短編BL

まこ

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◇兄弟

ストレスの発散方法

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弟×兄/擽り/拘束/羞恥/手コキ/微裏

攻→真昼まひる/視点
受→真夜まや

◇ ◆

「お前生意気なんだよ」

そう言って俺に無意味に暴力を働くのは兄。

陰で俺をいじめるのが上手だった兄は、周りから見たらいい子で通っており、家でも学校でも優等生。

期待に応えるために勉強や他の事もとても努力していたのは知っている。そのストレスの捌け口が俺だったのだ。

今日は両親が旅行で不在のため、急に部屋へ入ってきては背中を殴られた。本当に無意味な暴力だ。

俺は昔からそうだったので無言と無表情を貫くと、なんか喋れや!とか意味のわからないことをぬかす。

「今日は二人っきりだな、最近ストレス溜まってたから遊んでよ」

それでも俺が無言を貫くと、生意気なんだよと怒り出す。何とも面倒くさい奴だ。

すると突然襟元を掴まれて引っ張られると、俺はバランスが取れずに椅子から転げ落ち、締まった首筋が苦しくて咳き込んだ。

「ゲホッ、ケホ」

「なぁ、今日は何して遊ぶ?二人だし多少声出ても気にしなくていいしな」

床に倒れ込んで咳き込む俺を押し倒して無表情な顔で冷たく訊ねられた。

「今日は二人、か」

「あ?何勝手に喋ってんだよ」

さっきは喋れと言ったくせに意味が分からない。長年の恨みが沸々と湧き上がった。

その瞬間、俺は兄を隙をついて形勢を逆転した。

ドサッと兄の背中が床へ叩きつけられると、いって、と小さく顔を歪めた。今まではずっと我慢してたが、俺の方が成長した今、押し倒すのは簡単だった。

「てめ、ふざけんな」

俺に対しては気が強い兄は怯む事なく暴言を吐くが、もう我慢なんて出来なかった。こんな力の弱い奴に長年苦しめられて来たと思うと、情けなくなる。

俺がグイッと足で兄の股間を攻撃すると、くぐもった声を上げて怯んだ。

その隙に兄の腕を頭上で纏めて落ちていたタオルで縛ろうとすると、すぐに暴れ出した。

「暴れてもいいけど、ここ潰すよ?」

未だに兄の股間にある足にグッと力を入れると、痛みでビクッと体が跳ね、少し涙目になりながら大人しくなった。

力の抜けた手を改めて纏めてタオルでキツく結びつけると、適当にベッドの足に括り付けた。

「…」

流石に足の攻撃にビビって何も言わなくなった兄。その姿に自然と口角が上がった。

「何、いつもいじめてた弟に反撃されただけで弱々しくなっちゃって。ダサいね」

「お前殴るぞ」

「いいよ」

「…っ」

「殴られる前に真夜の体で遊ばせてもらお」

「な…何す、」

着ていたシャツの中に手を入れるとムニムニと脇腹を揉んでみた。

「んっ」

「こちょこちょ」

「あひゃっ!?」

予想外だったのか間抜けな声を出しながら体を捩ったので押さえつけて更に揉んでやると、唇を噛み締めて耐えている。

「こんなん弱いの?子どもみたい」

「やめ…っく、ははっ」

手を更に中へ入れて腋をくすぐるとビクッと大きく跳ねて震え出した。

「やめて…っ」

「人差し指しか使ってないけど。指一本で俺に屈服しちゃうの?」

「~~っ!!」

悔しそうに唇を噛むが、指は止めてやらない。指が動く度にビクビク反応してる兄が情けない。

「だっさ」

「うるさい…っあとで絶対に、んひゃぁっ」

「あとで絶対に、何?喘ぎますってか?」

言葉を遮るように窪みをツンツンと突くと、間抜けな声を上げて悔しそうに俺を睨む。

シャツを捲り上げると、細い体が見えた。そんなに筋肉もついていない白い肌をなぞるとビクビク震える。

「そんなに強気なのに敏感なの?可愛いね」

「…っ」

「体触られるの初めて?」

「…」

プイッとそっぽを向く兄に悪戯心が湧き上がった。

「だんまりならいいよ、真夜の体に直接聞くから」

「…は?」

兄の口にハンカチを詰め込んでガムテープで蓋をしてやった。

「んぅっ」

「どーせだんまりするなら、口いらないでしょ?」

はだけて晒された脇腹をくすぐると、ビクッと跳ねくぐもった声が漏れた。気にせずに揉んだりなぞったり、突いたり、様々なやり方でくすぐると体を必死に捩りながら耐えている。

「んんっ、んーっ、んぅっ」

「次はこっちね」

服の中へ手を差し込み、こしょこしょと腋をくすぐった。

「んーーーーっっっ!!」

先程より反応のいいそこをしつこくくすぐると、ポロポロと涙を流していた。

「くすぐりで泣くの?」

「んぐっ…ぅ…」

真っ赤になりながらブンブンと首を横に振ったので、指の動きを再開した。

「んっんんぅっ!!ぅうっ!!」

ブンブンと首を振り、足をばたつかせ、お腹に力を入れてる様子が見て取れる。こんな攻撃で屈する奴に今まで散々馬鹿にされていたのか。

「ビクビクしちゃって、ダサいね。恥ずかしいでしょ?散々馬鹿にしてた相手にこんなことされて」

兄の心を煽るように言うと、案の定キッと眉を吊り上げた。怒りなのかフルフルと震えていてとても滑稽。

「それにしても細いね、昔は何であんなに真夜のこと怖かったんだろ。負ける気しないわ」

ツツ、と腹部をなぞると、ビクッと跳ねる。何処触っても反応する体は素直で可愛らしい。

「んぐっ!うぅっ!んん!!」

何かを訴えながら睨んでくるが気にしない。

「細いなぁ、女の子みたい。もしかして今までに女の子に間違えられた事あんじゃない?…顔も母さん似で可愛いしさぁ」

反応を見ながら煽ると更に怒っているのがオーラで分かる。多分コンプレックスでもあるんだろう。それに気を良くして鼻で笑ってやった。

「何か言いたそうだけど、言ったら?まぁ口が取れればの話だけど」

「んんんん!!!!!」

あ、何かめっちゃ怒ってる。

「ふ、なーに?分かんなーい」

「んぐっ!!んんぅっ!んっ!!!」

めちゃくちゃ怒ってるのは伝わったが、スルー。体を移動させると、次は腹部に目をつけた。

フニフニと下腹を突くと、くすぐったいのかまたピクリと揺れて逃れようと体を捩る。

クルクルと人差し指で下腹から脇腹、お臍の周りをなぞると、ピンと背を伸ばして今までと違った反応を見せた。何処だ?

もう一度ゆっくり人差し指を滑らせると、お臍の辺りで悶えが激しくなった。へぇ。いいとこ見つけた。

「真夜、ここ弱いの?」

「んくっ!!!」

思いっきり睨んでくる瞳は憎悪に満ちていた。おもしろ。

「へぇーここかぁ」

「んぐっぅぅぅ!!!」

腰をガッチリと掴んで更に動きを封じてやり、お臍周りを舌先でゆっくりとなぞってやった。

「んーーーーーーーーっっっ」

効果は絶大のようで、背をのけ反らせて本気の抵抗を見せながら暴れた。足は蹴り上げられないように体で押さえつけているし問題はない。

時折腰を掴みながら動かせる指で脇腹をくすぐってやりながらお臍周りからお臍の穴で舌を滑らせると、面白いくらいにビクビクしてくぐもった悲鳴を上げながら泣き始めた。

もちろんせっかく見つけた弱点を逃すはずもないので、ひたすら愛でるように尖らせた舌で意地悪をした。

「んぅっ…ぅっ、ぅ、」

次第に暴れる力は弱まり、足をガクガクさせながら泣いている。少し気になっていたが、俺の体に硬いものが当たっていたので、ついでに指摘してやった。

「俺に当たってんだけど。大嫌いな奴にお臍舐められたくらいで勃ってんの?」

体を移動させて股間を触ると、思いっきり蹴りを入れてきた。もちろん想定内なので交わして下着ごとズボンをずり下ろした。

それに対し思いっきり顔を赤くして足で蹴りを入れてくるが、兄の片足に座り、もう片方は俺の方に乗せて片手で押さえつけた。

「足の方が強いのに、俺の腕力に負けるなんて弱っちいね」

「…っぐぅぅぅぅ!!!!」

「ほら、足開くのも簡単。真夜の恥ずかしいとこ丸見え」

「んっぐぅぅっ!!ぅぅっ!」

「相変わらず何言ってんのかわかんない。あ、もしかして抜いてほしい?おねだりしてるの?」

あり得ないことを言ってやるとブンブンと首を横に振る。足にはかなり力が入っているので気を抜くと流石に危ない。

「…触っちゃお、今まで誰かに触られたことあんのかなー?俺が初めてかなー?」

少しだけ主張した兄の自身を握り、緩く上下してやる。

「んぅっ」

そこを触ると別人になったかのように力が抜け、足がガクガクと震え出した。勉強ばかりでいい子だった兄は、もしかしたら一人でも触ったことがないんじゃないか、と思うほどの反応。

「ここ気持ち良いでしょ?触ったことある?」

優しく訊ねると、力無くフルフルと横に首を振った。まじか、初々しい。

「へぇ、じゃあイカせてあげるよ」

「ん…っん、」

コクコクと頷く兄。

快感に弱いタイプなのか、自身を触り始めたら本当にしおらしくなった。可愛いけど、今までの恨みだ。悪いけどイカせるつもりなんてない。

兄の足がピンと伸び絶頂を迎えようとした時に、俺は自身から手を離した。

「んっ…?」

「次はこっちね」

あまりもう力の入っていない足を自分の方へ向け、こちょこちょと足の裏をくすぐった。

「んぐっ!?」

イキかけた状態での攻めはどんな気持ちなのだろうか。爪を立てるようにカリカリと土踏まずをくすぐるとピクンと体を揺らして悶え出す。

足首をしっかり掴んで動きを封じながら土踏まずや踵を爪でいじると、またくぐもった叫びが響いた。

「足も弱いね」

サワサワとくすぐる動きも交えると、ビクビクと体を揺らし、足がピンと伸びた。気持ち良い時にピンとなる様子は可愛らしい。

「真夜の足綺麗、細い」

足首を掴んだまま、ちゅっと親指を咥えるとビクッと跳ね、逃れるように体を捩り出す。

指の付け根や指の間を舌先でなぞると明らかに感じている様子。

フルフルと寸止めしていた自身からは先走りが溢れ出し、パンパンに膨らんでいた。

「足、感じるの?」

わざとらしく質問しながら足の指を執拗に舐めながら、空いている指で足の甲をくすぐると、またピンと伸びた。

「足伸ばしちゃって、可愛いね」

「んっ…んんっ」

足の指の付け根をなぞるとビクビクしながら目を瞑り、顔を真っ赤にさせている。

人の足を舐める日がくるなんて思っていなかったが、感じてくれると思うと苦じゃなかった。寧ろもっと感じさせたい。

時折カプリと指を甘噛みすると、その度に体が跳ね、フルフルと太ももが痙攣し始める。

「真夜、イキたい?」

「ん…っ」

コクリと力無く頷く兄を見ながら、俺は口のガムテープを外して直接言わせようと思った。

「真夜、自分の口で言って」

「………真昼、イカせて…」

「いいよ」

何年かぶりに聞いた兄の口から出た俺の名前。気を良くした俺は足を舐めながら、兄の自身を緩く扱くとすぐにドバッと生温かい欲が吐き出された。

クタリと脱力した兄を見て、俺は心から満たされた気分になった。力が入らない兄の痴態を納めるためにスマホを向けると、俺は一番エロい姿を記録に残した。

「んな…っ」

「別に脅したいわけじゃない。ただ、もう俺のこといじめんのはやめろ。いじめるようなら晒す」

「…っ」

元気になればどんな復讐をしてくるか分からない。頭の良い兄のことだから知恵も交えて何か仕掛けてくるだろう。

「…わかったよ」

「最後に、それが本当かどうか、動画に撮らせて」

「は?」

グイッと両足を広げさせ、足の間に入ると、俺はスタートボタンを押した。

「真夜、さっき俺に何された?」

「……っ」

力も残っていたとしても足を閉じることは出来ないだろう。俺は兄の恥ずかしい場所にピンと合わせながらほくそ笑んだ。

「…イカ、され…ました」

「何処攻められて気持ち良かった?全部言って」

「……お臍、足…股間…」

羞恥で震える兄はいつもの強気な要素は何処にもなかった。

「これから俺に逆らわない?」

「…逆らいません、もういじめません。今まで、ずっと…ごめんなさい…親とか、教師からの重圧に耐えられなくて…っず、と真昼に…当たって、傷つけて…ほんと、ごめ…」

「…うん」

ピロンと撮影を終えた音が部屋に響いた。

「何かしたら晒すから」

「…うん」

腕を解いてやると、兄は力無く起き上がり、下着とズボンを手に取って泣きながら去っていった。


◇ ◆


流石にやりすぎた。今までの恨みを晴らせたかと言われればかなり心に引っかかる結末となった。

すると翌日、兄が部屋を訪ねてきた。

「真昼」

「…な、何」

「………昨日考えてた、ずっと。俺は、今まで優等生で居ることに全力だった。実際に成績も残したし、努力もしてきて、親からしたら自慢の子どもだったと自負してた。その反動が全て真昼にいった。本当にごめん」

「…そうだね、真夜は頑張ってたと思うよ」

「うん、別に最初は真昼が嫌いだったわけじゃないし、寧ろ大好きだった。こんなこと言ったら言い訳になるけど、親の期待がお前にも行き始めた時、阻止するために俺は今まで以上に必死になった。結果全ての期待は俺にきた。これでお前は、親の期待に過剰に答えなくていいから、気が楽になると思った」

兄の発言は初めて聞くもので、俺は目を見開いた。

「でも…次第に背負い込みすぎて、後悔した。お前にもこの過剰な期待を分けてやれば良かったと。俺が勝手に守ったくせに、それが苦しくて、楽しそうに生きてるお前が嫌いになって、意味もなく殴ったりした。全部は俺の責任なのにな、悪かった。俺が反撃すると思って怖いなら昨日の写真とか動画はお守りに持っててくれていい」

「真夜」

「それで、だ」

「ん?」

「ストレスの捌け口はお前で、殴ることで発散してたんだ。殴っといて何言ってんだって思うかもしれないけど、完全にストレスが発散出来たわけじゃなく、殴った後は毎回罪悪感がすごかった」

「うん」

「…でも昨日お前にめちゃくちゃ感じされられて、その…」

「うん?」

「めちゃくちゃ発散された。今までその、エッチなことって…嫌悪感があってしたことなかったけど、気持ち良くて、朝も自分でやろうとしたけどやり方分かんなくて…」

「お、おん」

「…俺のストレスが溜まった時、またいじめてほしいんだけど…」 
  
「…」

あり得ない兄の提案。
それ以上にその前の発言で驚いているので何も言うことができなかった。

困ったような顔を見せる兄を見て、忘れていたかなり昔の優しい兄の姿を思い出した。いつも手をとって俺を守ってくれた兄。

意地悪な兄が上書きされまくり、忘れていた兄の記憶が突然現れた。

「…いいよ、でも次はその、俺も我慢出来ないかもしんないから最後までするかもよ」

「最後って?」

「…だから、セックス」

「ん?俺も出来るの?」

「……真夜」

「ん?」

「…最後まで教えてあげるよ」

俺は兄の手を取り、きょとんと目を丸くしている兄を見つめてニッコリと微笑んだ。

end.
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