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第22話:辺境伯からの使者
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「お久しぶりです、バジリオ様」
「お前は、ハヴィ・ヴァルヴォーグか?」
門番が口にした名前のアルヴァは、ヴァルヴォーグ辺境伯の嫡男の名前だ。
対してバジリオの目の前に現れた男性は、次男のハヴィ・ヴァルヴォーグ。
アルヴァの敵だと言われて襲われたはずのバジリオだが、目の前にはアルヴァの弟であるハヴィが敵意もなく立っている。
「……いったい、何がどうなっていやがる?」
困惑声を漏らしながらも、バジリオは警戒を怠っていない。後ろに立つハヅキも同じだ。
そんな状況の中、ハヴィが口を開く。
「兄のアルヴァが、大変申し訳ございませんでした!」
突然の謝罪と共に、ハヴィは勢いよく頭を下げる。
相手が英雄とはいえ、貴族が頭を下げるのはそう多くはない。
まさかの事態に、バジリオは慌てて声を掛ける。
「か、顔を上げてくれ、ハヴィ!」
「いいえ。バジリオ様には昔からよくしていただいていたのに、このようなことになってしまい、本当に申し訳ない限りです」
「分かった、分かったから顔を上げてくれ!」
デュランダルを背に戻し、バジリオはハヴィの両肩に優しく手を置く。
その手を見てハヴィは、驚きと共にゆっくりと顔を上げる。
「ありがとうございます。……バジリオ様、その左腕は? それに、右足まで?」
「説明すると長くなるんだが……それよりも、いったい何があったんだ? アルヴァはいったい、どうしちまったんだ?」
自分のことは後回しでいいだろうと、バジリオはハヴィに問い掛けた。
するとハヴィは渋面となり、悔しそうに口を開く。
「……半月ほど前、アルヴァが突如として謀反を起こしたのです」
「謀反、だと? あのアルヴァがか?」
バジリオはヴァルヴォーグ辺境伯の屋敷で世話になっている時、アルヴァとハヴィとは何度も顔を合わせていた。
その頃のアルヴァは正義感が強く、弱きを助ける素晴らしい人格の持ち主で、ハヴィは心優しい少年だったと記憶している。
そんなアルヴァが謀反を起こしたと聞かされても、バジリオはすぐに信じることができなかった。
「僕たちも、信じられませんでした。その日を境に、まるで人が変わったように、突然乱暴な性格になってしまったんです」
「そんなことがあり得るのか? いや、だとしてもヴァルヴォーグ辺境伯が黙っていないだろう」
アルヴァが謀反を起こしたのであれば、それを鎮圧しようとヴァルヴォーグ辺境伯が動くはずだとバジリオは聞いてみた。
「……父上は、毒を盛られてしまい、動けなくなってしまいました」
「な、なんだと!?」
「ここの森の中には、父上が何かあった時にと建てていた小屋の一つがありまして、僕もそちらに避難している状況です」
「あの辺境伯が毒を盛られただと? ……まさか、それもアルヴァが?」
バジリオの問い掛けに、ハヴィは悔しそうに頷く。
「……ハヴィ。俺を辺境伯に会わせてくれないか?」
そして、バジリオはそんな提案を口にした。
「よろしいのですか?」
「あぁ。元から辺境伯に会いに、ヴァルジーナに来ていたんだ。こうして新しい腕と足を手に入れることもできたからな。何かできればと思っているよ。キリカとハヅキもいいか?」
バジリオが笑いながらそう口にすると、ハヴィの目からは自然と涙が零れ落ちた。
そして、キリカとハヅキも大きく頷いた。
「……あ、ありがとうございます、バジリオ様! 何卒、何卒父上を、助けてください!」
涙しながらバジリオにすがるように頭を下げたハヴィを見て、彼はヴァルヴォーグ辺境伯との過去のやり取りを思い出す。
(子供たちの愚痴も聞かされたことがあったが、そんな時も笑顔で語ってくれていたっけ。……何が起きているのか、俺が確かめてやるさ)
ヴァルヴォーグ辺境伯へ恩返しをするべく、バジリオたちはハヴィの案内で歩き出した。
「お前は、ハヴィ・ヴァルヴォーグか?」
門番が口にした名前のアルヴァは、ヴァルヴォーグ辺境伯の嫡男の名前だ。
対してバジリオの目の前に現れた男性は、次男のハヴィ・ヴァルヴォーグ。
アルヴァの敵だと言われて襲われたはずのバジリオだが、目の前にはアルヴァの弟であるハヴィが敵意もなく立っている。
「……いったい、何がどうなっていやがる?」
困惑声を漏らしながらも、バジリオは警戒を怠っていない。後ろに立つハヅキも同じだ。
そんな状況の中、ハヴィが口を開く。
「兄のアルヴァが、大変申し訳ございませんでした!」
突然の謝罪と共に、ハヴィは勢いよく頭を下げる。
相手が英雄とはいえ、貴族が頭を下げるのはそう多くはない。
まさかの事態に、バジリオは慌てて声を掛ける。
「か、顔を上げてくれ、ハヴィ!」
「いいえ。バジリオ様には昔からよくしていただいていたのに、このようなことになってしまい、本当に申し訳ない限りです」
「分かった、分かったから顔を上げてくれ!」
デュランダルを背に戻し、バジリオはハヴィの両肩に優しく手を置く。
その手を見てハヴィは、驚きと共にゆっくりと顔を上げる。
「ありがとうございます。……バジリオ様、その左腕は? それに、右足まで?」
「説明すると長くなるんだが……それよりも、いったい何があったんだ? アルヴァはいったい、どうしちまったんだ?」
自分のことは後回しでいいだろうと、バジリオはハヴィに問い掛けた。
するとハヴィは渋面となり、悔しそうに口を開く。
「……半月ほど前、アルヴァが突如として謀反を起こしたのです」
「謀反、だと? あのアルヴァがか?」
バジリオはヴァルヴォーグ辺境伯の屋敷で世話になっている時、アルヴァとハヴィとは何度も顔を合わせていた。
その頃のアルヴァは正義感が強く、弱きを助ける素晴らしい人格の持ち主で、ハヴィは心優しい少年だったと記憶している。
そんなアルヴァが謀反を起こしたと聞かされても、バジリオはすぐに信じることができなかった。
「僕たちも、信じられませんでした。その日を境に、まるで人が変わったように、突然乱暴な性格になってしまったんです」
「そんなことがあり得るのか? いや、だとしてもヴァルヴォーグ辺境伯が黙っていないだろう」
アルヴァが謀反を起こしたのであれば、それを鎮圧しようとヴァルヴォーグ辺境伯が動くはずだとバジリオは聞いてみた。
「……父上は、毒を盛られてしまい、動けなくなってしまいました」
「な、なんだと!?」
「ここの森の中には、父上が何かあった時にと建てていた小屋の一つがありまして、僕もそちらに避難している状況です」
「あの辺境伯が毒を盛られただと? ……まさか、それもアルヴァが?」
バジリオの問い掛けに、ハヴィは悔しそうに頷く。
「……ハヴィ。俺を辺境伯に会わせてくれないか?」
そして、バジリオはそんな提案を口にした。
「よろしいのですか?」
「あぁ。元から辺境伯に会いに、ヴァルジーナに来ていたんだ。こうして新しい腕と足を手に入れることもできたからな。何かできればと思っているよ。キリカとハヅキもいいか?」
バジリオが笑いながらそう口にすると、ハヴィの目からは自然と涙が零れ落ちた。
そして、キリカとハヅキも大きく頷いた。
「……あ、ありがとうございます、バジリオ様! 何卒、何卒父上を、助けてください!」
涙しながらバジリオにすがるように頭を下げたハヴィを見て、彼はヴァルヴォーグ辺境伯との過去のやり取りを思い出す。
(子供たちの愚痴も聞かされたことがあったが、そんな時も笑顔で語ってくれていたっけ。……何が起きているのか、俺が確かめてやるさ)
ヴァルヴォーグ辺境伯へ恩返しをするべく、バジリオたちはハヴィの案内で歩き出した。
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