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◆短編(1話)
可愛いセフレの心の声を聞いたらかなり生意気だったので激しく責めてみた
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心の中が読める設定ですので、苦手な方はご注意下さい。
濁点喘/拘束/くすぐり/羞恥/前立腺責/連続絶頂/挿入有/強気受
攻→詩音/視点
受→朔
◇ ◆
学生時代から現在まで遊びまくっていた俺に、ついに付き合いたいと思う奴が出来た。そいつとは小洒落たバーで知り合い、酒の勢いで体を重ねたのが始まりだった。
俺の好みドストライクな可愛らしい見た目に、華奢な体。そして体の相性は抜群で、最中には甘えまくっては俺を求めてくれる。
普段ならワンナイトで終わらせていたが、このまま二度と会えなくなるのが嫌で初めて自分から連絡先を聞いた。
相手も俺と会うのが嬉しいらしく、週に数回は会って体を重ねている。
しかし、今まで付き合うことを知らない俺からしたら今更恋人関係を結ぶ手段が分からず、ただのセフレのような関係が続いていた。
ベッドの下では甘い言葉を囁き、俺だけを見てくれてはいるが夜以外のあいつを知らない。
「──あいつの気持ちを知りたい」
小さくそう呟くと、隣でくつろいでいた妹が目を丸くして食い付いてきた。
「えええ!?お兄ちゃん、ついに好きな人でも出来たの!?会社の人!?」
「何だよ、居たのかよ」
「そりゃ家だもん!居るよ!最近お兄ちゃんよく帰って来るから誰にも相手にされなくて淋しいんだと思ってた」
「好きな奴が出来たんだけど、かっこつけたくてずっと奢ってたら金欠になったんだよ」
「頑張ってるんだねぇ~けど気持ちが知りたいって言ってたけど、上手く行ってないの?そもそも付き合ってるの?」
「んや、週に数回会ってるけどちゃんと付き合ってほしいとは言えてない。相手も誘ったら来てくれるし、会うと楽しそうにはしてくれてるけど振られて今の関係壊れても怖いし」
ハァ、と溜息を吐いてテーブルに項垂れると、自信あり気に笑う妹が何やらヘンテコな本を持って来た。
「私、最近ミステリー研究会のサークルに入ったの!そこで先輩に『好きな人の心が読めるおまじない』を教えてもらったから、お兄ちゃんにかけてあげる!」
暫く会わなくなってからついに妹はおかしくなったようで、冗談のない眼差しでそう言うと、奇妙な呪文のようなものを囁きながら俺に『おまじない』をかけた。
「どう!?」
もちろんだが、何の変化もないが、誰かに話を聞いてもらえて少しだけスッキリしたのはある。
「…別に何も変わんねーけど、まぁ話聞いてもらえて良かったわ。んじゃ明日も仕事だし帰るわ。母さんに飯ありがとっつっといて」
お礼だけ伝えて実家を後にし、一人暮らしのワンルームへ帰宅した。
◇ ◆
「詩音くん…っ、早く…シよ?」
その翌日、期待を込めて相手を呼び出し、ホテルへ直行してシャワーを浴び終えると、すぐに甘えた声で俺を求めてくれた。
俺としては好きな奴とはもっとベッドの上でイチャコラしてから行為を進めていきたいのだが、相手はすぐにも俺を求めてくる。
細い腕が俺の首を絡まり、そういうムードになってきた所で頭の中で奇妙な声が聞こえてきた。
『ンだよこいつ。とっととやれよ。最近無駄に時間かけやがって…俺はてめぇのちんこが欲しいんだよ』
「え?」
「ん?詩音くん、どうしたの?」
今頭の中に伝わってきた声と、心配そうに俺を見上げる好きな相手──朔の声はそっくりだった。
「…?」
頭の中で聞こえた毒舌な言葉を、可愛い可愛い朔が言うはずもないので気にせずに進めていくと、再び声が聞こえてきた。
『何でこいつこんな間抜けヅラしてんの?ンなのいいからとっと入れろっての。前戯も下手だし無駄に時間かけなくていいから』
──これは気のせいなんかじゃない。確実に朔の声だ。
(…ってことはもしかして、昨日のバカみたいなおまじないってマジだった?)
試しに胸元へ口付け、ゆっくりと焦らすように愛撫すると、二つの声が重なるように聞こえてきた。
「ひゃぁん…!胸は、やだぁ…くすぐったいぃ…ねぇ、詩音くん…早く、下触ってぇ…」
『だーかーらぁー乳首はくすぐったいだけなんだよ。何回言えば分かんだよコイツ。とっととやれってばうぜーな』
今までとはかけ離れた朔の声に、次第に冷静になっていく自分が居て。俺も今まで大して好きじゃないセフレを抱いてる時は、言ってることと思ってることが真逆なことはよくあった。
この声が本当に朔の心の声なのかは分からないが、なんだか無性に腹が立ってくる。
(こっちはお前を想って大事に抱こうとしてんのに、ンなこと思ってたわけ?)
下で無防備に熱い視線を向けて来る朔の腕をグイッと頭上へ持って行くと、不思議そうな表情で俺を見つめてきた。
「詩音くん…?どうしたの?」
「なぁ、朔。たまにはハードなことしてみない?」
今まで必要ないと思って使用していなかったベッドに備え付けられた手錠に朔の両手を固定すると、ガチャガチャと腕をバタつかせ始めた。
「えぇ…?僕は詩音くんといつもと同じのがいい…っ」
『は?コイツいきなり何変態プレイしようとしてんの?バカなの?てめぇとプレイ楽しむほど俺も暇じゃねーんだよ』
(こいつ、可愛い顔しときながら心の中でこんなこと思ってんのかよ)
ガチャガチャと激しく暴れる手首をスルーし、朔の体に覆い被さって乳首を愛撫すると、ビクッと体が跳ねた。
「ひゃあ…!詩音くん…!だめぇ!」
『くすぐったいっつったんだろバカ!』
(一秒でも早く俺と繋がりたいから今まで急かしてきてたのかと思ったけど、くすぐったいだけかよ。そんなに嫌ならたっぷりいじめてやるよ…)
少しずつぷくんと主張してきた乳首を舌で転がし、もう片方は指で摘んで捏ねてやると、ガンッと激しく手錠が音を立てた。体はビクビク震えていて、表情は辛そうにしているので多分本当にくすぐったいんだろう。
(くすぐりが苦手なら、そういう責めもありか)
ちゅっと乳首を吸いながら、乳首を摘んでいた手を脇腹へ移動させてさわさわと動かしてやると、体のびくつきが大きくなった。
「!?」
『は?何こいつうざすぎる!!やばい…俺こういうの無理…っ』
心の中で焦りまくる声が聞こえてきたので、両手を脇腹に置いてこちょこちょとくすぐってみた。
「んひゃあは!?何──っ、詩音くん、やめて…!あはは!僕、だめ…!くすぐったいの苦手なの…!お願い!」
『こいつ後でぜっったいぶっ殺してやる』
心の中でそう予告はしてくるものの、心の声を省けば、今までの可愛い朔と表情や言葉遣いは変わらない。こちょこちょと脇腹をくすぐりながら乳首の愛撫を続けると、本格的に焦ってきたのか体が暴れ出した。
「ぁははは…!やだ!やだぁぁ……手ぇ、取ってぇ…詩音くん!詩音く…っ、ぁぁ!」
「朔、何処がくすぐったい?脇腹?それともこっちの方が弱い?」
「ひゃははははは!!やめて、やめて本当に…!本当にやめてっっ」
脇腹から指を移動させて全開の脇の下をくすぐると、かなり慌てた声で懇願し始めた。それと同時に心の中の声も聞こえてくる。
『やばいこいつマジでうざい!!体の相性は最高だし顔もいいから会ってやってたけどもう二度と会わねぇ…!!』
「ふぅん。もう二度と会えなくなんなら、今日徹底的に愛してやろうか?」
「…え?に、二度と会わないって…何?」
心の中で囁いた言葉に対して返事をしたので、不思議そうに俺を見つめてくる。そして続いて聞こえてきたのは困惑した心の声。
『は?え、何?こいつエスパー?こっっわ……』
「うん。俺エスパーなの。朔が考えてること、全部聞こえてる」
「!」
ニコッと微笑んでそう言ってやると、考えることも出来なくなったのか朔からは何の言葉も聞こえてこない。
「…俺は朔のこと本気で好きで、付き合ってくれってお願いしたかったんだけど、お前は俺のちんこだけが好きだったんだな。まぁ一つでも好きな部分があるのは嬉しいけど」
「……へぇ、まじで俺が思ってること聞こえてたんだ。その様子だと、聞こえるようになったのは今日から?」
俺の言葉を聞いて観念したのか、キャラを作るのをやめて素を出してくれた様子。今まで自分のことを僕と呼び、甘えた口調だったのに今は真逆な男らしい口調。──それでも先程までの余韻で少し頬が赤くなっている所は可愛いと思ってしまう。
「いろいろあって心の声が聞こえるようになってさ」
「へぇ。それはすげーな。まぁ俺からしたらだるい能力だけど。お前、可愛い俺が好きだったんだろ?残念だけど俺素はこんな感じなんで。さっさと手ぇ外せよ」
「外してもいいけど、せっかく最後なんだし最高にヨクしてやるよ。まぁその前にたっぷりいじめてやるけど。今まで好きだったから優しくしてたけど俺元々はドSって言われてんだよね」
するりと脇腹に指を移動させてくすぐってみると、キッと眉を上げて睨みつけてきた。その顔も新鮮で、何故かゾクリとした。
こちょこちょと脇腹をくすぐると、押さえつけている体が激しく暴れ出し、必死に声を我慢し始めた。
『うざいうざいうざいうざいうざいやめろやめろやめろ』
ぎゅっと目を閉じながら心の中でそう叫んでる姿が面白くて、反応が良い場所を探るように指を動かすと、脇の下をくすぐった時の反応がでかい。
「ひっははは!あはっ!やめろ……!ってば!うざい…っやはは!!やめろ…あははははははは!!」
ビクンビクンと体を反応させながらバカみたいに笑うのが面白くて暫く続けてやると、悪態はなくなり、ただやめてやめてと笑い転げる声だけが響く。
「くすぐり弱いとか可愛いな。今まで体触らせなかった理由が分かったわ」
「ぁははははは!!本当に…!俺だめだから…!お願いっ、くすぐんのはやめて…っ!!俺何も悪いこと、してなっ、あひゃははははははは!!」
確かにこいつは悪いのはしていないが、今まで心の中で散々バカにされていたと分かればいじめなければ気が済まない。
上半身を集中的にくすぐった後、ふと下半身を見ると何故か半勃ち状態になっているのが目に入った。
「朔、お前ってくすぐられて感じてんの?」
「…っはぁ…はぁ…ざけんなよ…そんなわけ…っ」
「けどここちょっと勃ってるけど」
人差し指で自身をつついてみると、ぶわっと顔を真っ赤にさせて足を閉じようと力を入れ始めた。それを許すはずもなく、思いっきり足を開かせてやった。
「やめ…っ!離せ!!お前ぶっ殺すからな…!」
「いつもは早くおちんちん触ってぇ、とか入れてぇ、とか甘えてたくせに。恥ずかしい責めで興奮してんのバレて照れてんの?」
「…っ」
ギリッと歯を食い縛って羞恥を耐える姿を堪能した後、既にかなり解されている後孔へ指を滑らせると、ピクンと可愛い反応が返ってきた。
ローションを垂らして指を湿らせた後、中へ侵入させるといつもと変わらずに準備万端な部分。
いつも可愛く反応してくれる前立腺を指の腹で撫でると、ビクンと腰を浮かせて蕩け出した。
『やっぱりこいつの指気持ち良い…っ早く、入れてほしい…っ』
「お前ナカ掻き回されるの好きだもんな。もう入れてほしいわけ?」
「…てめ、心…読むな…っひゃあ!」
グリグリと前立腺を撫で上げると、きゅぅぅと指が締め付けられた。
「はっ…入れて、…我慢出来ない…!入れろよっ」
さほど焦らしプレイ等していないが、辛そうに腰を揺らす姿が可愛くて暫くナカで指をかき混ぜると、トロトロと先端から先走りがこぼれ出した。
ふるふると辛そうに震える朔自身は触って欲しそうにしているが、一切触れずにナカだけを刺激した。
『やばい…気持ちいっ、もっと奥…して、奥っ…奥突かれたい…』
余裕ない心の声が聞こえてくるが、恥ずかしく強請らせたいのでナカを掻き回しながら震える自身をつぅ、と撫でてやった。
「はぁぁ…!触っ、て…ちゃんと!触ってっ、入れろよ…!」
「いつもみたいに可愛くおねだりしてみ?そしたら入れてやってもいいけど」
「…っ、詩音、くん…入れて…!」
「なーにを?」
緩々と自身を扱きながら問い詰めると、恥ずかしそうにしながらいつも同じような甘えたおねだりをしてくれた。今までは『違う人格の自分』だったから問題なかったんだろうが、今は素を出しているから恥ずかしいんだろう。
その後も何度も何度も卑猥な言葉を使わせておねだりさせ、羞恥で泣き出した辺りで指を引き抜き、勢い良く俺自身を挿入した。
相変わらず熱くて吸い付いてくるのが気持ち良くて、とろとろに蕩けたナカを堪能しながらピストンすると、ペシペシと朔自身が揺れた。
「はっ、ぁぁあ、気持ちい…!」
『気持ち良い、こいつのやっぱやばい…好き、好き…っ』
ここまでくると演技する余裕もないのか、言葉と心の中が一致してきた。
(やっぱりこいつ相性も抜群だし、手放したくねーな)
そう思いながら朔の大好きな箇所を突き上げ、前立腺を擦るようにピストンさせると、腰を大きくのけ反らせて絶頂した。
きゅうきゅうと締め付けてくる刺激に耐えながら絶頂した後も何度も突き上げると、涙でぐちゃぐちゃになった顔で一旦止めてと叫び出した。
かなり大事に抱いてきてたので、連続で責めたのは初めて。──最後は俺を忘れないようにするために嫌ってほどに責めてやる。
『気持ちいっ、つらいっ、イク、また、イクっ…イク、だめっやめて…!気持ち良い!頭おかしくなる…』
激しい喘ぎ声と共に聞こえてくる声は本当に余裕がなさそうで。奥を突きながら揺れる朔自身を握って上下すると、ピュクンと勢い良く精液が吐き出された。
「りょっ、ほ、やめ──!!イクっ…イキました…!詩音くんやめてぇぇっっ」
「どっちも気持ち良さそうじゃん。最後は朔が嫌ってほどイカせてやるから」
「やっ、あ゛ぁああああ!!また出るっ、出るからぁ…!!詩音くんっ」
達したばかりの先端からは再び精液が放たれたが、気にせずにグリグリと亀頭を擦ると、激しく暴れて泣き叫ぶ声。
ビクビクと激しく跳ねる体に気を良くしながら、自身から手を離して腰を支えて更に奥まで貫くと、悲鳴に近い声が上がった。
(いつも一回イケばやめてたけど、相当効くんだな)
腰を打ち付けて奥をこじ開けるようにグリグリと動かすと、もう何も考える事が出来ないのか、心の声は聞こえずに激しい喘ぎ声だけが耳に届く。
「朔、どう?俺の好きなんだろ。最後まで味わえよ」
挿入したまま覆い被さり、耳元で囁いてやると、ぎゅうっと締め付けが激しくなったので、耳の中へ舌を入れて愛撫しながら脇の下をくすぐってみた。
「っあ゛ぁあ!!──~~っだ、めぇッ」
「へぇ。締め付け強くなった。くすぐられるの好きんなった?」
「違…っ、やっ、め゛、てぇぇぇっっ、ひゃっ、はッ、ぁはははッッ、いやぁぁぁぁあ!!」
暴れる体を押さえつけて肌をくすぐり、ガンガンと腰を動かし続けると暫くして声が小さくなり、ビクビクと激しく跳ねた後、ふっと力が抜けていき、朔は気を失った。
「あー…やば」
可愛くて自分を求めてくる朔も可愛かったけど、ちょっと生意気な朔をいじめ抜くのもありかもしれない。まぁ意識が戻ればぶん殴られて関係は終わりを迎えるんだろうけど。
締め付けがなくなったナカで何度かピストンして絶頂した後、朔の体を綺麗に整えた。
◇ ◆
「てんめぇ……やりすぎなんだよ!」
数時間、目を覚ました朔は弱々しいパンチを放ってきた。
「わりーわりー。今までずっと心の中で俺をバカにしてたかと思うと腹立ってよ」
「心の中なんだからいいだろうが!!」
「ま、今日素の朔として分かったけど…俺はやっぱりお前のこと本当に好きだった。だからこのまま終わんのはかなり辛いけど仕方ねーよな。サンキュな」
ぽんと頭を撫でてから帰り支度を始めると、ぎゅっと服の裾を掴まれた。何か言いたげにしているようだが、何故かもう心の声は聞こえてこない。
「何?」
「……今日、が、一番良かった……」
消え入りそうな声でそう呟く朔は、俯いているが体がどんどん赤くなっていってるのが分かる。
「あ、そ。良かった。俺も最高だったよ」
「……素の自分見せたら、今までみんな俺のこと嫌いになってたんだけど、詩音くんは本当にまだ俺のこと好きなの?」
「うん。出来れば付き合いたいけど」
「……じ、じゃあ…」
モゴモゴと言葉を詰まらせている朔を見て、言いたいことを理解した俺は内心にやけそうになったが、敢えてこちらからは何も言わずにいると、少しの間沈黙が流れる。
沈黙が続いた後、バッと勢いよく顔を上げた朔は、ヤケクソになりながら口を開いて叫んだ。
「また俺のこと抱いて下さい!!お、お前のことが好きなわけじゃねーけど…やっぱり詩音くんとのエッチは…最高だから、…お願い、します……」
「…へぇ、そう言ってもらえて俺は嬉しい。ありがとう。出来れば恋人になりたいけど、それはだめ?」
うるうるとした瞳で見上げてくる朔の顔を見つめながら、優しく問いかけると「じゃあ…それで…」という言葉が返ってきた。
心の声が聞こえないので本当の気持ちは分からない。ただ俺とのセックスが好きなだけかもしれないけど、体だけでも離れられないのなら好都合。
いつかは心から好きになってもらいたいと願いながら小さな体を抱き寄せると、きゅっと背中に手が回る。
「大事にするから」
激しく動く心臓の鼓動を感じながら、そう呟くと、朔はこくりと頷いた。
end.
濁点喘/拘束/くすぐり/羞恥/前立腺責/連続絶頂/挿入有/強気受
攻→詩音/視点
受→朔
◇ ◆
学生時代から現在まで遊びまくっていた俺に、ついに付き合いたいと思う奴が出来た。そいつとは小洒落たバーで知り合い、酒の勢いで体を重ねたのが始まりだった。
俺の好みドストライクな可愛らしい見た目に、華奢な体。そして体の相性は抜群で、最中には甘えまくっては俺を求めてくれる。
普段ならワンナイトで終わらせていたが、このまま二度と会えなくなるのが嫌で初めて自分から連絡先を聞いた。
相手も俺と会うのが嬉しいらしく、週に数回は会って体を重ねている。
しかし、今まで付き合うことを知らない俺からしたら今更恋人関係を結ぶ手段が分からず、ただのセフレのような関係が続いていた。
ベッドの下では甘い言葉を囁き、俺だけを見てくれてはいるが夜以外のあいつを知らない。
「──あいつの気持ちを知りたい」
小さくそう呟くと、隣でくつろいでいた妹が目を丸くして食い付いてきた。
「えええ!?お兄ちゃん、ついに好きな人でも出来たの!?会社の人!?」
「何だよ、居たのかよ」
「そりゃ家だもん!居るよ!最近お兄ちゃんよく帰って来るから誰にも相手にされなくて淋しいんだと思ってた」
「好きな奴が出来たんだけど、かっこつけたくてずっと奢ってたら金欠になったんだよ」
「頑張ってるんだねぇ~けど気持ちが知りたいって言ってたけど、上手く行ってないの?そもそも付き合ってるの?」
「んや、週に数回会ってるけどちゃんと付き合ってほしいとは言えてない。相手も誘ったら来てくれるし、会うと楽しそうにはしてくれてるけど振られて今の関係壊れても怖いし」
ハァ、と溜息を吐いてテーブルに項垂れると、自信あり気に笑う妹が何やらヘンテコな本を持って来た。
「私、最近ミステリー研究会のサークルに入ったの!そこで先輩に『好きな人の心が読めるおまじない』を教えてもらったから、お兄ちゃんにかけてあげる!」
暫く会わなくなってからついに妹はおかしくなったようで、冗談のない眼差しでそう言うと、奇妙な呪文のようなものを囁きながら俺に『おまじない』をかけた。
「どう!?」
もちろんだが、何の変化もないが、誰かに話を聞いてもらえて少しだけスッキリしたのはある。
「…別に何も変わんねーけど、まぁ話聞いてもらえて良かったわ。んじゃ明日も仕事だし帰るわ。母さんに飯ありがとっつっといて」
お礼だけ伝えて実家を後にし、一人暮らしのワンルームへ帰宅した。
◇ ◆
「詩音くん…っ、早く…シよ?」
その翌日、期待を込めて相手を呼び出し、ホテルへ直行してシャワーを浴び終えると、すぐに甘えた声で俺を求めてくれた。
俺としては好きな奴とはもっとベッドの上でイチャコラしてから行為を進めていきたいのだが、相手はすぐにも俺を求めてくる。
細い腕が俺の首を絡まり、そういうムードになってきた所で頭の中で奇妙な声が聞こえてきた。
『ンだよこいつ。とっととやれよ。最近無駄に時間かけやがって…俺はてめぇのちんこが欲しいんだよ』
「え?」
「ん?詩音くん、どうしたの?」
今頭の中に伝わってきた声と、心配そうに俺を見上げる好きな相手──朔の声はそっくりだった。
「…?」
頭の中で聞こえた毒舌な言葉を、可愛い可愛い朔が言うはずもないので気にせずに進めていくと、再び声が聞こえてきた。
『何でこいつこんな間抜けヅラしてんの?ンなのいいからとっと入れろっての。前戯も下手だし無駄に時間かけなくていいから』
──これは気のせいなんかじゃない。確実に朔の声だ。
(…ってことはもしかして、昨日のバカみたいなおまじないってマジだった?)
試しに胸元へ口付け、ゆっくりと焦らすように愛撫すると、二つの声が重なるように聞こえてきた。
「ひゃぁん…!胸は、やだぁ…くすぐったいぃ…ねぇ、詩音くん…早く、下触ってぇ…」
『だーかーらぁー乳首はくすぐったいだけなんだよ。何回言えば分かんだよコイツ。とっととやれってばうぜーな』
今までとはかけ離れた朔の声に、次第に冷静になっていく自分が居て。俺も今まで大して好きじゃないセフレを抱いてる時は、言ってることと思ってることが真逆なことはよくあった。
この声が本当に朔の心の声なのかは分からないが、なんだか無性に腹が立ってくる。
(こっちはお前を想って大事に抱こうとしてんのに、ンなこと思ってたわけ?)
下で無防備に熱い視線を向けて来る朔の腕をグイッと頭上へ持って行くと、不思議そうな表情で俺を見つめてきた。
「詩音くん…?どうしたの?」
「なぁ、朔。たまにはハードなことしてみない?」
今まで必要ないと思って使用していなかったベッドに備え付けられた手錠に朔の両手を固定すると、ガチャガチャと腕をバタつかせ始めた。
「えぇ…?僕は詩音くんといつもと同じのがいい…っ」
『は?コイツいきなり何変態プレイしようとしてんの?バカなの?てめぇとプレイ楽しむほど俺も暇じゃねーんだよ』
(こいつ、可愛い顔しときながら心の中でこんなこと思ってんのかよ)
ガチャガチャと激しく暴れる手首をスルーし、朔の体に覆い被さって乳首を愛撫すると、ビクッと体が跳ねた。
「ひゃあ…!詩音くん…!だめぇ!」
『くすぐったいっつったんだろバカ!』
(一秒でも早く俺と繋がりたいから今まで急かしてきてたのかと思ったけど、くすぐったいだけかよ。そんなに嫌ならたっぷりいじめてやるよ…)
少しずつぷくんと主張してきた乳首を舌で転がし、もう片方は指で摘んで捏ねてやると、ガンッと激しく手錠が音を立てた。体はビクビク震えていて、表情は辛そうにしているので多分本当にくすぐったいんだろう。
(くすぐりが苦手なら、そういう責めもありか)
ちゅっと乳首を吸いながら、乳首を摘んでいた手を脇腹へ移動させてさわさわと動かしてやると、体のびくつきが大きくなった。
「!?」
『は?何こいつうざすぎる!!やばい…俺こういうの無理…っ』
心の中で焦りまくる声が聞こえてきたので、両手を脇腹に置いてこちょこちょとくすぐってみた。
「んひゃあは!?何──っ、詩音くん、やめて…!あはは!僕、だめ…!くすぐったいの苦手なの…!お願い!」
『こいつ後でぜっったいぶっ殺してやる』
心の中でそう予告はしてくるものの、心の声を省けば、今までの可愛い朔と表情や言葉遣いは変わらない。こちょこちょと脇腹をくすぐりながら乳首の愛撫を続けると、本格的に焦ってきたのか体が暴れ出した。
「ぁははは…!やだ!やだぁぁ……手ぇ、取ってぇ…詩音くん!詩音く…っ、ぁぁ!」
「朔、何処がくすぐったい?脇腹?それともこっちの方が弱い?」
「ひゃははははは!!やめて、やめて本当に…!本当にやめてっっ」
脇腹から指を移動させて全開の脇の下をくすぐると、かなり慌てた声で懇願し始めた。それと同時に心の中の声も聞こえてくる。
『やばいこいつマジでうざい!!体の相性は最高だし顔もいいから会ってやってたけどもう二度と会わねぇ…!!』
「ふぅん。もう二度と会えなくなんなら、今日徹底的に愛してやろうか?」
「…え?に、二度と会わないって…何?」
心の中で囁いた言葉に対して返事をしたので、不思議そうに俺を見つめてくる。そして続いて聞こえてきたのは困惑した心の声。
『は?え、何?こいつエスパー?こっっわ……』
「うん。俺エスパーなの。朔が考えてること、全部聞こえてる」
「!」
ニコッと微笑んでそう言ってやると、考えることも出来なくなったのか朔からは何の言葉も聞こえてこない。
「…俺は朔のこと本気で好きで、付き合ってくれってお願いしたかったんだけど、お前は俺のちんこだけが好きだったんだな。まぁ一つでも好きな部分があるのは嬉しいけど」
「……へぇ、まじで俺が思ってること聞こえてたんだ。その様子だと、聞こえるようになったのは今日から?」
俺の言葉を聞いて観念したのか、キャラを作るのをやめて素を出してくれた様子。今まで自分のことを僕と呼び、甘えた口調だったのに今は真逆な男らしい口調。──それでも先程までの余韻で少し頬が赤くなっている所は可愛いと思ってしまう。
「いろいろあって心の声が聞こえるようになってさ」
「へぇ。それはすげーな。まぁ俺からしたらだるい能力だけど。お前、可愛い俺が好きだったんだろ?残念だけど俺素はこんな感じなんで。さっさと手ぇ外せよ」
「外してもいいけど、せっかく最後なんだし最高にヨクしてやるよ。まぁその前にたっぷりいじめてやるけど。今まで好きだったから優しくしてたけど俺元々はドSって言われてんだよね」
するりと脇腹に指を移動させてくすぐってみると、キッと眉を上げて睨みつけてきた。その顔も新鮮で、何故かゾクリとした。
こちょこちょと脇腹をくすぐると、押さえつけている体が激しく暴れ出し、必死に声を我慢し始めた。
『うざいうざいうざいうざいうざいやめろやめろやめろ』
ぎゅっと目を閉じながら心の中でそう叫んでる姿が面白くて、反応が良い場所を探るように指を動かすと、脇の下をくすぐった時の反応がでかい。
「ひっははは!あはっ!やめろ……!ってば!うざい…っやはは!!やめろ…あははははははは!!」
ビクンビクンと体を反応させながらバカみたいに笑うのが面白くて暫く続けてやると、悪態はなくなり、ただやめてやめてと笑い転げる声だけが響く。
「くすぐり弱いとか可愛いな。今まで体触らせなかった理由が分かったわ」
「ぁははははは!!本当に…!俺だめだから…!お願いっ、くすぐんのはやめて…っ!!俺何も悪いこと、してなっ、あひゃははははははは!!」
確かにこいつは悪いのはしていないが、今まで心の中で散々バカにされていたと分かればいじめなければ気が済まない。
上半身を集中的にくすぐった後、ふと下半身を見ると何故か半勃ち状態になっているのが目に入った。
「朔、お前ってくすぐられて感じてんの?」
「…っはぁ…はぁ…ざけんなよ…そんなわけ…っ」
「けどここちょっと勃ってるけど」
人差し指で自身をつついてみると、ぶわっと顔を真っ赤にさせて足を閉じようと力を入れ始めた。それを許すはずもなく、思いっきり足を開かせてやった。
「やめ…っ!離せ!!お前ぶっ殺すからな…!」
「いつもは早くおちんちん触ってぇ、とか入れてぇ、とか甘えてたくせに。恥ずかしい責めで興奮してんのバレて照れてんの?」
「…っ」
ギリッと歯を食い縛って羞恥を耐える姿を堪能した後、既にかなり解されている後孔へ指を滑らせると、ピクンと可愛い反応が返ってきた。
ローションを垂らして指を湿らせた後、中へ侵入させるといつもと変わらずに準備万端な部分。
いつも可愛く反応してくれる前立腺を指の腹で撫でると、ビクンと腰を浮かせて蕩け出した。
『やっぱりこいつの指気持ち良い…っ早く、入れてほしい…っ』
「お前ナカ掻き回されるの好きだもんな。もう入れてほしいわけ?」
「…てめ、心…読むな…っひゃあ!」
グリグリと前立腺を撫で上げると、きゅぅぅと指が締め付けられた。
「はっ…入れて、…我慢出来ない…!入れろよっ」
さほど焦らしプレイ等していないが、辛そうに腰を揺らす姿が可愛くて暫くナカで指をかき混ぜると、トロトロと先端から先走りがこぼれ出した。
ふるふると辛そうに震える朔自身は触って欲しそうにしているが、一切触れずにナカだけを刺激した。
『やばい…気持ちいっ、もっと奥…して、奥っ…奥突かれたい…』
余裕ない心の声が聞こえてくるが、恥ずかしく強請らせたいのでナカを掻き回しながら震える自身をつぅ、と撫でてやった。
「はぁぁ…!触っ、て…ちゃんと!触ってっ、入れろよ…!」
「いつもみたいに可愛くおねだりしてみ?そしたら入れてやってもいいけど」
「…っ、詩音、くん…入れて…!」
「なーにを?」
緩々と自身を扱きながら問い詰めると、恥ずかしそうにしながらいつも同じような甘えたおねだりをしてくれた。今までは『違う人格の自分』だったから問題なかったんだろうが、今は素を出しているから恥ずかしいんだろう。
その後も何度も何度も卑猥な言葉を使わせておねだりさせ、羞恥で泣き出した辺りで指を引き抜き、勢い良く俺自身を挿入した。
相変わらず熱くて吸い付いてくるのが気持ち良くて、とろとろに蕩けたナカを堪能しながらピストンすると、ペシペシと朔自身が揺れた。
「はっ、ぁぁあ、気持ちい…!」
『気持ち良い、こいつのやっぱやばい…好き、好き…っ』
ここまでくると演技する余裕もないのか、言葉と心の中が一致してきた。
(やっぱりこいつ相性も抜群だし、手放したくねーな)
そう思いながら朔の大好きな箇所を突き上げ、前立腺を擦るようにピストンさせると、腰を大きくのけ反らせて絶頂した。
きゅうきゅうと締め付けてくる刺激に耐えながら絶頂した後も何度も突き上げると、涙でぐちゃぐちゃになった顔で一旦止めてと叫び出した。
かなり大事に抱いてきてたので、連続で責めたのは初めて。──最後は俺を忘れないようにするために嫌ってほどに責めてやる。
『気持ちいっ、つらいっ、イク、また、イクっ…イク、だめっやめて…!気持ち良い!頭おかしくなる…』
激しい喘ぎ声と共に聞こえてくる声は本当に余裕がなさそうで。奥を突きながら揺れる朔自身を握って上下すると、ピュクンと勢い良く精液が吐き出された。
「りょっ、ほ、やめ──!!イクっ…イキました…!詩音くんやめてぇぇっっ」
「どっちも気持ち良さそうじゃん。最後は朔が嫌ってほどイカせてやるから」
「やっ、あ゛ぁああああ!!また出るっ、出るからぁ…!!詩音くんっ」
達したばかりの先端からは再び精液が放たれたが、気にせずにグリグリと亀頭を擦ると、激しく暴れて泣き叫ぶ声。
ビクビクと激しく跳ねる体に気を良くしながら、自身から手を離して腰を支えて更に奥まで貫くと、悲鳴に近い声が上がった。
(いつも一回イケばやめてたけど、相当効くんだな)
腰を打ち付けて奥をこじ開けるようにグリグリと動かすと、もう何も考える事が出来ないのか、心の声は聞こえずに激しい喘ぎ声だけが耳に届く。
「朔、どう?俺の好きなんだろ。最後まで味わえよ」
挿入したまま覆い被さり、耳元で囁いてやると、ぎゅうっと締め付けが激しくなったので、耳の中へ舌を入れて愛撫しながら脇の下をくすぐってみた。
「っあ゛ぁあ!!──~~っだ、めぇッ」
「へぇ。締め付け強くなった。くすぐられるの好きんなった?」
「違…っ、やっ、め゛、てぇぇぇっっ、ひゃっ、はッ、ぁはははッッ、いやぁぁぁぁあ!!」
暴れる体を押さえつけて肌をくすぐり、ガンガンと腰を動かし続けると暫くして声が小さくなり、ビクビクと激しく跳ねた後、ふっと力が抜けていき、朔は気を失った。
「あー…やば」
可愛くて自分を求めてくる朔も可愛かったけど、ちょっと生意気な朔をいじめ抜くのもありかもしれない。まぁ意識が戻ればぶん殴られて関係は終わりを迎えるんだろうけど。
締め付けがなくなったナカで何度かピストンして絶頂した後、朔の体を綺麗に整えた。
◇ ◆
「てんめぇ……やりすぎなんだよ!」
数時間、目を覚ました朔は弱々しいパンチを放ってきた。
「わりーわりー。今までずっと心の中で俺をバカにしてたかと思うと腹立ってよ」
「心の中なんだからいいだろうが!!」
「ま、今日素の朔として分かったけど…俺はやっぱりお前のこと本当に好きだった。だからこのまま終わんのはかなり辛いけど仕方ねーよな。サンキュな」
ぽんと頭を撫でてから帰り支度を始めると、ぎゅっと服の裾を掴まれた。何か言いたげにしているようだが、何故かもう心の声は聞こえてこない。
「何?」
「……今日、が、一番良かった……」
消え入りそうな声でそう呟く朔は、俯いているが体がどんどん赤くなっていってるのが分かる。
「あ、そ。良かった。俺も最高だったよ」
「……素の自分見せたら、今までみんな俺のこと嫌いになってたんだけど、詩音くんは本当にまだ俺のこと好きなの?」
「うん。出来れば付き合いたいけど」
「……じ、じゃあ…」
モゴモゴと言葉を詰まらせている朔を見て、言いたいことを理解した俺は内心にやけそうになったが、敢えてこちらからは何も言わずにいると、少しの間沈黙が流れる。
沈黙が続いた後、バッと勢いよく顔を上げた朔は、ヤケクソになりながら口を開いて叫んだ。
「また俺のこと抱いて下さい!!お、お前のことが好きなわけじゃねーけど…やっぱり詩音くんとのエッチは…最高だから、…お願い、します……」
「…へぇ、そう言ってもらえて俺は嬉しい。ありがとう。出来れば恋人になりたいけど、それはだめ?」
うるうるとした瞳で見上げてくる朔の顔を見つめながら、優しく問いかけると「じゃあ…それで…」という言葉が返ってきた。
心の声が聞こえないので本当の気持ちは分からない。ただ俺とのセックスが好きなだけかもしれないけど、体だけでも離れられないのなら好都合。
いつかは心から好きになってもらいたいと願いながら小さな体を抱き寄せると、きゅっと背中に手が回る。
「大事にするから」
激しく動く心臓の鼓動を感じながら、そう呟くと、朔はこくりと頷いた。
end.
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