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夢の中で
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しおりを挟むインキュバスの上半身は鬱血痕と歯形だらけになり、乳首は赤く腫れている。対面座位からバックに変え、そして今は背面座位と続けていくと、インキュバスは体力の限界のようで俺にもたれてきた。
「……も、無理……。イかせて……」
今まで何度かイきそうになっていたが、寸止めにさせ一度もイかせてない。ただドライオーガズムは何度かあり、そろそろ失神するかもしれないな…とは思った。
自分は恋慕に関してはドライかと思っていたが、そうではなかったようだ。
周囲にいる人たちは俺たちのことを見てはいないが、もし夢の中ではなく実際にギルドでやっていたら俺のものだって見せつけていたのかもしれないと、自分の執着思考に笑うしかなかった。
「そろそろお前の名前教えてくれよ。そうしたらイかせてやる」
「は、あ……、なんでそんなに……っ」
「ただ名前を知りたい。お前を呼びたいんだ」
それでも黙りこくるインキュバスに、奥深く入るように腰を浮かした。
「ひっ……、もう、奥は、やだ……っ!」
綺麗な顔が快感で恍惚になるのを見たくて、俺のほうに顔だけ向けてやった。涙と涎が留まることなく流れていて、ただイきたいとしか考えてないような顔に満足し深く口付けた。
名前が分かれば、お前のことをより深く心に刻められるのに——。
無意識に力強く抱きしめてると、うっかり聞き逃してしまいそうな微かな声が聞こえてきた。
「……ルイス。……ルイス……だから……っ。名前……っ」
ルイス、それがお前の名前か。
長いこと霞で見えなかったのに突然ハッキリ見えたような気分だった。
「ルイス……ルイス、ずっと呼びたかった。ルイス。もうお前しか考えられない。ルイス」
夢からさめても、覚えていられるように何度も何度も名前を呼んだ。
ずっとイけずのまま先走りで濡れそぼっているルイス自身の陰茎をしごいてやり、先端を強く擦る。
「あっ! ああっ、あぁ──っ!」
ルイスが射精したことによって、後孔がギュッと締められる。だがそれでも思い切り抜いては突くの繰り返しを続け、肉を打ち付ける音がだんだんと早くなっていく。
「まっ、あっ、リト、りと、イッてる、ああっ、ひっ、ああ──っ」
精液を放っていたルイス自身をそのまましごいてやり、亀頭もいじり続けていると、精液とはまた違う透明な液体がたくさん放出された。ビシャビシャと木床を濡らしていく。
潮吹きも出来るのか、それほど感じてくれているのかと、心なしか嬉しくなる。
「……ルイス、最高だよ……」
周囲には人がおり、潮吹きで濡れてしまったとこを避けることもなく通りすぎていった。時々、夢であることを忘れてしまう。
ルイスはというと、痙攣が止まらないようで失神寸前のようだ。だが、こっちは痙攣のせいかナカがうねり続けられ、あまりの気持ちの良さに腰を止めることができない。ナカの奥深くに、何度か突き上げて放った。
……前回よりも濃い精気を与えられたはずだ。
情欲しかない濃い時間は終わった。自分の呼吸が荒いのを今更ながら気づく。
「ルイス……また来てくれるか?」
そういえば、俺の欲情に引き寄せられて来たと言っていたな。それならば俺の夢だけ来てくれたらと思う。
「……ルイス?」
セックスし終えたら夢が覚めるかと思ったのだが、おそらくまだ夢の中だ。もしかして、ルイスの意志で決まるのだろうか?
ルイスを呼びかけてみたが、反応はなかった。どうやら失神しているらしいが、インキュバスはセックスで失神するものなのだろうか。
とりあえず軽く頬を叩いてやると、少しだけ覚醒したのか瞼がそっと開いた。
「リト……やりすぎ……。早く抜け……」
さっさと抜いてほしいそうで、軽く睨まれた。ナカに入っていたのを抜いてやると小さな嬌声が聞こえ、思わず笑みを作ってしまう。
抜いたあと俺にもたれかかってくるのは、どういう心理なのだろうか。
「……お前の精気は俺にとって食糧になる。だから気が向いたら来てやる」
「ルイス!」
「気が向いたらな。せいぜい溜めておけよ」
「俺なら毎日でも全然問題ないぜ」
嬉しさを伝えるためにルイスのすべすべな頬にキスしようとした——。
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