異世界では人並みに幸せになれますように

36

「誰だ！そこで何をしている！聖獣様に近付き触れるなど無礼ではないか！
　彼奴を捕らえて牢に連れて行け！」


「「「ハッ！！」」」
黄色の神殿着？ローブを来た人が命令すると、扉を開けて水色ローブ姿の何人もの人が部屋に入って来て、
私の腕を引っ張りラルクから離すと力尽くで連れて行かれた。


「いやっ！はなして！いたい！ラルク！ラルク～!」


ラルクが何か叫んでいるけど聞こえない、暴れてみたけど私の力では大人の力に敵わないのわ分かっているので、
諦めて素直に従う事にした。


「やっと大人しくなったな、こんなに幼い子でも副神殿長様の命令だ指示が有るまで牢に暫く入っていて貰う」


暫く廊下階段と歩かされて地下にある牢に付いた。


「この者を牢に入れとけと副神殿長様の命令だ、お前！世話は頼んだぞ」


「はい分かりました」
お兄様と同じ位の歳の灰色のローブ着の男の子が返事をした。
ガチャン！と私は牢に入れられ鍵を閉められてしまった。


何か誤解が有るのだと話を聞いてもらわないとと思い私は牢の柵を握り連れて来た人達に叫んだ。
「まって！おねがい！ラルクにあわせて！」


「煩い！大人しくしていろ！頼んだぞ！」


「まってよ～！！」
私は牢の柵をガンガンと叩いたけど、水色ローブ着の人達は去って行ってしまった。


残されたのは私の事を頼まれた男の子しかいなかった。


「ねぇ～ねぇ～おねがいラルクにあわせて、ここからだして！」
私は男の子に柵越しにお願いをした。


「そんな事出来る訳ないだろ、それにラルクって誰だよ」
フンッと腕を組み男の子は私を怒った顔で見てきた。


「ラルクはラルクだよ、ああ～ラルクリムっていえばわかるのかなぁ～？」


「なっ！お前ラルクリム様の事を呼び捨てにするなんて！しかもラルクリム様をラルクって！
　何様だよお前！」


「おまえじゃないもん、アムルだもん！ラルクにいいっていわれたんだもん！あなたこそだれよ！？」
暗いの嫌いだし、寒いし、訳わかんないし、いっぱい歩いたから疲れたし、もう泣きそうです。
まだ中身が大人なので我慢出来てると思うけど、もう目には涙が溜まっています。


「ごめん、ごめん！怒鳴って！泣くなよー」


「ないてないもん、グスッ」
鼻水が少し出ちゃっただけだもん！キッと私は男の子を睨んだ。


「泣いてんじゃん、あぁーはいはい分かった分かった俺が悪かった、
　えーと何だっけ？そうそう俺はジル、ジル・ホープ、ジルで良い、お前はアムルだっけ？」


「そうわたしはアムルリア・テレジョン、アムルでいいの。
　それでなんでわたしはここにいないといけないの？だしてよ～」


「そんなの俺が知るはず無いだろ？」


「じゃあ～なんでジルはここにいるの？おうちにかえらないの？」


「俺は、、、帰りたいけど帰れないんだよ。
　アムルだってその髪の色のせいで神殿に連れてこられたんだろ」


「かみのいろ？わたしはラルク、ラルクリムさまにつれてきてもらったの、
　つれてこられるってなんで？」


「アムルは何も知らないんだな、此処神殿の事を、、、俺が教えてやるよ」


そう言うとジルは話し出した。