの子は巻き込まないよ」
「…ごめん、その子と何回か遊んだ」
「うん」
「…その、本命はちゃんと沙月なんだ。でも…最近ご無沙汰だったから…つい。男に手を出したら本気だと思われたら嫌だから女の子と…」
「ふーん。性欲が溜まってたから浮気したってこと?俺が毎日相手してたら、こんなことしなかった?」
「もちろん!!沙月が毎日…受け入れてくれたら、俺はそんなことしなかった!」
「はっ、責任転嫁も甚だしいね。俺も確かに優夜と繋がるのは本当に幸せだし、好きだよ。でも入れられる方と入れる方って全然負担が違うのわかる?」
「…」
「だからさ、今回は俺が優夜に入れたげる。嫌って程分からせてあげるよ」
「…え?ちょ、嘘…」
「受け入れられないならこの子に電話して全部バラすよ。メッセージ見てたら、この子優夜に恋人が居るの知らないんでしょ?後輩でもないよね。アプリ?」
「……恋人居ないって言って、クラブでナンパして知り合いました」
「ふーん、そっか」
俺を見下ろす沙月はいつもの可愛らしい表情は一切ないし、涙を流すような雰囲気でもない。ただ憤りの感情だけが感じ取れた。
「そんなに性欲満点な優夜に。俺も黙ってるわけにはいきません。これでもかってくらい、分からせてやるよ」
いつもの口調と異なる言葉遣いと表情に圧倒されながら、淡々と準備が進められた。
◇ ◆
「んっ、ァァアッ、待っ、止めてっ」
両胸にはローター、自身には電マが固定され、挙げ句の果てにイケないように根元はガッチリと縛られていた。俺は生理的な涙を溢したながら恥ずかしい声を出すことしか出来ない。
纏められた腕の所為で動きが制限されていたので、簡単に付けられた玩具。足は閉じれないように沙月が陣取って居たので、なす術もなかった。
「ほら優夜。玩具使われる気持ちはどう?俺の事も今まで散々泣かしてきたよね」
「…っゃめ、ぁぁあ!!イクっ、待っ、取って!お願い…っ!!」
「ダメだよ。前に俺にも付けたくせに」
スルッと指で根元から裏筋をなぞられると、それだけで自身は膨らみ、更に根元の紐が苦しくなる。
「イケないの苦しいでしょ?泣いてた俺に、優夜なんて言ったか覚えてる?"可愛すぎてもっといじめたーい"とか何とか言ってずーっといじめてきたよね。俺悪い事も何もしてなかったのに」
「ゆるっ、してくれ!!頼むっ!!!」
ガクガクと震え出した太腿と俺の自身。強い刺激を送り続けられて精神は限界に近付いていた。
確かに俺は意味もなく沙月をいじめた。嫌がって泣く姿が可愛くて仕方なかったからだ。
自分がされてみて思ったことは、ただ辛すぎると言うこと。
「ごめんっ、なさ…!!もう浮気もっぁぁあっ!!!しなっ、んん、いし…!!」
話している最中にグリッと先端を擦られると目がチカチカした。
「浮気もしないし、俺の事もいじめない?」
「いじめなっ、いですっ!!うわっ、き、もしませんっっ!!許して、下さいっ」
ボロボロ涙を溢しながら訴えると、シュルリと紐が解かれ、俺はありえない勢いで射精した。
「はは、すごい量」
長い事痙攣しながら放たれる俺の欲を見て笑う沙月の声は低く、頭がぼんやりした状態でも怖いと感じることが出来た。
「ぁぁぁッッ!!止めてっ、お願いっ!!またイクっ、やばっ待って、ァァア!!」
達した後も止まることのない玩具は同じ振動を送り続けた。
「性欲がなくなるまで付き合うよ」
「てめ…っ!ふざけ、ッッ、俺ここまでしたことねーだろ!!!」
止める様子のない沙月に怒りを覚えた自分が居て。悪いのは自分だと分かっていても止まらなかった。
「はは、何それ?全然反省してないじゃん。優夜がそのつもりなら俺も本気で入れるから」
グイッと足を広げられると、俺は危機感を覚えて足をばたつかせた。
「悪いけど今の優夜の力じゃ無理だよ」
「嘘…やめっ!!それだけは…っ」
いつも沙月に使うローションを取り出すと、それをたっぷりと指に絡めて、ニヤリと口角を上げながら見せつけてきた。
「最初は少し苦しいかもしれないけど、トンじゃうくらいに気持ち良いから安心しなよ」
今まで使ったことのなかった箇所にツプリと細い指が挿入された。
「ひ…ッッぁぁっ!!ぁっ、やめろっ、」
ローターや電マは止まっていないので、後ろへの痛みがないのが逆に怖かった。このままじゃ入れられる。
「すんなり入る。あーあ、またイッてるし。締め付けやばいよ」
「ひっ…ぁぁぁ!!!やめてっ、お願いっ」
そりゃ玩具は止まってないんだからイクのは仕方ないだろうとは思うが、感じすぎてもう反論すら出来なくなった。
「いつもね、俺も触られてるからわかるけど…ここらへんかな?」
クイッと指を曲げられたら俺の体は思いっきりビクンと跳ねた。これが今まで沙月をいじめて感じさせてきた前立腺なのか。
「あ、すごい震えてる。気持ちい?」
「------ッッ」
目がチカチカして、ビクビクと何度も体を痙攣させながら泣いていると、指は増やされ、ローションでやらしい音を立てながら掻き回された。
「…俺もやっと童貞卒業出来るよ、優夜が初めてで嬉しい。いっぱい感じてね?」
「ゃ、……ッッ」
もっと大きな声で抵抗するつもりが、全く力も入らなければ喘ぎすぎて声も枯れていた。
ゆっくり挿入された沙月の自身に、俺の目からはボロボロ涙が出た。
「泣かないで。本当に繋がれるのは幸せなんだよ?だから…優夜も俺を感じてね」
全て挿入し終えると、余裕ない表情と声で沙月は俺に囁いた。
「好きだよ、優夜。だから……っもう、俺以外と…っしないでっ」
「!」
沙月の目からボロボロ溢れた涙が俺の体に当たる。
「さ、つき…」
今すぐにでも抱き締めたくて、腕を動かすとギチッと音を立てた。
しかし、その直後、涙を拭った沙月が俺の腰を掴んで思いっきり前立腺を突くように腰を動かした。
「ッッぁぁあああ---ッッ!!!」
快感で意識が飛びそうになった。
「好き、優夜…っ俺、ずっと好きだよ…っ別れたくなかった、ずっと…ずっと傍に居たかった、ごめんね」
"別れたくなかった"、"居たかった"という過去形になっている言葉に俺の目の前は真っ暗になったが、止まらない腰の動きと玩具に喘ぐことしか出来ずに沙月がイクまでそれは続いた。
◇ ◆
「おはよう優夜」
「…!沙月っ」
沙月がイッた後、俺は意識を失っていたようで、目が覚めると全て終わった後だった。
泣き腫らした目で俺の目覚めを待ってくれていた沙月に安堵しながら、抱き締めようとしたが腰が痛すぎて動けなかった。
「あららぁ、腰痛いでしょ。あんま激しく動かないでよ」
「沙月、沙月…っ嫌だ!別れたくない!嫌だ!!」
「え?何が?」
「え?」
「え?何?俺達別れるの?」
「え…だって入れた時別れたくなかったとか、ずっと一緒に居たかったって過去形だったから」
「あれ、そうだった?」
キョトンとした表情は嘘をついている様子はなかった。そう言えば沙月は快感を受けると泣いて謝るタイプだったことを思い出した。
「じゃあまたあれかな、泣いちゃったから何言ってるか覚えてないや。別れないよ俺。浮気されても優夜が好きだからね」
きゅっと握ってくれた手は温かくて、安堵の涙が溢れた。
「よ、よかったぁぁぁぁぁ……」
「次浮気したらもっと酷い事してあげるからね。あ、女の子に電話したよ。優夜は俺のだから手を出すなって」
「え!?」
「泣いてたけど、泣きたいのは俺も一緒だからって言っといた。最後は意気投合して遊びに行くことになったんだ。俺もその子とヤッてくる」
「はぁぁぁぁあ!?!?!?ダメだから!!沙月が誰かとするとか我慢できない!!!ダメ!!」
「嘘だよ、意気投合したまでは本当だけど直接連絡先は交換してないし安心して。で、これで分かった?好きな人が他の人としてるの想像したら辛いってこと」
「……はい、ごめんなさい」
「優夜の処女奪ったけど、それでも俺が好き?」
「好き!!!沙月が居なくなるんじゃないかと思ったら…死ぬかと思った!!俺お前が居ないと生きていけない!!だからっ、ずっと傍に居て……っ」
「うん、ずっと居るよ」
沙月は俺に合わせて寝転ぶと、強く抱き締めてキスをしてくれた。
「また次入れさせてよ。交代ばんこにしよ」
「だめっ!入れるのは俺!沙月は可愛いままで居てっ」
沙月の笑顔は冗談ではなさそうなので、俺は焦りながら今の位置をキープ出来るように努める事にした。
初めて沙月を失う恐ろしさを知った俺は、今後一切浮気をすることはなかった。
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