桜はまだか?

hiro75

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第三章「焼き味噌団子」

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 正武から、そうあったそうだ。

 源太郎は、眉を顰めて正親の話を聞いていた。

「豊後守様が、そのような……」

「神谷、おまえが手を拱いておるからじゃ。阿部様の言われるとおり、締め上げて吐かせい」

 と久太郎は言ったが、

「まあ待てぃ。あの娘に、そのようなことは通じんじゃろうて」

 と、正親が久太郎を抑えた。

 源太郎も、そう思う。

「しかし、殿……」

「まあ、鳴かぬなら鳴かせてみせようなんとかじゃ、のう神谷」

 正親は、足を摩りながら言う。

「あい」

 源太郎は、神妙に返事をして部屋をあとにした。

(さてさて、どう鳴かせたものか?)

 中庭の五分咲きの桜を見ながら、源太郎は頭を捻った。
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