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プリン兄弟の日常
プリン兄弟の日常⑥
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くすぐり/甘/弟視点
◇ ◆
金曜日の夜から両親が旅行で留守にするので家には兄と二人きり。恋人になって初めて二人で過ごす連休に心を躍らせていたが、兄はいつも通り。
好きだと伝えた日から数週間経ったが、今まで一切触れていない。単純に母親が家に居たからもあるが、近付こうとしたら拒絶される。
しかし真っ赤になってやめろと言ってくるので、心からの拒絶じゃないのは分かったので兄の気持ちが落ち着くまでは待ってやろうと思っていた。
とはいえ、何週間もお預けを食らった状態での二人きりの空間はかなり辛い。
誰も居ないので夕食後に触れようとしても相変わらず真っ赤な顔で拒否される。結局初夜になるかと思った金曜日の夜は一切触れ合うことなく眠りについた。
夜中に部屋を訪ねてきてくれないかと淡い期待をしたが、裏切られた。
そこで土曜日の昼間、俺はとある計画を実行した。
「はぁ?ゲーム?」
「うん。折角二人だし久しぶりにしねー?怖いならやめとくけど」
見せつけたのは、兄が大の苦手のホラーゲーム。普通に誘うと断られるのは分かりきっていたので、「怖いならやめる」と伝えると、「怖いわけねーだろ。付き合ってやるよ」とノッてきてくれた。
兄は俺の部屋でちょこんと座り、早速ゲームをプレイすることになった。昔友人とやり込んでいたので、殆ど把握している俺は、兄がビビるポイントも分かりきっている。
散々触れようとしたら拒絶したくせに、ゲームが進むごとに俺に近付いてきて、今はピッタリとくっついている。
小刻みに震えながらプレイする表情は顔がニヤけてしまいそうになる程に可愛い。怖いBGMと、迫り来るハラハラ感。何かある度に小さく跳ねる体は面白い。
「すげービクビクしてっけど大丈夫?俺、トイレ行ってくるわ」
「え…っ、と、とっとと行って来いよ」
明らかに震えた声でいう兄を部屋に放置して部屋を出ると、ひゃあっ!と声が聞こえてきた。
(俺が居る時も怖いなら声出しゃいいのに)
そう思いながら暫くビビる声を聞いていると、お腹も空いてきたので夕食にすることにした。
「兄ちゃん何食べたい?」
ガチャッと扉を開けるとビクンッと激しく肩を震わせた後、俺の顔を見て安心した表情を浮かべた。
「な、何でもいい!早く飯にしよう!」
抱きついてくるわけではないが、俺の近くへやってきては震える手で腕を掴んできたので、手を繋いでリビングに降りた。
ゲームを終え、怖がってる兄を気遣ってバラエティを見ていると少しずつ元気になっていった。
──しかし、ホラーゲームやホラー映画を見た後に怖くなるのは風呂やトイレ、そして眠る時。
昨日と同じく淡い期待を抱きながら夕食を終えると、バラエティの効果もあるのか風呂やトイレは一人で済ました兄。
(一緒に風呂入る展開期待してたけど流石に無理か。高校生だしな)
残念に思いながら夜になってお互いが自分の部屋で過ごしていると、眠くなってきたので電気を消して布団に潜った。
ベッドの中でもう少しだけ動画を見ようとすると、カタカタと窓が揺れ出した。
天気予報を見ると夜中から雨が降る予報になっており、ゴロゴロと雷まで鳴り出した。
(兄ちゃん大丈夫かな)
そう思ったが、一度ベッドに入って終えば見に行くのも面倒だ。怖けりゃ勝手に来るだろうし、と思っていると遠慮がちにコンコンと扉がノックされた。
すぐにスマホの画面をオフにして寝た振りをすると、カチャッと扉が開いた。
「つ、翼ぁ…寝た?」
震える声で兄が入ってくると、パタパタパタパタと走ってきてはバサっと布団の中に潜り込んできた。
「──何?」
「つ、翼が怖いだろうと思って、きてやったぞっ」
「俺別に怖くねーから出てけ」
「え、遠慮するな。兄ちゃんが居るから大丈夫だ!」
「遠慮じゃねーよ」
すると、半開きだった扉がバタンと激しい音を立てて閉まり、その音にビビった兄はビクンと激しく跳ねた後、「ひぇぇ」と言ってしがみついてきた。
「何?怖くないんじゃねーの?」
「~~っ、怖くない!ただ音がデカかったからビビっただけだ!」
「ふぅん。じゃあ部屋戻れよ」
意地悪で体を離そうとすると、負けじと力を込めてしがみついてきた。
「や、やだ!」
「じゃあ聞くけど、怖いの?正直に言ってみ?」
「こ、怖くねーよ!!」
「ふぅん」
雨が強くなるごとに震える兄を引き離して背を向けると、ぎゅうっと背中にしがみついてきた。
「う、うそ…っ怖い、怖かった…から、一緒に寝て…っ」
グリグリと顔を背中に押し付けてきたのが可愛くて、くるりと体勢を戻して抱き締めた。
「へぇ。散々怖くない!とか言ってたくせに?ゲームしただけで夜眠れないくらいになっちゃうわけ?」
ニヤニヤしながら揶揄うと、ボカンと腹に重めのパンチがきた。
「ってぇな。何すんだよ」
「てめーが意地悪いこと言うからだろ!!お、俺が昔からホラー嫌いなの知ってるくせに!クソバカ!」
「んじゃそのクソバカと一緒に居んの嫌だろ?とっとと帰れよ」
「や、やだぁ…っ」
「──何その声。可愛い」
しがみついてくる体をもう一度抱き締めて頭を撫でてやると、安心したように体を擦り寄せてきた。ポカポカあったかい体が心地良くて背中を撫でると、小さくピクンと揺れた。
「ひゃはぁ…く、擽ったい!やめろっ!」
「一緒に寝てやるから、触らせて」
背中を撫でていた手を、兄の弱い脇に差し込むとピクンと跳ねて暴れ出した。
「ぁ、あっ……ぁははっ、やめっ、」
脇に入れた指を優しく動かしてやると、バタバタと暴れ出したので、ゴロンと押し倒して兄の両手を頭上で一纏めにして押さえつけた。
「ぁ…っ」
体の上に乗っかって暴れられないようにして脇腹を撫でると可愛らしい笑い声が聞こえた。
「ひゃははっ、ぁはっ、つ、ばさっ」
「何?」
「やめっ、やめて…手ぇ押さえられんのやだ!!に、逃げないからっ離して……」
「…」
手を離してやると、ガバッと首に腕を回してきた。
「…っ、嬉しい……」
「?何が」
「昨日もこうやって一緒に寝たかったけど…恥ずかしくて中々言えなくて…っ、ぎゅってしたかった……」
その不意打ちの言葉に、俺も顔が熱くなった。
「──散々拒否ってたくせに」
照れ隠しも含めて脇腹を擽ってみると、首にしがみついたまま笑う兄。
「ぁははっ、ひゃぁっ、あ、あっ……」
擽っているだけとは思えない声に欲情しながらも、一緒に寝るだけで精一杯の兄を急かしたくなくて優しく肌を擽るだけに留めた。
暫く弱い箇所を擽ってみても、腕は絶対に首から離さずに耐えている。
「何で抵抗しねーの?」
「──、だから」
「ん?」
「つ、翼にくすぐられるの…好きだから。優しく触られると気持ちい……」
「…」
普段バカで強気で、あまりこういうことは言わない兄が呟いた本音。それがあまりに可愛くて顔を近付けると、ゆっくりと目を閉じたのが見えた。震える睫毛は長くて綺麗で。
優しく唇を重ねると、兄からも一生懸命重ねてきた。
「んっ、んぅ」
ちゅっと小さな音を立てながら触れてくる兄が可愛くて堪らない。優しく体を撫でて見ると軽く唇が開いたので舌を入れようとしたら、兄の舌が勢い良く口の中に入ってきた。
(舌の入れ方へった~……)
テクニックも何もない乱暴な舌の入れ方だけど、初々しさがあってそれはそれで嬉しい。
薄っすら目を開くと、兄は真っ赤な顔をしながら舌を突き出しており、それがまた可愛くて。突き出された舌を吸って見ると、目を見開いてすぐに舌を引っ込めた。
「何?べーしてろよ」
「や、やだ!舌吸ってきただろ今!!」
「うん」
「そ、そんな破廉恥はキスはだめです!」
「──はぁ?」
舌入れてきたくせに何言ってんだよ、と思ったが気分を害してもいけないのでもう一度触れるだけのキスをした。
「ん……翼」
「何」
「……キス、嬉しい。気持ち良い」
唇が離れると、擽ったからもあるのか目元はトロンとしており、頬も火照ってかなりエロい表情になっていた。
「そんな可愛い事言うなら、────は?」
襲うぞと言おうとすると、急に力尽きた兄は目を閉じて寝息を立て始めた。スマホで時間を確認するともうかなり遅くなっており、比較的早寝の兄にはよく起きていた方だ。さっき目がトロンとしていたのはただ眠かったからか。
めちゃくちゃいいタイミングでお預けを食らったが、それでも兄から求めてきてくれたのは嬉しかった。
「──仕方ねーから兄ちゃんのペースでゆっくり進んでやるよ」
そう言って眠っている兄にキスをして、抱き締めたまま眠りについた。
end.
◇ ◆
金曜日の夜から両親が旅行で留守にするので家には兄と二人きり。恋人になって初めて二人で過ごす連休に心を躍らせていたが、兄はいつも通り。
好きだと伝えた日から数週間経ったが、今まで一切触れていない。単純に母親が家に居たからもあるが、近付こうとしたら拒絶される。
しかし真っ赤になってやめろと言ってくるので、心からの拒絶じゃないのは分かったので兄の気持ちが落ち着くまでは待ってやろうと思っていた。
とはいえ、何週間もお預けを食らった状態での二人きりの空間はかなり辛い。
誰も居ないので夕食後に触れようとしても相変わらず真っ赤な顔で拒否される。結局初夜になるかと思った金曜日の夜は一切触れ合うことなく眠りについた。
夜中に部屋を訪ねてきてくれないかと淡い期待をしたが、裏切られた。
そこで土曜日の昼間、俺はとある計画を実行した。
「はぁ?ゲーム?」
「うん。折角二人だし久しぶりにしねー?怖いならやめとくけど」
見せつけたのは、兄が大の苦手のホラーゲーム。普通に誘うと断られるのは分かりきっていたので、「怖いならやめる」と伝えると、「怖いわけねーだろ。付き合ってやるよ」とノッてきてくれた。
兄は俺の部屋でちょこんと座り、早速ゲームをプレイすることになった。昔友人とやり込んでいたので、殆ど把握している俺は、兄がビビるポイントも分かりきっている。
散々触れようとしたら拒絶したくせに、ゲームが進むごとに俺に近付いてきて、今はピッタリとくっついている。
小刻みに震えながらプレイする表情は顔がニヤけてしまいそうになる程に可愛い。怖いBGMと、迫り来るハラハラ感。何かある度に小さく跳ねる体は面白い。
「すげービクビクしてっけど大丈夫?俺、トイレ行ってくるわ」
「え…っ、と、とっとと行って来いよ」
明らかに震えた声でいう兄を部屋に放置して部屋を出ると、ひゃあっ!と声が聞こえてきた。
(俺が居る時も怖いなら声出しゃいいのに)
そう思いながら暫くビビる声を聞いていると、お腹も空いてきたので夕食にすることにした。
「兄ちゃん何食べたい?」
ガチャッと扉を開けるとビクンッと激しく肩を震わせた後、俺の顔を見て安心した表情を浮かべた。
「な、何でもいい!早く飯にしよう!」
抱きついてくるわけではないが、俺の近くへやってきては震える手で腕を掴んできたので、手を繋いでリビングに降りた。
ゲームを終え、怖がってる兄を気遣ってバラエティを見ていると少しずつ元気になっていった。
──しかし、ホラーゲームやホラー映画を見た後に怖くなるのは風呂やトイレ、そして眠る時。
昨日と同じく淡い期待を抱きながら夕食を終えると、バラエティの効果もあるのか風呂やトイレは一人で済ました兄。
(一緒に風呂入る展開期待してたけど流石に無理か。高校生だしな)
残念に思いながら夜になってお互いが自分の部屋で過ごしていると、眠くなってきたので電気を消して布団に潜った。
ベッドの中でもう少しだけ動画を見ようとすると、カタカタと窓が揺れ出した。
天気予報を見ると夜中から雨が降る予報になっており、ゴロゴロと雷まで鳴り出した。
(兄ちゃん大丈夫かな)
そう思ったが、一度ベッドに入って終えば見に行くのも面倒だ。怖けりゃ勝手に来るだろうし、と思っていると遠慮がちにコンコンと扉がノックされた。
すぐにスマホの画面をオフにして寝た振りをすると、カチャッと扉が開いた。
「つ、翼ぁ…寝た?」
震える声で兄が入ってくると、パタパタパタパタと走ってきてはバサっと布団の中に潜り込んできた。
「──何?」
「つ、翼が怖いだろうと思って、きてやったぞっ」
「俺別に怖くねーから出てけ」
「え、遠慮するな。兄ちゃんが居るから大丈夫だ!」
「遠慮じゃねーよ」
すると、半開きだった扉がバタンと激しい音を立てて閉まり、その音にビビった兄はビクンと激しく跳ねた後、「ひぇぇ」と言ってしがみついてきた。
「何?怖くないんじゃねーの?」
「~~っ、怖くない!ただ音がデカかったからビビっただけだ!」
「ふぅん。じゃあ部屋戻れよ」
意地悪で体を離そうとすると、負けじと力を込めてしがみついてきた。
「や、やだ!」
「じゃあ聞くけど、怖いの?正直に言ってみ?」
「こ、怖くねーよ!!」
「ふぅん」
雨が強くなるごとに震える兄を引き離して背を向けると、ぎゅうっと背中にしがみついてきた。
「う、うそ…っ怖い、怖かった…から、一緒に寝て…っ」
グリグリと顔を背中に押し付けてきたのが可愛くて、くるりと体勢を戻して抱き締めた。
「へぇ。散々怖くない!とか言ってたくせに?ゲームしただけで夜眠れないくらいになっちゃうわけ?」
ニヤニヤしながら揶揄うと、ボカンと腹に重めのパンチがきた。
「ってぇな。何すんだよ」
「てめーが意地悪いこと言うからだろ!!お、俺が昔からホラー嫌いなの知ってるくせに!クソバカ!」
「んじゃそのクソバカと一緒に居んの嫌だろ?とっとと帰れよ」
「や、やだぁ…っ」
「──何その声。可愛い」
しがみついてくる体をもう一度抱き締めて頭を撫でてやると、安心したように体を擦り寄せてきた。ポカポカあったかい体が心地良くて背中を撫でると、小さくピクンと揺れた。
「ひゃはぁ…く、擽ったい!やめろっ!」
「一緒に寝てやるから、触らせて」
背中を撫でていた手を、兄の弱い脇に差し込むとピクンと跳ねて暴れ出した。
「ぁ、あっ……ぁははっ、やめっ、」
脇に入れた指を優しく動かしてやると、バタバタと暴れ出したので、ゴロンと押し倒して兄の両手を頭上で一纏めにして押さえつけた。
「ぁ…っ」
体の上に乗っかって暴れられないようにして脇腹を撫でると可愛らしい笑い声が聞こえた。
「ひゃははっ、ぁはっ、つ、ばさっ」
「何?」
「やめっ、やめて…手ぇ押さえられんのやだ!!に、逃げないからっ離して……」
「…」
手を離してやると、ガバッと首に腕を回してきた。
「…っ、嬉しい……」
「?何が」
「昨日もこうやって一緒に寝たかったけど…恥ずかしくて中々言えなくて…っ、ぎゅってしたかった……」
その不意打ちの言葉に、俺も顔が熱くなった。
「──散々拒否ってたくせに」
照れ隠しも含めて脇腹を擽ってみると、首にしがみついたまま笑う兄。
「ぁははっ、ひゃぁっ、あ、あっ……」
擽っているだけとは思えない声に欲情しながらも、一緒に寝るだけで精一杯の兄を急かしたくなくて優しく肌を擽るだけに留めた。
暫く弱い箇所を擽ってみても、腕は絶対に首から離さずに耐えている。
「何で抵抗しねーの?」
「──、だから」
「ん?」
「つ、翼にくすぐられるの…好きだから。優しく触られると気持ちい……」
「…」
普段バカで強気で、あまりこういうことは言わない兄が呟いた本音。それがあまりに可愛くて顔を近付けると、ゆっくりと目を閉じたのが見えた。震える睫毛は長くて綺麗で。
優しく唇を重ねると、兄からも一生懸命重ねてきた。
「んっ、んぅ」
ちゅっと小さな音を立てながら触れてくる兄が可愛くて堪らない。優しく体を撫でて見ると軽く唇が開いたので舌を入れようとしたら、兄の舌が勢い良く口の中に入ってきた。
(舌の入れ方へった~……)
テクニックも何もない乱暴な舌の入れ方だけど、初々しさがあってそれはそれで嬉しい。
薄っすら目を開くと、兄は真っ赤な顔をしながら舌を突き出しており、それがまた可愛くて。突き出された舌を吸って見ると、目を見開いてすぐに舌を引っ込めた。
「何?べーしてろよ」
「や、やだ!舌吸ってきただろ今!!」
「うん」
「そ、そんな破廉恥はキスはだめです!」
「──はぁ?」
舌入れてきたくせに何言ってんだよ、と思ったが気分を害してもいけないのでもう一度触れるだけのキスをした。
「ん……翼」
「何」
「……キス、嬉しい。気持ち良い」
唇が離れると、擽ったからもあるのか目元はトロンとしており、頬も火照ってかなりエロい表情になっていた。
「そんな可愛い事言うなら、────は?」
襲うぞと言おうとすると、急に力尽きた兄は目を閉じて寝息を立て始めた。スマホで時間を確認するともうかなり遅くなっており、比較的早寝の兄にはよく起きていた方だ。さっき目がトロンとしていたのはただ眠かったからか。
めちゃくちゃいいタイミングでお預けを食らったが、それでも兄から求めてきてくれたのは嬉しかった。
「──仕方ねーから兄ちゃんのペースでゆっくり進んでやるよ」
そう言って眠っている兄にキスをして、抱き締めたまま眠りについた。
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