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第七話 先輩マゾと後輩サドの尽力
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しおりを挟む「高解像度イケメンのケモ画像……シュウちゃんみたいな眼光強めの強面さんになんでこんなランク違い、いや人種違いのイイオトコが惚れたのか……」
「人の恋人の人種変えんなっつの。フンッ、俺にだってどこが好きなんて言ったこたねぇのに、なんで惚れたのかなんか知るかよ」
「あらやだ拗ねちゃって。でもあんなに惚れ込んだイケメンカレシは確かに手放したくないわねぇ……」
くねくねと身悶えるナーコは、再びツンとそっぽを向いた俺にあぁんと気色悪い声をあげる。
カラン、とウイスキーの氷が音をたてた。
「というか彼を逃したらもうこのランクのイイ男なんて、シュウちゃんの手に入らないわよ!? スペシャルスーパーレアなんだからね!? 多少性格に難があろうとモテモテのしごできイケ後輩が意固地で不器用な三十手前のイカつい先輩追いかけてくるクリスマスなんか、今日日月九でも見ない奇跡わ!」
「ゔっ……う、うるせぇ、わかってんだよ」
勢い良く詰め寄られた俺は、言葉に詰まって意気消沈と肩を丸める。
確かに、三初はテレビの中以外じゃそうは見ないイケメンだ。
イケメンの上に手足も長い。
謎に収入も良く、質のいい生活をしているが、浪費はしない。
仕事もできる。
やるじゃなくて、できるだが。
「……うぁぁ……!」
それらを思うとナーコの言うとおり、到底俺の手に収まっているのがおかしな存在に思えてきた。
テーブルに両肘をつき、頭を抱える。
クソ、忌々しい野郎だ。
アイツのステータスやら市場価値やら恋人的魅力度やらのあれそれなんか、俺にはなんの価値もねぇのに、煩わしいったらねぇ。
俺は別に、三初の顔が好きなわけじゃない。
いやまぁ好きか嫌いかでいうと全然好きな系統の顔だが、それは相手が女だった場合の話だ。
男に恋ができるようになった俺でも、普段から男をそういう目で見てはない。見れるようになっただけだからよ。
三初のスタイルも別にどうでもいいし、三初が突然一文無しになっても、理由があれば渋い顔はしない。
職はあるし、問題ねぇだろ。二人くらいなら俺の貯えで当面生きていける。
「寛容ねぇ~。けどシュウちゃんはそうでも、カレシくんのことよく知らない人からすると恋愛的興味を持つきっかけが目白押しのオトコなのよ。シュウちゃんとは逆に中身がどうでもいい人もいるかもしれないでしょ?」
「ぐッ……!」
「人間はみぃんな子孫を残すための本能があるもの~。自分好みの見た目や生存のための資金力、安全に遺伝子を守れる社会的地位、群れの仲間からの評価、その他モロモロ、人それぞれいろんな価値を感じているわ。シュウちゃんがただそれとは別のところに大きな価値を感じているだけな、のっ。ウフ」
「ぐぅ……ッ!」
ツンツンと抱えた頭をつつかれながら正論でぶん殴られた俺は、ぐぅの音という名の唸り声で答えた。
わかっているから、頭を抱えているのだ。
三初がいくら俺のものになってくれると言っても、俺が取り逃がさないように守っても、ハンターは撲滅しない。
既婚者にでもなればいいんだろうが、それは現状難しい。
そう言うと、ナーコはしんみりと目を伏せて、つついていた俺の頭をポンポンとなでた。
「結婚はね、男同士だもんねぇ……」
「あぁ……? 違ぇよ。付き合って四ヶ月ちょいで年下の恋人に婚約とか結婚迫る大人ってのは、なんか気が早ぇだろ」
「え」
「あとプロポーズとか、そういうの痒いんだよ俺ァ……ッ! そりゃ付き合うからには責任取るつもりで付き合ってっけどアイツ口うるせぇし自分ルールだし一方的だし金銭感覚合わねぇし……だから最低一年は理解度深める期間っつか、同棲とかも経てってのが安定だよな?」
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「は?」
ただ常識を言っただけなのに、なぜ話と関係ない反応をされるのか。
意味がわからない俺は首を傾げ、訝しく睨んだ。普通だろ? 今後別れるかもしんねぇし。
ただ今の俺はこれっぽっちも離れたいと思わず、むしろそうなると嫌だから、こうしてゲイバーにまできているのだ。アイツはどうか知らねぇけどよ。
「あ、ちょっと待て」
「なぁに?」
不意に、ブブッ、とマナーモードにしていた俺のスマホが震えた。
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