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第1章:異世界転生
驚きのステータス?
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ステータスは確認するということなので、俺はステータス画面を出してギルマスに向ける。
「もっとこちらに寄ってきてもいいんだぞ?」
「遠慮しておきます。ここからでも見れるでしょうに」
「なんだ、つれないなぁ」
「ちょっと師匠!」
この人、毎回こんな感じなのだろうか。
そうなると相手にするだけで面倒なのでこの一回で全ての用事が終わって欲しいものである。
「冗談が通じない生娘だなぁ。年齢は私よりも上のくせに」
「ちょっと! それを男の人の前で言いますか!」
「はいはい。とりあえずアマカワのステータスだな。……ほうほう……魅力がやけに高いが……まあ、この見た目だしなぁ」
「そこは俺のせいじゃありません。駄女神のせいですから」
「……駄女神?」
俺はグランザリウスに転生した時の状況を説明した。
すると、リリアーナだけではなくギルマスまで口を開けたまま固まってしまったので、ギルマスの貴重な表情を見れた気がする。
「……その、なんていうか、とても変わった女神だったんだな」
「……ねえ、その女神って、本当に女神なの?」
「俺も疑問しか浮かばないが、言っていたことは正しかったし、女神ではあるんだろう」
見た目かわいいし、賢者だし、見た目プリティだし、俺のいた世界と全く違う世界だし、見た目がかわいくてプリティだし。
……なんか、自分で考えて嫌になってきたよ。
「と、とりあえずだ。魅力以外の数値は同年代の男性と同じくらいだから戦闘においては特別強いとか弱いとかないのかな?」
「いえ、アマカワの場合はそのスキルがとても貴重なんですよ」
「スキルが? だが、スキルは生まれ持っての才能であり、新しく習得するにはスキル書が必要になる。リリアーナも知っているだろう」
「えっと、俺はレベルアップした時に手に入るスキルポイントってやつで、新しいスキルを習得することができるんです」
「……はあ?」
おぉ。本日二度目のギルマス驚きの表情。
気づいてはいたけど、俺ってやっぱりチートのようだな。
「ちょっと待ってくださいね……はい、これが俺が習得しているスキルです」
「どれどれ……鑑定に狩人、裁縫に野営にナイフ術? なんだかバラバラだなぁ」
「転生先がエルフの森の中だったので、生き残るために必要そうなものを片っ端から習得してたんです」
「それから……生産系のスキルもあれば、言う通りで生き残るために必要そうなスキルが多いな……って、ちょっと待て! 重力制御に空間収納だと!」
この人、最初はクールっぽい雰囲気を出してたけど、本当は悪戯っ子で表情豊かな人のようだ。
驚いた表情も貴重ではなかったよ。
「……なんとまあ、恐ろしいくらいに優秀なスキルまで持っているものだな」
「それと、こっちがこれから習得できるスキルの一覧になります」
「……さすが賢者というべきか」
「あ、やっぱり師匠もそう思いますよね」
「それはそうだろう。これほどのスキルを習得しておきながら、まだまだ習得できるとなれば誰も彼もがアマカワを欲しがるぞ」
「師匠。言っておきますけど、これがあるから賢者ってわけじゃないんですよ」
「どういうことだ? アマカワ、まだ何かを隠しているのか?」
「隠しているわけではないんですが……見ます?」
俺の問い掛けにギルマスは無言のまま何度も頷いている。
ならばと俺は本来使えるはずの魔法一覧を見せることにした。
「魔法一覧か……なっ……これは……マジでか……」
「マジです。だけど、見てもらったから分かると思いますが、俺の魔力ではどの魔法も全く使えないんです」
「それで、賢者なのにナイフ術を習得したというわけか。納得はできた……できたが、何故だろうな。ものすごくもったいないという気持ちが湧き上がってくるよ」
「それは俺自身が心底そう思っていますよ」
肩を竦めながらそう口にしたのだが、その反応には意外そうな表情を見せてくれた。
「なんだ、そこまでもったいなさそうには見えないぞ?」
「そうですか? ……まあ、俺のいた世界には魔法とかスキルとか、そんなものありませんでしたからね。賢者で魔法が使えなくても、スキルがあればそれだけでここは別の世界なんだなーって思えるんですよ」
「……そうか。変なことを言ってすまなかったな」
「いえ、心配してくれているのは分かってますから」
苦笑しながらそう言った俺を見て、今度はリリアーナが問い掛けてきた。
「……アマカワは、元の世界に戻りたいとは思わないの?」
「元の世界に? ……どうだろうな。俺という人間が生きていたなら戻りたいと思ったかもしれないけど、駄女神が言うには死んだらしいからな」
「えっ?」
「元の世界に転生したとしても、それは俺ではなくて全く別の誰かになってしまうんだ。それなら、俺という人格があるということなら、グランザリウスで新しい人生をやり直すのも面白いかなって思っているよ」
今度は苦笑ではなく、本心から笑うことができた。
そう、これが俺の本心であり、偽りない事実だから。
「だからさ、グランザリウスのことを色々と教えてくれよな、リリアーナ」
「……ま、任せてちょうだい! 私がアマカワになんでも教えてあげるんだからね!」
「ほうほう、なんでもか。そのなんでもというのは、大人の付き合いというのも含まれているのかな?」
「お、大人の、付き合い? …………へ、へへへへ、変なことを言わないでください!」
……この二人は、いつも賑やかなんだろうなぁ。
「もっとこちらに寄ってきてもいいんだぞ?」
「遠慮しておきます。ここからでも見れるでしょうに」
「なんだ、つれないなぁ」
「ちょっと師匠!」
この人、毎回こんな感じなのだろうか。
そうなると相手にするだけで面倒なのでこの一回で全ての用事が終わって欲しいものである。
「冗談が通じない生娘だなぁ。年齢は私よりも上のくせに」
「ちょっと! それを男の人の前で言いますか!」
「はいはい。とりあえずアマカワのステータスだな。……ほうほう……魅力がやけに高いが……まあ、この見た目だしなぁ」
「そこは俺のせいじゃありません。駄女神のせいですから」
「……駄女神?」
俺はグランザリウスに転生した時の状況を説明した。
すると、リリアーナだけではなくギルマスまで口を開けたまま固まってしまったので、ギルマスの貴重な表情を見れた気がする。
「……その、なんていうか、とても変わった女神だったんだな」
「……ねえ、その女神って、本当に女神なの?」
「俺も疑問しか浮かばないが、言っていたことは正しかったし、女神ではあるんだろう」
見た目かわいいし、賢者だし、見た目プリティだし、俺のいた世界と全く違う世界だし、見た目がかわいくてプリティだし。
……なんか、自分で考えて嫌になってきたよ。
「と、とりあえずだ。魅力以外の数値は同年代の男性と同じくらいだから戦闘においては特別強いとか弱いとかないのかな?」
「いえ、アマカワの場合はそのスキルがとても貴重なんですよ」
「スキルが? だが、スキルは生まれ持っての才能であり、新しく習得するにはスキル書が必要になる。リリアーナも知っているだろう」
「えっと、俺はレベルアップした時に手に入るスキルポイントってやつで、新しいスキルを習得することができるんです」
「……はあ?」
おぉ。本日二度目のギルマス驚きの表情。
気づいてはいたけど、俺ってやっぱりチートのようだな。
「ちょっと待ってくださいね……はい、これが俺が習得しているスキルです」
「どれどれ……鑑定に狩人、裁縫に野営にナイフ術? なんだかバラバラだなぁ」
「転生先がエルフの森の中だったので、生き残るために必要そうなものを片っ端から習得してたんです」
「それから……生産系のスキルもあれば、言う通りで生き残るために必要そうなスキルが多いな……って、ちょっと待て! 重力制御に空間収納だと!」
この人、最初はクールっぽい雰囲気を出してたけど、本当は悪戯っ子で表情豊かな人のようだ。
驚いた表情も貴重ではなかったよ。
「……なんとまあ、恐ろしいくらいに優秀なスキルまで持っているものだな」
「それと、こっちがこれから習得できるスキルの一覧になります」
「……さすが賢者というべきか」
「あ、やっぱり師匠もそう思いますよね」
「それはそうだろう。これほどのスキルを習得しておきながら、まだまだ習得できるとなれば誰も彼もがアマカワを欲しがるぞ」
「師匠。言っておきますけど、これがあるから賢者ってわけじゃないんですよ」
「どういうことだ? アマカワ、まだ何かを隠しているのか?」
「隠しているわけではないんですが……見ます?」
俺の問い掛けにギルマスは無言のまま何度も頷いている。
ならばと俺は本来使えるはずの魔法一覧を見せることにした。
「魔法一覧か……なっ……これは……マジでか……」
「マジです。だけど、見てもらったから分かると思いますが、俺の魔力ではどの魔法も全く使えないんです」
「それで、賢者なのにナイフ術を習得したというわけか。納得はできた……できたが、何故だろうな。ものすごくもったいないという気持ちが湧き上がってくるよ」
「それは俺自身が心底そう思っていますよ」
肩を竦めながらそう口にしたのだが、その反応には意外そうな表情を見せてくれた。
「なんだ、そこまでもったいなさそうには見えないぞ?」
「そうですか? ……まあ、俺のいた世界には魔法とかスキルとか、そんなものありませんでしたからね。賢者で魔法が使えなくても、スキルがあればそれだけでここは別の世界なんだなーって思えるんですよ」
「……そうか。変なことを言ってすまなかったな」
「いえ、心配してくれているのは分かってますから」
苦笑しながらそう言った俺を見て、今度はリリアーナが問い掛けてきた。
「……アマカワは、元の世界に戻りたいとは思わないの?」
「元の世界に? ……どうだろうな。俺という人間が生きていたなら戻りたいと思ったかもしれないけど、駄女神が言うには死んだらしいからな」
「えっ?」
「元の世界に転生したとしても、それは俺ではなくて全く別の誰かになってしまうんだ。それなら、俺という人格があるということなら、グランザリウスで新しい人生をやり直すのも面白いかなって思っているよ」
今度は苦笑ではなく、本心から笑うことができた。
そう、これが俺の本心であり、偽りない事実だから。
「だからさ、グランザリウスのことを色々と教えてくれよな、リリアーナ」
「……ま、任せてちょうだい! 私がアマカワになんでも教えてあげるんだからね!」
「ほうほう、なんでもか。そのなんでもというのは、大人の付き合いというのも含まれているのかな?」
「お、大人の、付き合い? …………へ、へへへへ、変なことを言わないでください!」
……この二人は、いつも賑やかなんだろうなぁ。
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