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4章 ダイジケン発生
509日目その5~国会議事堂を奪還せよ!!(その男の絶望と奪還成功とこの男への不安と)~
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いつもと変わらない朝だった。
いい天気でさわやかで、
いつもと同じように”いってらっしゃい”とニコニコしながら送り出す両親。
学校ではくだらないイジメがあり、それをやめさせようとするカンゴがいつも通りやりあっている。
僕はいつも通りうっとうしいと感じながら、もうこれに慣れてしまった。
先生は、イジメを行った奴だけでなくカンゴも怒った。
まぁ、大暴れしすぎだ。
カンゴは、ボコボコになった顔でさらにボコボコにしたイジメっ子を指さしてどや顔をキメていた。
いつも通りに学校から帰る。
これからもずっと同じ風景の通学路だと思っていた。この時は。
家に帰るとシャッターが閉まっていた。
その時、少し鼓動が早くなった。
あれ、今日お休みするって言ってたかな?
いつもは店を通って家に入るけど、裏口から家に入る。鍵が開いている。
ただいま。
いつもは言わない。
でも返事もない。
夕暮れなのに電気もついていない。
鼓動が早くなる。
不安が押し寄せる。
裏口から台所を過ぎると居間に着く。
いやなにおいと水の落ちるような音が居間に近づくと聞こえてくる。
僕はこのごろの両親を思い出していた。
いつもと同じじゃなかった。
同じじゃなかったんだ!!
なぜか笑顔の引きつっているお父さん。
どんどんやつれていくお母さん。
見ていたのに!
分かっていたのに!!
居間へのふすまの前で下を向いた。
ふすまに手をかけ、開ける。
いつもと同じ、古い重さの感じるふすま。
ここは本当に僕の家なの?
こんなになんでくらいの?
鼓動は家中に聞こえるかと思うくらいに打っている。
顔を上げる。
(おがぁさん!!おどぉさん!!)
声が出ない。
目からは涙が止まらず、股もびしょびしょだ。
何がおこっているの?
何でぶらさがっているの?
そこから先は覚えていない。
ただ、僕は幸せすぎたんだ。
だから気づこうとしなかったんだ。
そうしたらなくなっちゃった。
ー現在ー
波風「知っているか?普通ってな、何事もないってな、すごい幸せなんだよ。」
火火野「…」
波風「商店街が良くなるって聞いた店主達がこぞって借金して改築した直後に、隣町にでっかいショッピングモールが出来やがった。…後は、察するだろ。」
波風は何かをかみしめるように続ける。
波風「ま、オマケで、その商店街は今どうなっているか?…大きな道路になってそのショッピングモールまで大変手軽に行けるようになってるんだよ。その市長のおかげでな!!」
そして波風は手にリュックを持つ。
波風「で、俺の計画だ。首相の首をとってだだの相になってもらいたかったんだが、邪魔な風のバリヤーがあるから、このリュックいっぱいの爆弾で”ソレ”が可能かどうか分らんが、ま、国会議事堂が吹っ飛んだだけでも前代未聞の首相として貶めることができるかな?」
雷華「あなたの気…」
火火野に手を出され、それ以上の言葉を制止される。
火村「凪!!何言ってんだよ!おま…」
手を前に出し、火村が喋ることを許さない波風。
波風「それ以上、喋ればすぐに爆破させるぞ?お前は良いスケープゴートだったよ。おかげ様で本懐を果たせる…」
火村は今にも波風に向かって飛び出しそうだった。
火火野「…俺が止める。」
雷華に悪寒が走る。
火火野の瞳が、眼鏡の奥の灰色の瞳に闇が宿ったように見えた。
雷華「火火野さ…」
ドンっ!
爆縮で、一瞬で波風に届く。
二人の視線が空中で交わり、その刹那、リュックから波風の手は離れ、体は空を舞っていた。
俺が波風を投げ飛ばした。
波風は空を舞うその短い時間で確かに”声”を聴いた。
火火野「絶望に堕ちたその眼。でもダメだよ。瞳の奥にはもう、”火”が宿っている。同類に”嘘”は通じんよ。」
背中から床に叩きつけられ、波風は動けなくなっていた。
火村「凪!!!」
雷華は、少しの安堵と胸を締め付けられる想いを抱えていた。
天岩「…一件落着かな?」
里水「だな。」
雷華が風を解く。
波風「ごほっ、ごほっ。」
火村「大丈夫か!?凪!」
火火野「大丈夫に決まってんだろ。お前と約束したんだから。」
火村は火火野の方を振り返る。
ー少し時間は巻き戻り鳳凰で追い詰められた時ー
火村「まだやるに決まってんだろ!!まだ負けてねーからな!!」
火火野「じゃ、その間にお前の相棒は殺されるかもしれんぞ?」
火村は、何かを感じ取った風だ。
火火野「あったことは無いが、その男の考えは何となく”視える”。多分、お前が早く向かった方が良いと思うぞ。」
火村「…分かった、行こう。」
部屋を出て、議会場へ向かう途中。
火村「俺達はどうなる?」
火火野「さぁな。お前らを裁く権利は俺にはない。」
火村「そうか…」
火火野「でもな…俺が考えている通りであるならば、この建物内では誰も死なせない。」
火村「……頼む…凪を、死なせないでくれ…」
ー現在ー
首相「君たち、ありがとう!本当にありがとう!!」
火火野「いえ。私たちは与えられた仕事を遂行したまでです。」
首相は頷き、波風に視線を落とす。
首相「君は波風商店の息子さんだね。大きくなられた。ご両親も天国でお喜びだろう。」
天岩は怒りが表情からこぼれて出ている。
里水は肩を叩いて、落ち着かせようとしている。
首相「あの時は…」
波風「もういいですよ。全部聞いてますから。もう謝らないでください。」
天岩は何が何だか?という感じだ。
波風「貴方は知らなかった。ショッピングモールが出来ることを。なんたって他の市の事だから。そして、両親の事件で、あの商店街がもうどうしようもない所まで追い詰められた時、貴方は道路の整備という名目で予算を組んで、商店街の人間が生活していけるだけのお金を立退料として配布した。」
首相「…それでも、私のしたことが許されるとは思っていないんだよ。君が受けたような事を、子供がお金が理由で不幸になることを防がねばならないと考えている。その為に、と言うと語弊があるが、ここまでやってきたんだ。そしてやっと、この国のトップになった。」
波風「凄い人ですよ。貴方は。市長なのに両親の葬式で土下座までして、何十分も謝罪して。…貴方が配布したお金と両親が残してくれた保険でお金には苦労しませんでしたよ。そして…心は、友のおかげで何とかなっています。」
首相「そうか…君に会えて本当に良かった。まぁ、起こした事件はどうかと思うがね。罪を償ったら、また会おう。」
波風「是非。」
そう言うと、首相は俺たちに手を振り、議会場から出て行った。
俺は、夢野長官に作戦の成功を伝え、事後を頼む。
天岩は、何が何だかのまんまだ。
火火野「簡単に言うとだ。風の奴が全ての罪を背負おうとしたんだよ。演技をしてな。」
天岩「そうなんだ?」
火火野「分かるだろ?首とばすだけなら、誘拐なんかせずに飛ばしとけばいい。」
天岩「たしかに。男同士の友情かー」
火火野「まぁ、やった事は絶対に許されることではないがな。」
雷華「どうなりますかねぇ。」
里水「今回は、事が事なだけに、読めないな。」
天岩「そういえば!中継されたんだっけ!?」
火火野「いーや、されてないみたいだぞ。そもそも、そっちは事前に夢野長官が止めてた。」
天岩「えーっ!私聞かされてないけど!!」
里水「まぁ、一番準備が遅かったお前が悪い。」
天岩は納得いかないって感じだ。
雷華は俺を見る。
(良かった。いつもの眼だ。)
ともあれ、俺たちの初めての大事件は無事に終わりを告げた。
いい天気でさわやかで、
いつもと同じように”いってらっしゃい”とニコニコしながら送り出す両親。
学校ではくだらないイジメがあり、それをやめさせようとするカンゴがいつも通りやりあっている。
僕はいつも通りうっとうしいと感じながら、もうこれに慣れてしまった。
先生は、イジメを行った奴だけでなくカンゴも怒った。
まぁ、大暴れしすぎだ。
カンゴは、ボコボコになった顔でさらにボコボコにしたイジメっ子を指さしてどや顔をキメていた。
いつも通りに学校から帰る。
これからもずっと同じ風景の通学路だと思っていた。この時は。
家に帰るとシャッターが閉まっていた。
その時、少し鼓動が早くなった。
あれ、今日お休みするって言ってたかな?
いつもは店を通って家に入るけど、裏口から家に入る。鍵が開いている。
ただいま。
いつもは言わない。
でも返事もない。
夕暮れなのに電気もついていない。
鼓動が早くなる。
不安が押し寄せる。
裏口から台所を過ぎると居間に着く。
いやなにおいと水の落ちるような音が居間に近づくと聞こえてくる。
僕はこのごろの両親を思い出していた。
いつもと同じじゃなかった。
同じじゃなかったんだ!!
なぜか笑顔の引きつっているお父さん。
どんどんやつれていくお母さん。
見ていたのに!
分かっていたのに!!
居間へのふすまの前で下を向いた。
ふすまに手をかけ、開ける。
いつもと同じ、古い重さの感じるふすま。
ここは本当に僕の家なの?
こんなになんでくらいの?
鼓動は家中に聞こえるかと思うくらいに打っている。
顔を上げる。
(おがぁさん!!おどぉさん!!)
声が出ない。
目からは涙が止まらず、股もびしょびしょだ。
何がおこっているの?
何でぶらさがっているの?
そこから先は覚えていない。
ただ、僕は幸せすぎたんだ。
だから気づこうとしなかったんだ。
そうしたらなくなっちゃった。
ー現在ー
波風「知っているか?普通ってな、何事もないってな、すごい幸せなんだよ。」
火火野「…」
波風「商店街が良くなるって聞いた店主達がこぞって借金して改築した直後に、隣町にでっかいショッピングモールが出来やがった。…後は、察するだろ。」
波風は何かをかみしめるように続ける。
波風「ま、オマケで、その商店街は今どうなっているか?…大きな道路になってそのショッピングモールまで大変手軽に行けるようになってるんだよ。その市長のおかげでな!!」
そして波風は手にリュックを持つ。
波風「で、俺の計画だ。首相の首をとってだだの相になってもらいたかったんだが、邪魔な風のバリヤーがあるから、このリュックいっぱいの爆弾で”ソレ”が可能かどうか分らんが、ま、国会議事堂が吹っ飛んだだけでも前代未聞の首相として貶めることができるかな?」
雷華「あなたの気…」
火火野に手を出され、それ以上の言葉を制止される。
火村「凪!!何言ってんだよ!おま…」
手を前に出し、火村が喋ることを許さない波風。
波風「それ以上、喋ればすぐに爆破させるぞ?お前は良いスケープゴートだったよ。おかげ様で本懐を果たせる…」
火村は今にも波風に向かって飛び出しそうだった。
火火野「…俺が止める。」
雷華に悪寒が走る。
火火野の瞳が、眼鏡の奥の灰色の瞳に闇が宿ったように見えた。
雷華「火火野さ…」
ドンっ!
爆縮で、一瞬で波風に届く。
二人の視線が空中で交わり、その刹那、リュックから波風の手は離れ、体は空を舞っていた。
俺が波風を投げ飛ばした。
波風は空を舞うその短い時間で確かに”声”を聴いた。
火火野「絶望に堕ちたその眼。でもダメだよ。瞳の奥にはもう、”火”が宿っている。同類に”嘘”は通じんよ。」
背中から床に叩きつけられ、波風は動けなくなっていた。
火村「凪!!!」
雷華は、少しの安堵と胸を締め付けられる想いを抱えていた。
天岩「…一件落着かな?」
里水「だな。」
雷華が風を解く。
波風「ごほっ、ごほっ。」
火村「大丈夫か!?凪!」
火火野「大丈夫に決まってんだろ。お前と約束したんだから。」
火村は火火野の方を振り返る。
ー少し時間は巻き戻り鳳凰で追い詰められた時ー
火村「まだやるに決まってんだろ!!まだ負けてねーからな!!」
火火野「じゃ、その間にお前の相棒は殺されるかもしれんぞ?」
火村は、何かを感じ取った風だ。
火火野「あったことは無いが、その男の考えは何となく”視える”。多分、お前が早く向かった方が良いと思うぞ。」
火村「…分かった、行こう。」
部屋を出て、議会場へ向かう途中。
火村「俺達はどうなる?」
火火野「さぁな。お前らを裁く権利は俺にはない。」
火村「そうか…」
火火野「でもな…俺が考えている通りであるならば、この建物内では誰も死なせない。」
火村「……頼む…凪を、死なせないでくれ…」
ー現在ー
首相「君たち、ありがとう!本当にありがとう!!」
火火野「いえ。私たちは与えられた仕事を遂行したまでです。」
首相は頷き、波風に視線を落とす。
首相「君は波風商店の息子さんだね。大きくなられた。ご両親も天国でお喜びだろう。」
天岩は怒りが表情からこぼれて出ている。
里水は肩を叩いて、落ち着かせようとしている。
首相「あの時は…」
波風「もういいですよ。全部聞いてますから。もう謝らないでください。」
天岩は何が何だか?という感じだ。
波風「貴方は知らなかった。ショッピングモールが出来ることを。なんたって他の市の事だから。そして、両親の事件で、あの商店街がもうどうしようもない所まで追い詰められた時、貴方は道路の整備という名目で予算を組んで、商店街の人間が生活していけるだけのお金を立退料として配布した。」
首相「…それでも、私のしたことが許されるとは思っていないんだよ。君が受けたような事を、子供がお金が理由で不幸になることを防がねばならないと考えている。その為に、と言うと語弊があるが、ここまでやってきたんだ。そしてやっと、この国のトップになった。」
波風「凄い人ですよ。貴方は。市長なのに両親の葬式で土下座までして、何十分も謝罪して。…貴方が配布したお金と両親が残してくれた保険でお金には苦労しませんでしたよ。そして…心は、友のおかげで何とかなっています。」
首相「そうか…君に会えて本当に良かった。まぁ、起こした事件はどうかと思うがね。罪を償ったら、また会おう。」
波風「是非。」
そう言うと、首相は俺たちに手を振り、議会場から出て行った。
俺は、夢野長官に作戦の成功を伝え、事後を頼む。
天岩は、何が何だかのまんまだ。
火火野「簡単に言うとだ。風の奴が全ての罪を背負おうとしたんだよ。演技をしてな。」
天岩「そうなんだ?」
火火野「分かるだろ?首とばすだけなら、誘拐なんかせずに飛ばしとけばいい。」
天岩「たしかに。男同士の友情かー」
火火野「まぁ、やった事は絶対に許されることではないがな。」
雷華「どうなりますかねぇ。」
里水「今回は、事が事なだけに、読めないな。」
天岩「そういえば!中継されたんだっけ!?」
火火野「いーや、されてないみたいだぞ。そもそも、そっちは事前に夢野長官が止めてた。」
天岩「えーっ!私聞かされてないけど!!」
里水「まぁ、一番準備が遅かったお前が悪い。」
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