異世界では人並みに幸せになれますように

39

段々と寒さが増して来て息も白くなってもう寝掛けた頃になった時、
タッタッタッと足音が聞こえてきた。


私は顔を上げて見て見るとジルが息を荒くして戻ってきた。


ジルが柵越しに私の前にしゃがみ息を整えていた。


「ハァーハァーウッ、、、ハァー道具を探していたら監督人に見つかって色々と用事を頼まれちゃって、
　ごめんアムル遅くなった」


「だいじょうぶだよジル、ジルもほうししていていそがしいのにありがとう」


ジルは来てくれた、、、私はニコッとジルに感謝した。


「ウッ！ああぁー俺は大丈夫大丈夫うん俺はいいんだ気にしないでいいから」


ジルは顔を赤くしながら両手を前に出してブンブン振りながら何か焦っていた。


「どうしたの？だいじょうぶ？」


「大丈夫大丈夫、えっとそれでアムル少し柵から離れていて危ないから、
　これをこうして、、、グッ！ウゥーーーオリャーーー！」


ジルが棒を柵の間に差し込み力を入れてテコの原理で柵と柵の間に隙間を作った。


「フゥーこれ位の隙間を作ればアムルなら小さいから通れるだろ、
　ほら手引っ張ってやるから通ってみろよ」


私はジルが手を柵の中に差し伸ばしてくれたので手を繋ぐとグッッと引っ張られて、
すんなり柵の隙間を通り外に出れた。


「おお～ジルすごい！ありがとう～」
と私は嬉しくてジルに抱きついた、この時ばかりは小さい身体で良かったと思った。


ジルは私に抱きつかれて驚いたみたいで
「わっ！分かったから抱きつくなよ！チョット離れて離れて！」


「あっごめんねうれしくてついだきついちゃった、はしたなかったね、へへっ」


「イヤッまぁー良いけど、ほら手！急いでここを出てラルクリム様の所に行くぞ！」


「うん！」


私がジルの手を掴もうと手を差し伸べた時にいきなり、
ドォーン！ドォーン！と大きな音が鳴り地面が大きく揺れた。


私が転びそうになるとジルが私の身体を抱き締めて支えてくれた。


「何だ！どうしたんだろう！アムル大丈夫か？」


「うん、だいじょうぶジルがささえてくれたから、
　なにがあったのかな？すごいおとと、じめんがすごいゆれたね」
私は何が起きたのか分からなくて怖くなってジルの洋服をギュッと握った。


「少しの揺れや衝撃ではラルクリム様の力で守られているからこの神殿は壊れ無いと思うけど、
　此処は地下だからな、急いで外に出よう、行くよアムル！」


「うん！」
私が返事をすると私の手をジルが握り私は引っ張られる用に私とジルは走り出した。


暫く引っ張られながら廊下階段を走っていると、
ジルと同じローブ姿の人達がバタバタと廊下を走っていた。