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3章 最強主人公
477日目その4~序列1位へ各々の戦い(風嵐兄妹戦)~
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入場してきた雷華を見て、駆は少し安心する。
迷いがなく、他の感情に揺れてない。集中が見て取れる。
そうだ、それでいい。
駆は、自分も分かっていないが、少し顔が緩んでいた。
お互いが、守護球をセットする。
それを見て、夢野が発する。
夢野「それでは、OSLCグループ4決勝…始め!!」
…
お、両者動かない?
そう視えているだろう。俺以外には。
静かに、でも早く、相手の風を読んでお互いに大きな攻撃の芽を摘んでいる。
火火野「すごいな。」
思わず感嘆の声が漏れる。
膠着している状況を動かしたのは、駆だった。
雷華の風を払いつつ、会場の砂を舞い上げて煙幕を張った。
雷華「風を方々に撒くことで、感知を難しくしてる。」
その瞬間、雷華の目の前に駆が飛び込む。
両の手を球状に重ねて中の隙間に風の渦を発生させていた。
駆「詠唱を使わなくても強力な攻撃はできるんだぞ。吹っ飛べ!!」
雷華めがけて、駆の両の手から暴風がほぼゼロ距離で放たれる。
雷華「まだまだですッ!」
雷華は両腕で大きく円を描き、目の前に風の渦の壁を発生させ、自分から外れるよう暴風をいなそうとする。
駆~自由に駆る風達よ 我が想いに応え刃となれ。~
詠唱!!煙幕、無謀な特攻からの強撃。全てはこの技のための布石。
駆「この風は全てを切り裂く!終わりだ!!」
駆~縛られし風刃 村雨~
駆の手を伸ばした先には雷華の守護球。
一直線に風の刃が、空気を切り裂いて進む。
雷華「甘いです。」
雷華~鎌鼬 3つ鎌 乱れ舞~
風の鎌が3つ、駆の村雨をバラバラに切り裂いた。
駆「何だと!?」
雷華「…兄さんの詠唱に合わせて、こちらも詠唱をしていたまでです。コッソリね。」
駆の顔がニヤつく。
駆『これが…本気か。いや、多分…』
一旦距離を取ろうと、駆が後ろに飛ぶ。
雷華「逃しません!」
風で追い打ちをしようとする。
その前に駆は空中で、手を握りこむと雷華の背後に風が集まる。
追い打ち用の風をそちらに回し、掻き消す。
雷華「さっきの暴風の残滓をかき集めただけですか。こんな簡単な陽動にかかるなんて…ちょっと緊張しているみたい。私の判断が鈍いわ。」
駆~我が求むは百の刃 万物を斬する風の刀~
駆「俺は、まだ全てを出していないぞ!!」
駆~百刃万華(ヒャクジンバンカ)~
弧を描く大量の風の刃が雷華の守護球に襲い掛かる。
パリッパリッ
雷華「全てを見せていないのは…私もです!!」
カッ!バリバリバリッ!!
それを見ている全ての人間が驚愕した。
里水「…雷か…」
稲光が会場内を駆け抜け、駆の風を撃ち抜いた。
駆は、嬉しそうな表情を堪えられていない。
駆『これが、雷華の本気か…でも、だからこそ、俺の最大をぶつける意味がある!!』
雷華「兄さん。終わりにしましょう。」
バリバリと、雷が雷華に纏わりついている。
駆「あぁ、これが俺の全てだ。」
腰の辺りに右手を持っていき、駆は居合抜きのような構えをとる。
対する雷華は、槍投げのような構えだ。
駆~我が放つこの一撃は全て切り裂く風の閃き~
雷華~我が放つこの雷は全て貫く無敵の槍~
この兄妹は、今、久しぶりに笑顔になっているのではないだろうか。
全てをぶつける。
こんな簡単な事がなんでできなかったのか。
駆~居合 風一閃 龍爪~
雷華~雷神の槍 轟雷一貫(ゴウライイッカン)~
駆の放った風の刀を、槍の如き雷が貫く。
そのまま、駆の守護球も貫いていた。
天を仰ぐ駆。
安堵と不安の表情を浮かべる雷華。
駆「雷華、ありがとう。」
その言葉を聞いた、雷華は。
雷華「兄さん。…ごめんね。」
その、謝罪は本当に多くの意味を包んでいる。
優しい謝罪だ。
駆「…今度は俺が追いかけるよ。あの時のお前みたいに。必死でな。」
雷華「絶対追いつかせないから。あの時と同じよ、全力で走るからね!」
握手を交わしながら、嘘の無い本心の会話をする。
いつぶりだろうか。
夢野「けっちゃーく!!風の序列1位 風嵐 雷華。これからも頑張ってね!!」
雷華は、軽く観覧席に会釈し退場する。
退場口を潜った時。
火火野「お疲れ。流石に見ごたえがあったな。」
雷華「色々と、お世話になりました。」
火火野「いえいえ、どういたしまして。と、言いたいところだが、今回はほとんど駆が頑張ったから、俺はちょっと世間話をしただけだったな。」
雷華「世間話?」
火火野「そう。俺と妹の話しを、ちょっとだけな。」
雷華「妹さんがいらっしゃるんですね。知りませんでした。」
火火野「まぁ、言ってないしな。」
雷華「まぁ、本当に色々ありがとうございました。」
深々とお辞儀をする。
雷華は本当に…いや、セクハラだ。
雷華「…でも、これであなたの1位は無くなりました。私はもう負けませんから。」
火火野「ほう。」
雷華「ま、これからの決勝戦、応援してますから。」
火火野「フッ、ありがと~」
と、ヒラヒラと手を振りながら、入場口へ向かっていく。
さぁ、不知火。俺たちの番だ。
最高のシチュエーションだろう!全力でぶつかってこい!!
その全てをぶっ飛ばしてやる。
迷いがなく、他の感情に揺れてない。集中が見て取れる。
そうだ、それでいい。
駆は、自分も分かっていないが、少し顔が緩んでいた。
お互いが、守護球をセットする。
それを見て、夢野が発する。
夢野「それでは、OSLCグループ4決勝…始め!!」
…
お、両者動かない?
そう視えているだろう。俺以外には。
静かに、でも早く、相手の風を読んでお互いに大きな攻撃の芽を摘んでいる。
火火野「すごいな。」
思わず感嘆の声が漏れる。
膠着している状況を動かしたのは、駆だった。
雷華の風を払いつつ、会場の砂を舞い上げて煙幕を張った。
雷華「風を方々に撒くことで、感知を難しくしてる。」
その瞬間、雷華の目の前に駆が飛び込む。
両の手を球状に重ねて中の隙間に風の渦を発生させていた。
駆「詠唱を使わなくても強力な攻撃はできるんだぞ。吹っ飛べ!!」
雷華めがけて、駆の両の手から暴風がほぼゼロ距離で放たれる。
雷華「まだまだですッ!」
雷華は両腕で大きく円を描き、目の前に風の渦の壁を発生させ、自分から外れるよう暴風をいなそうとする。
駆~自由に駆る風達よ 我が想いに応え刃となれ。~
詠唱!!煙幕、無謀な特攻からの強撃。全てはこの技のための布石。
駆「この風は全てを切り裂く!終わりだ!!」
駆~縛られし風刃 村雨~
駆の手を伸ばした先には雷華の守護球。
一直線に風の刃が、空気を切り裂いて進む。
雷華「甘いです。」
雷華~鎌鼬 3つ鎌 乱れ舞~
風の鎌が3つ、駆の村雨をバラバラに切り裂いた。
駆「何だと!?」
雷華「…兄さんの詠唱に合わせて、こちらも詠唱をしていたまでです。コッソリね。」
駆の顔がニヤつく。
駆『これが…本気か。いや、多分…』
一旦距離を取ろうと、駆が後ろに飛ぶ。
雷華「逃しません!」
風で追い打ちをしようとする。
その前に駆は空中で、手を握りこむと雷華の背後に風が集まる。
追い打ち用の風をそちらに回し、掻き消す。
雷華「さっきの暴風の残滓をかき集めただけですか。こんな簡単な陽動にかかるなんて…ちょっと緊張しているみたい。私の判断が鈍いわ。」
駆~我が求むは百の刃 万物を斬する風の刀~
駆「俺は、まだ全てを出していないぞ!!」
駆~百刃万華(ヒャクジンバンカ)~
弧を描く大量の風の刃が雷華の守護球に襲い掛かる。
パリッパリッ
雷華「全てを見せていないのは…私もです!!」
カッ!バリバリバリッ!!
それを見ている全ての人間が驚愕した。
里水「…雷か…」
稲光が会場内を駆け抜け、駆の風を撃ち抜いた。
駆は、嬉しそうな表情を堪えられていない。
駆『これが、雷華の本気か…でも、だからこそ、俺の最大をぶつける意味がある!!』
雷華「兄さん。終わりにしましょう。」
バリバリと、雷が雷華に纏わりついている。
駆「あぁ、これが俺の全てだ。」
腰の辺りに右手を持っていき、駆は居合抜きのような構えをとる。
対する雷華は、槍投げのような構えだ。
駆~我が放つこの一撃は全て切り裂く風の閃き~
雷華~我が放つこの雷は全て貫く無敵の槍~
この兄妹は、今、久しぶりに笑顔になっているのではないだろうか。
全てをぶつける。
こんな簡単な事がなんでできなかったのか。
駆~居合 風一閃 龍爪~
雷華~雷神の槍 轟雷一貫(ゴウライイッカン)~
駆の放った風の刀を、槍の如き雷が貫く。
そのまま、駆の守護球も貫いていた。
天を仰ぐ駆。
安堵と不安の表情を浮かべる雷華。
駆「雷華、ありがとう。」
その言葉を聞いた、雷華は。
雷華「兄さん。…ごめんね。」
その、謝罪は本当に多くの意味を包んでいる。
優しい謝罪だ。
駆「…今度は俺が追いかけるよ。あの時のお前みたいに。必死でな。」
雷華「絶対追いつかせないから。あの時と同じよ、全力で走るからね!」
握手を交わしながら、嘘の無い本心の会話をする。
いつぶりだろうか。
夢野「けっちゃーく!!風の序列1位 風嵐 雷華。これからも頑張ってね!!」
雷華は、軽く観覧席に会釈し退場する。
退場口を潜った時。
火火野「お疲れ。流石に見ごたえがあったな。」
雷華「色々と、お世話になりました。」
火火野「いえいえ、どういたしまして。と、言いたいところだが、今回はほとんど駆が頑張ったから、俺はちょっと世間話をしただけだったな。」
雷華「世間話?」
火火野「そう。俺と妹の話しを、ちょっとだけな。」
雷華「妹さんがいらっしゃるんですね。知りませんでした。」
火火野「まぁ、言ってないしな。」
雷華「まぁ、本当に色々ありがとうございました。」
深々とお辞儀をする。
雷華は本当に…いや、セクハラだ。
雷華「…でも、これであなたの1位は無くなりました。私はもう負けませんから。」
火火野「ほう。」
雷華「ま、これからの決勝戦、応援してますから。」
火火野「フッ、ありがと~」
と、ヒラヒラと手を振りながら、入場口へ向かっていく。
さぁ、不知火。俺たちの番だ。
最高のシチュエーションだろう!全力でぶつかってこい!!
その全てをぶっ飛ばしてやる。
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