異世界では人並みに幸せになれますように

84(セラフィム視点)

女の子を抱っこしながら兄貴を探して居ると、
女の子は目線が高くなって嬉しいのかキョロキョロとして楽しんでいた。


子供は直ぐに他の事に興味を示すからな兄貴を探して居るのを忘れて居るんじゃ無いか？と思ってしまう。


余り考えも無しに探し回っても大公家は広い時間が掛かってしまうと思い、
父さんに聞けばこの子が誰かわかると思い父さんの所に向かう事にした。


大公家に入ると直ぐに父さんの気配を探し直ぐに会えた。


父さんが俺が抱っこしている女の子を見ると直ぐに近づいてきた。


「良かった、アムルリアお嬢様探したのですよ！
　お1人で何処かに行かれてはいけませんと言いましたのに、フゥー、、、」


「イヤ無理だろこんなに小さいんだから言っても聞かないと思うぞ？父さん」


「ああーそれは分かっているんだがね、セラフィム有難うお嬢様を連れて来てくれて」


「お嬢様？」


「セラフィムは怪我をしていたから言ってなかったな、大公家の御息女アムルリア・テレジョン様ですよ」


「えっ御息女って？」


「少し事情がありましてね、だが大公家の御息女様です、スクイズ様の妹ぎみですよ、
　さっお嬢様此方にどうぞ」


父さんがアムルリアお嬢様を俺から抱っこしようとしたがお嬢様が嫌がり俺をギュッと離さなかった。


「おや？お嬢様はセラフィムが気に入った見たいですねフフッ、
　ではセラフィムお嬢様をお部屋にお連れして下さい頼みましたよ」


「えっ俺が？」


「はい、メリーに直ぐに来る用に言いますので待っていて下さい、
　ではお嬢様私は行きますのでセラフィムと一緒にいて下さいませ、セラフィム頼みますね」


「えっあっああー、、、アムルリア様ね、、、」
その後直ぐにメリーが来て一緒にお嬢様をお部屋にお連れした。


それが俺とお嬢様の出会いだったが、、、お嬢様は活発でチョコチョコと歩き回るみたいで皆大変見たいだった。


そしてそんなお嬢様には影で動ける護衛が必要になり俺に懐いている俺が影として担当になった。


表立ってだと意味が無く影で、、、そう大公家にはグレンツェクスドーデ(影の番人)の組織が有り、
俺は正式に大公家に使える事となった。


俺の居場所が出来た、アムルリアお嬢様の影、、、影、、、
俺はどっちかと言うと影の方が良い表は兄貴の方が合っているから。


父さんも母さんも兄貴も喜んでくれた。


兄貴も(お前がいてくれて良かった、頼りにしているぞ)と言ってくれた。


兄貴とはギクシャクしていた時もあったけど今では俺は兄貴を尊敬している大切な家族だ。


兄貴は真面目で少し頑固だけど俺には昔から優しかった。


前に兄貴に聞いた事が有る。


「兄貴さ、俺の事好きじゃ無かっただろ？」


「何を言っているんだ？私はセラフィムの事好きだぞ、
　お前が生まれて父さんや母さんの代わりに私が世話をして食事の世話もして風呂にも一緒に入り、
　一緒に寝てお漏らしをした時も、、、」


「イヤイヤもう良いもう良い、、、」


「そうか？まだまだ有るぞ私がどれほどセラフィムの世話をしたか、私が育てた様な者だぞ？
　好きでは無かったらそんな事しないだろう」


普通に恥ずかしげも無く言ってくる、俺の方が恥ずかしいわっ！


家族、俺の運命を変えて下さったお嬢様、テレジョン家の皆様、同僚、
俺は大切にしていく。


さて今日もお嬢様の影としてお仕えしますか。