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第一章:天上のラストルーム
第18話:レベルアップの結果
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現れたモンスターを一掃した後は、ステイタスの振り分け作業になる。
「エレナさんはレベル2でしたから、最初の振り分けは終わっていますよね?」
「振り分けとはなんだ?」
「……そうでしたね。説明書を読んでいなかったんですよね」
溜息混じりに声を漏らしたアルストは、ヘルプからステイタス振り分けの項目を選んでもらい説明を行った。その際、アリーナから指摘された部分を補足することも忘れない。
「将来的にどの職業を目指すかを考えての振り分けですか」
「最初は今の職業を優先してもいいと思いますけど、ある程度の実力が付いてきたら先のことも考えて振り分けた方がいいと思います」
「ちなみに、アルスト殿はレベルいくつなのだ?」
「俺ですか? 俺は今しがた12になりましたけど」
「12ですか……」
「強いのだな……」
レアボスモンスターを倒したからだとは言えず、苦笑を浮かべるにとどめたアルスト。
「でも、今回の戦闘で二人のレベルも上がったんじゃないですか?」
「ファ、ファンファーレが煩かったです」
初めてファンファーレを聞いたアレッサが疲れた表情のまま呟いた。多くのモンスターを倒していたので、おそらく何度も鳴っていたのだろう。
「基本の補正もあるけど振り分けをしないともったいないから、余裕があるならすぐにやっておいた方がいいよ」
二人は手順通りにステイタス画面を開いて振り分け項目を選択して職業に合わせた振り分けを進めていく。その時間を利用してアルストも振り分けを行う。結果――
アレッサ:レベル4
腕力:13(0)
耐久力:13(0)
魔力:23(+10)
俊敏:13(0)
器用:15(+7)
魅了:13(0)
知恵:15(+7)
体力:13(0)
運:10(0)
DP:0
エレナ:レベル5
腕力:24(+12)
耐久力:19(+6)
魔力:14(0)
俊敏:16(+4)
器用:14(0)
魅了:14(0)
知恵:14(0)
体力:17(+6)
運:10(0)
DP:0
アルスト:レベル12
腕力:35(+15)
耐久力:30(+15)
魔力:25(0)
俊敏:30(+10)
器用:21(0)
魅了:21(0)
知恵:21(0)
体力:30(+8)
運:20(0)
DP:0
どうにかこうにかステイタスを割り振ることに成功した二人は安堵の表情を浮かべている。
ここに至り、戦い方指南も終わりステイタスの割り振り方も説明したわけで、アルストはこれ以上付き合う必要もなくなったと判断した。
「それじゃあ、これからは二人でもやれるよね」
「「えっ?」」
「……えっ?」
予想外の返答にアルストはオウム返しで呟きを漏らしてしまう。
「いや、何故そうなるんだ!」
「そうですよ! せっかく戦い方を学んだのですから、一緒にパーティを組んでみましょうよ!」
「うーん、俺はソロプレイを基本にしようと思っているので……」
「で、ですが、パーティを組んでいただけると言ってくれたじゃないですか!」
珍しくアレッサから強く言われたこともあり、アルストは少しだけ考えることにした。
確かにパーティを組むと言ってしまった。そして、指導もその一環でと自分では思っている。ならば、パーティを組まないのは規約違反ではないだろうか。
変なところで真面目に考えてしまったアルストは、溜息を漏らしながら顔を上げた。
「分かりました。ただし、パーティを組むのは一時だけです。その期限は俺が決めてもいいですか?」
了承の言葉と、一時という時間制限を設ける発言に、二人は一瞬喜びかけたがすぐに落ち込んでしまった。
「……今日だけ、というのはなしだぞ?」
「さすがにそこまではしませんよ。そうですねぇ……一週間ってのはどうですか?」
「一週間、ですか」
アルストの提案に、アレッサがうーんと唸り始めてしまった。
どんな事情があるか分からないアルストだが、自分が楽しむためにゲームをしているのだからソロプレイを諦めるわけにはいかない。
パーティを組めば相手のことを気にして自由に行動できなくなることがある。人見知りだから、というのが一番の理由なのだが、それ以外でも気を使うのが面倒くさいというのも理由の一つだった。
「……でしたら、次のイベント終了までというのはどうでしょうか?」
「イベント、ですか? 参加するんですか、このメンバーで?」
初心者三人組でベテランプレイヤーのパーティを相手に太刀打ちできるはずがないと、アルストは遠まわしに伝える。
「だが、参加賞は貰えるはずだぞ!」
「……説明書を読んでいない割には詳しいですね」
「イベントというのは楽しいものだからな! 調べたのさ!」
エレナの感覚が分からなくなったアルストはとりあえず追求することを止め、イベント参加のメリットを考え始める。
確かに参加賞は魅力的ではあるが、その間はバベル攻略に参加できなくなるのが攻略組からはネックになっている。
ただ、これはあくまでも攻略組の話であってアルストには当てはまらない。ソロで自分が楽しくプレイするために動いているのだから。
そう考えると、ソロでは不利と言われているイベントにパーティを組むこの機会で参加するのも悪くはないかと思い始めてきた。
「……分かりました、それじゃあ次のイベント内容にもよりますが、そうしましょう」
「あ、ありがとうございます!」
「よろしく頼む!」
「あはは。言っておきますけど、僕も初心者ですからね? そこまで頼りにならないと思いますよ?」
初心者三人組のパーティがイベントでどこまでやれるのかは定かではないが、アルストはせっかくなので今の状況も利用して楽しもうと決めた。
苦笑を浮かべるアルストとは異なり、エレナとアレッサは手を取り合って笑顔を浮かべている。
ここに至り、ようやく三人はパーティを組んだのだった。
「エレナさんはレベル2でしたから、最初の振り分けは終わっていますよね?」
「振り分けとはなんだ?」
「……そうでしたね。説明書を読んでいなかったんですよね」
溜息混じりに声を漏らしたアルストは、ヘルプからステイタス振り分けの項目を選んでもらい説明を行った。その際、アリーナから指摘された部分を補足することも忘れない。
「将来的にどの職業を目指すかを考えての振り分けですか」
「最初は今の職業を優先してもいいと思いますけど、ある程度の実力が付いてきたら先のことも考えて振り分けた方がいいと思います」
「ちなみに、アルスト殿はレベルいくつなのだ?」
「俺ですか? 俺は今しがた12になりましたけど」
「12ですか……」
「強いのだな……」
レアボスモンスターを倒したからだとは言えず、苦笑を浮かべるにとどめたアルスト。
「でも、今回の戦闘で二人のレベルも上がったんじゃないですか?」
「ファ、ファンファーレが煩かったです」
初めてファンファーレを聞いたアレッサが疲れた表情のまま呟いた。多くのモンスターを倒していたので、おそらく何度も鳴っていたのだろう。
「基本の補正もあるけど振り分けをしないともったいないから、余裕があるならすぐにやっておいた方がいいよ」
二人は手順通りにステイタス画面を開いて振り分け項目を選択して職業に合わせた振り分けを進めていく。その時間を利用してアルストも振り分けを行う。結果――
アレッサ:レベル4
腕力:13(0)
耐久力:13(0)
魔力:23(+10)
俊敏:13(0)
器用:15(+7)
魅了:13(0)
知恵:15(+7)
体力:13(0)
運:10(0)
DP:0
エレナ:レベル5
腕力:24(+12)
耐久力:19(+6)
魔力:14(0)
俊敏:16(+4)
器用:14(0)
魅了:14(0)
知恵:14(0)
体力:17(+6)
運:10(0)
DP:0
アルスト:レベル12
腕力:35(+15)
耐久力:30(+15)
魔力:25(0)
俊敏:30(+10)
器用:21(0)
魅了:21(0)
知恵:21(0)
体力:30(+8)
運:20(0)
DP:0
どうにかこうにかステイタスを割り振ることに成功した二人は安堵の表情を浮かべている。
ここに至り、戦い方指南も終わりステイタスの割り振り方も説明したわけで、アルストはこれ以上付き合う必要もなくなったと判断した。
「それじゃあ、これからは二人でもやれるよね」
「「えっ?」」
「……えっ?」
予想外の返答にアルストはオウム返しで呟きを漏らしてしまう。
「いや、何故そうなるんだ!」
「そうですよ! せっかく戦い方を学んだのですから、一緒にパーティを組んでみましょうよ!」
「うーん、俺はソロプレイを基本にしようと思っているので……」
「で、ですが、パーティを組んでいただけると言ってくれたじゃないですか!」
珍しくアレッサから強く言われたこともあり、アルストは少しだけ考えることにした。
確かにパーティを組むと言ってしまった。そして、指導もその一環でと自分では思っている。ならば、パーティを組まないのは規約違反ではないだろうか。
変なところで真面目に考えてしまったアルストは、溜息を漏らしながら顔を上げた。
「分かりました。ただし、パーティを組むのは一時だけです。その期限は俺が決めてもいいですか?」
了承の言葉と、一時という時間制限を設ける発言に、二人は一瞬喜びかけたがすぐに落ち込んでしまった。
「……今日だけ、というのはなしだぞ?」
「さすがにそこまではしませんよ。そうですねぇ……一週間ってのはどうですか?」
「一週間、ですか」
アルストの提案に、アレッサがうーんと唸り始めてしまった。
どんな事情があるか分からないアルストだが、自分が楽しむためにゲームをしているのだからソロプレイを諦めるわけにはいかない。
パーティを組めば相手のことを気にして自由に行動できなくなることがある。人見知りだから、というのが一番の理由なのだが、それ以外でも気を使うのが面倒くさいというのも理由の一つだった。
「……でしたら、次のイベント終了までというのはどうでしょうか?」
「イベント、ですか? 参加するんですか、このメンバーで?」
初心者三人組でベテランプレイヤーのパーティを相手に太刀打ちできるはずがないと、アルストは遠まわしに伝える。
「だが、参加賞は貰えるはずだぞ!」
「……説明書を読んでいない割には詳しいですね」
「イベントというのは楽しいものだからな! 調べたのさ!」
エレナの感覚が分からなくなったアルストはとりあえず追求することを止め、イベント参加のメリットを考え始める。
確かに参加賞は魅力的ではあるが、その間はバベル攻略に参加できなくなるのが攻略組からはネックになっている。
ただ、これはあくまでも攻略組の話であってアルストには当てはまらない。ソロで自分が楽しくプレイするために動いているのだから。
そう考えると、ソロでは不利と言われているイベントにパーティを組むこの機会で参加するのも悪くはないかと思い始めてきた。
「……分かりました、それじゃあ次のイベント内容にもよりますが、そうしましょう」
「あ、ありがとうございます!」
「よろしく頼む!」
「あはは。言っておきますけど、僕も初心者ですからね? そこまで頼りにならないと思いますよ?」
初心者三人組のパーティがイベントでどこまでやれるのかは定かではないが、アルストはせっかくなので今の状況も利用して楽しもうと決めた。
苦笑を浮かべるアルストとは異なり、エレナとアレッサは手を取り合って笑顔を浮かべている。
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