突然能力に目覚めた男の730日

こうめい

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1章 あのポーズが全ての始まり

10日目~レベルアップと確認と~

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初めて能力を使用してから10日が経過した。

努めて普通に練習しながら出社し、いつも通りに仕事をこなし、今日も天辺をはるかに回ってから帰宅して、10日目を迎えている。

まだ、たった10日だが、確実にレベルアップしていると感じることが起きている。

・火を出し続けられる時間が長くなっている。(数分→数十分※大きさや形、様々な条件で変化)
・火を出せる個数が増えている。(3個→10個くらい※小さい火)
・火を出したまま結構自由に動かせる。(あまり動かせない→八の字を描いたりできる。)
・射程が延びた。(あまり動かせない→部屋を往復)
・出せる火のサイズの限界が大きくなった。(手のひらサイズ→バスケットボール大)
・火力の調整が上手くなった。(燃やす、燃やさないが結構自由自在。鞄の中で火を着けてもボヤが起きない)
・火の色や形などを変化させることが上手くなった。(火で数字を描いたり、見えない火を発生させたり)
・能力を使いまくっても疲れにくくなっている。(体が鉛→なんとか動ける(ただ限界超えると多分一緒…))

くらいか。

また、新しい発見もあった。

・能力の発生を意識しやすい型を作ると扱い易くなる。(手で銃の形や、動かす際に手も一緒に動かすとか。向かい合わせた手と手の間で火を出し、手の距離を広げる動作をすると大きくし易いとか。)
・運動能力が常人の域をはるかに逸脱していて、オリンピック選手もびっくりな状態になっている。

当面の目標は微動だにしないで、自由に扱えることだが、通勤練習中では”型”をかなり重宝する。
つり革に掴まって、人差し指は屋根に向けておくと、その先に火を作り易い、持久力も延びる(気がする)。

色や大きさを変化させるといった操作も、なんとなくやりやすい。これは部屋の練習で確認済みだ。

RPGなんかで、大量の経験値をくれるレアモンスターを乱獲したいが、現実はそうではない。

能力を向上させるためには、日々の練習が不可欠だ。

自分の成長スピードや成果を比べることができないのが、非常にもどかしい。

が、日進月歩、成長は自分で把握しながら頑張ろう。

また、今までしてこなかった運動にも手を出し始めた。
これは、なんとなく基礎体力が上がれば、なんか良いことがあるんじゃないか。くらいの感覚だ。

気を付けているのは、早く走りすぎて周りからヤバい目で見られないようにしている。

そろそろ練習メニューでも作るかな。

と、火を出しつつ考え事もできるようになっている事に、自分では気づいていない。

もうひと頑張りして今日は寝よう。
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