異世界では人並みに幸せになれますように

bokutinkei

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77(スクイズ視点)

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「はぁー、、、」
僕は何度めか分からない程に溜息を付いてミントの匂いのするタオルで汗を拭いていた。


アムルには
(ためいきをつくとしあわせがにげちゃうよ)
と言われた事が有るけど、、、溜息がでちゃう。


「はぁー、、、」


「どうされましたかスクイズ様」


剣術の訓練を終えて僕が一息付いていると片付けを終えカイルを見送って来たジョーンが言ってきた。


「そんなに今日の訓練は厳しくした覚えは御座いませんが?」


そう僕もカイルも初めの頃はジョーンの訓練に付いていくのがやっとで、
何度も倒れそうになっていたが、今では体力も尽き付いていけている。


それに僕の年齢に適した強さよりももっと強くなってきている。


それがカイルも一緒というのが少し悔しいが、、、ではなくて。


「僕はこのままアムルと合う時間がなくなりそうで寂しいんだ、
 今迄だったら毎日会う事が出来た、
 でも僕が社交界に出る様になると益々忙しくなる。

 そうすれば今以上に会う事が出来なくなると思うんだ。

 きっとアムルは僕が居なくても大丈夫だと思うけどでも僕はそんなの嫌なんだ」


アムルは歳の割にはしっかりしていて余りワガママも言わない。


何時かは僕の手を離れていくのは解っているけどでも、、、


「はぁー、、、」


「スクイズ様そんな事をお考えでしたか、
 アムルリア様は居なくても大丈夫などどお想いでは無いですよ」


「だって僕だけが寂しがっているみたいじゃ無いか、
 本当の兄じゃ無い僕は居る意味が有るのか、、、」


僕は本当の兄では無いだから、
アムルの本当の兄がして上げていた事をしてあげれて無いのかも知れない。


何時も一緒にいて仲の良かった兄と妹と聞いた、僕は全然いてあげれてない。


「スクイズ様はアムルリア様にとって大切な兄上様ですよ、私が言った事は内緒ですよ」
ジョーンは優しく口に人差し指をそえて言った。


「アムルリア様はスクイズ様をとても大切にお想いです、
 アムルリア様はお歳の割にはワガママを仰らないのはご存知ですよね?」


「うん」
僕はジョーンの話に頷いた。


「アムルリア様はスクイズ様や旦那様、奥様が忙しくしている事はご存知です、
 ですので迷惑を掛けない用にご自分はお1人でも大丈夫と言うのがこの頃の口癖にお成りみたいです。

 ワガママを言ってはいけないと思っておられる。
 
 ですがいざお1人に成られるとお寂しいみたいでお食事も余りお進みに成らないみたいで、
 この頃メリーも使用人皆がご心配しております。
 
 スクイズ様が必要無いので有れば気にせずお1人に成らないのでは?
 気にせずお食事をされるのでは?無いのでしょか?
 上手くは言えませんが必要とされる人には気遣う事何て必要では無いですからね」


「アムルはワガママを言えない、僕や父上、母上が必要?、、、」


「はい、必要とお想い以上に大切にされているという事です。

 スクイズ様は本当も何も充分に頼りになる兄上様ですし少し力を抜いても良い位です。

 今日の夜はご家族一緒にお食事されては如何ですか?

 スクイズ様もそうですけどきっと旦那様も奥様も言うのをお待ちしてると思います」


「良いのかな?」


「はい、子供が大人にワガママを言うのは可愛い者です、過剰なワガママはいけませんが、
 これからスクイズ様は社交の場においでになり人の裏の顔表の顔、良い所悪い所と見る事になるでしょう、
 今の内ですよ子供でいられるのは。

 子供で無くなっても兄、妹は変わりませんご立派な兄に成られて下さい」


僕はずっとアムルの1番の兄でいたい兄以上に、、、アムルの側には僕がいるんだ。


「有難うジョーン」


「出来る男はワガママを好いた者から言われると嬉しい者ですからね、
 それと男は時間が無いと言うのは言い訳です、無いので有れば時間は作れば良いのです」


ジョーンは漢らしく言った、父上のかんろくとは又違うが大人のかんろく、こういう所は騎士だ。


カイルが余裕そうに見えて居たけど違ったんだ。


僕はまだまだかんろくは無いし騎士の用には出来ないけど出来る男になる!
少し気持ちが楽になり、今日はアムルと父上、母上家族で食事をしようと思った。


父上も母上も凄く喜んでくれた、やっぱり家族って良いよね。


でも何で帰ったばかりのカイルが家族の食事の場に居るんだ?
家族?いや!カイルには負けないアムルは僕の家族だ!

 



 
 
 







 




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