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夢の中で
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しおりを挟むインキュバスの口腔内をしばらく味わっていると突然肩を強く押され、驚きつつ後ろに下がるといつの間にか足元には肘掛け椅子が置いてあり、そのまま座った。背もたれや座るところのクッションがしっかり張っていて、心地よさに思わず深く腰掛けるために座り直した。
するとインキュバスが俺の股間を躊躇なく触れてきた。
「……既に勃ってるじゃん」
形を確認するべく、ズボンの上から揉みこんでくる。明らかに勃起させようとする動きに、ペニスは素直にもたげてくる。
「……そんなに俺の精気が欲しい?」
「そう、リトの精気が欲しい」
突然俺の名前を言われ、下半身に血が集中したかのようにピクリと動いてしまった。
それを誤魔化すかのようにインキュバスの頬を親指で滑らせていると、OKサインとみなしたのか留め具を外し下着とともに下げられる。すぐ飛び出してきたペニスにペロリと大きくひと舐められた。
前回と同じだ。いかにもコレが欲しいという顔でしゃぶってきて、俺の弱いポイントを確実につつかれてくる。先端に先走りが出てくるとすぐ掬われ飲み込んでいく。
目の前にいるインキュバスの名前を知らない——呼べないのがもどかしい。
インキュバスの唾液でしとどに濡れ、充分硬くなった俺のペニスから口を離し、身に付いていた服をすべて脱いで俺の上に跨った。すぐ挿れようとペニスをまだ何もしていない後孔に触れた時は驚き、止めさせようとした。
「待て、そのまま挿れていいのか? ココは確か人間と同じで濡れ……な……?」
インキュバスの後孔を触れるとすでに解れており難なく指が入ってしまう。濡れた音も小さく聞こえてきた。
インキュバスは俺の指が入ったままなのも関わらず、ペニスをナカに挿れようと腰を下げてきたのた。
「はっ……あっ、指……ぃ」
「……せっかくだからしばらく挿れさせてもらうぜ」
後孔がすでに解れている理由はとりあえず後だ。
指を挿れたまま、ペニスを完全に埋めようと突き上げる。
「っああ──っ」
インキュバス自身から少量だが精液がピュッピュと放っていた。
まさか挿れただけでイくとは思わず、後ろに倒れないためにソッと抱えた。イったあとしばらく震えていたが、物足りないかのように腰が微かに動き始めるのが分かる。
俺は少し色付いてぽちりと勃っていた乳首を眺めた。
インキュバスに夢中で忘れていたが、ここはギルドの中。俺たちが今まで情事している間にも何人か出入り口に訪れたり出たりしていた。俺たちには見えていないような感じだったがその中でインキュバスだけ全裸なのはなかなかの卑猥さである。
「あぁ、俺がつけた痕はもう消えてんだな……」
歯形や鬱血だらけだった乳首の周りには綺麗に消えていた。月日が流れていたし、当然といえば当然なのだが、微かでも残っていないだろうか期待してしまった。
プクリと勃っている乳頭を唇で軽く摘み、舌を尖らせて乳輪をひとまわり舐めた。キュッと縮んでいく感触に満足し、乳頭に戻してコリコリと捻る。
「んっ、んんっ、乳首ばっか…、やめろっ、痕なかなか、消えなかったんだぞ…っ!」
「ん? インキュバスって、肌の再生も早いと思ってたんだが?」
「……っ!」
この前、精力が底なしなのでは? と訊ねた時と同じ反応だ。——なにやら訳アリのようだ。
とりあえず今回は突き詰めるのはよそう。それよりも気になっていたのを訊きたい。
「ともあれ、ココはなんで既に準備が出来ていたんだ……?」
俺のを深く挿れている後孔の縁を親指で撫でながらインキュバスに訊ねる。
「確か人間と同じだから解さないといけなかったんだろう? なのにココはもう解されていた。……もしかして俺の前に誰かに抱かれたのか?」
「そうだと言ったら? ………ひっ!あっ、ああっ!」
俺に会う前に誰かに抱かれていてよがっていたのか、と思うと無性に怒りがこみ上げてしまい、腰を大きく揺らしながら乳首の周りをガジガジと噛み続けた。
綺麗だったインキュバスの胸板に鬱血痕と歯形を前回よりもたくさん残してやった。
インキュバスなのだから、俺以外に精気を貰うのは当たり前なのかもしれない。だが、俺以外貰って欲しくない、その精気をかき消したい——と嫉妬にかられてしまう。
忘れられないのも、オンナとセックスができなくなったのも、インキュバス情報を調べていたのも、この人に惹かれていたからだと今更ながら気付いたのだった。
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