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第一章:天上のラストルーム
第5話:レベルアップ
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ステイタス画面にはプレイヤーの各項目が表示されている。
PN、HP、MP、経験値が冒頭に表示されており、下に続いていくと腕力、耐久力、魔力、俊敏、器用、魅了、知力、体力、運、最後にDPが数値化されている。
DPに関しては受けた回数が表示されており、これはプレイヤーランキングにおいて重要視される数字なのだが、今のアルストには無意味なので気にしない。
ベースとなるアルスト――全てのプレイヤー――の能力値は全てが10で統一されており、そこからレベルが上がる度に運とDP以外の数値が1ずつ上昇する。加えて、プレイヤー好みに5の数値を好きなステイタスに割り振ることができる。
アルストのように魔導剣術士を目指しているにもかかわらず、魅了だけが極端に伸びるなんてことはない。
「とりあえず、今は剣術士なわけだから腕力と、耐久力と、敏捷に振り分けるか」
腕力に2、耐久力に2、敏捷に1を割り振ったアルストは、改めてステイタスを確認する。
アルスト:レベル2
腕力:13(+5)
耐久力:13(+5)
魔力:11(0)
俊敏:12(+3)
器用:11(0)
魅了:11(0)
知恵:11(0)
体力:11(+2)
運:10(0)
DP:0
カッコ内の数字は職業補正の数字である。
職業レベルが上がれば補正効果も上がるのでより強くなれるのだが、初期職の補正効果はそれほど高くないので全てのプレイヤーが発展職、さらにその先の複合職をまずは目指すのだ。
「地道にコツコツと、かぁ。大変だなぁ」
ここに表示されているのは、あくまでも基本ステイタスと職業補正の数値だけ。他のプレイヤーに見せるのは基本こちらの画面となる。
固有能力の補正は本人しか見ることができない別のページにあり、アルストが今見ているページからは閲覧できない。
「まあ、たった10%だし、今のステイタスなら頭の中でも簡単に計算できるからな」
と言って確認をせずに、次のモンスターを探すべく歩きだした。
次に現れたのは、こちらも最弱の異名をスライムと争うモンスター。
「あれは……ゴブリンか!」
アルストの身長が180センチなのに対して、ゴブリンは半分以下の身長である。
手にはこん棒が握られており、先ほどのスライムと比べて攻撃方法は分かりやすい。
ゴブリンもアルストに気づいたのか、ニヤリと笑みを刻むとこん棒を振り回しながら駆け出してきた。
「スライムよりもゴブリンの方が強いのかな? まあ、とりあえず倒しておくか」
再び初心者の剣を構えたアルストは、ゴブリンが振り上げたこん棒目掛けて横薙ぎを放つ。
武器と武器がぶつかり合うと、通路には甲高い音が響き渡る。
軽く腕に痺れを覚えたが、壁を斬りつけた時よりかは衝撃は少ない。
僅かだが斬れ味ゲージが減ったものの、まだまだ許容範囲内だろう。
さらにアルストが見たのは打ち合った衝撃でよろけるゴブリンの姿だった。
「はあっ!」
大きく一歩を踏み出したアルストは、ゴブリンの胸目掛けて刺突を繰り出した。
僅かな抵抗をその手に感じながら、刀身がゴブリンの胸へ侵入。肉を引き裂き、骨を砕き、背中へと抜ける。
スライムと同様に光の粒子になったのを見て、倒したのだと確信は持てた。
それなのだが、アルストの表情は晴れていない。
「……こ、この感触って、ここまでリアルなのか?」
ゴブリンの体内に刀身が侵入した時、アルストは嫌悪感を覚えていた。
肉の塊に包丁を突き刺したらこんな感じなのかもしれない、と考える。
ここはゲームの世界――天上のラストルームの世界なのだが、それでもこのリアリティは慣れるまで大変だと思ってしまった。
「骨を斬った感触まで、手に残ってるんだけど」
斬る、というよりも砕く、という感想が正しいかもしれないが、そんなことをアルストが知っているわけもない。
それでも手に残った感触は本物であり、アルストが感じた嫌悪感も間違いなく本物だろう。
「……ひ、人に近いのは苦手かもな」
どうしても脳裏には人を斬ってしまった、という錯覚が生まれてしまう。これも慣れと言われればそれまでなのだが、アルストには少し時間がかかるかもしれない。
そう思いながら、レベル上げと人形を倒すのに慣れるため、しばらくの間は一階層を楽しむことにした。
一階層にはスライムやゴブリン以外にも様々なモンスターが存在している。
猫のようなベビーパンサー。
二足歩行で犬のようなブルブック。
飛んだり跳ねたりを繰り返しているモスキートーン。
今挙げた三種類のモンスターにアルストは遭遇した。
一階層だからなのか、ほとんどのモンスターは一撃で仕留めることができ、そうじゃない場合でも二回の斬撃では確実に仕留めている。
レベル上げを初めて一時間が経った時には、二回の斬撃が必要だったモンスターも一撃で仕留められるようになっていた。
『おめでとうございます。アルスト様のレベルが4に上がりました』
『おめでとうございます。剣術士のレベルが4に上がりました』
レベルも上がり、アルストは一旦ステイタスを割り振ることにした。その結果――
アルスト:レベル4
腕力:20(+7)
耐久力:17(+7)
魔力:13(0)
俊敏:15(+5)
器用:13(0)
魅了:13(0)
知恵:13(0)
体力:15(+3)
運:10(0)
DP:0
これが一階層のモンスターに対して強いのか弱いのかは分からないが、とりあえず全く苦にすることなく倒せている。
いくつかのドロップアイテムも手に入り、ゲーム内通貨であるGも貯まってきた。アルストは初期装備からの脱却を図るためアーカイブへと戻って行った。
PN、HP、MP、経験値が冒頭に表示されており、下に続いていくと腕力、耐久力、魔力、俊敏、器用、魅了、知力、体力、運、最後にDPが数値化されている。
DPに関しては受けた回数が表示されており、これはプレイヤーランキングにおいて重要視される数字なのだが、今のアルストには無意味なので気にしない。
ベースとなるアルスト――全てのプレイヤー――の能力値は全てが10で統一されており、そこからレベルが上がる度に運とDP以外の数値が1ずつ上昇する。加えて、プレイヤー好みに5の数値を好きなステイタスに割り振ることができる。
アルストのように魔導剣術士を目指しているにもかかわらず、魅了だけが極端に伸びるなんてことはない。
「とりあえず、今は剣術士なわけだから腕力と、耐久力と、敏捷に振り分けるか」
腕力に2、耐久力に2、敏捷に1を割り振ったアルストは、改めてステイタスを確認する。
アルスト:レベル2
腕力:13(+5)
耐久力:13(+5)
魔力:11(0)
俊敏:12(+3)
器用:11(0)
魅了:11(0)
知恵:11(0)
体力:11(+2)
運:10(0)
DP:0
カッコ内の数字は職業補正の数字である。
職業レベルが上がれば補正効果も上がるのでより強くなれるのだが、初期職の補正効果はそれほど高くないので全てのプレイヤーが発展職、さらにその先の複合職をまずは目指すのだ。
「地道にコツコツと、かぁ。大変だなぁ」
ここに表示されているのは、あくまでも基本ステイタスと職業補正の数値だけ。他のプレイヤーに見せるのは基本こちらの画面となる。
固有能力の補正は本人しか見ることができない別のページにあり、アルストが今見ているページからは閲覧できない。
「まあ、たった10%だし、今のステイタスなら頭の中でも簡単に計算できるからな」
と言って確認をせずに、次のモンスターを探すべく歩きだした。
次に現れたのは、こちらも最弱の異名をスライムと争うモンスター。
「あれは……ゴブリンか!」
アルストの身長が180センチなのに対して、ゴブリンは半分以下の身長である。
手にはこん棒が握られており、先ほどのスライムと比べて攻撃方法は分かりやすい。
ゴブリンもアルストに気づいたのか、ニヤリと笑みを刻むとこん棒を振り回しながら駆け出してきた。
「スライムよりもゴブリンの方が強いのかな? まあ、とりあえず倒しておくか」
再び初心者の剣を構えたアルストは、ゴブリンが振り上げたこん棒目掛けて横薙ぎを放つ。
武器と武器がぶつかり合うと、通路には甲高い音が響き渡る。
軽く腕に痺れを覚えたが、壁を斬りつけた時よりかは衝撃は少ない。
僅かだが斬れ味ゲージが減ったものの、まだまだ許容範囲内だろう。
さらにアルストが見たのは打ち合った衝撃でよろけるゴブリンの姿だった。
「はあっ!」
大きく一歩を踏み出したアルストは、ゴブリンの胸目掛けて刺突を繰り出した。
僅かな抵抗をその手に感じながら、刀身がゴブリンの胸へ侵入。肉を引き裂き、骨を砕き、背中へと抜ける。
スライムと同様に光の粒子になったのを見て、倒したのだと確信は持てた。
それなのだが、アルストの表情は晴れていない。
「……こ、この感触って、ここまでリアルなのか?」
ゴブリンの体内に刀身が侵入した時、アルストは嫌悪感を覚えていた。
肉の塊に包丁を突き刺したらこんな感じなのかもしれない、と考える。
ここはゲームの世界――天上のラストルームの世界なのだが、それでもこのリアリティは慣れるまで大変だと思ってしまった。
「骨を斬った感触まで、手に残ってるんだけど」
斬る、というよりも砕く、という感想が正しいかもしれないが、そんなことをアルストが知っているわけもない。
それでも手に残った感触は本物であり、アルストが感じた嫌悪感も間違いなく本物だろう。
「……ひ、人に近いのは苦手かもな」
どうしても脳裏には人を斬ってしまった、という錯覚が生まれてしまう。これも慣れと言われればそれまでなのだが、アルストには少し時間がかかるかもしれない。
そう思いながら、レベル上げと人形を倒すのに慣れるため、しばらくの間は一階層を楽しむことにした。
一階層にはスライムやゴブリン以外にも様々なモンスターが存在している。
猫のようなベビーパンサー。
二足歩行で犬のようなブルブック。
飛んだり跳ねたりを繰り返しているモスキートーン。
今挙げた三種類のモンスターにアルストは遭遇した。
一階層だからなのか、ほとんどのモンスターは一撃で仕留めることができ、そうじゃない場合でも二回の斬撃では確実に仕留めている。
レベル上げを初めて一時間が経った時には、二回の斬撃が必要だったモンスターも一撃で仕留められるようになっていた。
『おめでとうございます。アルスト様のレベルが4に上がりました』
『おめでとうございます。剣術士のレベルが4に上がりました』
レベルも上がり、アルストは一旦ステイタスを割り振ることにした。その結果――
アルスト:レベル4
腕力:20(+7)
耐久力:17(+7)
魔力:13(0)
俊敏:15(+5)
器用:13(0)
魅了:13(0)
知恵:13(0)
体力:15(+3)
運:10(0)
DP:0
これが一階層のモンスターに対して強いのか弱いのかは分からないが、とりあえず全く苦にすることなく倒せている。
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