突然能力に目覚めた男の730日

こうめい

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6章 始めるための終わり

601日目 決戦前夜

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龍王たちの宣戦布告からあっと言う間に2か月が過ぎ、決戦を明日に控えていた。

1月末と2月末のOSLCは、対NHU対策を行ったため序列は変わらず、俺はナンバー2のまま龍皇と戦うことになる。

里水「…俺たち3人相手によく戦えるものだな。1月もそうだったが、更に”巧く”なっている。」
火火野「おいおいーここに至って含ますなよ。言いたいんだろ?まだ、届いてないって。」
天岩「アンタが、一番分かってるんだろ?数は意味がないって。この模擬戦じゃ、対龍皇の対策になりゃしない。」
雷華「…」

雷華も、他の2人と同意見だろう。

俺は、雷華の頭にポンと手を置き。

火火野「心配すんな。年始は失敗してしまったが、新技もあるから。」
里水「…あの出そうとしていた技が…。いや、信じよう。だが、龍皇とて前のままじゃないだろう。」
火火野「あぁ。そうだろうな。」
天岩「…全部分かってるような顔して、ホントはどこまで分かってんだか?」
火火野「フッ。どんだけ強くなったかなんて分らんさ。でもこっちが強くなってんだから、あっちもそうだろうってだけだ。間違いないのは、龍皇は強い。とんでもなくな。」

雷華が、意を決した顔で言葉を発する。

雷華「本当に戦わないといけないのかな。」
3人「え?」
雷華「今からでも…話し合いとかで何とかならないのかな!?長官のお父さんだし!話せば…」
火火野「雷華。」

俺は、雷華の言葉を遮る。

火火野「なぁ、雷華。白色って好きだろ?」
雷華「えっ?あ、うん。」
火火野「じゃ、白って何色だ?」

雷華は、?を表情に出す。

火火野「白衣の色か?ウェディングドレスの色か?雲や飛行機も白だろ?でもどれも一緒じゃない。白って誰もが分かるモノでさえ、人それぞれなんだよ。」

俺は少し溜めて。

火火野「龍皇が思っている白は、俺たちにとって黒なんだ。俺たちの白を白のまま推し通す為には、もう戦わないといけない。白と黒は混ざることはない。…悲しいけどコレ。戦争なのよね。」
天岩「シリアスな雰囲気でボケるんじゃないよ。」

俺は、ニヤッとする。

俺は、時計を確認する。

火火野「おっと行かないと!」
雷華「うん。いってらっしゃい。」
火火野「あぁ、行ってくる。」

”あれ”からは、命の月命日のお墓詣りは行っていなかった。
ただ、今回は決戦前でもしかすると、もう来れないかもしれないので、行くことにした。
縁起でもないか。

まぁ、日記の事とか色々報告もしたかったしな。

お墓に着いた俺は、日記の事や雷華との現状を話していた。

火火野「もしかすると明日の戦いで、ソッチに行くかもしれんなぁ。」
『まだ来るな!そんな気概でどうする!』
火火野「フッ、確かに。…じゃ、向かうか。」


ー数時間後。某所。

火火野「おっ、時間ぴったりだな。」
??「どういうつもりだ。用件次第では…」
火火野「どういうつもりだろうな。まぁ、せっかく来たんだから、帰るなんて言わずに着いて来いよ。」


俺は、ある人物と会っていた。
小一時間ほど話をして、俺は基地に戻る。

火火野「ただいま。」
雷華「…遅かったね。」
火火野「あ、風を撒いた事、怒ってんだろ?」
雷華「ムゥ!」
火火野「追われたら逃げたくなる性分なんだよ。駆のせいでそんなクセが付いちまった。」

雷華の頭をポンポンする。
雷華は、はぐらかされた事に納得いっていないようだ。

火火野「さぁ、準備は整った。後は思いっきりぶっ飛ばすだけだ。」
雷華「うん。私が一番信じてる。晃太の強さを。」
火火野「あぁ、分かってるさ。でも、やっぱり言わないと伝わらない事もあるな。」
雷華「え?」

CHU

っと軽く、キスをする。
真っ白な肌が真っ赤になる雷華。

火火野「愛してる。」
雷華「ソレ…すごい、すっごい知ってるよ。でも、やっぱり嬉しいな。」


そして、決戦の日を迎える。
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