4 / 26
夢の中で
04
しおりを挟む
◇
「あんた、もう、そろそろ…っ、イけよ…っ!」
「俺の形を覚えた?」
「だからっ、覚えねぇって…、あっ、あんっ」
ベッドやお互いの下半身にはインキュバスの精液と潤滑剤でベトベトになっている。だが目覚めたらなにもなくなっているだろう。
「お前はインキュバスなのだからこのぐらいはまだイケるだろう? というか欲情は底なしだと思ったんだが違うのか?」
「……俺はっ! 完全のインキュバス、じゃねぇんだよ…っ!」
「完全のインキュバスじゃない?」
どういう意味なのか分からず、思わず動きを止めた。
「おい…っ! イってから止まりやがれ…っ」
「——俺がイったら夢が終わるんだろう? その前に教えろ」
そう言うと、先ほどまで快感でとろけていた眼がギッと睨まれ、突然起きあがって馬乗りのように自分の腰を上下揺らしていく。
さらに後孔もキュウキュウと締め付けて、俺をイかそうとしてきた。
「……っ、やるじゃないか……っ」
騎乗位といえば、通常よりも深く届くとか聞いたことあるな……と、こちらも腰を浮かし突き上げてやった。
「ああんっ、あっ、奥、ふか…っ」
結構深く良いところに当たってるらしい。突き上げるたびに腰に挟んでいる足の力が抜けている感じがする。
インキュバスの顔を見れば、睨んでいたはずなのに、またとろけた顔をしていた。
快感に弱いインキュバスっているのだろうか。
「……また俺の夢に来てくれるか?」
「んっ、あっ、しらな、いっ……」
何度か大きく突き上げると、立つ力が無くなったのか俺のほうに倒れてきて、俺のペニスがヌルリと抜けてしまった。
抜けたついでにインキュバスを四つん這いにさせたが、腕に力が入らないのか腰だけ上げられ、ハッキリ見える後孔がゆっくり開閉を繰り返している。
完全に閉じ切る前に再び挿れてやると、身体が反って嬌声が響く。
「……もう俺の形、覚えたよな?」
「あっ、ああっ」
腰を動かすたびに揺れる陰茎を握り、亀頭を親指で少しだけ強く擦る。
「……ひっ、あっ、ああ——っ」
インキュバスには何度目かの射精に後孔がかなり締まられ、そろそろ限界だ。せっかくなら奥深いところで出したいと思い、思い切り穿って爆ぜた。
「んんっ、あっ、濃いぃ…っ、あっ……」
精気をいただいたインキュバスは最初の時より色っぽさが濃くなっていく。
「綺麗だな……。なぁ、お前の名前教えてくれよ」
そっと頬を撫でて、キスしようと唇を触れた──。
◇
……唇を触れたとこで目が覚めた。
安宿らしき狭き部屋にシングルベッド。安っぽい毛布の肌触り。そして俺だけの温もり。
「……ちっ! 名前聞き出せなかったな」
起きあがると、下着がしっとりとしていて気持ち悪かった。なるほど、インキュバスでもオトコの場合は夢精するのか。
「夢精なんぞ、久しぶりだな……」
心なしか下半身はスッキリしている。そりゃそうだ。あんな濃いセックスしたらそうなるだろう。ただ一回しかイってないのは物足りない気がした。
もう二度と会えないのだろうか。
ため息をつき、シャワーを浴びた。夢では汗などであんなにベトベトしていたのに、股間以外は汚れていなかった。本当に夢だけの出来事なんだな。
だが、インキュバスの唇の感触に肌の弾力さ、後孔の締まり具合は覚えていて、思い出すとペニスがムクムクと勃ちあがってくる。
……向こうも、俺のを覚えてたらいいのに。
あれから月日は流れ、夢でまた会えるだろうかと毎日待ち望んでいたが出てこなかった。
もしかしたら本当にただの夢だったのかもしれない。
だが、あの夢を見てから娼館へ行くことはなくなった。というのもオンナとセックスすることができなくなったのだ。性欲はあるものの、いざセックスしようと豊満な胸を揉んでも、柔らかなお尻を触っても、インキュバスのほうが良かったなと思い出しテンションが下がってしまい、何もせず後にするのが数度起きていた。
そのため、ここしばらくはなんとか自慰だけで済ませていたものの、うまく発散できずにいたため、性欲をかき消すために冒険者として依頼をいつもより多めに引き受けていた。
そうしていつの間にかランクが上がっており、その分の情報を新たに得られるようになっていた。
「あんた、もう、そろそろ…っ、イけよ…っ!」
「俺の形を覚えた?」
「だからっ、覚えねぇって…、あっ、あんっ」
ベッドやお互いの下半身にはインキュバスの精液と潤滑剤でベトベトになっている。だが目覚めたらなにもなくなっているだろう。
「お前はインキュバスなのだからこのぐらいはまだイケるだろう? というか欲情は底なしだと思ったんだが違うのか?」
「……俺はっ! 完全のインキュバス、じゃねぇんだよ…っ!」
「完全のインキュバスじゃない?」
どういう意味なのか分からず、思わず動きを止めた。
「おい…っ! イってから止まりやがれ…っ」
「——俺がイったら夢が終わるんだろう? その前に教えろ」
そう言うと、先ほどまで快感でとろけていた眼がギッと睨まれ、突然起きあがって馬乗りのように自分の腰を上下揺らしていく。
さらに後孔もキュウキュウと締め付けて、俺をイかそうとしてきた。
「……っ、やるじゃないか……っ」
騎乗位といえば、通常よりも深く届くとか聞いたことあるな……と、こちらも腰を浮かし突き上げてやった。
「ああんっ、あっ、奥、ふか…っ」
結構深く良いところに当たってるらしい。突き上げるたびに腰に挟んでいる足の力が抜けている感じがする。
インキュバスの顔を見れば、睨んでいたはずなのに、またとろけた顔をしていた。
快感に弱いインキュバスっているのだろうか。
「……また俺の夢に来てくれるか?」
「んっ、あっ、しらな、いっ……」
何度か大きく突き上げると、立つ力が無くなったのか俺のほうに倒れてきて、俺のペニスがヌルリと抜けてしまった。
抜けたついでにインキュバスを四つん這いにさせたが、腕に力が入らないのか腰だけ上げられ、ハッキリ見える後孔がゆっくり開閉を繰り返している。
完全に閉じ切る前に再び挿れてやると、身体が反って嬌声が響く。
「……もう俺の形、覚えたよな?」
「あっ、ああっ」
腰を動かすたびに揺れる陰茎を握り、亀頭を親指で少しだけ強く擦る。
「……ひっ、あっ、ああ——っ」
インキュバスには何度目かの射精に後孔がかなり締まられ、そろそろ限界だ。せっかくなら奥深いところで出したいと思い、思い切り穿って爆ぜた。
「んんっ、あっ、濃いぃ…っ、あっ……」
精気をいただいたインキュバスは最初の時より色っぽさが濃くなっていく。
「綺麗だな……。なぁ、お前の名前教えてくれよ」
そっと頬を撫でて、キスしようと唇を触れた──。
◇
……唇を触れたとこで目が覚めた。
安宿らしき狭き部屋にシングルベッド。安っぽい毛布の肌触り。そして俺だけの温もり。
「……ちっ! 名前聞き出せなかったな」
起きあがると、下着がしっとりとしていて気持ち悪かった。なるほど、インキュバスでもオトコの場合は夢精するのか。
「夢精なんぞ、久しぶりだな……」
心なしか下半身はスッキリしている。そりゃそうだ。あんな濃いセックスしたらそうなるだろう。ただ一回しかイってないのは物足りない気がした。
もう二度と会えないのだろうか。
ため息をつき、シャワーを浴びた。夢では汗などであんなにベトベトしていたのに、股間以外は汚れていなかった。本当に夢だけの出来事なんだな。
だが、インキュバスの唇の感触に肌の弾力さ、後孔の締まり具合は覚えていて、思い出すとペニスがムクムクと勃ちあがってくる。
……向こうも、俺のを覚えてたらいいのに。
あれから月日は流れ、夢でまた会えるだろうかと毎日待ち望んでいたが出てこなかった。
もしかしたら本当にただの夢だったのかもしれない。
だが、あの夢を見てから娼館へ行くことはなくなった。というのもオンナとセックスすることができなくなったのだ。性欲はあるものの、いざセックスしようと豊満な胸を揉んでも、柔らかなお尻を触っても、インキュバスのほうが良かったなと思い出しテンションが下がってしまい、何もせず後にするのが数度起きていた。
そのため、ここしばらくはなんとか自慰だけで済ませていたものの、うまく発散できずにいたため、性欲をかき消すために冒険者として依頼をいつもより多めに引き受けていた。
そうしていつの間にかランクが上がっており、その分の情報を新たに得られるようになっていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる