俺TUEEE出来るって常識だよね?

チガーイ

文字の大きさ
52 / 96
第二章

ギアさんの部屋へ

しおりを挟む
 スキルのおかげであっという間にサクラビに戻ってこれた。俺の速度に合わせたからユキの体力も余裕だったらしいく、俺が一人で走るのとほぼほぼ変わらなかったと思う。

 途中、野宿をすることもあったが、長時間スキルを使うことにテンションが二人とも上がり、寝ずに走り続ける事もあった。

 これが本当のランナーズハイってやつだ!
 うりりりりー!!
 と考えればそりゃそうなる。

「キモッ!」と言われるだけだ。やれやれだぜ


 そんなこんなで無事にサクラビに到着。
 久しぶりと言うほど時間は経過していないが懐かしいと思うが、早速ギルドへ行かなければならない。そしてすぐに出発しなければ

 流石に泣きながら別れてを告げたベックさんに、会うのとか気まずすぎる。
 せめて一年は立たないと、気持ちの整理がつかんよ。


 ギルドに着き、ギアさんを探すとやっぱり飲んだくれていた。この人本当に変わらないな。

「ギアさん久しぶりです」

「おぉ! どうしたよ、塔は諦めちまったのか?」

 大丈夫。まだ酔ってない。酔ったらこんなにちゃんと喋れないし。

「諦めてませんよ。まだ20階のボスを倒したばかりですけどね」

「この短時間で20階ボスってなると順調じゃねーか! 自慢でもしに来たのか? へっへーい!」

 大丈夫だよな。まだ酔ってないと信じたい。

「いえ、そうではなくて観察・・について、聞けるのがギアさんしかいなくて戻ってきました」

「⋯⋯。ほぅ、早かったな」

 伝わって何よりだ。良かった。酔ってはなかった。

「俺の部屋でゆっくり話そうや。因みにユキは?」

「えぇ、知ってます」

 そう答えるとギアさんは無言で頷き、自分が止まっている宿屋まで歩きだした。

 良かった。ベックさんの宿屋とは逆方向だ。

 初めて人の部屋に入ったけど、宿屋ってどこも似たり寄ったりなんだな。

「まあ、座れよ」

「ありがとうございます」

 ベックさんはベットに座り、俺とユキはイスに座る。
 ってか、ユキにベアさんにあってから挨拶以外一言も喋らないな。
 お前は、初めて親戚のおじさんちに来た子供か?

「んじゃ、早速だが。何を聞きたい?」

 聞きたいことは色々あるけど、これを聞かなきゃ始まらないと思いまずは一番重要な事を聞く事にした。



「ギアさんは【異世界人】なんですか?」

「いや、違うな。まぁお前から見たら異世界人にはなるだろうけどな」

 やはりこの人は俺の存在を、俺が異世界から来たことに気づいてたのか。

「なんで俺が異世界人だと気づいたんですか?」

「何も知らなかったからだ。それはこの世界では異常だ。こんな田舎町ならからかわれて終わりだろうが、ディグナルドのようなデカイ町ではそうはいかない」


 どういうことだ。上級冒険者なら気づくと言うのか?それならこの町にもBランクはいる。
 俺が理解できていないと、見ると続けて説明してくれた。

「言葉足らずだったな。異常だと思うだけのやつもいるが、そうでないやつがデカイ町にはいるって事だ」

「その違いって言うのは?」

「少し話しが長くなるから、今日のところは帰れ。旅で疲れているだろうし。明日の朝また来てくれ。何よりも俺の気持ちの整理をつけたい。悪いな⋯⋯」

「いえ、こっちこそ急に押し掛けてしまいすみません」

 いつも陽気なギアさんの珍しく疲れていた。
 ユキはお人形のように黙ったままだ。。

 挨拶し部屋を後にする。

「お前なんでずっと黙ったまんまなの?」

「いや。普通に話してるヒデさんに驚きですよ。ギアさんって数少ないAランクですよ。緊張しまくりですよ。」

 しまくりとか言うなよ。恥ずかしい!
 上級冒険者と話すのは緊張するものなのか。
 あれか、部活の先輩に話すようなもんかな。

 ここの宿屋にそのまま二部屋を借りて、久しぶりのベッドで寝ることが出来る。寝るのには少し早い気もしたが、疲れから気づいた時には眠りについていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

処理中です...