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5章 なんでもできる男のどうすることもできない過去
ー4969日目~マタアシタ~
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毎日、本当に幸せな日々だった。
命は、この頃大学を休むこともなく、毎日元気に通学していた。
隣同士の席に座り、友達の冷やかしもなくなってきた頃、俺は誕生日を迎える。
誕生日プレゼントは、2人で行くスノーボード。
運転は俺だけど、後は、命が全部おごってくれることになった。
大学生活が始まってからずっと行きたかったスノーボード。
きっと、友達と男ばっかりで行くものだと思っていたが…
隣に女の子、しかも彼女と2人きりで行くことになるとは。
本当に夢みたいだ。
自転車で、レンタカーを借りてから、命の家に迎えに行く。
俺のアパートから、命の実家までの道中は、だいぶ見慣れた風景になってきた。
コンビニを曲がって、葬儀場の横を通り、突き当りを左に曲がって住宅街のほぼ真ん中くらい。
ご家族には挨拶させてもらってはいない。まだ。
メールで命に連絡して、家の外に出てきてもらう。
命「おー、4WD、スタッドレスタイヤ付き!高いだけあってなかなかいい車じゃん。」
火火野「うん…ペーパーの俺は運転が恐ろしいよ…」
命「えー。運転下手は女の子にもてないぞ?」
火火野「いいんだよ。一人だけに好かれれば。」
命「ふふっ、はっはっはー。惚気(のろけ)てんなよw」
火火野「自分で言う?w」
そんな感じでドライブ中から命は楽しそうだった。
今まであんまり運動してこなかったらしく、こわーいとかはしゃいでいる。
俺は…そんな命にドキドキしながら、俺もスノボ初体験だから格好悪いことにならないかビクビクもしていた。
オープン前15分前にスキー場に到着。
2人共道具はレンタルだ。
命「じゃ、ウェアに着替えてここに集合ね。」
火火野「あぁ。」
10分後。
命「やっぱり、レンタルだとかわいいの無いねぇ。」
ピンク基調のウェア。
たしかに、オシャレとは言い難い、一昔前のデザインだ。
が、しかし、美しい…
自前で買った白いニット帽がなぜかフィットしている!
火火野「…いや!似合ってると思うよ。」
命「ホントにぃ?…」
火火野「?どうかした?」
命がちょっと、口元を抑えた気がした。
命「ううん!行こッ!」
火火野「あ…あぁ。」
レンタルで借りた、ボードを持って、初心者コースへ向かう。
今日は良い天気だが、雪は大量だ。
スキー場は今年、当たり年だそうだ。
火火野「うぉぁ!」
命「あっはっは!!」
火火野「くそぅ、雪ってこんなに滑んのかよ。」
命「滑らないと意味ないじゃん。」
悪戦苦闘しながら、1時間ほどたつと、コケることがないくらいには滑れるようになった。
ターンなどには程遠いが。
命も、思ったより滑れていて…俺より滑れている?
火火野「もうターンできるのかよー真っすぐ下に向いたときスピードでて怖くね?」
命「そう?風が気持ちいいよ。」
そういうもんなのか。
いう事の聞かないボードが勝手に滑っていきそうになるのは、恐怖だが。
まぁ、命が楽しそうなら良いか。
その後も、昼食を食べて夕方までスノーボードを楽しんだ。
も…もしかして…この後…
命「あーーー楽しかったぁ!」
火火野「俺の誕生日だったんだけどw」
命「…そうだったね。私が楽しんじゃった。」
火火野「まぁ、楽しそうな命が見れたし、俺も楽しかったよ。」
命「また来たいね…」
火火野「?来れるさ。今度は俺が出すよ。」
命「…うん!楽しみにしとく。」
その笑顔は、本当にカワイイ。
その後、帰宅の途に着き、ドライブ中も楽しくお喋りした。
俺は、口から出そうな言葉が出ないまま、命の家の前に着いた。
火火野「今日は、ありがとうな。本当に楽しかった。」
命「ううん。私もホントーに楽しかった。」
そう言うと、ドアを開けようとする。
俺は、残念そうな表情が顔から漏れていたと思う。
命「あっ、そうだ、忘れ物してた。」
そういうと、こっちを向いて、残念顔の俺に接吻をする。
すごいスローモーションに感じる。
ゆっくり命の顔が離れていき、俺と目が合う。
命「ハッピーバースディ!晃太!大好きだよ!!」
俺はどんな顔をしていただろう。
多分、ものすごい間の抜けた顔だろう。
火火野「あぁ…あぁ!俺も大好きだよ!」
命は、満面の笑みで返してくれる。
命「じゃぁね。また、明日!」
火火野「あぁ、またアシタな。」
俺は、ドアを開けて家に入る命を見届ける。
家に入る前に、こっちを見て手を振ってくれた。
…泣いている?
ように見えたが、気のせいだろう。
俺はだらけ切った顔で、家に帰る。
…命を見たのはこれが最期だった。
命は、この頃大学を休むこともなく、毎日元気に通学していた。
隣同士の席に座り、友達の冷やかしもなくなってきた頃、俺は誕生日を迎える。
誕生日プレゼントは、2人で行くスノーボード。
運転は俺だけど、後は、命が全部おごってくれることになった。
大学生活が始まってからずっと行きたかったスノーボード。
きっと、友達と男ばっかりで行くものだと思っていたが…
隣に女の子、しかも彼女と2人きりで行くことになるとは。
本当に夢みたいだ。
自転車で、レンタカーを借りてから、命の家に迎えに行く。
俺のアパートから、命の実家までの道中は、だいぶ見慣れた風景になってきた。
コンビニを曲がって、葬儀場の横を通り、突き当りを左に曲がって住宅街のほぼ真ん中くらい。
ご家族には挨拶させてもらってはいない。まだ。
メールで命に連絡して、家の外に出てきてもらう。
命「おー、4WD、スタッドレスタイヤ付き!高いだけあってなかなかいい車じゃん。」
火火野「うん…ペーパーの俺は運転が恐ろしいよ…」
命「えー。運転下手は女の子にもてないぞ?」
火火野「いいんだよ。一人だけに好かれれば。」
命「ふふっ、はっはっはー。惚気(のろけ)てんなよw」
火火野「自分で言う?w」
そんな感じでドライブ中から命は楽しそうだった。
今まであんまり運動してこなかったらしく、こわーいとかはしゃいでいる。
俺は…そんな命にドキドキしながら、俺もスノボ初体験だから格好悪いことにならないかビクビクもしていた。
オープン前15分前にスキー場に到着。
2人共道具はレンタルだ。
命「じゃ、ウェアに着替えてここに集合ね。」
火火野「あぁ。」
10分後。
命「やっぱり、レンタルだとかわいいの無いねぇ。」
ピンク基調のウェア。
たしかに、オシャレとは言い難い、一昔前のデザインだ。
が、しかし、美しい…
自前で買った白いニット帽がなぜかフィットしている!
火火野「…いや!似合ってると思うよ。」
命「ホントにぃ?…」
火火野「?どうかした?」
命がちょっと、口元を抑えた気がした。
命「ううん!行こッ!」
火火野「あ…あぁ。」
レンタルで借りた、ボードを持って、初心者コースへ向かう。
今日は良い天気だが、雪は大量だ。
スキー場は今年、当たり年だそうだ。
火火野「うぉぁ!」
命「あっはっは!!」
火火野「くそぅ、雪ってこんなに滑んのかよ。」
命「滑らないと意味ないじゃん。」
悪戦苦闘しながら、1時間ほどたつと、コケることがないくらいには滑れるようになった。
ターンなどには程遠いが。
命も、思ったより滑れていて…俺より滑れている?
火火野「もうターンできるのかよー真っすぐ下に向いたときスピードでて怖くね?」
命「そう?風が気持ちいいよ。」
そういうもんなのか。
いう事の聞かないボードが勝手に滑っていきそうになるのは、恐怖だが。
まぁ、命が楽しそうなら良いか。
その後も、昼食を食べて夕方までスノーボードを楽しんだ。
も…もしかして…この後…
命「あーーー楽しかったぁ!」
火火野「俺の誕生日だったんだけどw」
命「…そうだったね。私が楽しんじゃった。」
火火野「まぁ、楽しそうな命が見れたし、俺も楽しかったよ。」
命「また来たいね…」
火火野「?来れるさ。今度は俺が出すよ。」
命「…うん!楽しみにしとく。」
その笑顔は、本当にカワイイ。
その後、帰宅の途に着き、ドライブ中も楽しくお喋りした。
俺は、口から出そうな言葉が出ないまま、命の家の前に着いた。
火火野「今日は、ありがとうな。本当に楽しかった。」
命「ううん。私もホントーに楽しかった。」
そう言うと、ドアを開けようとする。
俺は、残念そうな表情が顔から漏れていたと思う。
命「あっ、そうだ、忘れ物してた。」
そういうと、こっちを向いて、残念顔の俺に接吻をする。
すごいスローモーションに感じる。
ゆっくり命の顔が離れていき、俺と目が合う。
命「ハッピーバースディ!晃太!大好きだよ!!」
俺はどんな顔をしていただろう。
多分、ものすごい間の抜けた顔だろう。
火火野「あぁ…あぁ!俺も大好きだよ!」
命は、満面の笑みで返してくれる。
命「じゃぁね。また、明日!」
火火野「あぁ、またアシタな。」
俺は、ドアを開けて家に入る命を見届ける。
家に入る前に、こっちを見て手を振ってくれた。
…泣いている?
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