夢で会ったインキュバスが忘れられないんだが

Sui

文字の大きさ
17 / 26
夢と現実の狭間

05

しおりを挟む

 ルイスにとって欲していた快楽を得られたのか、嬌声が遠慮なく響いた。それはナカにも反応していて、気持ちいいくらいに何度か締め付けられ、放っていたものを全て搾り取るかのようだった。
 ルイスも白濁液を放ったことは鏡を通して確認した。前回のように失神することはなかったが、小さくふるふると背中を震わせながら呼吸を整えている。
 初めてルイスとセックスした時に色っぽさが濃くなった感じが今もそう見え、目がトロンとしていて全てが艶めかしい。

「……俺の精気ってそんなに良いのか?」
「今までの中で一番……だからもっとちょうだい」

 ルイスが上半身をひねり、俺の頬を撫でながら唇をついばむようにキスされた。後孔もナカももっとくれと言わんばかりに収縮が止まらない。
 先ほど鬱血痕を付けられキレていたのが嘘のように、すがりついてくる。
 何度もしていいのは嘘で、実は一回だけで終わらせるんじゃないかと疑ってたのだが、本当にルイスが満足するまでなんだなと実感する。

「俺が一番なのか……分かった。お前が満足するまで付き合ってやる」

 ルイスを前屈みにしてやり、四つん這いにさせた。そしてそのまま腰を動かし、後孔から抜き差しする音が聞こえてくる。また肉とぶつかる音とルイスの喘ぎ声が、なお穿いたい欲望をかきたてられる。もっと奥まで、俺しか届かないところまで──。

「ルイス……なぁルイス、夢でしか会えないなら俺をもっと求めてくれ。何度も会いたいんだ。ルイス、ルイス……お願いだ」

 就寝するときにいつも思っていたことを、言葉にする。
 やはりルイスからの返答は無かったが、応えて貰えるとは思っていなかった。だが否定の言葉や抵抗する仕草はない。もう会えないということは今のところ無いと思っていいのかもしれない。

 それならば、求めたがられるように欲しがられるようにセックスを勤しむしかないなと腹をくくると、ルイスの手が俺の後頭部に回り、キスしようと顔が近づいてくる。それを応えるべく奪うように口付け、舌をねじ込もうとすると、ルイスの舌が先に侵入され絡められた。
 このままではキスしづらいと考え、しやすい体位に変えるべく一旦後孔から俺のを抜き出した。抜き出す際に引き留めるかのように強く締め付けられるのがたまらない。
 そしてルイスを仰向けにし、すぐさま挿入したが精液と潤滑剤のおかげでスムーズに奥まで穿つことが出来た。
 そして自然とお互いキスを貪った。

「……もっと精気、ちょうだい」

 ルイスが満足するまでお互い欲しいままに求め合った。





 ルイスが満足するまで抱き合った夢から数日後、なるたけ空いてる時間を活用し資料室に通った。仕分けされていない部類の中から漁るのはなかなか根気が要ることで、本当にあるんだろうかと思うほどだったが今日ようやくインキュバス関連が記載している資料をついに見つけたのだ。
 見つけた時は思わずルイスの顔を思い浮かび、右肩を掴んだ。

 右肩を掴んだのには理由がある。ルイスとの夢が覚めた時に残っててほしいと思っていた、ルイスが爪を立てて残した痕──無数の赤い筋が残っていた。鏡でそれを確認したときは嬉しさのあまりに思わず拳を作っていた。いわゆるガッツポーズというやつだ。
 子どもの時から何もかも冷めていて、大きな依頼や高額報酬の魔物を撲滅出来たときでもこんな気持ちにはならなかった。自分の心情の変化に少しだけ気恥ずかしさを感じる。

 誰かを好きになるとこんなにも変わるのか——と。

 右肩を触れるたびに、ルイスが爪を立てたときの感触と赤い筋を思い出す。無意識に何度も右肩を触れているらしく、仕事先でワタルから肩凝ってるんですかと言われてしまったほどだ。

 しばらく右肩を撫でながら反芻したあと、インキュバスについて記載している資料に目を向けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

処理中です...